初心者向けのカラシン入門!飼育難易度低めの5種と失敗しないコツ

投稿日:2025.11.01|
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小型で美しく、群れで泳ぐ姿が魅力的なカラシン(テトラ)の仲間は、アクアリウムの中でもポピュラーな存在です。
水草の間をキラキラと泳ぐ姿はまるで宝石のようで、アクアリウム初心者の方も、その美しさに一目で惹かれることでしょう。
その繊細な見た目から「飼育が難しそう」と感じる方もいますが、水質や環境をしっかり整えてあげればとても飼いやすい魚なのです。
このコラムでは初心者の方に向け、カラシン飼育の基本や飼育しやすいカラシン5種を紹介します。
また、カラシン飼育を失敗しないコツについても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに初心者向けのカラシンと飼育のコツについて解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
たくさんの種類がいるカラシン。その分飼育難度もさまざまですが、難易度が低めで飼いやすいものも多くいます。
アクアリウム初心者の方も、基本的なポイントやコツを守り、カラシン飼育にチャレンジしてみましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、初心者向けのカラシンと飼育のコツについて解説します。
カラシン飼育の基本

カラシンは、南米やアフリカを中心に分布する魚です。世界に1,600種類存在するとされ、アクアリウムではネオンテトラやカージナルテトラなど、小型で美しい種類が人気があります。
熱帯魚用の基本装備である水槽・ヒーター・ろ過フィルター・照明などがあれば十分に飼育できる種類がほとんどです。
水質はpH6.0〜7.0、硬度は軟水〜中硬水(dGH1〜8)程度が目安になります。水温は24〜27℃が適しており、冬場はヒーターで一定の温度を保ちましょう。
水草や流木を配置すると、水質を安定させながら見た目も自然な風景に仕上げられます。とくに流木は水を弱酸性に傾ける作用があり、カラシンの好む環境づくりにぴったりです。
また、カラシンは意外と飛び出し事故が多いため、水槽には必ずフタをしましょう。
餌は小型熱帯魚用のフレークや粒餌、冷凍赤虫など、どれもよく食べます。餌付けに苦労することはほとんどないでしょう。
飼育しやすい!難易度低めのカラシン5種

ここでは、アクアリウム初心者にもおすすめできる、丈夫で飼いやすいカラシンを5種紹介します。
どの種も安価で入手しやすく、群れで泳がせると水槽が一気に華やぎおすすめです。
ネオンテトラ
『ネオンテトラ』は、カラシン入門の定番種です。青と赤のラインが水槽内を鮮やかに彩り、どんなレイアウトにも合います。水草の緑との相性も抜群です。
群れでの行動を好むため、45〜60cm水槽で15〜20匹程度で一緒に飼うと落ち着き、まとまりのある群泳を楽しめます
ネオンテトラは「カラシンの入門種」と言われるほど丈夫ですが、実は水質の急変にはやや弱いので注意しましょう。導入時の水合わせは、時間をかけて丁寧に行うのがポイントです。
また、黒系のソイルを使うと青色がより映え、観賞性が増します。初心者向けとは言われますが、環境を整え、状態が仕上がった個体はかなりの美しさです。
入手しやすく、価格もお手頃なのもメリットでしょう。
カージナルテトラ
『カージナルテトラ』はネオンテトラと比べると、赤い帯が体のほぼ全体に伸びているのが特徴で、サイズも少し大きくより鮮やかです。水草レイアウト水槽に入れると映える魚として人気があります。
飼育のポイントは少し高めの25〜27℃前後を保ち、軟水気味にすることです。導入初期には神経質な様子を見せても、隠れ家が多いレイアウトと落ち着いた水流であればなじみやすくなります。
高輝度のLEDを照射し、黒系のソイルに濃い緑の水草を植えると、赤の発色がより際立つためおすすめです。ネオンテトラ同様、群れで泳がせると魅力を最大限引き出せるでしょう。
こちらのコラムでは、ネオンテトラとカージナルテトラの違いを紹介しています。
レッドファントムテトラ
琥珀色に近い、透け感のある赤が魅力の『レッドファントムテトラ』。オスは黒い背びれが際立ちます。
温和な性格で混泳しやすいため、ほかの小型魚とトラブルを起こすことも少ないです。45〜60cm水槽で10〜15匹ほどで群れを作ると、優雅に泳ぐ姿が見られるでしょう。
レッドファントムテトラは、飼いこむことでその魅力が増します。
導入したての頃は淡い色合いですが、ブラックウォーターのような水質で状態よく飼い続けることで、美しい赤色に染まるのです。色揚げ用の餌を与えるのも効果的でしょう。
魅力を引き出すためには、適した環境を整えるのがポイントになります。やや低め〜中性(6.0〜7.0)のpHで、軟水気味に調整しましょう。流木を入れると自然と適した水質に近づけてくれるため、おすすめです。
レモンテトラ
『レモンテトラ』は、淡い黄色の体色が上品で可愛らしいカラシンです。コンディションがよいと各ヒレが赤く染まり、水草の緑によく映えます。
弱酸性~中性前後の水質を維持し、明るい照明下で育てると、まるで光を反射しているかのように輝きます。
性格は温和で、ネオンテトラやカージナルテトラなど、ほかのカラシンとの混泳にもおすすめです。コリドラスやオトシンクルスなどと組ませれば、上層〜中層の動きが鮮やかに演出できます。
注意点としては、水草の新芽を食べてしまうことがある点です。細くて柔らかい水草は避け、アヌビアスやミクロソリウムなど葉がしっかりとした種類を選ぶとよいでしょう。
コロンビアレッドフィンテトラ
『コロンビアレッドフィンテトラ』は、ここで紹介する中では、やや気が強く難易度高めの魚種です。体長5〜7cmほどで体高もあるため、体長が大き目のカラシンが欲しい時におすすめです。
メタリックブルーの体に赤いヒレが映え、まるで宝石のような存在感があります。
活発で食欲旺盛、泳ぎも力強いため、60cm以上の水槽での飼育が安心です。少数だと縄張り意識が強く出るため、5〜10匹程度の群れで分散させるとよいでしょう。
また、やや攻撃性が強いので、ヒレの長い魚やミナミヌマエビなど小さなエビとの混泳は避けた方が無難です。同等サイズのカラシンやラスボラ、コリドラスなどが向いています。
照明を当てるとブルーが金属のように輝き、群れ全体が光の波のように動いて存在感抜群です。
カラシン飼育を失敗しないコツ

カラシンは丈夫で飼いやすい魚種ですが、飼育上押さえておきたいポイントももちろんあります。
初心者がカラシン飼育を失敗しないためのコツを解説しますので、ぜひ覚えておきましょう。
少数で飼育しない
カラシンは基本的に群れで暮らす魚です。
1〜2匹だけではなかなか落ち着かず、隠れて出てこないこともあります。自然に近い環境で暮らしてもらうためにも、最小でも5匹以上、できれば10匹前後の群れで飼育しましょう。
群れの安心感は健康維持にもつながるようで、ストレスによる色あせや病気のリスクも減ります。数をそろえることが、最も簡単な長生きのコツです。
群れで飼育できるだけのサイズの水槽を用意してあげましょう。
水流は適度な強さにしよう
強すぎる水流は、小型魚であるカラシンにとって負担になります。常に泳ぎ続ける状態だと疲れてしまうため、水面を軽く揺らす程度がベストです。
基本的には、外部フィルターの使用をおすすめします。
パワーのあるフィルターを使う場合は、吐出口をガラス面に向けたり、ディフューザーで拡散させて水流をやわらげましょう。
また、流木や石を配置して流れの緩やかなエリアを作るのもおすすめです。自然なレイアウトを再現しつつ、魚たちが自然に泳ぎ分けるようになるでしょう。
餌の与えすぎに気を付けよう
カラシンは小型の体型に対して大食漢の傾向があり、食べるのも早いです。そのため、つい餌を多く与えがちですが、食べ残しは水質悪化の原因になります。
餌は1分以内で食べきれる量を目安にし、朝夕2回与える程度で十分です。与えすぎると肥満になる点にも注意しましょう。
また、泳ぎが素早いため、中層や低層の生き物に餌が届かない場合があります。
複数の餌を与えたり、餌を数か所から与えたりと工夫して、すべての生き物に餌が行き渡るようにしましょう。
混泳は体長差に注意
温和な性格のカラシンですが、体長差がありすぎる魚種との混泳は避けましょう。混泳魚は、大きくてもグラミーやエンゼルフィッシュ程度までのサイズが無難です。
また、中には成長とともに気が強くなるカラシンもいます。
水槽内でのいじめを防ぐためには、混泳魚種を増やすのがおすすめです。攻撃対象が絞りにくくなり、水槽内のバランスが整いやすいでしょう。
このように、混泳バランスを考えることも水槽全体を安定させる大切なポイントです。
カラシンの混泳については、こちらのコラムも参考にしてください。
まとめ:初心者向けのカラシン入門!飼育難易度低めの5種と失敗しないコツ

初心者向けのカラシンと、飼育のコツについて解説しました。
カラシンは、ネオンテトラやレモンテトラなど初心者の方も扱いやすい種類が多く、水草との相性も抜群です。
「群れで飼う」「水質と温度を安定させる」「餌を控えめにする」といったポイントを押さえれば、長く元気に飼育できるでしょう。また、カラシン本来の美しさを存分に引き出すことにもつながります。
カラシンは、見た目の美しさだけでなく、群れで泳ぐ優雅な姿も大きな魅力です。
青や赤、黄色に輝くカラシンたちが舞う水景を、ぜひ楽しんでみてください。
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