メダカの飼い方

魚が病気になるのはなぜ?魚が病気にならない水槽づくりを考える!

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どんなに細心の注意を払って水槽を管理していても、魚が病気にかかってしまうことがあります。
昨日まで元気だった魚が突然水槽の中で動かなくなっている…そんな光景を目にしたら、飼育方法が悪かったのではないか、治してあげることはできるのかと不安になるものです。

魚が病気になってしまう原因は様々ですが、水質の悪化や急変、ストレスなど、水槽内で何かしら魚に負担を掛けてしまう出来事が起こっていた可能性が考えられます。
魚の病気を防ぎ、健康に飼育を続けるには、やはり水槽環境を清潔に維持することが何より大切です。

この記事では、魚がなぜ病気になるのかを解説します。健康を維持できる水槽づくりのコツや注意点もわかりやすく解説しますので、ぜひご覧ください。

プロアクアリストたちの意見をもとに魚が病気になる理由を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

魚が病気になってしまうのは、運が悪かったわけというわけではなく、水槽環境などに原因がある可能性が高いです。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚が病気になる理由を解説します。

魚が病気になるのはなぜか


魚が病気になるその背景には、水質の悪化やストレス、栄養バランスの乱れなど、水槽環境の異変が潜んでいることが多いです。

ここでは、魚の病気を引き起こす代表的な原因を確認していきましょう。

水槽環境が悪化している

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水中で暮らす魚にとって水は、人間でいうところの空気のような存在です。

人は空気が汚れた環境で長期間生活していると体調を崩してしまいますが、同様に魚も汚れた水の中では、抵抗力が落ちて病気にかかりやすくなりますpHや水温の急変も、大きな負担です。

また、水の汚れの中でも特に注意したいのがアンモニア亜硝酸
これらは魚の排泄物や食べ残しが分解される過程で生じる有害な物質で、アンモニア中毒を始めとした様々な病気を引き起こします

そのまま放置しておくと、病気の原因となる雑菌が繁殖して病気が蔓延しやすくなるほか、免疫力が落ちた魚が水中の常在菌にも感染してしまうなどの悪循環に陥ることも少なくありません。

ストレスがかかっている

魚はストレスに弱い生き物です。
水質の悪化やpH・水温の急変が続くとストレスが蓄積して抵抗力が落ち、結果的に病気にかかりやすくなります

また水質の問題以外にも、大きな音や振動が繰り返される、照明が明るすぎる、照明時間が長すぎるなど水槽周辺の環境が不安定なのもよくありません。
さらに言えば、頻繁にレイアウトを変えたり、他の魚を追加したりすることもストレスです。

何気なく行う行動が、魚たちにとって大きなストレスとなる可能性があることを意識して、お世話をしましょう。

餌の与えすぎ

魚を可愛がるあまり、つい餌を多く与えてしまう方も多いでしょう。しかし、餌の与えすぎは良くありません
魚が餌を食べ過ぎると肥満や消化不良を起こして、体調に悪影響です。

また、食べきれなかった餌が長時間水中に残ると、有機物が溶けだして水質を悪化させることもあるでしょう。
餌の量が多ければ当然排泄物も増えるため、これも水を汚す原因となります。

フンや餌の食べ残しは、放っておくと菌類の餌になって増殖を招いてしまうため、気づいたときに取り除くか、定期的に底砂掃除をして清潔に保ちましょう

そもそも魚は1週間程度であれば餌を食べなくても平気な生き物です。種類にもよりますが、2~3分で食べきれる量を目安に与えて様子を見てください。
足りないと感じるのであれば、一度に大量に与えるよりも、複数回に分けるのがおすすめです。

魚が病気にならない水槽づくり


魚の健康を守るためには、日々の管理が大切です。

ここでは、誰でも実践できる魚が病気になりにくい水槽づくりのポイントをご紹介します。

照明時間でメリハリをつける

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魚は水中に差し込む光の加減で昼夜を感じ取り、バイオリズムを整えています。体内時計が正常に働けば免疫機能が向上し、健康状態も良くなるでしょう。

水槽では、照明の照射時間を管理して昼夜のメリハリをつけてあげると、健康的に飼育ができます。
一般的な熱帯魚の場合、朝~昼にかけて1日8時間程度の照明が目安です。タイマーを使ってON・OFFを自動化すれば、安定した生活サイクルを維持できます。

またこのとき注意したいのが、リビングなど人間が生活する部屋に水槽を設置している場合。
水槽の照明を落とした後も部屋の明かりが水槽に当たってしまうと、消灯していることにならず、バイオリズムが乱れる原因となります

照明時間が長すぎると、魚が病気にかかりやすくなったりコケが繁茂しやすくなったりなどの影響が出るため、消灯後の水槽に覆いをするなどして、光が入らないような工夫をすると良いです。

水換えをこまめに行う

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水槽管理の基本である水換えは、病気の予防対策としても非常に有効です。

水中に蓄積するアンモニアや亜硝酸、硝酸塩などの物質を排出し、新鮮な水を補給することで魚が健康に暮らせる環境が整います。
水換えと一緒にクリーナーポンプを使って底砂の汚れを吸い出すとより効果的です。

水槽の大きさや魚の飼育数にもよりますが、基本的には1~2週間に一度、全体の1/3程度を目安に換水を行います。
金魚、ベタ、錦鯉などは新しい水への適応力が高いので、もう少し頻度を上げても大丈夫です。

また、水質や魚に以上がみられるときは1/5~1/3程度の少ない水量を毎日交換するのもおすすめの水換え法です。
水換えの際は、必ずカルキ抜き剤を使用し、飼育水と新しい水の水温を合わせてから注ぐことを意識しましょう。水温差をなくすことで、水換えによる魚のストレスを軽減できます。

数ヶ月に一度はろ過フィルターをメンテナンスする

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水槽ろ過の心臓部となるろ過フィルターですが、フィルター内の汚れを放置していると、水質汚染の原因となるため注意が必要です。

フィルタ―が汚れで目詰まりすると酸素が全体に行き渡らなくなり、生物ろ過に欠かせないバクテリア減少します。酸欠の環境では、雑菌や病原菌などの嫌気バクテリアが繁殖して、病気が発生しやすくなることがあるのです。

フィルターのメンテナスは種類や状況にもよりますが、1~3ヶ月に1回が目安

ろ材やフィルターの洗浄は、バクテリアへのダメージを最小限に抑えるため、飼育水を使ってすすぎ洗いをする程度に留めます
材の形が崩れてきていたり、pH調整などの効果が薄れてきたりしているときは交換の時期です。
ろ材は一度にすべてを交換するとバクテリアが激減して水質に影響が出るため、古いものを少し残しておくことをおすすめします。

病気が発生しやすいタイミング


しっかりと管理していても、魚が病気になりやすくなるタイミングがあります。

ここでは、注意が必要な3つのシーンをご紹介します。

新魚を導入した

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新しい魚を迎えた直後は、水質やバクテリアのバランスが崩れやすいです。

魚の数が増えれば当然、餌や排泄物の量も増えるため、以前よりも水が汚れるペースが速まります。特に水質が安定していない立ち上げから間もないタイミングは、急変しやすいので注意しましょう。

新しい魚を導入してから一週間程度は、2日に1回程度に水換えの頻度を増やして様子を見るのがおすすめです。

また、新規に導入した魚は、外部から病原菌や寄生虫を持ち込むことがあります。
可能であれば別の水槽でトリートメント期間を設けて、問題がないことを確認してから本水槽に導入しましょう。少し手間ですが、既存の他の魚への感染を防ぐ大切な作業です。

新しい添加剤を使用した

カルキ抜き剤、バクテリア剤、pH調整剤など水槽に良い効果をもたらす添加剤ですが、使い方を誤ると逆効果になる危険があります。

基本的に規定量であれば問題ありませんが、量が多すぎると水質が不安定になってしまう可能性が高いです。
万が一入れすぎた場合は、早急に水換えをして効果を薄める措置を取りましょう。

また、水質が安定している水槽に新しい添加剤を入れると、一時的にバランスが崩れることがあります。
添加剤を投入した後に白濁りなどの水の異常が見られた場合も、水換えを行い数日様子を見ましょう。

水温が不安定・急に下がった

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水温の変化は魚の免疫力に直結します

特に冬や春先は昼夜の温度差が大きく、水温が頻繁に乱高下するとストレスが溜まって免疫力が低下し、病気にかかりやすくなるでしょう。
1日の間で変化する水温差の理想は±1〜2℃以内です。水槽用ヒーターはもちろん、断熱材やエアコンなどを活用して水温を安定させます。
また、水換えの時に注ぐ新しい水は、水槽の水と水温を合わせてから使用することも忘れずに実施してください。

一方夏場の高水温時は、無理に冷やすよりもエアレーションで酸素供給を優先した方が良い場合があります。

いずれにしても、慌てて温める、冷やすのは魚に大きな負担を掛けるため、水温管理は慎重に行いましょう

まとめ:魚が病気になるのはなぜ?魚が病気にならない水槽ずくりを考える!


魚がなぜ病気になるのかを解説しました。
魚の病気が発生する原因の多くは、水槽環境にあります。
水質や水温を安定させてストレスを軽減できれば、おのずと病気が発生しづらい環境を整えられるでしょう。

魚の健康を維持するポイントは以下の通りです。

  • 水質・水温を安定させる
  • 餌は控えめにし、食べ残しを残さない
  • 照明時間をコントロールする
  • 定期的な水換えとフィルター掃除を行う
  • 新魚や新しい添加剤を使う場合は注意する

また、魚の病気をいち早く察知するには日々の観察が欠かせません。泳ぎ方、ヒレの動き、食欲などをよく見て、小さな違和感を放置しないことが大切です。
万が一病気になっても、すぐに対処すれば治すことができます

魚の健康は、適切な環境維持と観察が大切です。少しでも長生きするように、この記事を参考に水槽環境を整えてみてください

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執筆者 のべじ

幼少の頃より生き物が大好きです。身近な川魚から熱帯魚、両生・爬虫類までさまざまな生き物を飼育してきました。大学で海洋生物学を学び、水族館で働いた経験も併せて、アクアリウムが楽しくなるようなコラムを紹介していきます

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