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水槽の水流とは!水流の役割りと効果・適切な作り方を考える

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ろ過フィルターから発生する水流は、実は水槽を美しく維持するために欠かせない要素です。

水流があることで水槽の中をろ過されたきれいな水が循環しますし、酸素を行き渡らせるバクテリアを活性化するなどの意味でも水流はとても有効です。

また、魚にはそれぞれ好みな水流の強さがあり、性質に合わない強さの水流だと体調を崩してしまうこともあります。
生き物の健康を守るためにも、水流を上手に調節して健全な水槽を維持しましょう。

今回のコラムでは、水槽の水流について解説します。水槽内での水流の役割と効果、そして各生体に合わせた水流の作り方もご紹介しますので、ぜひご覧ください。

プロアクアリストたちの意見をもとに水流の役割と作り方を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

水槽の水流は弱すぎても強すぎてもいけません。水槽の大きさや生き物に合った水流にすることで、健康で美しいアクアリウムを維持することができます。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水流の役割と作り方を解説します。

水槽の水流とは


水槽の水流とは、水槽内に発生する水の流れのことです。

基本的にはろ過フィルターで起こすものですが、ビオトープなどのフィルターを設置しない飼育スタイルでは、水中ポンプを使うことで水流を作ることができます。
あまり、意識することはないかもしれませんが、この水流は水槽内の環境や生き物の健康に密接に関わる重要な要素の一つです。

ここでは、水流の必要性や水流の起こし方を解説します。

水流の必要性

水槽に水流が必要な理由は主に以下の2つです。

  • 飼育水を綺麗に保つため
  • 生体の健康を守るため

ろ過フィルターなどから発生した水流は、水槽内にろ過したきれいな水を循環させます
酸素を多く含んだ新鮮な水はバクテリアを活性化させますし、水槽全体の酸欠防止にも最適です。

レイアウトなどの影になって水流が届かない場所を淀みと呼びますが、淀みには汚れが溜まりやすく病気の原因となる菌の温床になることも。そのため、水流がしっかり水槽全体を循環するよう調整することで、病気の予防にもなります

また、魚達にも水流が必要で、水流に負けないよう適度に泳ぐことで、生体の代謝を高め健康的に飼育できるようになります。ただ、生体には好みの水流があり、強すぎると体力を消耗してしまいますし、少なすぎると運動不足からストレスがたまることもあるので、適度な水流になるよう調節してあげることが大切です。

水流を起こす方法

水槽内に水流を起こすには、

  • ろ過フィルターを設置する
  • 水流ポンプを使う
  • エアレーションをする

の3つの方法があります。

どれか一つでも水流を作ることができますし、組み合わせて好みの水流に調整することも可能です
飼育環境や生体に合わせて選びましょう。

ろ過フィルターを設置する

テトラ (Tetra) インターナルパワーフィルターIN-60 水中フィルター 水流 アクアリウム 熱帯魚 メダカ 金魚

ろ過フィルターを稼働すれば自動的に水流が発生します。フィルターの種類により水流の強さや流れの出方が異なりますが、大抵の場合はこの水流を上手に活用するのが基本です。

一般的にはスポンジフィルターや投げ込み式フィルター、底面式フィルターは水流が穏やか、上部式フィルターや外掛け式フィルターは上から水が流れ込むため排水口付近は流れが強くなりやすいと言われていますので、飼育している生体に合わせてフィルターを選びましょう

外部式フィルターは、水流の強さを調整しやすいフィルターですので、大抵の生体に使用できます。

最後にオーバーフロー式についてです。
オーバーフロー式ろ過の場合水流の強さは、設置するポンプの回転数によって変わります。

流量=(水量×希望回転数)÷60

で回転数(水が1時間に回るスピード)を割り出せますので、参考にしてみてください。ちなみに、一般的な海水魚水槽ならばおおよそ6~7回転が目安です。

水流ポンプを使う

hygger ウェーブポンプ 水流ポンプ 水中ポンプ 水槽ポンプ アクアリウム 回転式 水槽循環ポンプ 強力 安定 波メーカー マグネット吸盤 淡水・海水 水族館/水槽/家庭魚屋/養魚場 サンゴ/熱帯魚/溪流魚

ろ過フィルターから発生する水流だけでは、水槽全体に水を循環させることができないと感じたときは、水流ポンプを併用するのがおすすめです。

ろ過装置から発生する水の流れは一方向のため、排水口の対角線上やレイアウトの影などに淀みができやすくなります。
そのようなときに水流ポンプを使うと、水槽の隅々まで水流を届けることが可能です。

また、サンゴなど複雑な水流を好む生体の場合は、メインの水流にサブの水流をぶつけることで、ランダムな水流が作れます

最近では、吐出口が回転する水流ポンプも多いです。そういった水流ポンプを使用すると、より複雑な水流を作れるので、使用してみてはいかがでしょうか。

エアレーションする

GEX AIR PUMP e‐AIR 6000WB 吐出口数2口 水深50cm以下・幅120cm水槽以下 静音エアーポンプ

ろ過フィルターやポンプよりも威力は弱いですが、エアレーションをするだけでも水流が生まれます
目に見えて大きな流れではありませんが、それでもしっかりと水は動くので、水質の悪化を遅らせるなどの効果は確かです。

エアレーションによる微弱な水流は、生き物に負担を掛けることがないため、体力のない稚魚や治療中の生体にも使用できます。
一時的な隔離水槽など、大掛かりな設備を用意しづらい環境にも設置できるので、用意しておいて損はないでしょう。

飼育生体に合わせた水流の作り方


最適な水流は、飼育する生き物によって異なります

状態よく飼育するためには、まずは飼育する生き物の生息環境や習性を理解することが大切です。

今回は、淡水魚・海水魚・サンゴ・日本淡水魚の4タイプについて、それぞれの環境に合った水流の作り方をご紹介します。

淡水魚水槽


淡水魚は飼育する品種によって、水流の強さを調整することが大切です。
水流の強さには比較的適応力がある種類が多いですが、川の本流に生息するものと、止水域に生息する魚では、好む水流の強さが違いますので、飼育生体の好みの水流を確認しましょう。

特に、小型のテトラ類やヒレが大きな改良品種などは、強い水流が苦手なものも多いです。水流が強すぎる場合は、ポンプをワンランク下げる 、吐出口の向きを変えるなどして調整してください。

また、水槽という限られた空間の中では酸素供給や水質維持に水流が不可欠ですので、ベタのような止水域に生息する魚であっても、適度な水流が必要です。

穏やかな水流を起こすには、スポンジフィルターや投げ込み式フィルターなどのエアーポンプに接続して使うエアーリフト式のろ過フィルターがおすすめで、小型水槽で水流が強くなりすぎるときにもエアーリフト式が重宝します。

海水魚水槽


海水魚飼育では、淡水魚以上に水流が必要不可欠です
そもそも、自然の海の中は常に波があり、流れの無い場所はほとんどありません。そのため水槽の中でも、適度に水流を起こして自然に近い環境を作り出してあげることが上手に飼育するポイントです。

餌食いが悪いと感じる魚がいる場合は、自然環境下と同様に餌を水流に乗せて流すことで餌付けに繋がります。水流に作ってしっかり泳がせることで、程よい運動になり餌の食べがよくなり、健康な個体に育ちやすいです。

もちろん、底生性の魚や岩陰に潜む魚など泳ぎな苦手な魚もいますので、それらを飼育する際は、水流が弱く当たる部分を作って休憩場所を確保してあげてください。

また海水魚水槽では、ライブロックを複雑に組んでレイアウトすることが多いですが、この時、ライブロックの隙間に止水域ができてゴミが溜まりやすいです。
レイアウトの隙間や影ができるようなときは、水流ポンプを併用して水槽の隅々まで水流が行き渡るように調整しましょう。

サンゴ水槽


海水魚と同様にサンゴも水流がある場所を好みます。適度な水流が無いと弱ってしまうこともあるため、注意してください。

自然環境下ではサンゴは複雑な水流が起きやすい場所に生息するため、水槽内でもろ過フィルターと水流ポンプを使ってランダムな水流が発生するようにすると、サンゴに水流が当たり過ぎるのを防ぐことができて、健康に育成しやすくなります。複雑な水流は、サンゴにたまるデトリタス(ゴミ)やコケを吹き飛ばす効果も期待できるため一石二鳥です。

具体的には、一方向からの水流だけでなく、ランダムかつ太い水流(うねり)を作るのがポイントです。
可能であれば複数の水流ポンプを水流コントローラーで制御するとより効果が上がります。

日本淡水魚水槽


日本淡水魚の水槽では、川の環境を再現するために、比較的強めの水流が必要になることが多いです。

特に川の上~中流域に生息するオイカワやカワムツ、渓流魚を飼育する場合は強めに調整しましょう。

川の流れを再現するため水流の向きは一方向からのみです。水流ポンプを併用する場合は、ろ過フィルターからの水流と同じ方向に設置してください。
また、吐出口にディフューザーを接続すると、水流を強めると共に、空気を巻き込んでより自然に近い水流を作ることができます。

一方で、川の下流域や用水路などに生息するフナやドジョウ、また底生性のヨシノボリなどは、強い水流は必要ありません。ろ過フィルターだけで十分なことも多いです。
日本淡水魚は生息域をイメージしやすいので、水流の再現もしやすいのではないでしょうか。

まとめ:水槽の水流とは!水流の役割りと効果・適切な作り方を考える


今回は、水槽内に発生する水流の必要性と、適切な水流の作り方について解説しました。

魚を飼育する際、水温やpHと共に、水流を意識することはとても大切です。
強さや、水槽全体を巡っているかなど、水流が飼育水や魚の健康に及ぼす影響はとても大きなものなので、今一度適切な状態になっているかを確認してみましょう。

水槽全体をくまなく水が循環することで、汚れや病気の原因菌が蓄積する淀みを改善することができます。
魚種に合わせた水流の強さは、その魚の生息域の環境をイメージすると掴みやすいです。

この記事を参考に、ぜひ意識して水流を作ってみてください。

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執筆者 アクアガーデン

アクアガーデンのスタッフが水槽レンタル・リース、メンテナンス、引っ越しサービスなど様々なサービスを通して得たアクアリウムの経験や知識をコラムで発信しています。

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