プロが教える、プラティの飼育方法!種類や繁殖、混泳も解説!
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プラティは中米が原産の熱帯魚で、古くから観賞魚として親しまれてきました。熱帯魚ショップなどでは卵胎生メダカと呼ばれることもありますが、プラティはカダヤシ目に、日本のメダカはダツ目に分類されているので、種としては遠縁です。
水質の管理に神経質にならなくて良いことから飼育しやすく、繁殖もさせやすいのでグッピーなどと並び、アクアリウムの入門に最適の魚種です。ここでは、プラティの種類や基本的な飼育法、繁殖法について解説いたします。
目次
動画で解説!音声で学べるプラティの飼育方法
公式Youtubeチャンネル「トロピカチャンネル 」では、プラティの育て方や種類、繁殖や混泳についての情報を動画でご紹介しています。
移動中や休憩時間など、ちょっとした時間でプラティの飼い方がわかります。
プラティの他にもメダカや金魚など様々な魚の紹介・解説動画を配信していますのでお楽しみください。
プラティとはどんな魚か?
特徴
プラティはカダヤシ目カダヤシ科に属する淡水魚の1種です。メキシコやグアテマラ、ホンジュラスなどの中米が原産で、流れが穏やかな淡水域に生息しています。
正式な和名は「サザンプラティフィッシュ」あるいは「ムーンフィッシュ」といいますが、略称の「プラティ」が定着して親しまれています。
体長は雌雄で差があり、オスは4~5cmほど、メスで5~6cm程度です。体高が高くてしっかりとした体形をしており、卵胎生と呼ばれる稚魚を出産する繁殖形態を持ちます。
食性は何でも口にする雑食性ですが、植物質のものを好む傾向にあります。寿命は1年程度と短いですが、オスとメスのペアが居れば勝手に増えていくほど繁殖力が強いので、増やしすぎに注意が必要です。
種類
プラティは古くから観賞魚として親しまれており、今日までに様々な改良品種が作出されています。ここでは、現在流通している主な品種をご紹介します。
レッド・プラティ
プラティとしてはオーソドックスな改良品種で、全身が赤色に染まります。個体によっては成長と共に、尾ビレの付け根部分に黒斑が出る場合もあります。
ブルー・ミッキーマウスプラティ
ブルー系のミッキーマウスプラティです。ミッキーマウスプラティとは、尾ビレの付け根部分に出る模様がミッキーマウスに似ている品種を指します。全身の淡い青色と可愛らしい模様が人気の品種です。
サンセット・プラティ
昔から知られている品種で、体の前方がオレンジ色をしており、中ほどから赤色に変わります。オレンジと赤色のグラデーションが日没を想起させる美しい品種です。
ゴールデンパンダ・プラティ
金色の体色を基調に、頭の方を中心に黒い模様が出る品種です。パンダを想起させるユニークな柄のプラティです。
昭和・プラティ
赤・白・黒の発色が美しい品種です。その色彩は錦鯉の「昭和三色」という品種を連想させます。
レッドワグ・プラティ
レッド系のワグプラティで、古くから知られている代表的な品種の1つです。ワグタイプとは口先と各ヒレが黒色に染まる品種を指します。
ハイフィンレッドバック・ミッキーマウスプラティ
比較的新しい品種で白色の体色を基調に、エラ蓋と背ビレの付け根部分が赤色に染まります。また、尾ビレの付け根部分には特徴的な模様が入り、背ビレが伸長します。
ヘルメット・プラティ
頭部以外のほぼ全身が黒色に染まる品種です。
あたかもヘルメットを被っているような柄をしており、黒色の部分は個体によって青く輝くうろこが出る場合もあります。
プラティの飼育法
水温・水質
プラティの飼育ができる水温の範囲は20~28℃ですが、低温では白点病が出やすくなるので、年間を通して25℃前後に保った方が良いでしょう。夏と冬はそれぞれ温調機器を用意して保温してください。
水質に関してはそれほど厳密に管理しなくても大丈夫ですが、プラティはpH7.0~8.0の中性~弱アルカリ性を好みます。他の熱帯魚や水草は弱酸性を好む種類が多いので、混泳させたい場合は中性付近を保つと良いでしょう。
水槽・フィルター
プラティは小型なので、プラティのみを数匹飼育するのであれば、30cmクラスの水槽でも飼育できます。しかし、小型の水槽では水量が少ないため、水温と水質の管理が難しくなる傾向にあります。可能であれば、60cmクラスの水槽での飼育をおすすめします。
フィルターは小型水槽であれば、外掛け式や投げ込み式を、60cm以上の水槽ならば上部式や外部式が良いでしょう。水草と混泳させたい場合は、水草の成長に必要なCO2を逃がしにくい外部式がおすすめです。
エサ
プラティは何でも食べる雑食性です。エサは人工飼料を中心に、たまにブラインシュリンプなどの生餌を与えてあげると良いでしょう。プラティは水面近くを遊泳する小型魚なので、人工飼料は浮上性で粒が小さいものを選択してください。
与え方は1日に1~2回、2~3分以内に食べきれるだけの量を与えます。食べ残しが生じると水質の悪化が早くなるので、残したエサは可能な限り除去してください。
混泳について
熱帯魚との混泳
プラティの混泳相性はおおむね良好なので、プラティを攻撃してこない同じくらいの大きさの魚種であれば、色々な魚と混泳が可能です。例えば、グッピーやカラシン、オトシンやコリドラス、ローチに小型のプレコなどが挙げられます。
しかし、グッピーなどと比較すると気性の荒い個体が散見され、特に同種同士で喧嘩することがあります。喧嘩をしても小競り合い程度で大事には至らないことがほとんどですが、頻発するようでしたら隔離したり、水草などで隠れられる場所を作るなどの対応をしてください。
水草との混泳
プラティは水草と混泳させやすい魚種ですが、水草の種類は選ぶ必要があります。まず、先に述べたようにプラティは植物質のものを好んで食べるので、マツモやアナカリス(オオカナダモ)といった葉が柔らかい種類は、食害を受ける場合があります。
また、プラティに適した環境を作ることを考えると、CO2の添加やソイルの導入は避けた方が良いです。以上のことから、プラティと相性が良い水草は、CO2の添加なしに育つ、ある程度は葉が硬い種類といえます。候補としては、アヌビアスナナやウィローモス、ミクロソリウムなどが挙げられます。
繁殖方法
雌雄の見分け方
繁殖させるためにはオスとメスを同じ水槽に入れなければなりませんが、プラティの雌雄の見分け方は簡単です。オスは尻ビレに「ゴノポディウム」と呼ばれる交接器官を持っているので、それの有無で見分けます。
出産まで
水槽内に複数のオスとメスを入れ、プラティの飼育に適した水温と水質を保っていれば自然と繁殖します。メスは交尾後、1カ月程度で稚魚を出産します。メスの腹部が膨張し、底の方でじっとしている時間が長いなど、いつもと違う様子を見せたら出産が近い証しです。
稚魚は親魚などに見つかると食べられてしまうので、出産が近いメスを市販の産卵ケースに移動させたり、別の水槽に隔離することで保護すると良いでしょう。また、水草をたくさん植えて、稚魚が隠れられる場所を作ることでも保護できます。
稚魚の世話
一般的な卵生の魚種と比較して、プラティの稚魚は大きくて誕生直後からエサを食べられます。稚魚の頃は成長のために栄養がたくさん必要なので、1日に複数回に分けてエサを与えてください。
エサは食べやすいように成魚用の人工飼料を小さくすり潰したものや、ブラインシュリンプを与えると良いでしょう。特に生餌は栄養価が高いので稚魚の成長を促進できます。
繁殖の注意点
プラティは近縁種であるソードテールやバリアタスなどとは簡単に交雑することが知られています。交雑することを望まないのであれば、これらの魚種との混泳は避けてください。
また、プラティは1回の交尾で数回の出産が可能で、卵胎生の特性から稚魚の生残率が高いこともあり、繁殖力が非常に高いです。そのため、増えすぎて困るケースに陥る方も散見されるので、繁殖はきちんと管理したうえで行ってください。
まとめ・プラティの飼育方法について
プラティは水質の変化に強く丈夫なため飼育しやすく、初心者にもおすすめの熱帯魚です。また、品種改良も盛んで、見ごたえのある様々な品種が流通しており、プラティのみを群永させるだけでも非常に鑑賞性の高いアクアリウムに仕上がります。
繁殖も非常に容易で、掛け合わせによる色彩や模様の変化を楽しむ愛好家も存在し、奥深さも兼ね備えている熱帯魚と言えるでしょう。
しかし、繁殖力が強すぎるがゆえに、増えすぎて困る事態に陥る方も散見されます。また、望まぬ交雑を招きやすい魚種でもあるので、繁殖に挑戦する際は注意して行ってください。
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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
グッピーとは交雑しないんじゃないですか?
コメントありがとうございます。
プラティなど卵胎生メダカ同士は交雑しやすい、という内容表記に不備がありました。
該当箇所は修正いたしましたので、何卒よろしくお願い申し上げます。
メダカとの混泳は可能でしょうか
プラティとメダカは混泳可能です。
どちらも繁殖しやすい魚なので、稚魚などは適宜保護しましょう。
こちらのコラムもご参照ください。
・卵胎生メダカとは!グッピー、プラティなどの繁殖しやすい魚種と注意点
https://t-aquagarden.com/column/ovoviviparous
よろしくお願いいたします。
プラティは繁殖力が強すぎるがゆえ、増えすぎて困るケースが見られるとあります。
この増えすぎて困るケースというのは、稚魚の保護等を行わず、カラシン等混泳できる魚と一緒に
通常の飼育をしている場合でも生じうるのでしょうか?
つまり、水槽が一つしかなく、増えすぎた場合にきちんと対処できる伝手等がない場合は
(間引き等を行うのでない限り)基本的に飼うべきではない、という理解でよろしいですか?
それとも、通常の飼育かつ他の魚との混泳であれば、(多少増えたり減ったりはあっても)
そこまで問題になることはほぼない、と考えても大丈夫でしょうか?
すいませんがアドバイスよろしくお願いいたします。
混泳している場合でも、いつの間にか稚魚が増えていることがあります。
プラティの成魚をたくさん導入した場合には、想定以上の稚魚が生まれることがあるため、こうした表記になっています。
しかし、基本的には他の魚たちの中で淘汰され、自然と適正数になることが多いため、問題は生じにくいです。
プラティはあくまで、過密にならない匹数を導入するようにすれば大丈夫です。
過密飼育については、こちらのコラムをご参照ください。
・過密飼育に注意!熱帯魚を水槽に入れすぎていませんか?最適な匹数とは
https://t-aquagarden.com/column/over_breeding
よろしくお願いいたします。