熱帯魚の飼い方

エビやカニに魚病薬は使えない?理由と使える薬、病気対策を紹介します

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アクアリウムでは熱帯魚や海水魚のタンクメイトとして導入されることが多い、エビ類カニ類ですが、時折魚と同じように扱って良いものか迷う場面が出てくることがあります。

代表的な例では、水槽内で病気が発生した時の魚病薬の扱いについてです。
魚の治療で広く使われる魚病薬は、体が小さく薬物に敏感なエビやカニにとっては大きな負担になる可能性があり、使用には細心の注意を払わなければなりません。

可能な限り薬浴中はエビ・カニを隔離する、といった別対応が必要になることもあるでしょう。

そこでこの記事では、エビやカニを飼育する水槽で魚病薬使う時の注意点を解説します。
使える薬と使えない薬や、病気を未然に防ぐための対策もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

プロアクアリストたちの意見をもとにエビ・カニに魚病薬が使えない理由を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

魚の治療に高い効果を発揮する魚病薬も、体の作りや薬への反応が異なる甲殻類には大きな負担になる可能性があります。
リスクを伴うことを知ったうえで使用を検討しましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、エビ・カニに魚病薬が使えない理由を解説します。

エビやカニに魚病薬は使えない?


甲殻類は魚類に比べて薬物への耐性が弱く、治療薬でもダメージを受けてしまうことがあるため、薬浴は避けたほうが良いというのが通説です

しかし、混泳水槽では魚の治療のためやむを得ず薬を使わなければならないこともあるでしょう。
実は、同じ甲殻類でもエビとカニでは薬への反応が異なるため、薬の種類や品種によっては薬の濃度を薄めるといった対策を行うことで薬浴できる可能性があります。

エビは一部の薬なら使用できることがある

エビ類の場合、種類や飼育環境によっては一部の魚病薬を使うことが可能です

実際、ミナミヌマエビやヤマトヌマエビなどの比較的丈夫とされる種類では、魚と同居させたまま通常よりも薬の濃度を薄めて治療を行ったという話を耳にします。
ただし、これはあくまで例外的なケースで、すべての環境で上手くいくというわけではありません

ビーシュリンプのように水質や成分変化に敏感な種類の場合は、ごく薄い濃度でも弱ってしまう可能性が高いでしょう。どうしても魚病薬を使う場合は、規定量より少なめから始め、投薬中はエビの動きをよく観察してください
元気がなくなる、横倒しになるなどの異変があれば、すぐに換水して薬の成分を薄めます

それでも異変が続くようならば、エビを別水槽に隔離するといった方法に切り替えてください。
また、薬に頼る前に水質や飼育環境を見直すことも大切です。

カニに魚病薬は厳禁

外骨格を持つ無脊椎動物であるカニ類はエビ以上に薬品に弱く、銅イオンなどの金属成分や強い薬剤に非常に敏感に反応します
少量の魚病薬でも弱ってしまうため、カニのいる水槽で薬浴するのは止めましょう

混泳水槽で治療を行いたいときは、カニを別容器に避難させてから行うと安全です。

また、もしカニが体調を崩したときは、薬に頼らず、水質や温度、餌などの飼育環境を見直すことで回復を促します。水質の急変やストレスの要因が無いかを確認し、環境改善に取り組みましょう。

エビに使える魚病薬


甲殻類の中では比較的薬に耐性があるエビ類ですが、どんな薬でも使用できるわけではありません
市販されている魚病薬の中でもエビ水槽に使えるのはほんの一部に限られます。

ここでは、エビにも使用できる魚病薬をご紹介します。

一点注意していただきたいのが、ここでご紹介する薬も”確実に使える”というよりは、”細心の注意を払って使われた例がある”というレベルであるということ。
安全が保証されるわけではありませんので、治療後は活性炭などを使い、薬の成分を吸着するようにしてください

メーカーが推奨する使用法とは異なるため、基本的には自己責任になることを理解して行いましょう。

ヒコサンZ

動物用医薬品 キンコウ物産 マラカイトグリーン液 ヒコサンZ 80ml

ヒコサンZ』は、白点病や細菌性の感染症などの幅広い病気に用いられる魚病薬です。
水草への影響が少ない優しい薬であることから、ミナミヌマエビやヤマトヌマエビなど丈夫なエビがいる混泳水槽で使われた例があります。

ただ、やはり薬の濃度が高いと動きが鈍くなったり脱皮不全になったりなどのトラブルに繋がる可能性があるため、使用するときは規定よりも成分を薄めて投薬してください。
また、薬浴中はエビの行動や体色をよく観察し、異常が見られればすぐに換水し薬を薄めるなどの対応が必要です。

アグテン、アグテンパウダー

【動物用医薬品】ニチドウ マラカイトグリーン水溶液 アグテン 250m

アグテン』は主に白点病などの寄生虫由来の病気治療に用いられる薬です。
こちらも水草水槽で使用例の多い薬で、エビを入れたまま治療を進めているケースが見られます。

ただし、ビーシュリンプなどのデリケートなエビを飼育していると、濃度をいくら薄めても悪影響が出る可能性が高いです。薬剤の影響はもちろん、治療中は水質がアルカリ性に傾きやすくなるなどの環境変化が起こることがあるため、水質に敏感なエビは耐えられず体調を崩してしまいます。

使用する際は必ず少量から試し、水質とエビの様子をよく確認しながら治療を進めましょう

観パラD

日本動物薬品 観パラD 10mL 動物用医薬品

観パラD』は、寄生虫や細菌性の病気に使われる魚病薬ですが、比較的薬効が強めのため、これまでご紹介した薬に比べてエビへの負担が大きい傾向があります。
特に水質をアルカリ側に傾ける作用がある点がネックで、弱酸性を好むビーシュリンプへの使用は控えましょう
ヤマトヌマエビなど比較的丈夫な種類であれば使われた例はありますが、その場合も細心の注意を払います

使用する場合は必ず薬を薄めた状態から開始し、異変が無いかを慎重に観察します。投薬後は活性炭などを使って薬剤を吸着し、しっかりと除去してください。

エビ・カニに使えない魚病薬


多くの魚病薬の中には、特に甲殻類と相性が悪く使用厳禁とされているものがあります。

以下はエビやカニに使えない代表的な薬です。

  • エルバージュエース
  • メチレンブルー水溶液
  • グリーンFリキッド
  • グリーンFゴールド顆粒
  • グリーンFクリアー
  • ニューグリーンF
  • レスバーミン
  • ムシクリア液

これらはいずれも甲殻類に強い毒性を示す成分や作用が含まれており、少量でも弱る、動かなくなるといった急激な異常が出やすいため注意しなければなりません。
もし混泳水槽でこれらの薬を使って薬浴をするときは、エビやカニを必ず別の水槽に隔離してから治療を開始しましょう

甲殻類を飼育している水槽では、使える薬と使えない薬をしっかり区別しておくことが、命を守る第一歩になります。

エビやカニを病気にしない対策


そもそもエビやカニは薬を使った治療が難しい生き物です。一度病気にかかってしまうと自然治癒を促す以外の有効な治療法がないということも少なくないため、まずは病気にならない環境作りを優先しましょう。

ここでは、エビやカニを健康に育てるための対策をご紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

水換え・底砂掃除を徹底する!

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エビやカニ飼育で一番の敵は水質の悪化です。
水の汚れであるアンモニアや亜硝酸、硝酸塩が蓄積すると、水質が急変し、ストレスから免疫力が低下して病気を引き起こします

一見きれいに見える水槽でも、実は底砂やフィルター内部には汚れが溜まっていて水質に影響が出ていることがあるため、定期的な水換えクリーナーポンプを使った底砂掃除をして環境を維持しましょう。

特にソイルは、時間の経過とともに成分が抜けて水質維持する力が弱くなります。
また形が崩れてしまうとそこから嫌気性バクテリアが増殖するため、ソイルの寿命を把握して定期的に敷き替えることが大切です。

ミネラル不足に注意


殻や甲羅を持つエビやカニの健康を維持するには、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの摂取が非常に重要です。
ミネラルが不足すると殻が薄くなり、抵抗力の低下や脱皮不全に繋がりやすくなるため、意識的にミネラル分を補給させましょう。

水槽内のミネラルを補うには、コンディショナーで水中にミネラルを供給する方法と餌から摂取する方法が一般的です。

エビにはミネラル剤を与えよう

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エビ水槽のミネラル補給におすすめなのが、エビ専用の添加剤です。

水換えのたびに定期的に添加することで、丈夫な殻作りや脱皮をサポートできます。
液体とパウダータイプがあり、どちらも手軽に使用できるのでお好みのものを選びましょう。

また、脱皮した後の殻はエビがかじることで自然にミネラル摂取できるので、鑑賞面が気にならなければ、しばらく残しておいても問題ありません。
ただし、長期間放置していると水質悪化の原因になることもあるため、長くとも数日以内に回収するのが安全です。

カニにはクリルや赤虫を与えよう

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カニの飼育では、甲羅や筋肉を強くするたんぱく質やカルシウムを含む餌を与えて、必要な栄養分を摂取させます。

おすすめなのがクリルで、栄養価が高く人工飼料と併用することで安定した栄養補給が可能です。
また、高タンパクで嗜好性が高い赤虫は、食欲が落ちているときや脱皮前後の栄養補給に向いています。

ただ、活餌ばかり与えているとやはり栄養が偏ってしまいやすい
ので、人工餌や複数種類の餌を組み合わせて栄養バランスを考えながら与えるのが良いでしょう。

夏の暑さに注意!高水温は苦手

エビやカニにとって夏場の高水温は大きな負担です。多くの種類は25〜28℃前後を好むため、30℃付近になると酸素量の低下や代謝の上昇により体力を消耗しやすくなります

さらに高水温下では病原菌や雑菌が繁殖しやすく、病気のリスクが高まる点も注意したいポイント。
暑い季節には水槽用クーラーやエアコンを活用し、適切な水温を維持することが重要です。特に小型水槽は水温が変化しやすいため、こまめに水温計を確認しましょう。

まとめ:エビやカニに魚病薬は使えない?理由と使える薬、病気対策を紹介します


エビやカニ水槽での魚病薬の扱い方や注意ポイントを解説しました。

魚とは体の作りや薬への感受性が異なる甲殻類は、治療薬であってもダメージを受けてしまう危険があります。
基本的にはエビやカニへの薬浴は避けるのが賢明です。

エビ類は品種や薬の種類によっては、規定よりもごく薄い濃度での薬浴ができる可能性がありますが、安全が保障されているわけではないため、あくまで自己責任で慎重に行ってください。
カニ類はエビよりも薬に敏感なため、魚病薬の使用は厳禁です

また、薬での治療が難しいエビ、カニを飼育する水槽では、そもそも病気を発生させないことが何よりも大切となります。
定期的な水換えや底砂掃除、フィルターの清掃をしっかり行い環境を整えましょう。

健康維持には、体作りに必要なミネラルの補給も有効です。
エビやカニは薬での治療が難しい生き物だからこそ、日ごろの健康管理が欠かせません。毎日細かく観察し、丁寧に管理をしていきましょう。

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執筆者 のべじ

幼少の頃より生き物が大好きです。身近な川魚から熱帯魚、両生・爬虫類までさまざまな生き物を飼育してきました。大学で海洋生物学を学び、水族館で働いた経験も併せて、アクアリウムが楽しくなるようなコラムを紹介していきます

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