
アグテンとは!白点病・水カビ病の治療薬!使い方や注意点などを解説
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アグテンは、白点病や尾ぐされ病などの治療に高い効果を発揮する魚病薬です。
一般販売されている魚病薬の中でも特に薬効が高く、マラカイトグリーンという着色性のある成分で細菌や寄生虫を窒息させて病気を治癒します。
強い薬ではありますが使い方は他の魚病薬と同じく飼育水に添加するだけと、初心者でも扱いやすいです。
ただしその反面、水槽に直接添加してしまうと中の物が薬の色に染まってしまったり、薬効が強いがゆえにナマズ類や古代魚には使用できなかったりなど、使用上の注意点があるのも事実。
どんな薬にも共通することではありますが、注意点を理解した上で用法用量を守って正しく使うことが大切です。
今回は、白点病などの治療に効果的な魚病薬アグテンについて詳しく解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに白点病・水カビ病の治療薬アグテンを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
アグテンは白点病を始めとした病気の治療に効果的な、マラカイトグリーン溶液の一つです。
魚病薬の中でも強い薬なので使用すれば確実に効果を得られますが、その反面魚への負担にもなりやすいので使いどころを見極めて正しく使用しましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、白点病・水カビ病の治療薬アグテンを解説します。
アグテン(マラカイトグリーン溶液)とは
『アグテン』は、観賞魚の白点病や水カビ病など様々な病気の治療に用いられる、マラカイトグリーン溶液の一種です。液体タイプとパウダータイプが販売されており、どちらも効能は変わりません。
アグテンというのは商品名で、同じ成分・効果を持つ薬には別メーカーの『ヒコサンZ』があります。
アグテンに含まれるマラカイトグリーンは、還元作用という特性を持った緑色の合成色素です。還元作用とは物質から酸素を奪う化学反応のこと。アグテンはマラカイトグリーンにある還元作用を利用して、寄生虫や細菌を窒息させて病原体の増殖を抑え、病気を治癒します。
ちなみに先程触れたヒコサンZも効果や作用はアグテンと同じです。使用感にも大きな違いはありませんので、どちらを使うか迷ったら、薬の容量や使用頻度に合わせて選んでみてください。
アグテンを購入できる場所
アグテンは、動物医薬品を取り扱っているアクアリウムショップや通販サイトで購入できます。
魚病薬は医薬品のため取り扱っている店舗が限定されますが、アグテンは比較的メジャーな薬なので、大きめのペットショップが入ったホームセンターなどで見かけることも多いです。
白点病など熱帯魚がかかりやすい病気の治療に用いるものなので、いざという時のために家にストックしておくか近所で販売している店舗をリサーチしておくと良いでしょう。
液体タイプは100ml、250ml、500ml、パウダータイプは1g×3包か30gのサイズ展開があります。
アグテンの使い方
ここからは、アグテンの基本的な使い方をご紹介します。
アグテンは、ほかの魚病薬と同じく飼育水に添加するだけで病気の治療が可能です。
ただ、間違った使い方をすると魚に負担を掛けてしまったり、いまいち治療の効果が現れなかったりといったトラブルに繋がりますので、商品の説明書きをよく確認してから治療を開始するようにしてください。
10Lに1m添加する
液体タイプのアグテンは、10Lに1mlを基準に飼育水の量に合わせて薬を添加します。
キャップが計量カップになっているので計量も簡単です。薬は使用前によく振ってから希釈しましょう。
パウダータイプの場合は、30~100Lの水にアグテン2gを基準に添加して希釈します。
1g×3包サイズのものならば、15~50Lに1袋投入するぐらいの割合で調整が可能です。
先程も触れた通り液体タイプとパウダータイプで薬効に違いはありませんので、水槽サイズや軽量のしやすさで使い分けてください。
薬の効果は液体タイプで2~3日、パウダータイプで3~5日ほどです。
既定の期間薬浴を続けても症状が改善されない場合は、再度規定量の薬を添加して様子を見ます。
照明は遮光しなくても大丈夫
メチレンブルーなど一部の魚病薬は、照明をつけると薬の成分が分解されて薬効が無くなってしまうため遮光が必要と言われていますが、アグテンは照明をつけていても問題なく使用できます。
マカライトグリーンは紫外線で分解されるため、添加からしばらくすると水の色が透明に戻ってしまいますが、一般的な水槽用照明程度の光であれば薬の効果はしっかり持続していることがほとんどです。
照明をつけたままの環境でも問題なく使用できるのは、初めての方でも扱いやすいのではないでしょうか。
ただし、紫外線灯や殺菌灯などの特殊な照明を当てていると、効果が失われるのでご注意ください。
アグテンの注意点
高い治療効果を得られるアグテンですが、一方で本水槽で使用すると中の物が着色してしまったり、魚種によっては薬が使用できなかったりなど、いくつか気を付けたい事柄があるのも事実。
ここでは、アグテンを使用する上での注意点を解説します。
安全に治療を進めるため、注意点にも目を通しておきましょう。
水槽内が着色する
アグテンを使用する上でまず注意したいのが、着色性がある薬だということです。
アグテンの主成分であるマラカイトグリーンには強い着色性があり、添加すると水だけでなく水槽内のシリコンチューブや配管、レイアウトなどがすべて青緑色に染まってしまう可能性があります。
そのため、アグテンを使用するときはバケツや隔離水槽を用意するか、着色したくないものを取り外してから添加するのがおすすめです。
魚病薬の中でも強い薬・高水温に注意
アグテンと同じような効果がある薬にメチレンブルー水溶液がありますが、アグテンはメチレンブルーと比べて10倍以上の薬効がある強い薬と言われています。
これは、高い治療効果が期待できる一方で、使用期間や使いどころに気を付けないと魚に負担を掛けてしまう可能性があるということです。
さらにマラカイトグリーンは、通常の使用では問題ないながら、発がん性が否定できない物質であるという話もあります。
そのためアグテンを使った薬浴中は、魚の様子をよく確認し、異変があるようならば使用を中止するなどの対処ができるように準備をしておくことが大切です。
また、マラカイトグリーン溶液は高水温下で感受性が高まる薬で、高水温になると魚への毒性が増すことがあります。
大体30℃を超えると魚に影響が出るため、高くても28℃を超えないよう水温を管理するようにしてください。
海水魚・古代魚・ナマズには使用できない
効果の強いアグテンは、薬剤が敏感な魚種に使用することができません。
特に海水魚や、エラが大きくて薬を吸収しすぎてしまう古代魚、ナマズ類などは薬の影響を強く受けて逆に体調を崩してしまう危険がありますので、使用は控えましょう。
アグテンのように作用の強い薬品は、使用できる魚種が限定されることも多いため、事前に説明書きや注意点をよく確認し、対象の魚種を把握してから購入すると安全に治療を進めることができます。
アグテンが効く病気
ここからは、アグテンで治療ができる病気をご紹介します。
人間の薬と同じく魚病薬も商品ごとに治療できる病気が異なります。
アグテンについても、どの病気に効くのかを確認した上で適切に使用しましょう。
白点病
まず一つ目が、魚病の中でも特にポピュラーな白点病です。
多くの観賞魚や熱帯魚が発病する可能性がある白点病は、ウオノカイセンチュウという寄生虫によって引き起こされる、体に小さな白点ができる病気。アグテンは寄生虫の駆除にも効果があるため、白点病の治療にも最適です。
白点病の薬浴ではメチレンブルー水溶液を用いることも多いですが、メチレンブルーを使用した場合は大体5~7日程薬浴を続ける必要があります。一方アグテンならば3日程で効果が出てくるので、病魚が体力的に問題なく治療を早く進めたいときは、アグテンを使用してみてください。
ツリガネムシ病
寄生虫由来の病気では、ツリガネムシが寄生して起こるツリガネムシ病( エピスティリス症 )にもアグテンが高い効果を発揮します。
ツリガネムシ病は、魚の体表に白い斑点が現れる点では白点病と似ていますが、付着する白点がやや大きいのが特徴です。
症状が進行すると、鱗が剥がれてまるで穴あき病のような状態になることもあるため、手遅れになる前に薬効が出るのが早いアグテンで薬浴をしましょう。
尾ぐされ病
治療が難しいとされる尾ぐされ病の治療でも、アグテンが活躍します。
尾ぐされ病は水槽の常在菌であるカラムナリス菌による感染症で、魚の尾びれやヒレが溶けるように傷んでいきます。進行が早く、症状を食い止めるには一刻も早い治療が必要です。
アグテンはカラムナリス菌にも一定の抑制効果が期待できるので、初期段階であれば感染の進行を抑えるのに役立ちます。
ただし、細菌感染症に対しては『グリーンFゴールド顆粒』などの薬の方が総合的な効果が高いので、症状の進行度に応じて適切な薬を選ぶようにしてください。
水カビ病
水カビ病は水槽内に潜む真菌が原因で起こる病気です。体表に傷が付いていると、そこに真菌が感染して綿のようなものが付着するようになります。
ケガや他の病気の合併症として症状が現れることも多く再発しやすいので、薬浴をしてしっかり完治させることがとても重要です。
アグテンはマラカイトグリーンの働きによってカビの成長を抑えて、症状を改善する効果が期待できます。特に、症状が中程度まで進行してしまった水カビ病にはアグテンでの薬浴がおすすめです。
治療中は水質管理を怠らないこと、また水カビ病は飼育水の汚れが原因で起こることも多いので、治療と合わせて本水槽の環境改善に取り組みましょう。
清潔な環境を保つことが、水カビ病の再発防止や予防になります。
まとめ:アグテンとは!白点病・水カビ病の治療薬!使い方や注意点などを解説
白点病などの治療に効果的な魚病薬、アグテンについて解説しました。
アグテンは白点病、尾ぐされ病、水カビ病などに高い効果を発揮します。
同様の病気の治療に用いられるメチレンブルーよりも薬効が強く、効果が得られるまでの時間が短いことから、早急な治療が必要な時に使用されることが多い薬です。
ただ、その反面、使う場面を間違えると病魚に負担を掛けてしまう可能性がある点には注意してください。
とはいえ、正しい使い方をすれば決して危険な薬ではなく、上手に使いこなせれば魚の早期治療で大活躍します。
魚病薬の中でも特に高い効果を得られるアグテンを、ぜひ飼育に活用してみてください。
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投稿されたコメントやご相談と回答
アグテンの液体の場合、持続効果は2,3日という本記事に記載がございますが、2,3日以上薬浴してはいけないという意味合いになりますでしょうか。継続薬浴する場合は2,3日に一度規定量を入れ直す運用なのか、毎日半分水を交換して半分にあった量を入れて入れ替えていくのか等、薬が強いという記載があったので、気になり質問させていただきました。
可能でしたらアドバイスお願いいたします。
このコラムに記載している通りに、薬の効果は液体タイプで2~3日、パウダータイプで3~5日ほどです。
既定の期間薬浴を続けても症状が改善されない場合は、再度規定量の薬を添加して様子を見ます。
心配な場合は薬浴の水を全量換水するのがおすすめです。
よろしくお願いします。