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観賞魚の病気の治療に用いられる『観パラD』は、主に穴あき病や赤斑病などの細菌症状に効果を発揮します。
魚病薬の中でも水草へのダメージが少ないことで知られており、水草を植え付けている水槽に直接添加することができるなど、使い勝手が良いです。
安全性に優れており取り扱いも簡単なので、初めて薬浴に挑戦するという方も安心でしょう。
しかし一方で、使用方法を間違えるとかえって水草や生き物の調子を崩してしまうといったトラブルにつながる可能性も。
どんな薬にも共通することですが、効果を最大限に引き出すためには用法用量を守って正しく使用することが大切です。
ここでは、エロモナス感染症の治療で知られる『観パラD』の効果や使用上の注意点について解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに観パラDの効果や注意点を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
穴あき病や赤斑病の治療に用いられる観パラDは、特に細菌が原因の病気に効果を発揮します。
使用方法をよく確認の上、観賞魚の治療をしましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、観パラDの効果や注意点を解説します。
観パラDとは
観パラDは鑑賞魚の細菌症状の治療に使われる魚病薬です。グラム陰性細菌、いわゆるエロモナス菌が原因で発症する各病気に効果を発揮します。
主な有効成分は抗生物質として知られるオキソリン酸で、細菌の増殖を抑えて病気を治癒する仕組みです。同成分を含む薬は他にもありますが、観パラDは特に濃度が濃くより高い治療効果が期待できるでしょう。
また、観パラDは水草や硝化バクテリアにほとんど影響がない薬としても知られており、様々な水槽で使いやすいです。
無色透明で魚病薬にありがちな臭いがない点もポイントで、初めて使用する方でも安心して使用できます。
観パラDを購入できる場所
観パラDは、
- 動物医薬品の取扱いがあるアクアリウムショップ
- 各通販サイト
- ホームセンター
などで購入できます。
魚病薬としてはかなりメジャーな部類で流通量が多いので、入手しづらいということはほとんどありません。急を要するときに備えて、近隣のショップで取り扱いがあるところを見つけておくと安心でしょう。
10ml、30ml、100ml、500mlの各サイズが販売されているので、使用する水槽の大きさに合わせて選んでください。
観パラDの使い方
観パラDの基本的な使い方は、飼育水10Lに対して薬1mlを添加するだけです。容器のキャップで薬が計量できるようになっているので、しっかり確認してから投入しましょう。
病魚が複数匹いる場合や水槽を丸ごと薬浴したいときは、薬を本水槽に添加して問題ありませんが、薬剤に特に敏感な生き物やモス類などの水草を育ているときは、病魚を別水槽に隔離して治療をした方が安心です。
薬浴は5~7日間程度継続して行います。
治療中はエアレーションを設置して、しっかり酸素を供給しましょう。
体力の消耗を抑えるため餌は与えずに絶食します。水換えも魚の負担になるためできれば避けてください。
規定の期間が過ぎたら魚の症状を確認し、改善されていたら毎日半量程度の水換えをして数日かけて真水に戻します。
薬が抜けて問題が無ければ治療は終了ですので、元の水槽に戻してあげてください。
治療を継続する場合は、1/2~1/3程度の水換えをして薬を再添加します。
用法を守れば安全な薬
観パラDは確かな効果が期待できる上に、魚病薬の中でも魚や水草への負担が少ない優しい薬なので、安心して使用できます。
もちろん用法用量を守ることは大前提ですが、病気を治癒する以外の余計な影響が出ずらいというのは、初心者の方でも扱いやすいのではないでしょうか。
また液体なので顆粒の魚病薬と比べると水に溶け込みやすく、計量も簡単です。10mlの少量タイプから販売されているので、必要な量を準備できるのも嬉しいポイントでしょう。
水槽にそのまま使える
一般的な魚病薬は、病原菌と一緒に水をきれいにしてくれるバクテリアまで死滅させてしまうため、本水槽に直接添加することは推奨されていません。
一方、観パラDはバクテリアに与える影響が少ないため、本水槽に使用することができます。
また、無色透明なので飼育水やレイアウトが着色してしまう心配もありませんし、強い光を当てない限り薬効が分解されることもないので、水槽でも安心です。
ただし、ろ材に活性炭やゼオライトを使用していると薬剤が吸着されてしまいますので、観パラDと投薬する前に取り出しておきましょう。
反対に治療終了後に薬の成分を取り除きたいときは、活性炭やゼオライトを入れておくと早く薬効を薄めることができます。
観パラDの注意点
使いやすい観パラDですが、使用する際にはいくつか注意したい点があります。
ここからは、観パラDを使用する際の注意点をご紹介します。
観パラDは強アルカリ性
観パラDの原液はpH11の強アルカリ性です。皮膚に付着すると火傷のような炎症や痛みを引き起こすことがありますので、手についてしまったら速やかに水で洗い流してください。
魚の治療では、容量を守っている限り極端に水質を変えてしまうことはないため、どの水質の魚にも使用できます。
ただし、観パラDと塩水を混ぜるとアルカリ性に傾きやすくなるため、塩水浴との併用には十分に注意が必要です。
重度な症状には効果が薄い
観パラDが治療に用いられるエロモナス菌由来の感染症は、そもそも致死率が高く厄介な病気が多いです。
また、薬浴は体表に付着している細菌には効果がありますが、体内に侵入してしまった細菌に対しての効き目はかなり限定的。つまり、エロモナス菌による病気が体内に進行してしまった状態から観パラDの使用を開始しても、思うような効果を得られない可能性が高いです。
そのため、まずは魚を毎日しっかり観察し、異変を見つけ次第できるだけ早く薬浴を開始するよう心がけましょう。
病気の進行が見られたときは薬餌も有効
体内に細菌が進行していて薬浴では効果を得られないときは、薬をしみ込ませた餌を病魚に食べさせる薬餌が効果的です。
体表から治療する薬浴と違って、直接腸内に薬効を届けることができるので、進行してしまった病気にも対抗できる可能性があります。
エロモナス菌感染症の場合、体内の状態が悪化すると松かさ病の症状を呈することがありますが、ごく初期の段階ならば観パラDを使った薬餌で回復する例もあるようです。
ただし、松かさ病は観賞魚の中では不治の病と言われるほど治療が困難な病気で、症状が進んでしまっているときは薬餌を使っても治癒は難しいでしょう。
薬餌は、規定通りの濃度で作った薬液に餌を30分ほど浸して、乾燥させたら完成です。
濃度が濃すぎたり与えすぎたりすると魚の負担になってしまう可能性がありますので、注意してください。
観パラDで治療可能な病気
観パラDで治療ができるのは細菌性の、特にエロモナス菌を原因とする病気です。
ここでは、特に観パラDでの治療が効果的な病気を3つご紹介します。
病気の症状に合わせた薬を使用しないと、正しく治療効果を得ることができません。観パラDが効く病気を確認した上で、治療に活用しましょう。
赤斑病
エロモナス菌の症状が体表に現れた状態が赤斑病です。
初期には、体の一部に薄ピンク色の斑点や模様が出現する程度ですが、症状が進むにつれて範囲が広がり、色も赤く血がにじんだような充血に変化していきます。末期になると体を擦りむいたような姿になって、体力を消耗して命を落としてしまうこともある恐ろしい病気です。
初期の段階ならば、水換えで完治する可能性がありますが、繰り返し発病する時や症状が中程度まで進んでいるときは、速やかに観パラDを使った薬浴に移行してください。
穴あき病
体に穴が空くように、鱗の一部が剥がれ落ちて筋肉が露出してしまうのが穴あき病です。
こちらもエロモナス菌に感染して起こる症状の一つで、初期は赤斑病と同じく体表の赤みから始まります。病気の進行とともに患部が赤く腫れあがり、やがて鱗が剥がれ落ちて露出した筋肉部分もボロボロに壊死してしまう痛々しい病気です。
初期段階であれば水換えと塩水浴で改善しますが、症状が進行しているときは観パラDで薬浴をしましょう。
初期の尾ぐされ病
ごく初期の段階であれば、カラムナリス菌由来の病気である尾ぐされ病の治療にも、観パラDが使用できます。
ただ、尾ぐされ病に対しては観パラDの効果がやや弱いため、水換えを多めにして治療効果を高めましょう。
症状が進行している場合は『アグテン』や『エルバージュエース』などの尾ぐされ病の治療薬がおすすめです。
導入前のトリートメントにも使える
安全性が高く生き物に優しい観パラDは、水槽導入前のトリートメント用の薬としてもおすすめです。
トリートメントに用いる場合は、カルキを抜いた水を入れた容器に観パラDを規定量添加した薬液を作ります。
そこに新魚を入れて1週間ほど様子を見ましょう。特に異常がなく餌も問題なく食べるようならば、トリートメントを終了して本水槽に移します。
ただし、大型のナマズや古代魚などのエラが大きい魚種は薬剤の影響を受けやすいため、トリートメントでも薬の使用は避けてください。
まとめ:観パラDとは!穴あき病や赤斑病など細菌症状に効果がある魚病薬!
エロモナス菌由来の各症状に効果がある『観パラD』について解説しました。
観パラDは水草やバクテリアにも影響が出づらい、優しい魚病薬です。
様々な魚種に使用できる上に、本水槽にそのまま添加しても問題になりづらいので、初心者でも安心して使用できます。
治療効果が高いのは、エロモナス菌が原因の穴あき病や赤斑病です。
早期に治療を開始できるほど治癒の可能性が高まりますので、普段から異常が出ていないか魚達をしっかり観察しましょう。
観パラDは正しく使用してこそ最大限に効果を発揮します。薬浴の際は注意書きをよく読み、用法用量を守って使用してください。
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