スジエビとは!川遊びで採れるエビの特徴と飼育、メダカとの混泳について
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スジエビは日本各地の河川や沼、湖に生息しているテナガエビの仲間です。
網で水草や抽水植物の根元をさらえば、採取できることがあるなど身近な水辺の生き物と言えます。
ヤマトヌマエビと同程度の小型エビですが、肉食性が強い雑食性のため、飼育にはいくつかの注意点があります。
小型でありながらザリガニのような性質を持っているため、安定した給餌が飼育成功の大きな要素です。
このコラムでは、川遊びで採取しやすいスジエビについてを特長から種類、飼育環境までをご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにスジエビについてを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
スジエビは川や釣具店、はたまた食材としても目にすることがある日本の在来種です。
小型エビですが他種との混泳は基本的に難しいなど、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビとの差がはっきりとしています。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、スジエビの特徴から分類、飼育環境についてを解説します。
スジエビについてを動画で見る!
このコラムの内容は動画でもご覧いただけます。
スジエビの特徴や飼育方法などについての解説動画です。
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スジエビとは
寿命は2~3年程度、オスは約3~3.5cm、メスは約4~5cmほどの体長に成長します。
スジエビは飼育用だけでなく、釣りエサや肉食魚の餌として有名なエビで、日本、朝鮮半島南部、東南シベリアなど広く分布しています。
また、スジエビには生息している場所によってタイプがあり、淡水域だけでなく汽水~海水の地域にも、それぞれ異なるタイプのスジエビが生息しています。
※上の写真は汽水~海岸付近に生息しているタイプのスジエビです。黒いバンドの数が多く、白い斑点があるのが特徴。
水草があるような河川でも採取可能ですが、スジエビとテナガエビの幼体とを見分けるのは難しく、一緒に飼育するとテナガエビだけが生き残る確率が非常に高いため、注意しましょう。
反対に、ヌマエビのなかにスジエビが混ざっていて、気が付いたらスジエビだけが残っていた、というトラブルもあります。
見分けるためのポイントとしては、テナガエビには複眼後方に前向きの棘があることと、スジエビは腰に黒いバンドが入ること、尾の先端に黒い模様が入ることなどが挙げられます。
ミナミヌマエビはこのなかで最もシンプルな姿をしていて、ハサミが短く小柄で模様がありません。
しかし、テナガエビやミナミヌマエビ以外にもよく似た川エビは多く、どれがスジエビなのか判別できないことも多いです。
スジエビを見分ける特徴は他にも
- 前脚が鼻先より長い
- 触覚が白い
- 目が飛び出している
などがありますので、注意深く観察してみましょう。
釣りの餌でもあるため、アクアリウムショップだけでなく釣具店などでも購入できます。
余談ですが、人間の食用エビとしても有名です。
スジエビは夜行性!
スジエビは夜行性の傾向があり、昼間は石などに隠れることが多いです。そして夜になると活発な動きを見せますが、この性質が多くの魚・生き物との混泳を難しくしています。
メダカのような小型魚は寝ている間に捕食されてしまうことがあるからです。
さらに共食いの危険性もありますが、その反面、黒髭コケなどの厄介な藻類も食べるなど、お掃除生体として活躍することも。
しかし、その強い肉食性から、単種飼育が基本とされています。
スジエビの種類!日本には複数種が生息している
「スジエビ」という名前は川に棲むエビの大まかな括りのようなところがあります。
そのため、日本に生息している代表的なスジエビだけでもA・Bの2タイプに分類されています。
改良品種としては『オレンジスジエビ』などが流通していますが、姿が似ている近縁種も「スジエビ」と呼ばれることがあるなど幅広い呼称といえるでしょう。
ここでは、日本に住むスジエビタイプを中心にご紹介します。
スジエビA型
北海道から九州まで生息している陸封型タイプで、いわゆる普通のスジエビを指します。
淡水水槽で繁殖可能です。
さまざまな淡水の河川や沼などに生息しており、似た外見をしているものの卵の大きさには地域差があるなど、多様性を持っています。
なかには陸封型でないことがあるとも言われています。
スジエビB型
B型は淡水域の沼などには生息しておらず、塩分の多い湖や河川の下流域に生息しており繁殖には汽水が必要です。
このタイプは水槽飼育で繁殖できません。
スジエビの中でも体色やバンド模様は同じで、しかしスジ模様がやや太く、サイズは約6cm以上の大型に成長します。
このタイプは厳密にはスジエビA型とは別種とされており、交配はしません。
スジエビの仲間
野生種が多いスジエビですが改良品種がおり、観賞用として主に流通しているのは、海外から輸入されてくる熱帯種です。
そして、日本国内の海岸付近にもスジエビの仲間は生息しています。
- イソスジエビ:日本の野生種。約7cmと大型になる種類で、主に海岸付近に生息しています。
- スジエビモドキ:日本の野生種。約4cmほどの小型種。透明な体色をしていて、こちらも海岸付近に生息しています。
- オレンジスジエビ:スジエビの改良品種で、透明感のあるオレンジの色彩と、黒ではなく赤や褐色のバンドが入ります。
- ネグロロングホーンシュリンプ:ブラジルやコロンビアのスジエビです。透明感があり腹部に黄色いラインが入ります。
- レッドドットシュリンプ:バングラデシュのスジエビです。長い触角とドット模様が可愛らしいです。
それぞれに魅力的で、改良品種と熱帯種は日本のスジエビに比べて攻撃性が低めで、比較的安全に飼育できます。
スジエビの飼育方法と注意点
スジエビは導入当初の水合わせと食性に気を付ければ、飼育自体は容易なエビです。
水流の強い場所ではなく、穏やかでやや淀みのある環境を好みます。
得意な水温は28度程度までで、在来種なので冬の寒さも平気です。
ただ、野生種なのでいきなり水槽の水質に適応できないことがあります。
しっかり水合わせは行いましょう。
ろ過フィルターは水流が穏やかな底面式や外部式、水中フィルターが向いています。
隠れ場所となるウィローモスなど水草の茂みや、流木などを配置してやりましょう。
肉食性が強いため、赤虫なども喜んで食べます。
注意点はやはり『共食い』です。
スジエビは小型エビのなかでも凶暴な部類に入るため、餌が行き渡らないと共食いを始めます。
小型エビというよりザリガニのようなイメージで管理するのが良いです。
スジエビの混泳・繁殖について
一見、ミナミヌマエビやヤマトヌマエビに似ているため、メダカや川魚、ヌマエビと混泳できるんじゃないか…と思えますが、先述の通りに強い食性と夜間に活動することから、単種飼育が向いています。
スジエビよりも体の大きな魚なら襲うことができずに同居できる可能性はあるものの、反対にスジエビが食べられる可能性があるため、やはり混泳は難しいと言えるでしょう。
しかしスジエビは、水槽飼育でも繁殖は可能な生き物です。スジエビの水槽飼育を行う場合は繁殖を視野に入れると楽しみが増えます。
稚エビの生き残る確率は低めですが、淡水に生息している陸封型のスジエビなら繁殖できます。
特別に隔離などは必要ありませんが、水草で茂みを作り、稚エビの生存確率を高めましょう。
ウィローモスやマツモ、アナカリスなどがおすすめです。
スジエビとメダカの混泳はできない?
メダカがスジエビに捕食されてしまうため、基本的には混泳不可です。
飼育環境の似ている生き物同士ですが、スジエビはメダカが寝ている間に襲うことが多く、メダカの数は減りがちになります。
しかし、メダカの隠れ場所が多く、大きなサイズのビオトープでは混泳できることもあります。
それでも、混泳には向いていない生き物ということを理解して飼育するのが良いでしょう。
まとめ:スジエビとは!川遊びで採れるエビの特徴と飼育、メダカとの混泳について
スジエビは、日本の河川に生息しているため、川遊びなどで採取して連れ帰ることも多い水辺の生き物です。
観賞用だけでなく、釣りのエサとしても用いられるなど、身近な川エビと言えるでしょう。
特徴的なのは透明感のある体に7本の黒いバンド、大きく飛び出した眼と鼻先より長い前脚です。
改良品種や近縁種も流通しているため、アクアリウムショップで見かけることもあります。
飼育自体は容易ですが、夜行性で肉食性が強いため、共食いを防ぐことが重要です。
また、同じ水槽で他の生物と飼育するのは難しいとされています。
水槽での繁殖も可能ですが、生き残る確率を高めるためには水草で茂みを作りましょう。
このように、飼育には注意が必要なエビですが、気を付ければ飼育を楽しめますので、採取した際の参考になれば幸いです。
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ページがスエビになっていますよ。
ご指摘いただきありがとうございます。
修正いたしました。
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