
夏のアクアテラリウム管理方法!直射日光・蒸発に気を付けて苔を育てよう
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一つの水槽中に水中と陸上のエリアを作り自然の風景を作り上げるアクアテラリウム。
とても凝った作りに見える水槽スタイルですが、ポイントを押さえれば意外にも初心者の方からチャレンジできます。
そんなアクアテラリウムにおいて、暑い夏は管理に特に気を使う季節です。
コケや観葉植物などの湿度に強い陰性植物を中心に配置することから、気温が上がりやすい夏場は乾燥に注意する必要があります。
また、アクアテラリウム水槽は一般的なアクアリウム水槽に比べて水量が少なめのため、水温や水質の変化にも気を配りましょう。
今回のコラムでは、夏のアクアテラリウムで起こりやすい問題点と、解決策をご紹介します。
涼し気なクアテラリウムは暑い夏にぴったりのインテリアです。上手に管理して美しい状態を保ちましょう。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに夏のアクアテラリウム管理法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
陸上に配置した植物と水中を同時に管理するアクアテラリウムでは、直射日光や気温の上昇に伴い水が蒸発することで植物が枯れるといった問題が起こりやすいです。
足し水や霧吹きをして湿度を維持しましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、夏のアクアテラリウム管理法を解説します。
夏のアクアテラリウムはトラブルが起こりやすい!
アクアテラリウムによく取り入れられる植物は観葉植物や陰性植物と呼ばれる、室内での育成に向いた品種が中心です。
強い日差しや暑さを苦手とするものも多いため、夏の間は室内であっても高温に注意しましょう。
強すぎる直射日光は葉を枯らす
植物は日の光をたくさん当てたほうが鮮やかに育つと思われがちですが、アクアテラリウムに直射日光は不要です。
そもそも植物には日の当たる場所でたくさんの光を浴びて光合成をする陽性植物と、日陰やジメジメした場所を好む陰性植物があり、それぞれ育成する環境が異なります。
アクアテラリウムで使用するのはシダ植物やコケ類といった陰性植物がメインのため、カーテン越しの柔らかい日差し程度で十分に育成ができるでしょう。
むしろ、直射日光のような強い光に長時間さらされると葉焼けという、人間の日焼けのような症状を起こして葉が枯れてしまうこともあるため、注意してください。
コケ類は乾燥や高温にも注意
コケ類は直射日光だけでなく、乾燥や高温の環境にも弱い傾向があります。
室内に設置したアクアテラリウムでも油断は禁物。猛暑になると室温が30℃を超えることも少なくありません。
また、室温が上がることで水槽内の水分が蒸発すると、コケが乾燥して枯れてしまうこともあります。
水温の上昇や蒸発が起こる
夏の高温は、植物だけでなく水中部分にも影響を及ぼします。
まず気を付けなければならないのが、水温の上昇です。普段25℃前後に保たれている水温も室温が上がるのに合わせて急上昇していきます。
水温が30℃を超えるような状況が続くと、熱帯魚はもちろんメダカや金魚などの高水温に耐性がある魚でも大きな負担になるため、水温を下げる工夫が必要となるでしょう。
また、室温が上昇すると水が蒸発して水位が下がりやすくなるのも問題です。
アクアテラリウムは一般的なアクアリウムに比べて水量が少なめなので、蒸発でさらに水が減ると水質が急激に悪化する恐れがあります。
また、一般の水槽であればフタをして蒸発を防げますが、上部が開放されているアクアテラリウムの場合、蒸発を防ぐ対処がしづらく、ほかの方法で水位を保たなければなりません。
トラブルを予防するアクアテラリウムの夏対策
アクアテラリウムで夏に起こるトラブルの多くは、直射日光や室温・水温の上昇が原因で起こります。
ここでは、アクアテラリウムの夏対策として、トラブルを予防するために気を付けたいポイントを4つ解説します。
エアコンと水槽用クーラーで室温・水温の上昇を防ぐ
上部が開放されていて陸地と水中があるアクアテラリウムでは、設置場所の室温と水槽内の水温の両方をきっちり管理する必要があります。
室温については、部屋に取り付けられているエアコンを活用して快適な温度を維持します。
この時、外出や就寝などでエアコンを切ってしまうと室温が上昇してしまうため、24時間休まずエアコンを稼働しておくのが望ましいでしょう。
室温が管理できれば水中部分の水温もおのずと上がりづらくなるため、メダカなどの水温変化に強い生き物をメインに飼育している水槽の場合は、これだけで問題なく運用を続けられることも多いです。
熱帯魚や水温に敏感な水草を入れているときは、さらに水槽用の冷却ファンやクーラーを設置して、水温を維持します。
直射日光を防ぐ
直射日光を防ぐには、
- 水槽を日陰に設置する
- 遮光カーテンなどを引いて日光を遮る
の2つの方法が有効です。
まず水槽の設置場所を見直します。特に窓際に水槽を置いているときは可能ならば、室内の日の当たらない場所に移動しましょう。
スペースや水槽の重要の問題で移動が困難なときは、遮光カーテンやレースカーテンを引いて水槽に日が入らないように対策をしてください。
植物に光が当たらないことを心配されるかもしれませんが、水槽用ライトを設置していればライトの光で十分に光合成が行えますので、植物の成長に影響はありません。
直射日光は植物の葉を枯らすだけでなく、水温の上昇やコケの繁茂を引き起こすこともありますので、念入りに対策をするのが賢明です。
水位と湿度の維持には足し水やミストが有効
先程も触れたとおり、水槽に蓋ができないアクアテラリウムでは水の蒸発を防ぐ有効な手段がありません。
そこで、減った水分を補給することで水位や湿度の減少に対処します。
一番手っ取り早いのがこまめに足し水をすること。適切な水位を覚えておき、減ってきたらその都度カルキを抜いた水を足して、水位を維持しましょう。
手動で足し水を続けるのが大変なときは、自動で水槽に水を追加してくれる給水装置も販売されています。
また、水槽内の湿度を保つには足し水と合わせて、植物に霧吹きをしたりミスト装置を設置したりするのも良い方法です。
ミスト装置は下の画像のように、幻想的な雰囲気を演出するのにもぴったりなため、水槽のイメージに合わせて使用してみてください。
風通しを良くする
アクアテラリウムの管理において湿度の維持はとても大切なポイントですが、加湿をし過ぎて水槽内が蒸れてしまうのも良くありません。
特に夏は水場部分の水分が蒸発して、湿度が上がり過ぎてしまうことがあります。
湿度の高い環境で水槽内の空気が淀んでジメジメしてくると、カビが発生したり蒸れに弱い植物の葉が枯れてしまったりといったトラブルに繋がるため、湿度を保ちつつ適度に風を通す工夫をしましょう。
観葉植物や水草の葉が密集している場所は適宜トリミングをし、必要に応じて冷却ファンなどを使って風を送ります。
一方コケ類が生えている場所は湿度を保つため、あまり風が当たり過ぎないよう注意してください。
湿度計を確認しながら植えこんでいる植物の特徴に合わせて、臨機応変に対応することが大切です。
まとめ:夏のアクアテラリウム管理方法!直射日光・蒸発に気を付けて苔を育てよう
今回は夏に起こりやすいアクアテラリウムのトラブルと対処法を解説しました。
日差しが強くなり気温が上昇する夏は、室内に設置するアクアテラリウムでも気候の影響を受けやすいです。
特に苔類や観葉植物などの涼しい日陰を好む植物は、夏に調子を崩して枯れてしまうことも多いため、しっかり対策をして環境を維持しましょう。
直射日光が差し込む時は、水槽の設置場所を変えるかカーテンを引いて遮ります。
室温の上昇にはエアコンが効果的です。熱帯魚や繊細な水草を育成している水槽では、水槽用クーラーを設置して水温の上昇を防いでください。
水位の減少や湿度の維持には足し水とミスト装置で対応します。
季節の変わり目は私たち人間だけでなく、アクアテラリウムの生体にとっても厳しいものです。
暑さ対策をして猛暑を乗り切りましょう。
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投稿されたコメントやご相談と回答
お世話になります。ブラックブランチウッドを1時間ほど煮沸してしまいました。目視で見る限りタールが出てきていたりは無く、表面もヌメリなどはありませんが、どこを見ても「煮沸はダメ」と書かれているので、使用するのを躊躇しています。
やはり一度ブラックウッドを煮沸してしまうと、復活させる事は出来ないのでしょうか。
一度完全に乾かす、沈水して1か月くらい放置する、さらに煮沸してタールを出し切るなど、何らかの対処方法は無いのでしょうか。
ご回答宜しくお願いいたします。
水に漬けて、多量のアクが出てこなければ問題なく使用できます。
とはいえ、流木はどの種類でも、長期間、水槽にいれていると少しずつ残っているタール成分がにじみ出てくる可能性があります。
ブラックホールなどの活性炭を使用すると安心です。
こちらのコラムもご参照ください。
・流木を水槽レイアウトで使うには!種類やあく抜き方法、浮くときの対処法!
https://t-aquagarden.com/column/driftwood_lye
よろしくお願いします。
丁寧なご回答誠にありがとうございました。