魚の絵本5選とアクアリウムの視点・ポイント!子供と読みたい名作

投稿日:2025.08.25|
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小さな子供の興味を引き付けられるよう工夫がされた絵本には、動物を主人公としたものが多く見られます。
もちろんアクアリウムでお馴染みの魚たちも例外ではなく、水の中を舞台に魚が活躍するストーリーは大人が読んでも心に残るものばかり。
子供の頃はただ楽しく読んでいた作品も、大人になって知識を得た今読んでみると魚の生態や習性を元にお話が展開されていくことに気づきます。
群れで泳いで大きな魚から食べられづらくしたり他の魚のために行動したりなど、絵本世界と現実世界の魚で共通点を見つけながら、違った角度から楽しむことができるのもポイントです。
今回のコラムでは、おすすめの魚の絵本5選をアクアリウムの視点を交えてご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに魚の絵本5選をアクアリウム視点で解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水の中の生き物を題材にした絵本には、実際の魚の習性に基づいてストーリーが構成された作品が多く見られます。
アクアリウムの観点を交えながら読んでみると、新たな発見があってとても面白いです。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚の絵本5選をアクアリウム視点で解説します。
魚の絵本!子供と読みたい名作とアクアリウムの視点ポイント

魚の絵本は物語としてとても面白いものですが、アクアリウムの視点から見ると意外な発見があります。
お話としての表現の中に、現実の魚が河川や海で実際に行っている生態・習性がしっかりと盛り込まれており、それが長きにわたって愛される絵本の魅力となっているのです。
ここでは、世代をまたいで愛され続ける5つの絵本について、アクアリウムの視点を交えながらご紹介します。
- スイミー
- にじいろのさかな
- きんぎょがにげた
- ハコフグのねがい
- さかなのかたち
絵本は、お話を通じて子供の生き物への関心や興味を養うことにもつながります。ぜひ、お子さんと一緒に絵本を手に取ってみてください。
スイミー
まずご紹介するのは、魚の絵本の代表格『スイミー』です。
小学校の国語の教科書にも載っている有名なお話なので、読んだことがある方も多いのではないでしょうか。
小型魚の実際の習性が話の根幹に多分に含まれているので、アクアリウムの視点から読んでみるととても興味深いお話です。
群泳して強敵を撃退!工夫の力

『スイミー』は、小さな黒い魚のスイミーが仲間と一緒に群れになって泳いで、大きな魚に食べられないよう工夫する物語ですが、このような光景は自然界でも見ることができます。
実際に多くの小型魚は単独ではなく群れで行動する習性があり、これにはしっかりとした理由があるのです。
小型魚が群泳する意味とメリット
小魚が群泳する一番の理由は、身を守るためと考えられています。
水槽では、この習性を上手く利用して見応えのあるアクアリウムに仕上げるのが定番です。
身を守るために集合する
外敵に狙われることが多い小型魚は、同種・近縁種で群れになって泳ぐことでお互いを守り合っています。
大群になることで大きな生き物のように見せて、標的になるのを防いでいるのです。また、単独でいるよりも群れていたほうが、単体に狙いが定めづらくなるのも理由でしょう。
自然界では傷付いたり、弱ったりして群れから離れた瞬間に食べられてしまうことは珍しい話ではありません。
群泳のメリットと鑑賞性
アクアリウムにおける群泳のメリットは、鑑賞性の向上です。
淡水魚水槽ではネオンテトラ、海水魚水槽ではデバスズメダイなどが代表的で、群泳させることで一際見応えが増します。
また、自然界で群泳する習性がある魚は、水槽でも群れを作ってあげることで落ち着きやすくなり、長期的に美しい姿を維持できるでしょう。
実は群れのなかにも力関係があり、ぶつからないよう動いたり、後を追ったりなど、魚たちの関係性を観察できるのも面白いです。
にじいろのさかな
『にじいろのさかな』は虹色の鱗を持つ魚、にじうおを主人公とした絵本です。
作者は数多くの物語を手掛けるスイスの絵本作家で、にじいろのさかなは全8作が発行されている人気のシリーズ。世界中で翻訳され、たくさんの子供たちに愛されています。
鱗を分け与えるのは、幸せをわけること
『にじいろのさかな』 では魚が自分の大切な虹色の鱗をあげて、他魚を喜ばせる場面があります。
現実で鱗を分け与えることはありませんが、仲間や子供のために行動する魚の姿は実際に見られる光景です。
そして、その習性はアクアリウムの水槽でも観察することができます。
他の魚のために頑張る熱帯魚
水槽の中でも観察できる他の魚のための行動としては、稚魚を守るマウスブルーダーや共生ハゼとエビの共生関係などが挙げられます。
マウスブルーダーは稚魚を守る
マウスブルーダーとは、親魚が口の中で卵や孵化したばかりの稚魚を守る習性がある魚のことです。
アクアリウムでは、
- チョコレートグラミー
- アロワナ
- アフリカンシクリッド
といった種類がマウスブルーダーとして知られています。
これらの魚たちは卵を親魚が口の中で孵化させた後、ある程度大きくなるまでそのまま口の中で稚魚を育てます。
動けない卵や逃げることが難しい稚魚の生存率を高めるために編み出されたと考えられる、ユニークな子育て法です。
もちろん、親はほかの生き物に攻撃されることもあるため、文字通り身を挺して子供を守り続ける姿にはグッとくるものがあります。
共生ハゼとエビ
共生ハゼは、エビの作った巣穴で生活するハゼの総称です。
- ギンガハゼとニシキテッポウエビ
- ネジリンボウとランドールズピストルシュリンプ
といった組み合わせが有名ですが、ハゼが一方的に利用しているわけではありません。エビが巣穴作りや補修を担当する代わりに、ハゼは見張りをしたり、フンをすることでエビに餌を供給したりしています。
この共生関係は自然界だけではなく、水槽内でも観察することが可能です。
きんぎょがにげた
『きんぎょがにげた』は、ページの各所に隠れている金魚を探すユニークな絵本です。
絵を見ながら直感的に楽しむことができるので、まだお話がわからない幼児でも楽しむことができます。
金魚もいろいろな場所へ行ってみたい?

絵本では、金魚鉢から飛び出した金魚が赤い花やアメなどに姿を似せながら、場面を変えつつ移動していきます。
では、実際に水槽で飼われている金魚も「いろいろな場所に行きたい」と思っているのでしょうか。
これには諸説ありますが、環境が変わることで金魚が活発になることはあります。
例えば金魚は春先に水換えすると、水質の変化に刺激を受けて産卵を始めるのは有名な話です。
金魚の生活にメリハリをつけるには
金魚は安定した環境よりは水温や水質、環境にメリハリをつけてあげたほうが健康に育ちやすい傾向があります。
とはいえ、絵本のように色々な場所に移動しながら刺激を与えるのが大変です。
そのようなときは、水槽に工夫をして環境にメリハリをつけてあげてみてはいかがでしょうか。
丸みのある隠れ家を複数設置する
水槽内に隠れ家を複数設置することで、メリハリをつけることができます。
丸みのある素焼きや岩であれば、金魚がヒレをひっかけて傷付くことがなく安心です。
とはいえ、数が多過ぎると金魚の泳ぐスペースが狭くなってしまうため、水槽サイズに見合った個数や大きさの隠れ家を設置しましょう。
照明で昼夜を感じさせる
照明の光で昼夜を感じさせることによって、金魚のバイオリズムにメリハリを付けるのも良い方法です。
金魚は昼行性の魚なので、昼に活動して夜休みます。光が足りないと餌を食べたり、繁殖したりといったリズムが崩れてしまうため、照明で日照時間を管理して活動と休息の時間の差を明確にしてあげると良いでしょう。
居間などの夜間に水槽照明を消しても、周りから光が入ってしまう環境に水槽を置いている場合は、暗幕を設置して光をさえぎってあげると環境が整います。
ちなみに、金魚水槽に設置する照明は、赤や白の照明やゼンスイの『ビューティールクス』のような金魚の赤を際立たせるタイプがおすすめです。
ハコフグのねがい
『ハコフグのねがい』はタレントとしても活躍するさかなクンが手掛ける、海の生き物を題材にした絵本です。
自分の棲家(岩場)の周りからあまり動かない内気な主人公のハコフグが、様々な海の生き物たちに出会い触れ合うことで、自分の姿に自信を持ち成長していく姿が描かれています。
ちなみに主人公の設定はハコフグがテリトリーを持つ姿から着想を得ており、実際の習性を織り交ぜたストーリーはさかなクンの絵本ならではといえます。
海の生き物は個性が豊か!

物語の中ではユニークな特徴を持つ海水魚が多数登場しますが、実際の海水性の生き物も、淡水魚に比べて特性が多種多様で自己主張が強めです。
広い海の中では上手く棲み分けながら共存ができますが、狭い水槽の中で混泳させるには個性がぶつからないよう組み合わせを工夫することで、上手に共存できるようになるでしょう。
海水水槽の混泳を成功させるコツ
混泳が難しいとされる海水魚水槽ですが、いくつかのポイントを押さえて魚たちの力関係のバランスが取れれば、自宅でも海水魚の混泳水槽を成立させることができます。
同種・近縁種の混泳は避ける
海水魚はテリトリーが重なる同種や近縁種に強く縄張りを主張する傾向があります。
群れる習性がある品種でない限り、同じ種類は一つの水槽の1匹ずつを目安に導入すると上手くいきやすいです。
もし、大きな水槽で同種を複数匹入れるときは、縄張りが分散するようライブロックの配置を工夫することを意識してみてください。
水槽に入れる順番は穏かな品種から!
水槽に導入していく順番も大きなポイント。基本的には穏かな品種から順番に導入していきます。
気が強い品種を先に水槽に入れると、後から来た魚を敵とみなして攻撃してしまうため、縄張り意識の少ない穏やかな品種から導入した方が、スムーズに混泳を成立させやすいです。
さかなのかたち
『さかなのかたち』は、魚の形や模様、体の構造、泳ぎなどをポップなイラストで解説している絵本図鑑です。
イラストを眺めているだけでも楽しく、さらに魚の生態を学べることから、この本をきっかけに「実際の魚を見てみたい!」「飼育してみたい」という気持ちにさせてくれる知的好奇心を刺激する一冊となっています。
ちなみに同著者の作品には、水辺の生き物を扱った絵本が数多くありますので、コレクションしても楽しいでしょう。
魚の泳ぎはみんな違う?

本の中では、マグロ、サメ、チョウチョウウオなど魚種ごとの特徴的な泳ぎを泳法に分類して紹介しているページがあります。
魚はみんなヒレや尻尾を使ってスピーディーに泳ぐイメージがあるかもしれませんが、実は泳ぎは魚種によって特徴が分かれる行動の一つ。
中には魚なのにあまり泳ぎが得意ではなかったり、とてもユニークな動きをするものもいるので、違いを知るとより楽しく水槽を鑑賞することができるのではないでしょうか。
水槽で飼育できる泳ぎが特徴的な魚
自宅で飼育ができる熱帯魚の中にも、個性的な泳ぎを観察できる品種がたくさんいます。
ここでは代表的な品種を2種ご紹介します。
ブラックゴースト
真っ黒な体に白い模様が入るブラックゴーストは、首元から尻尾まで一直線に繋がるヒレが特徴的な電気ウナギの仲間です。
長いヒレを波のように動かして泳ぐ姿はまさにゴーストの名にぴったり。
さらに体の向きを変えずに後退するユニークな泳ぎで、水槽内を縦横無尽に泳ぎ回る姿は圧巻です。
バタフライレインボー
バタフライレインボーは透明感のある体色がとても美しい、体長3cmほどの小型熱帯魚です。
小型魚と言えば水槽の中を素早く泳ぎ回る姿が浮かびますが、バタフライレインボーは胸ビレを器用に使い、少し進んでは止まるホバリングのような独特の泳ぎを見せてくれます。
ちょこまかとした泳ぎはとても可愛らしく、見ているだけで癒されることでしょう。
絵本を通じて生き物への興味を養う

魚の絵本は物語や絵探しを楽しむだけではなく、生き物への興味を養うことにも繋がります。
絵本をみて魚を知ることで、
- 実際に見てみたい
- 飼育してみたい
と、子供が現実の生き物に関心を抱くケースは多いです。さらに実際に触れ合うことで、成長する過程を知ったり、生命のサイクルを感じたりなど、言葉では教えにくい倫理観を伝えることもできます。
魚の絵本は、そうした感覚を知る第一歩になるでしょう。
まとめ:魚の絵本5選とアクアリウムの視点・ポイント!子供と読みたい名作

今回はアクアリウムの視点を交えて、魚の絵本5選をご紹介しました。
小魚が群れになることで大きな魚から身を守ったり、他の魚のために行動したりなど絵本だけと思われがちな行動の中には、現実の魚との共通点が潜んでいます。
絵本の内容だけでも十分魅力的ですが、アクアリウムの視点をふまえて解説することで、生き物への関心に繋がることもあるでしょう。
お子さんに絵本を読んであげる際には、ぜひ一緒に本物のお魚のお話も伝えてあげてみてください。
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