群れで飼育できる海水魚特集!貴重な群泳できる海水魚を紹介・解説します
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小さな魚達が群れを作って泳ぐ姿は可愛らしいものです。ご自宅の水槽でも魚の群泳を楽しみたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、実は群泳をする魚の多くは淡水の小型熱帯魚であり、海水魚は水槽の中だとあまり群れを作らないと言われています。
特に、個人の水槽で飼育されるような海水魚は気の荒い品種が多く、群泳どころか同種での混泳すら難しいことも。
とはいえ、海水魚の中にも比較的群れを作りやすい品種がいますので、群泳を楽しみたいときはそのような品種を選んで環境を整えてあげるのが良いでしょう。
今回は、海水魚の群泳に憧れる方のために、群れを作る・作りやすい海水魚をご紹介します。飼育の注意点も併せて解説しますので、参考になさってください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに群泳する海水魚を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
群れることが少ないと言われる海水魚ですが、品種を選べば自宅の水槽でも素敵な群泳を見せてくれることがあります。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、群泳する海水魚を解説します。
なぜ魚は群れを作るのか
自然界では海水魚、淡水魚に関わらず群れで暮らす魚は多いです。
しかし、水槽に場所を移すと、途端に群泳をしなくなってしまうことがあります。
これには、魚が本来もつ習性が影響している考えられるのです。
ここでは、魚が群れを作る理由と水槽内の環境について解説します。
魚が群れを作るのは外敵から身を守るため
魚が群れを作る大きな理由はずばり、外敵から身を守るためです。
群れを作ることで、弱い魚には以下のようなメリットがあると言われています。
- 群れ全体で同じ方向へ動くことで、外敵を困惑させる
- 群れを作ることで自分たちを大きく見せて威嚇する
- 危険を早めに察知して逃げられる
自然界には魚を捕食する生き物が数多く存在しており、水中、水上から魚を狙っています。
そうした外敵から身を守り生存していくために、群泳をするようになったと考えられるのです。
また、同種同士で手分けして餌を見つけたり、協力して餌を捕まえたりといった、集団行動を身に着けている魚もいます。
いずれにしても、広い海や川の中では単独で行動するよりも群れでいたほうが、はるかに安全で効率が良いのは確かです。
水槽内は危険が少ない
自然界では群れていた魚達も、水槽に入れると群泳をしなくなることがあります。
これは、水槽内が安全で群泳をする必要がなくなるからです。
水槽の中には外敵となるような生体がいないため、基本的に相手から身を守る必要がありません。餌は定期的に与えられるので複数で探し回る必要がなく、一匹でも十分に生きていけるでしょう。
魚を水槽に入れたばかりの頃は、環境の変化による不安から群泳することもありますが、ほとんどの魚は環境に慣れるにつれて単独行動が増えていきます。
海水魚は縄張り意識が強い
海水魚は淡水魚に比べて縄張り意識が強い種類が多いため、狭い水槽内だと縄張りを主張するために、群れを作りづらくなります。
自然界では群れを作る魚種であっても、安全な水槽では群れて身を守るよりも縄張りを作ることに意識が向きやすくなるのです。
ただし、海水魚の中でも比較的おとなしい性格の魚達ならば、水槽内でも群れを作って泳ぐ姿を見ることができます。
水槽でも群泳を楽しめる海水魚
海水魚の中でも、比較的体が小さく大人しい性格の魚種は、水槽内でも群泳をすることがあります。
ここからは、水槽の中でも群れを作る海水魚をご紹介します。
品種によっては幼魚の間限定で群泳するなど、群れる期間が限られているものもいます。
このような魚種は群泳目当てで複数匹導入してしまうと、成魚になった時に持て余してしまう可能性があるため、良く注意しながら品種を選んでみてください。
デバスズメダイ
デバスズメダイは体長8cm程度の、ブルーグリーンが印象的な美しい海水魚です。
丈夫飼育がしやすく価格もリーズナブルなので、海水魚水槽の定番種として様々な水槽に導入されています。
スズメダイの仲間は気性が荒い品種が多いのですが、デバスズメダイはかなり穏和で他種、同種に関わらず混泳が可能です。同種を複数匹水槽に入れると、まとまって泳ぐ姿が観察できるでしょう。
イトヒキテンジクダイ
イトヒキテンジクダイは、透明感のある体にオレンジとブルーの模様、くりっとした大きな瞳が印象的な可愛らしい魚です。
体長は最大でも5cm程度の小型魚で、性格はとても穏やか。混泳も可能ですが、他の魚種にいじめられてしまいやすいので、ライブロックなどで隠れ場所を作ってあげましょう。
群れで生活する習性があるため、複数匹で飼育した方が安定します。
水槽内でもしっかり群れを作るので、60cm以上の少し大きめの水槽で幻想的な群泳を鑑賞してみてください。
キンセンイシモチ
キンセンイシモチは、黄色と白のストライプ模様が鮮やかな、体長6cm程度の小型海水魚です。
大人しい性格で、水槽内でも複数匹で群れて行動する姿が観察できます。ヒレを揺らしながらゆったりと泳ぐ姿はとても幻想的で、癒しをテーマにした水槽にもぴったりでしょう。
野生ではサンゴ礁に生息しているため、サンゴとの相性も良いです。
水質変化に弱い傾向があるので、パワーの強いろ過フィルタ―を使って適した環境を維持してあげましょう。
アカネハナゴイ
ピンク~赤の体色がとても華やかなアカネハナゴイ。
体長は最大で10cm程と小型魚の中では大きめですが、温和で臆病な性格なので複数匹でいることを好みます。単独だとストレスをためてしまうため、水槽でも3匹以上で導入して群れを作ってあげるのが良いでしょう。
人工餌も良く食べるので初心者の方でも飼育しやすい魚種ですが、水質の変化には弱いため、パワーの強いろ過フィルターでしっかり管理します。また、25℃程度のやや低めの水温を維持することも意識してみてください。
ネオンテンジクダイ
ネオンテンジクダイは、ネオンテトラを彷彿とさせる蛍光ブルーのラインと、尾びれの付け根にある赤いドット模様が印象的な小型魚です。
体長は最大でも4cm程度とかなり小柄で、ほっそりした流線型の体には品があります。
性格はこちらも温和で、同種同士で喧嘩するようなことはほぼありません。単独だと安定しづらいので、複数匹で群泳させるのがおすすめです。
他種と混泳させる場合は、ネオンテンジクダイを攻撃しない大人しい品種を選びましょう。
サンゴ水槽でも問題なく飼育できます。
マンジュウイシモチ
体の半分はレモンイエロー、黒いラインを挟んで赤いドットが並ぶ、ユニークなカラーリングのマンジュウイシモチ。
ドット模様の印象から”イチゴパンツ”という可愛らしい愛称でも親しまれています。
最大体長は6cm程度で、餌を良く食べてくれるので飼育はしやすい部類です。
とても大人しい性質なので複数匹での飼育がおすすめ。マンジュウイシモチを群泳させている水槽は、ポップで楽しい雰囲気に仕上がります。
番外編!海や水族館でなら群れを楽しめる魚
ここでは、自宅の水槽で再現は出来ないけれど、海や水族館クラスの水槽環境でなら群れる様子が楽しめる海水魚種を紹介します。
どちらも、同種以外となら混泳可能な人気魚種です。
豆知識としてご覧ください。
番外編1:ナンヨウハギは群れる!
個人の水槽では再現不能ですが、映画のキャラクターのモデルとしても知られているナンヨウハギは、同種同士で群れを作ります。
野生個体が棲んでいる海では、ダイビングすると見れる可能性も。
物理的にはW150×D60cm以上の大きさの水槽で複数匹の飼育が可能です。
しかし、ナンヨウハギは大きくなるにつれて縄張り意識が強くなる魚で、成魚の同種混泳は水族館クラスの水槽でなければ不可能です。
体長が15cmを超えたあたりから気が強くなるので、同種での混泳は控えましょう。
また、ナンヨウハギは白点病にかかりやすいため病気対策も必須ですので、複数匹で飼育できない魚です。
番外編2:ヒフキアイゴも群れる!
海水魚らしいビビットなイエローの体に、愛嬌たっぷりの尖った口がユニークなヒフキアイゴも、海では同種で群れを作って生活します。
物理的には120cm以上の水槽で群泳が可能ですが、縄張り意識などの問題から水槽飼育で群れを再現することはできません。
ナンヨウハギほど気が強い魚というわけではありませんが、活発に泳ぐ性質と体長20cmの大きな体格から、複数飼育だとトラブルになりやすいです。
また、この魚はヒレに毒があるため、素手で触らないように注意してください。
万が一触ってしまった場合は流水で毒を洗い流します。痛みが引かないようでしたら病院にかかりましょう。
海水魚を群泳させるポイント
先ほども触れた通り安全な水槽内では、群れる性質がある魚種でもなかなか群泳してくれないことが多いです。
そんな、複数匹で入れてもバラバラに行動してしまうというような時は、
- その魚種よりも少し大きな魚を一緒に飼育する
- 隠れ場所を減らす
の2点を意識してみてください。
どちらも、魚の危機感を少しだけあおるような行為で、特に小さな魚ほど危険を感じると群れに戻る傾向があります。
ただし、やり過ぎるとストレスがかかったり、生体同士のパワーバランスを崩してしまったりする危険があるため、無理をせずに慎重に対処することが重要です。
まとめ:群れで飼育できる海水魚特集!貴重な群泳できる海水魚を紹介・解説します
今回は、群れで飼育ができる海水魚をご紹介しました。
気が強く単独行動が多い海水魚ですが、比較的温和な魚種ならば群れを作りやすいです。
水槽内で群泳を楽しむためには、魚種を選ぶことはもちろん、少し大きな魚を飼育するなどの工夫が必要な場合もありますが、成功した時にはアクアリウムのクオリティが格段にアップするでしょう。
淡水魚よりも体が大きくカラフルな海水魚の群れは、見応え抜群です。
ご紹介した魚種を参考に、ぜひ海水魚の群泳に挑戦してみてください。
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