メダカで学ぶ!産卵を子供と観察するために必要なものと育て方をご紹介
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様々な機会で目にすることの多いメダカは、子供にも馴染みのある生き物です。
大掛かりな飼育設備が必要ないことから自宅で飼育するのに最適で、子供と一緒にお世話をすることで「生き物を育てる」体験をさせてあげることができます。
また環境を整えてやれば比較的簡単に繁殖させることができるため、親メダカが産んだ卵が孵って稚魚が生まれ、成長していく…という生命のサイクルを肌で感じることができるのもポイントです。
しかし、これらの体験は親御さんのサポートがなければ成り立ちません。正しいメダカの飼育方法を知ったうえで、飼育に挑戦してみましょう。
ここでは、メダカの成長や産卵を子供と観察するために必要なものと育て方をご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに子供と一緒にメダカ飼育を楽しむ方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
飼育がしやすいメダカは、お子さん飼育を楽しむのに最適です。あまり手がかからないため子供でもお手伝いできるお世話がたくさんあります。
正しい飼育方法を知り、親子で飼育に挑戦してみましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、子供と一緒にメダカ飼育を楽しむ方法を解説します。
メダカから学べる事
子供と一緒にメダカを飼育するならば、この経験から何かを学び取って欲しいと考える親御さんは多いと思います。
そこでここでは、メダカの成長や産卵を通して学べる・伝えられる事をご紹介します。
- 産卵と成長過程を観察できる
- メダカたちの行動や性質を知れる
- 生命のサイクルを感じられる
目的を持って飼育・観察することで、子供たちもメダカに愛着を持って大切にお世話をしてくれるようになります。
生き物を飼育する責任やお世話の大切さを知ることができる
メダカの飼育を通して、責任感やお世話の大変さ・大切さ、そして命の尊さを学ぶことができます。
生き物を飼いたいというお子さんは多いのですが、子供が生き物のお世話を具体的に想像することは難しいもの。大切に育てれば元気に育つし、手を抜けば体調を崩してしまうこともあるということを自分で体験して、初めてリアルに生き物との関わり方を感じることができるのです。
メダカは余り手間のかからない魚で、お世話といっても餌やりと1~2週間に一度の掃除や水換え程度ですので、子供が初めて飼育する生き物に最適と言えるでしょう。
メダカたちの行動や性質を知れる
メダカを観察することで、行動や性質を知ることができます。
- 昼に活動する
- 視覚が良い
- 仲間同士で距離感がわかる
など、間近で見ないとわからないことも少なくありません。
メダカは身近な河川や湖沼にも生息していますが、広い空間を自由に泳ぎ回っている野性のメダカを、集中して観察することは難しいです。水槽で飼育することで、自然の中でどのように過ごしているかわかるのは、メダカ飼育のメリットといえます。
メダカを観察することで生き物への関心が深まりますし、自然に目を向けるきっかけにもなります。
生命のサイクルを感じられる
なかなか理解しにくい生命のサイクルを直に感じられるのも、メダカ飼育の魅力です。
メダカは環境を整えれば、初めてでも容易に繁殖させることができるため、
- 産卵
- 孵化
- 成長
- 繁殖
の流れを繰り返すメダカの一生を直接観察することができます。
産むものが子か卵かの違いはありますが、この流れは多くの生物に当てはまるものですので、メダカを通して生き物が生まれてどこに向かうのか理解するきっかけになるでしょう。
もちろん、メダカの観察で生命のサイクルをすべて理解することはできませんが、考え方の基盤になるのは確かです。
メダカ飼育と観察のポイント7つ
ここからは、メダカを飼育・観察するときのポイントを7つご紹介します。
飼育に必要な用品の説明や飼育環境、繁殖方法、子供が手伝えるポイントなど、お子さんとメダカ飼育に挑戦する上で知っておきたい内容をまとめましたので、ぜひ確認してみてください。
ポイント1:飼育に必要なものを揃えよう
メダカを飼育するのに必要な基本的な機材は『水槽(飼育容器)』『ろ過フィルター』『水槽用照明』の3つ、そして『餌』『カルキ抜き』『ろ材』などの消耗品に、必要に応じて『底砂』や『水草』などのレイアウト用品を用意します。
水槽 |
プラスチック容器でも飼育できるが、長期飼育を考えるならば小型のガラス水槽がおすすめ |
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ろ過フィルター |
投げ込み式フィルターや水中フィルターで十分。稚魚飼育を考えるならばスポンジフィルターが良い |
水槽用照明 |
メダカのバイオリズムを整えるために設置推奨 |
餌 |
メダカ用の人工飼料 |
カルキ抜き |
基本は固形のパイポで、必要に応じて水質調整効果がある液体カルキ抜きを使用する |
ろ材 |
ろ過フィルターに合わせたろ材を用意し、数週間から数ヶ月に1度汚れたら交換する |
一つ一つ揃えていくのでも良いですが、初めて飼育するならば必要な機材が揃ったメダカ飼育用の水槽セットを購入するのがおすすめです。
セット内容を確認し、足りない物を追加購入すれば手間なく飼育を始めることができます。
ポイント2:水槽を設置しよう
必要なものが揃ったら水槽を設置します。以下の条件を満たしている場所が最適です。
- 水平で安定感のある場所
- 直射日光の当たらない場所
- 急な物音や激しい振動がない静かな場所
水槽の破損を防ぐため、水平が保たれていて安定感のある台に設置します。また、設置の際は台の耐荷重を必ず確認しましょう。
水槽は水を入れると30cmクラスの小型水槽でもかなりの重量が出るため、可能ならば専用の水槽台を用意するのがおすすめです。
次に、直射日光についてです。メダカは日の光を好む性質があるのですが、過度な光はコケの増殖や水温の急変に繋がりますので、避けたほうが良いでしょう。
室内飼育ではちょうど良い日の光を当てることは難しいので、水槽用照明を代わりに当てて日照時間を管理すると飼育しやすいです。
最後に、メダカは臆病な性格のため、頻繁に大きな物音や振動がある場所ではストレスがかかり体調を崩してしまいます。
人影にも驚いてしまいますので、静かで人通りの少ない場所に設置してあげるのが良いでしょう。
ポイント3:メダカのお世話の仕方
メダカ水槽のお世話内容は、主に餌やりと水換え・掃除の2つです。
餌やりについて
餌やりは毎日行います。1日1~2回、5分程度で食べきれる量を目安に様子を見ながら与えましょう。
食べ残しは水の汚れの原因になりますので、注意してください。
水換え・掃除について
メダカを飼育する水槽の水は、メダカがするフンや餌の食べ残しなどで汚れていきますので、掃除をしましょう。
水換えは1~2週間に一度、総水量の1/3程度の量を新しい水に交換します。全ての水を交換してしまうと環境が急変してメダカの負担になるため、交換量は守るようにしてください。
また、新しい水と水槽の中の水の水温は合わせておくと良いです。
水槽の壁面に生えたコケや底砂の汚れは、水換えの時に合わせて掃除をします。
コケはメラミンスポンジやヘラで優しくこそげ落としましょう。
落としたコケや底砂に溜まった汚れは、『プロホース』というクリーナーポンプを使って水と一緒に吸い出すと効率よく掃除ができます。
ろ過フィルターは大体1ヶ月に1度程度を目安に掃除をします。ろ材も汚れが酷いときや目詰まりしているときは交換・洗浄してください。
ただし、水換えと同時に行ってしまうと水質の急変に繋がりますので、ろ過フィルターやろ材の掃除は他のメンテナンスから日を空けて行うのがポイントです。
ポイント4:お子さんと一緒にできるお世話
お子さんとメダカ飼育をするときは、少しずつ飼育のお手伝いをしてもらうと良いでしょう。
- 水換えの水を作って注ぐ
- 餌を与える
- メダカの状態を観察して連絡する
あたりが小さな子供でも始めやすいお世話です。
ただし、新しい水を作るときに使うカルキ抜きは薬剤ですので、扱う際は必ず大人が分量を確認しながら一緒に作業をしましょう。
また、水は重量がありますので、水を注ぐときにも危険がないよう、必ず大人が付き添ってあげてください。
ポイント5:観察のポイント
メダカのお世話に慣れてきたら、観察してみましょう。
- 餌の食べ方
- 泳ぎ方(一匹で泳ぐのか集団で泳ぐのか)
- 仕草
- 時間ごとの過ごし方(昼は活発に行動するのか、夜は眠るのか、など)
など、ポイントを決めてメダカの様子を観察します。この時、メダカの性質を合わせて考えてみると面白いです。
また、繁殖するようになったら、繁殖行動や卵、稚魚の成長を見ていくと発見や学びがあります。
ポイント6:繁殖について
飼育に慣れてきたら、繁殖に挑戦してみましょう。
メダカは以下の条件を満たすと繁殖することがあります。
- 水温が20~26℃
- 日照時間が12~13時間以上
自然環境下や屋外飼育では春~秋にかけてが産卵時期ですが、屋内飼育で水槽用ヒーターなどを使用して水温を保ち、照明を使って日照時間を管理すれば一年中繁殖させることが可能です。
また、水槽内のオスメスの比率や、産卵するための水草や産卵床を入れる、餌を栄養価の高いものに切り替えるなど、少しの工夫で産卵しやすくなります。
産卵のタイミング
一般的にメダカは明け方(4時ごろ)に産卵することが多いとされています。
かなり早い時間なので直接見るのは大変ですが、夏休みなどで時間があるときには早起きして観察してみると良いでしょう。もし確認できた時の喜びはひとしおです。
また、産卵の瞬間はみれなくても、水草などに産み付けられた卵を確認することができます。
卵と稚魚の育て方
卵を見つけたら、産卵床や水草ごと別容器に隔離して、成長を見守ります。
水槽にそのまま入れておくと、成魚に食べられてしまう危険がありますので、必ず隔離してください。
メダカの卵を孵化させるためには、水温と光が重要で、条件は次のとおりです。
- 積算水温が250度
- 光の当たる時間が13時間以上
積算水温は1日の水温の積み重ねで、水温が25度の場合は10日(25×10=250)で孵化します。室内で観察する場合は水槽用照明の点灯時間を13時間以上に設定しましょう。
稚魚は、孵化してから3日程度は腹部にある栄養(ヨークサック)で成長するため、餌を与える必要はありません。3日以降は、稚魚用の人工飼料やゾウリムシなどの生き餌を与えます。
ポイント7:メダカと一緒に飼える生き物は?
大人しいメダカは様々な生き物と混泳することができますので、余裕があれば一緒に飼育してみるのもおすすめです。
生き物を増やすことで、より自然に近い姿を観察することができます。
メダカと相性が良いのは次の生き物です。
- 日本淡水魚:ドジョウ
- 小型熱帯魚:ネオンテトラ、アカヒレ、コリドラス
- エビ類:ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ
- 貝類:イシマキガイ、タニシ
メダカに危害を加えない小型の魚や生き物であれば、一緒に飼育できることが多いです。ただし、熱帯魚は26度ほどの水温が適温なので、水槽用ヒーターを設置して水温を一定に保つ必要があります。
また、生き物が多いことで餌とフンの量が増えるため、飼育数に応じてろ過フィルターを能力が高いものに変更しましょう。
観察が終わっても最後まで大切に飼育しよう!
観察が終わったメダカや繁殖して増えたメダカを、河川に放流してしまう事例が多発し、問題になっています。
メダカは元々日本の水辺にいる魚ですが、それでも飼育していたものを自然に返してしまうと生態系に影響が出ますので、絶対に止めましょう。
メダカの飼育を始めるときには最後まで責任を持って飼育できるか、メダカを繁殖させるときは増えたメダカを飼育しきれるか(そのための水槽を用意することはできるか)熟考してから挑戦することが大切です。
メダカは可愛らしい魚で人にも慣れるので、飼い込むほど愛着が湧いてきます。
増えたメダカが飼いきれないときは、知り合いやSNSを使って譲渡先を探します。最近はアクアリウムショップで引き取ってくれる場合もあります。
観察を始めることは「最後まで飼育すること」と同じ意味です。飼い続けることで命の大切さや責任感を学ぶ機会になります。
まとめ:メダカで学ぶ!産卵を子供と観察するために必要なものと育て方をご紹介
今回は、メダカの生体や産卵~成長を子供と観察するために必要なものと育て方をご紹介しました。
身近な魚のメダカは、とても飼育がしやすくお世話の手間もあまりかからないため、初めて生き物に触れるお子様にも最適です。
メダカ飼育を通して、生命のサイクルや命の大切さ、生き物を飼育する責任を学ぶことができます。
生き物については、本で読んだり、映像で見たりしただけでは伝わりにくい>ことも少なくありません。自分の目で見て理解できることは、生き物観察の大きなメリットです。
学びの多いメダカの飼育をぜひお子さんと一緒に楽しんでみてください。
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