アクアリウム水槽を立ち上げるには!東京アクアガーデンが実践するテクニック
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『水槽の立ち上げ』という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
立ち上げとは、水槽で魚やエビなどの生き物たちが、安全に生きられる環境に整えることを指します。
しかし、何をもって水槽が『立ち上がった』とするのかは水槽を始めて設置するアクアリウム初心者にとって判断が難しいです。 熱帯魚飼育の最初の課題となる水槽の立ち上げについてを注意点と共に解説しつつ、東京アクアガーデンのアクアリストたちのテクニックもご紹介します。
目次
水槽の立ち上げとは
アクアリウムは、メダカブームや自宅時間を彩るアイテムとして人気が上昇しています。
『水槽の立ち上げ』は、水槽内の生き物のサイクルを完成させる大切な工程です。
アクアリウムは水槽を設置いたり機材を繋いだりするだけではなく、飼育水を浄化するバクテリアを育むところから始まります。
バクテリアは自然に水槽内で増えていくのですが、スムーズに育成するには手順やコツがあります。
アクアリウムを新しく作るときはベテランの飼育者でも立ち上げを慎重に行います。
それは、東京アクアガーデンのアクアリストたちも同じです。
ろ過バクテリアとは
アクアリウムの水質を整えるために必要な微生物たちで、ろ過バクテリアや硝化バクテリアと呼びます。
水槽の水は透明に見えますが、カルキを抜いた瞬間から、様々な菌や微生物が棲みつきます。
ろ過バクテリアたちはその中でも、熱帯魚やエビなどの生き物から排出されるアンモニアを分解・変換してくれる働きを持っています。
アンモニアは熱帯魚たちにとって有害です。ろ過バクテリアを増やし、定着させることは非常に大切です。
有害物質の分解サイクル
- 魚のフンなどからアンモニア(毒性)が発生
- バクテリアがアンモニアを亜硝酸塩(中程度の毒性)に変換
- さらに亜硝酸塩を硝酸塩(低毒性)に変換
これら一連のサイクルが完成するまで、約4週間程度かかりますので、その間はこまめな水換えで有害物質を薄めて水質を維持します。
変換は硝酸塩で終わります。
常に増える硝酸塩を排出してクリーンな水質を保っていくために、定期的な水換えを行う、というのがアクアリウム管理の主なながれです。
アクアリウム水槽の立ち上げ方法
ろ過バクテリアを増やして『水槽を立ち上げる』ための方法や手順、ポイント、テクニックを解説します。
水槽の立ち上げに必要なもの
設備:水槽、ろ過フィルター、水槽台、底砂、LED照明、水槽用ヒーター(熱帯魚の場合)
道具:バケツ、水換え用クリーナー、カルキ抜き、水温計、水質検査キット、魚用の網、バクテリア剤、お掃除用のヘラやスポンジ
水槽を立ち上げるには、こまめな水換え作業が欠かせません。
そのため、バケツや水換え用クリーナー(プロホースなど)、カルキ抜きは必ず準備しましょう。
また、水温が急激に変化すると熱帯魚などの生き物はダメージを負うため、水温計を確認し同じ温度の水を用意することも大切です。
アンモニアなどの有害物質は見た目ではわかりにくいため、水質検査キットや試験紙で水質を確認すると、水換えのタイミングわかりやすいです。
東京アクアガーデンの水槽レンタル・リースサービスでは水槽、水槽台などの設備は貸し出しとなり、道具類はメンテナンススタッフが訪問時に持参します。道具の置き場所を用意する必要が無いので、店舗やオフィスなど限られたスペースでも無駄なくアクアリウム水槽を楽しむことができます。
水槽をセッティングする
水槽を設置するには、まず設置場所の水平を確認します。
斜めや凸凹した設置面では水槽のバランスが取れず、破損の危険性があります。また、水槽周りは最低10cm程の余裕を持たせると干渉が無く安心です。
地震などの揺れで倒れてしまわないように、安定した場所に設置しましょう。
水平は専用の器具(水平器)だけでなく、水平計測アプリのご利用でも簡単にご確認いただけます。
水槽を設置したら、水槽内のレイアウト作業に移りますが、東京アクアガーデンでは水槽周りを汚さないように、ブルーシートを敷いて行います。
水をたらす・汚したくない場合、作業中はシートや新聞紙を敷くことをおすすめします。
レイアウトはまず、底砂(底床材)から入れていきます。この時、砂利スコップやヘラがあるときれいに整えやすいです。
水槽の底床(ていしょう)・底床材とは
アクアリウムというと、砂や砂利を敷き詰めたイメージが浮かぶことでしょう。 それらをアクアリストは底床材と呼んでいます。砂利や砂の他にも、アクアリウムの種類によっては栄養分を多く含んだ人工砂『ソイル』や天然のサンゴを細かくした『サンゴ砂』などが使用されます。
底床材は見た目の効果だけでなく、ろ過バクテリアの住処にもなります。
そのため底床材があると、ろ過バクテリアを効率よく増やせて水質を安定させやすいです。
また、水草育成には底床材は必須ですが、なかでもソイルを選択すると育てやすいです。
粒サイズも豊富で植え付けやすく、養分が豊富なため、肥料の役割も担ってくれます。
底床材は水槽前面側を低くし、背面に向かって傾斜をつけて高さを出すと、レイアウトの奥行きを演出できます。
水草をたくさん植え付ける淡水水槽では、水草の高低差をみせるためによく採用される手法です。
飼育する生き物によっては、底床材が無いほうが水質を維持しやすいことがあるため、あえてまっさらなレイアウトを行うことがあります。
その状態をベアタンクと呼び、フンの多いアロワナや金魚などで採用されます。
水槽内レイアウトの設置
底床材が整ったら、次はレイアウトアイテムの設置です。
水草や流木、岩などのレイアウトアイテムは、水を注ぐ前に行います。
初めての時は、水草が流木や石に植え付けられているもの(これを活着と呼びます)を配置すれば簡単にレイアウトの見所を作ることができます。
底床材に植え付ける場合は、水草専用のピンセットを使い、バランスを見ながら植えていきましょう。
丈の長い水草は、水を8割程度入れた後から作業するとしなることが無く植えやすいです。
水草レイアウトのポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
水槽に水を注ぐ
水槽に水を注ぐときは、落水地点に手を添えて水が広がって注がれるようにします。
勢いよく水を注いでしまうと、折角行ったレイアウトが崩れる原因になります。
通常の水換え時には注ぐ前にカルキ抜きを使用しますが、初めてアクアリウムを設置する場合はまだ生き物がいないので、水を注いだ後でカルキ抜き剤を投入して中和を行っても大丈夫です。
ここで、立ち上げを早くするアイテムとしてバクテリア剤を使用する場合があります。
バクテリア剤とは、ろ過バクテリアを含んだ水質調整剤のことで、水槽内のバクテリアの数を増やすことができます。
東京アクアガーデンでは、バクテリア剤よりも優先的に既に立ち上がった別の水槽の水を使用しています。
安定した水質=バクテリアが十分に含まれた水なので、株分けのように新しい水槽に導入することで、素早く立ち上げられます。
水槽に機材を装着・設置する
ろ過機(ろ過フィルター)は水を循環させるだけではなく、バクテリアの住処となるろ材を容れる装置です。ろ材は水の汚れを物理的に濾す効果と、棲みついたろ過バクテリアでアンモニアを変換する効果があります。
水槽台がある場合は外部式フィルターなどほとんどの機材を収納できるため、すっきりとさせられます。
※飼育している熱帯魚や生き物によっては、外部式が向かないこともありますので、それぞれに適切な種類のろ過機や方式を選定します。
光は水草の育成や生き物のバイオリズムを整える効果があるため、水槽用照明も忘れず設置しましょう。
東京アクアガーデンの水槽レンタルサービスには機材一式も含まれています。
設置前に稼働期間を設け、初期不良の検査・ろ過バクテリアに馴染ませるなどの処置を行っています。
熱帯魚・生体を入れる
水槽は水を注いでから5~7日は空回しします。
設備の初期不良チェックや水の循環を安定させるために、魚や生き物をすぐには飼育しません。
東京アクアガーデンでは設置当日から熱帯魚の飼育が可能ですが、それは機材の事前処置や既に立ち上がった水槽の水を使用するからです。
しかし、それでも水を注いでから時間を置かずに熱帯魚を水槽に入れてしまうと、環境変化により魚たちがストレスやダメージを受けてしまいます。
それを解決するのが水合わせと呼ばれる調整方法です。
アクアリウムの水合わせとは
水質や水温が急変してしまうと、熱帯魚やエビなどの生き物たちに負荷がかかります。
『水合わせ』は水槽の水質・水温に慣れさせるための方法です。
具体的な方法は、次の3ステップです。
- 魚の入った袋をそのまま水槽に20分以上浮かべ、水温を合わせます。
この時、水槽の水が入らないように注意します。 - 袋と水槽の水温が同程度まで揃ったら、袋の中に少しずつ水槽の水を注ぎ、水質に慣れさせます。
袋の中の水は汚れているため、水槽に入り込まないように、注いだ分量を排出していくと良いです。 - そのまま30分程度置いたら、水槽の中に魚を放します。
袋の水が水槽に入らないように、魚はできたら網で掬うなどして入れましょう。
水槽立ち上げを失敗しないためのポイント3つ
誤った方法で水槽の立ち上げを行うと、水が白濁りしたり、熱帯魚が体調を崩したりしてしまい最悪の場合は死んでしまうこともあります。
このようなトラブルを防ぐためのポイントをまとめました。
ポイント1:水中のバクテリアが増えてから生体を入れる
東京アクアガーデンはあらかじめ安定した水槽の水を使用し、短期間で新しい水槽を立ち上げる方法をとっています。
しかし、はじめてアクアリウムをはじめる場合は水道水を使用する方が多いでしょう。
水道水に含まれる塩素はカルキ抜きで解決できますが、バクテリア剤を投入してもすぐに水質が整うわけではありません。
ろ過バクテリアは底床材やろ材に棲みついて初めて十分な効果を発揮します。
バクテリア剤の効果が出始めるのには1週間ほどかかるため、それまではこまめな水換えで対応します。
ろ過バクテリアが少ないうちにたくさんの熱帯魚などの生き物を入れてしまうと、フンなどから発生するアンモニアを完全に分解できず、生き物たちにダメージを与えてしまいます。
水の白濁りや生き物の死につながりますので、まずは安定するまでじっくりと待ちましょう。
ポイント2:魚やエビなど、生き物の水合わせはしっかり行う
水合わせは水温に慣れさせるので20分以上、水質に慣れさせるのには30分程度の合計1時間を目安に行いましょう。
水温や水質が合わないまま生体を入れてしまうと急激な水質の変化により生体に負荷をかけてしまいます。
水槽を新しく立ち上げるときは、水質が安定しないため、生体の健康状態が悪化しやすいです。
そのため、入念な水合わせが大切です。特に寒い季節など、水温差が出てしまいがちな時期には気を付けましょう。
ポイント3:底床材とろ過機、ろ材は事前に洗う
底床材やろ材はろ過バクテリアが住み着く場所です。
ゴミなどの不純物があると目詰まりしやすく、バクテリアが増えにくくなります。
ろ過バクテリアはろ材などの凸凹を住処にしますので、目詰まりは大敵です。
通水性にも影響するため、ベストな水流を維持するためにも事前に洗いましょう。
底床材は事前に洗わないと水槽の水が汚れで大変に濁ります。
砂利や砂など形状に関わらず、しっかりと濁りが取れるまで洗いましょう。
この時、素手で洗うと痛めるため砂利スコップがあると便利です。
ろ材も底床材も、製造工程でついた粉末などを落とす意味でもしっかりすすぐことをおすすめします。
例外として、ソイルは有機物が含まれているため、養分により水が濁りやすくなります。
その場合は、ろ過機に活性炭を導入すると解消できます。
水槽立ち上げ時のトラブルと対処方法
水槽の立ち上げはトラブルが一番起こりやすいタイミングです。
よくあるトラブルとその対処方法について解説します。
飼育水が濁ってしまう
ろ過バクテリアが十分に増えていないと、水が白濁りすることがあります。
これはバクテリアが分解しきれなかった水中の有機物や、定着できなかったバクテリアの死骸が原因です。
バクテリア剤は急激にろ過バクテリアの数を増やすため、定着できずに死んでしまう数もそれなりにでます。
ろ過バクテリアは酸素を必要とするため、エアレーションを併用すると生存率を高められます。
また、低床材が白に近い色だと、光の具合で白く濁って見えることもあります。
微粒子が水中に舞ったりして水が濁りの原因になることもありますが、期間が経てば落ち着いていきます。
濁りの対処法
バクテリア不足が原因の場合は、バクテリア剤の使用やエアレーションを強めることでバクテリアの増殖を促すことができます。
水槽のサイズ=水量に対して、水流や酸素、定着できるろ材が足りないとバクテリアがうまく増殖しないので、水量に適したろ過フィルター、ろ材を使用しているかもポイントです。
ろ過フィルターの選び方についてはこちらをご覧ください。
熱帯魚水槽用のろ過器を徹底比較!タイプ別でわかるろ過フィルターの選び方|アクアリウム情報メディア熱帯魚・金魚の水槽・アクアリウム情報メディアサイト「トロピカ」
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水槽の生体が死んでしまう
水槽を立ち上げた直後は水質が安定しないために、熱帯魚などの生体の健康状態が急変し、病気に罹ったり、死んでしまったりすることがあります。
そんな時は、3つのポイントを中心に確認してみましょう。
- 水換えは足りているか
- 生体の数が、水量に対して多すぎないか
- エサは行き渡っているか
焦らず飼育環境を整えれば、必ずアクアリウムは成功できます。
水槽の生体が死んでしまう場合の対処方法
水換えが足りているかどうかは水質チェッカーや検査薬、試験紙で目視できます。
立ち上げ初期に注意したいのは1.『アンモニア』、2.『亜硝酸塩』、3.『硝酸塩』の3つです。
1と2は危険度が非常に高く、数値が高まると中毒になります。
規定値を越えたら即座に水換えを行いましょう。
3が検出され始めたら、立ち上げ(サイクル)が成立し始めた状態です。
ここでも水換えを行いつつサイクルが完全に整うのを待ちましょう。
ろ過バクテリアが十分でない兆し(水が濁っている、コケが発生しているなど)があれば、随時水換えやバクテリアの増殖を促すなど対処を行いましょう。
水槽にコケ・カビが発生する
水槽を新しく立ち上げて間もなくても、コケが生えてしまうことがあります。
コケが生えると生体に影響はないのですが、ガラス面や水草、レイアウトアイテムを覆ってしまい、観賞性が下がります。
また、流木などに白い綿のようなカビが生えることがあります。
水槽のコケ・カビの対処方法
コケは水中の養分が多いとそれをもとに増えていきます。
こまめに水換えをして余分な養分を減らしましょう。硝酸塩が多いと、こけが生えやすい傾向になります。
また、生体を導入するタイミングでコケを食べてくれるエビなどのお掃除生体(メンテナンスフィッシュ)を導入するのもおすすめです。
カビは、水中の養分がよどむんでいる場所に生えやすいです。
ろ過フィルターの水流が、水槽内にいきわたっているか、掃除は足りているかを確認しましょう。
コケの対処方法についてはこちらもご覧ください
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東京アクアガーデンの水槽立ち上げテクニック!
プロが実践する水槽立ち上げ方法のまとめ
アクアリウム水槽を立ち上げる方法、コツ、テクニックや注意点をご紹介しました。
水質やろ過バクテリア、水合わせや機材の選定、水の濁り問題など、注意すべきポイントは数多くあります。
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