アクアリウムコラム

水棲カメの水換えガイド!最適な頻度や方法、飼育水トラブルを解説

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どっしりとした個性的な見た目が人気の水棲カメ。ほとんどの時間を水中で過ごす彼らを飼育する上で、悩みの種になりやすいのが水換えの頻度です。

カメは雑食性の大食漢で餌もフンの量も多いことから、他の水棲生物に比べて水を汚しやすく、放っておくとすぐに水質が悪化してしまいます。
特に体力に乏しい子亀の時期は、水質の悪化がすぐに体調に影響するため、こまめに水換えをして水質を維持しましょう。

今回は、水棲カメの水換え頻度の考え方や水槽サイズに合った換水方法を解説します。

水棲カメ水槽の水換え頻度は、生体の大きさや屋外室内の違いなど環境によって変わります。適切なタイミングで水換えをして清潔な環境を整えていれば、コケや臭いといった問題も軽減されるため、メンテナンスの頻度の決め方をしっかり確認しておきましょう

プロアクアリストたちの意見をもとに水棲カメの水換えを解説

オフィスで水槽のメンテナンスを行う青い服のスタッフの背中
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

魚とは異なる特徴を持つ水棲カメを飼育する水槽では、水換えの頻度や水質の管理方法を個体に合わせて変える必要があります

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水棲カメの水換えを解説します。

水棲カメに最適な水換えの頻度

水槽内を泳ぐ緑色の甲羅を持つカメと背景の流木や石
水換えを行う頻度やペースを決める大きな要因は、主に以下の2つです。

  • 水槽の総水量と排泄物の量(カメの体長)のバランス
  • 屋外と室内どちらで飼育しているか

水棲カメは餌やフンで水を汚すペースが早い生き物なので、小型の熱帯魚水槽などと比べると水換えの頻度は多くなります
細かいタイミングは飼育状況によって異なるため、目安はあくまで参考程度に、ご自分の水槽に合った頻度を見極めることが大切です。

総水量と排泄物の量のバランス

水の汚れやすさは総水量と排泄物の量のバランスに左右されます

基本的には水量が多いほど水が汚れにくくなるため、水換えの頻度を少なくしたいときは大きめの水槽を用意するのがおすすめ。

例えば、子供の小さなカメを虫かごサイズの容器で飼育しているケースをたまに見かけますが、体長的には問題がなくても水質を維持するためには毎日水換えをしないと追い付かず、メンテナンスが負担になってしまうことがあります。
カメは子亀の時からフンが多いため、飼育開始の時点で成長後の体長を見据えた大きなサイズの水槽を用意しておくと安心でしょう。

ただし、大きな水槽は設置場所を選ぶ上に掃除や水換えの手間がかかるため、あえてぴったりのサイズを選んで、こまめな水換えで水質を維持していくというのも一つの方法です。
設置スペースやメンテナンスの負担を考えながら、ご自分に合った水槽サイズを選ぶと長期管理がしやすくなります

屋外と室内どちらで飼育しているか

屋外飼育か室内飼育かというのも水換えの頻度を決める大きなポイントになります。
それぞれの環境の大まかな目安は以下の通りです。

屋外飼育:毎日~3日に1度、総水量の半~全量を交換
室内飼育:週1~2回、総水量の1/3程度を交換

屋外飼育は季節に合わせて水換えの頻度を調整しよう

屋外の緑色容器で日光浴をするカメとよしずの風景
屋外のトロ舟で飼育されることが多い、ミドリガメクサガメなどは、体が大きくカメの中でも特に水を汚しやすい傾向があります。
ろ過フィルターなどの機材も設置しないケースがほとんどなので、こまめに水換えをして清潔な環境を整えましょう。

特に夏の気温が高い季節は水が悪くなりやすいため、毎日しっかり水換えを行ってください。一方涼しい秋から冬にかけては、3日に1度程度でも問題ないことが多いです。
ただし、白濁りや生臭さを感じるときは水が悪くなってきているサインなので、この場合は放置せずすぐに水換えをすることをおすすめします。

また、毎日の水換えが負担に感じる場合は、餌やりをするときだけカメを別の容器に移す方法が効果的です。
カメは食べた後にすぐ排泄するため、この方法を取り入れるとメインの飼育容器が汚れにくくなります

室内飼育ではろ過フィルターの目詰まりに注意

水槽のガラス面に近づくカメの正面写真
キボシイシガメニオイガメなど小型種や、スッポンモドキなど完全水棲の種類は水質に敏感な面があるため、安定した室内の水槽でろ過フィルターを使って飼育するのが一般的です。

この場合は、季節に関わらず週1~2回程度の水換えを行ってください
ただし、子亀の頃などろ過フィルターを使用していない水槽では、 屋外飼育と同じく毎日~3日に一度、半~全量を交換します。

また、定期的にろ過フィルターの状態を確認するのも重要な作業です。
カメのフンは魚に比べてサイズがかなり大きく、ろ過フィルターの物理ろ過を行う部分(スポンジやウールマット)に詰まってしまいがち。フィルターが目詰まりすると水流が滞り、かえって水質が悪化してしまう危険があるため、水換えのタイミングで状態を確認する習慣をつけましょう。

汚れがついているときは飼育水でもみ洗いをするか、劣化が激しければ新しいものに交換します。
見た目に透明な水でも、汚れがたまっていないとは限りません。フィルターを過信せず、水換えとメンテナンスをセットで考えることが大切です。

水槽サイズ別!おすすめの水換え方法

水槽内の白い石の横で泳ぐ緑色のカメの幼体
続いて、水槽サイズごとに効率的な水換え方法をご紹介します。
小型~中型水槽と大型水槽では、水換えに使うアイテムや効率的に進める方法がかなり違います

比較的小さな水槽では小回りの利く道具を使用して、隅々まで丁寧に掃除をするのが理想なのに対し、大型水槽は水を抜くのにも注ぐのにも時間がかかることから、電動ポンプなどを上手に利用して効率よく作業を進めることを意識してみてください。

小型~中型水槽(90cm水槽まで):クリーポンプで排水と掃除を行う

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水槽サイズが90cm以下の小型~中型の水槽では、水と底にたまった汚れを一度に吸い出すことができる熱帯魚用のクリーナーポンプが便利です。
底砂の間や水槽の隅には嫌な臭いの原因となる、フンや食べ残し、薄皮がたまりやすいため、クリーナーポンプで丁寧に吸い出すと、臭いの予防になります。

また、気づいたときに簡単に掃除ができるのもクリーナーポンプのメリット。
餌の食べ残しやフンが目についたらその部分だけ手早く吸い出していれば、水質悪化のスピードを抑えやすくなります

大型水槽(120cm以上の水槽・トロ舟など):水中ポンプで排水するのが楽

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120cm以上の大型水槽やトロ舟は、水量が多い分排水や給水にかなりの時間と労力がかかります
この場合は、お風呂用の排水ポンプやアクアリウム用の水中ポンプを使うのが効率的です。

ポンプにホースを繋いで、水場や屋外に直接排水すれば水換えの手間をかなり軽減できます。
この時、ポンプが大きなフンやゴミを吸い込んでしまうと、機種によっては詰まりの原因になるため、排水を始める前に目に見える汚れを網ですくっておきましょう

大型容器は水量が多い分水質の急変はおきづらいですが、ろ過フィルター無しの屋外であったり、大きなカメでフンが多かったりするとあっという間に水が汚くなってしまいます。定期的な水換えをして清潔な環境を維持しましょう

カメ水槽の飼育水トラブル

砂利を敷いた水槽内で顔を上げる2匹のカメの仲間
定期的な水換えをしていても、コケの発生やグリーンウォーター化、臭いや濁りなど、飼育水に関連したトラブルに見舞われることがあります。

ここでは、カメ水槽で起きやすい3つの飼育水トラブルの原因と対処法をご紹介します。

すぐにコケだらけになってしまう

豊富な照明や日の光とフンから発生する硝酸塩が豊富なカメ水槽は、一般的な熱帯魚水槽に比べてコケが生えやすく、完全になくすことはできません

しかし、メンテナンスをしてもすぐにコケだらけになってしまうような場合は、環境を見直すことで繁茂のスピードを遅らせられる可能性があります。

まず、日照時間の管理です。光が当たる時間が長すぎるとコケの成長を促進してしまうため、一日8~10時間程度になるよう調整しましょう。
また、コケの栄養となる養分の発生を抑えるため、フンや餌の食べ残しを見つけたらその都度取り除くのも有効です。

飼育容器に生えてしまったコケは、放置していると固着して取りづらくなってしまうため、こまめに取り除きます。カメ飼育の場合は水換えのタイミングでコケ取りする習慣をつけておくと、比較的きれいな状態を保ちやすいです。

亀の甲羅にコケが生えた!

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水槽内だけでなく、カメの甲羅にまでコケが生えてしまうことも珍しくありません。

甲羅にコケが生える原因は水中の養分過多に加えて、カメが甲羅をしっかり乾かせていないことにあります。
半水棲のカメの場合は、陸地にバスキングライトが十分当たっているか、全身が水から上がれるだけの広さがあるかを確認してください。

甲羅に生えてしまったコケは、柔らかいブラシで優しくこすり洗いをして取り除きます。
この時、強くこすったり硬い金属のブラシを使ったりするようなことは絶対にやめてください。カメの甲羅は骨と皮膚でできた体の一部で、傷がつくとそこから感染症に感染するリスクがあるため、注意が必要です。

洗い終わったらしっかり乾燥させてから水槽に戻します

水が緑色になった

屋外飼育に多いのが、水が緑色に色づくグリーンウォーター化です。

植物プランクトンが大量発生している状態で、鑑賞性の低下や酸欠のリスクから嫌がる飼育者も多いですが、実はグリーンウォーター自体が飼育に悪影響を及ぼすようなことはありません
カメは肺呼吸をするので酸欠にはなりませんし、むしろ水の透明度が下がって身を隠せるようになることを好む個体もいるほどです。

とはいえ、カメの様子を観察しにくくなるという点では不便なため、観賞を楽しみたい場合は早めに対処しましょう。
グリーンウォーターの解消には、壁面をしっかりこすり洗いした上で、全量換水を数日間続けます

また、日光が強く当たり続ける場所はグリーンウォーター化しやすいため、適度に日陰を作るのも効果的です。

水が濁る・臭う

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水が白く濁ったりドブのような嫌な臭いが強くなったりするのは、水中の硝化バクテリアのバランスが崩れて、アンモニアなどの有害物質が大量発生しているサインです。
この状態を放置していると、カメが皮膚病や眼病などの病気にかかるリスクが高まるため、早めに水率を改善しましょう。

まず飼育容器にたまった汚れをクリーナーポンプを使って徹底的に除去し、水換えを行います。
ろ過フィルターを使っている場合は、ろ材の目詰まりや内部に汚れがたまっていないかも確認してください。

バクテリア剤活性炭を使えば、一時的に臭いや濁りを抑えることができますが、根本的な原因を解消しないことには、すぐに再発してしまう可能性が高いです
餌の量や水換え、ろ過フィルターメンテナンスの頻度を見直し、環境を整えましょう。

まとめ:水棲カメの水換えガイド!最適な頻度や方法、飼育水トラブルを解説

砂利を敷いた水槽内を泳ぐカメの横顔と甲羅
水棲カメを飼育する水槽の水換えについて解説しました

水棲カメの水換えは、飼育容器のサイズとカメの排泄量、飼育環境に合わせた頻度・方法を選ぶことが大切です。
水換えの頻度と量は、屋外飼育の水槽で毎日~3日に一度、半~全量ろ過フィルターを設置している室内水槽で週1~2回、1/3程度が目安となります。

小型容器はクリーナーポンプ大型容器は水中ポンプを活用して、底のフンや食べ残し、薄皮を丁寧に取り除くようにしましょう。

また、水換えをしていても飼育水に臭いや濁りが見られるときは、飼育環境のバランスが崩れているサインであるため、原因を特定し早めに対処してください。

水棲カメは排泄量が多く、飼育水を汚しやすい生き物です。水が汚れない完璧な環境を目指すよりも、汚れをため込みすぎないことを目指すと余裕をもって管理ができます。
飼育容器に合った道具を使いよく観察しながら、無理なく飼育を続けられるペースを掴みましょう。

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執筆者 のべじ

幼少の頃より生き物が大好きです。身近な川魚から熱帯魚、両生・爬虫類までさまざまな生き物を飼育してきました。大学で海洋生物学を学び、水族館で働いた経験も併せて、アクアリウムが楽しくなるようなコラムを紹介していきます

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