アクアリウムコラム

1匹でも感染する魚の病気と対策!魚の健康を確認する方法も解説

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飼育している魚が病気になる大きな原因として、新たに導入した生体を介した病原菌や寄生虫の持ち込みが挙げられます。
このようなケースは、基本的に混泳水槽で起こることから単独飼育の水槽は病気のリスクが低いと思われる方もいることでしょう。

実際、新魚の導入がない単独飼育水槽は、混泳水槽よりも比較的トラブルが少ない傾向があるのは事実です。しかし、だからと言って全く病気にかからないというわけではありません
単独飼育でも水質の悪化やストレスから魚の抵抗力が低下すると、水中に潜んでいた寄生虫や常在菌に感染して病気を発症する可能性があります

今回のコラムでは、1匹でも感染する魚の病気に注目し、その対策と魚の健康状態を確認する方法をご紹介します。
単独飼育だからと油断せずに、魚の病気に対する理解を深めてじっくり大切な1匹を育てていきましょう。

プロアクアリストたちの意見をもとに1匹でも感染する魚の病気を解説

水槽のガラス面をスポンジで掃除する人の手
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

単独飼育の水槽で病気が発生するときは、水質や水温の異常が潜んでいることが大半です。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、1匹でも感染する魚の病気を解説します。

1匹でも感染する魚の病気例

水面に口を近づけて泳ぐ白い体色と赤い頭の金魚
水槽に一匹で飼育している魚がかかる病気の多くは、水槽に潜む寄生虫や常在菌が原因で起こるものです。

ここでは、単独飼育でも感染しやすい4つの代表的な病気を解説します。

白点病

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白点病は魚の体やヒレに小さな白い点がポツポツと現れる病気で、ウオノカイセンチュウという寄生虫に感染することで発症します。

一般的には新魚を導入したときに病気が持ち込まれて、水槽内に蔓延することが多いですが、単独飼育の場合でも元々水槽に寄生虫が入り込んでいて、魚の体力低下などをきっかけに病気が露見することがあります。

ウオノカイセンチュウは1週間ほどで成虫になり爆発的に増殖するため、白点病の初期症状が見られたらすぐに水温を高めて、薬浴を開始することが重要です。

水カビ病

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水カビ病魚の体表に傷があるときに特に発症しやすい病気です。

原因は水中に潜む真菌で、傷口に真菌が感染し、体表やヒレに白い綿のようなカビが付着します。

真菌は水中の常在菌で、魚が健康な時には影響を受けることはありません。水カビ病が見られたときは、外傷や水質などが原因で魚の抵抗力が落ちている可能性がありますので、薬浴で治療を行いつつ、水槽内の環境改善に取り組みましょう。

エロモナス感染(赤斑病・松かさ病など)

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体の一部が充血したようになる赤斑病や鱗が逆立つ松かさ病と呼ばれる症状は、水中の常在菌であるエロモナス菌に感染することで引き起こされる病気です。

エロモナス菌も適切な状態であれば感染することはありませんが、水質の悪化でエロモナス菌が増殖したり、古い餌を与えているなどして魚がストレスを感じていたりすると発症する確率が爆発的に上昇します。

エロモナス菌感染症は、魚病の中でも特に致死率が高い深刻な症状を引き起こすものばかりです。
初期段階で発見し治療を開始するのはもちろん、普段からエロモナス菌に感染しない環境づくりを心がけましょう。

カラムナリス感染(尾ぐされ・口腐れ病など)

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カラムナリス菌は、口やヒレ、エラなどに感染する水槽常在菌の一つです。
感染部位によって”尾ぐされ””口腐れ病””エラ腐れ病”など呼び名が変わりますが、症状はどれも同じような進行を見せるのが特徴。
初期段階では感染個所の先端や縁が白く濁る程度ですが、症状が進むにつれて感染部位が赤く充血し溶けるように欠損していきます。

カラムナリス菌の初期症状には『観パラD』、症状が進行してしまった場合は『エルバージュエース』などを使った薬浴が効果的です。

単独飼育の病気対策

丸い金魚鉢の中を泳ぐ金魚と緑の水草
1匹の魚を単独飼育する水槽で病気を防ぐポイントは、

  • 飼育開始時に病気を持ち込まない
  • 飼育中は水槽内を清潔に保つ

の2つを意識することです。

ここでは、購入時、導入時、飼育中のそれぞれのタイミングにおける、単独飼育の病気対策をご紹介します。
飼育の段階に合わせた対策をしっかり行うことで、病気のリスクを劇的に下げることが可能です。

購入時のポイント:健康な個体を選ぶ

魚を購入するときは、できるだけ元気な個体を選ぶようにしましょう。
単独飼育であっても、購入時点ですでに細菌や寄生虫に感染していると環境の変化によって免疫力が低下し、水槽内で病気になってしまいます

以下の健康状態を見極めるポイントを参考に、可能であればショップに足を運んで自分の目で個体を厳選してみてください。

■魚の健康状態を見極めるポイント

  • ピンとヒレを張ってキビキビと泳いでいるか
  • 体表やヒレに白い点や綿が付着していないか
  • 極端に痩せている、または太っていないか
  • 同じ水槽内に死んでいる魚や病気の魚がいないか

導入時のポイント:水合わせやトリートメントを行う

導入時の水合わせを丁寧に行うというのも、病気の予防に効果的です。

水中で暮らす魚に取って水質や水温の変化は、大きな負担となります。特に購入してきたばかりの魚は、輸送のストレスで疲れているのため、そのまま水槽に導入してしまうと、環境の変化についていけず体調を崩してしまうことが少なくありません。

水合わせは、こうした導入初期の体調不良を予防するのに非常に効果的です
エアホースを使った点滴法で時間をかけて水温・水質に慣らしていけばストレスを最小限に抑えることができるでしょう。

また時間に余裕があるならばメイン水槽に導入する前に、別の容器で数日~1週間程『グリーンFゴールド顆粒 』などを使ってトリートメントを行うのも効果的。体調に異常がないかを観察できますし、もし病気を持っていた場合もそのまま初期治療につなげられて一石二鳥です。

飼育中のポイント1:水換えと給餌量を調整する

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先ほどお話しした通り、>単独飼育の水槽で病気が発生する大きな要因に水質の悪化があります。
汚れた水の中では魚がストレスを受けて免疫力が低下し、普段は感染しないような常在菌にかかりやすくなるのです。

そのため、飼育を始めたらまずは水質を安定させ、清潔な環境を維持することが何より重要となります。

具体的には給餌量を1日1~2回、1分ほどで食べきれる量に調整し、食べ残しを極力減らします。小型魚の場合は『ぷちすぷーん』のような給餌用スプーンを利用すると、分量をしっかり把握できて餌のやり過ぎを防ぐのに便利です。

また、1~2週間に一度を目安に水換えや底砂の掃除を行い、雑菌や病原菌が繁殖しづらい清潔な環境を整えます。
単独飼育の場合、給餌量を少なめに抑えていればほぼ水質は安定しますが、だからと言って水換えを怠るのはよくありません。油断せず定期的なメンテナンスを続けましょう

飼育中のポイント2:ろ過フィルターの定期メンテナンス

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フンや餌の食べ残しでろ過フィルターが目詰まりを起こすと、ろ過能力が低下し水質の急変を引き起こすばかりか、汚れたフィルターが病原菌や寄生虫の温床となる危険もあります。また水流が落ちて水槽全体が酸欠気味になると、酸素が少ない環境を好む雑菌の活性が上がり、病気が発生しやすくなるのも問題です。

ろ過フィルターは月1~2回の頻度で状態を確認し、必要に応じてろ材やフィルターを飼育水で軽くすすぐように掃除をしましょう
投げ込み式や底面式フィルターの場合にはクリーナーポンプを使って底砂を掃除することで、目詰まりを防止できます。

魚の健康状態を確認する方法

水槽内を泳ぐ青白い体色のディスカスの横顔
病気の予兆をいち早く察知し健康を守るためには、魚の状態を正確に把握することが大切です。

最後に、魚の健康状態を確かめる3つのポイントをご紹介します。

餌への反応を確認しよう!

水槽内を泳ぐ黄色いベタと人工水草や岩のオブジェ

最近餌をねだることがなくなった」「餌を投入してもすぐ吐き出してしまう」など餌食いに変化があったら、まずは水温や水質の変化が起きていないかを確認しましょう。
環境の変化によるストレスから一時的に食欲が落ちているだけならば、水質や水温の改善で餌食いが戻ることがほとんどです。

一方、環境改善で効果が見られない、飼育者が水槽の前に立つとすぐに隠れる、餌に興味を示さない場合は、すでに体調の悪化が進んでいるサインである可能性があります。
体調悪化の兆候が見られたら、ろ過フィルターのメンテナンスや全体の1/3程度の水換えで環境の改善をしながら、生体には塩水浴をして体力の回復を促すのが効果的です。

各ヒレの状態をチェック

魚の体調や病気の初期症状が現れやすいヒレは、健康状態を確認するときに必ずチェックしたいポイントです。

健康な個体のヒレは色艶が良くピンと張って泳いでいる様子が見られます。

一方ヒレが白く濁っていたり、裂けや溶けが見られたりというのは、細菌や寄生虫の影響を受けている証拠です。
白点病やカラムナリス感染の症状は特にヒレに現れるため、異常が見られたら症状に合わせて殺菌効果がある『メチレンブルー』などを使って薬浴を行いましょう。

泳がないのは緊急性が高い病気の可能性!

水槽の底でじっとして動かない、水面で泳がずに浮いているといった場合は、泳ぐ力を失っている緊急性の高い状態です。

落ち着いて体表やエラに他の症状が出ていないか確認し、状態に合わせて薬浴を開始しましょう。
単独飼育の場合は特に隔離は必要なく、石や流木などの装飾品をすべて取り出し他水槽で薬浴ができます。

また、治療と並行して水槽内の環境改善に取り組むのも重要です。

まとめ:1匹でも感染する魚の病気と対策!魚の健康を確認する方法も解説

黒い背景の水槽内を泳ぐ銀色のアロワナの横顔
魚の病気の多くは新魚の導入時などに外部から原因菌が持ち込まれて発生しますが、単独飼育であっても、水質悪化・ストレスなどによって魚の免疫力が低下すると、水中の常在菌や寄生虫の影響を受けて病気を発症することがあります。

単独飼育の魚に多い病気としては、ウオノカイセンチュウによる白点病細菌が原因の水カビ病、エロモナス感染、カラムナリス感染などが代表的です。
病気の予防には購入時の個体の選定や、水槽内の水質や水温を安定させることが効果的。また、日ごろから餌食いや体表、ヒレの状態をよく確認し、異変にすぐに気づける目を養います。

単独飼育だからと油断することなく、魚の健康を維持するために健康チェックと定期的な水槽メンテナンスを心掛けましょう。

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執筆者 Hara.kazu

子どもの頃から魚や昆虫を飼育し、アクアリウム歴は約30年になります。
グッピーやプラティ、ネオンテトラなどの入門魚飼育から始まり、シクリッドのブリーディングなどを経て、最近ではアクアテラリウムのレイアウトを楽しんでいます。

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