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藻の対策!水槽・ビオトープに生えるコケ・藻類をきれいに抑える方法

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室内屋外問わず発生する厄介な藻類(コケ)。
壁面やレイアウト、ろ過フィルターの配管などに付着して水槽の鑑賞性を損なうばかりでなく、水草の光合成を妨げて弱らせてしまったり、水質の悪化や魚の体調不良を引き起こしたりなど水槽に様々な影響を与えることで知られています。

水槽に生える藻類にはいくつか種類があり、生えている藻によって除去方法や予防方法が異なりますので、どの種類が見極めたうえで対策するのが効果的です。
対処が面倒ではありますが放っておくとどんどん増えていってしまうため、見つけたら素早く除去しましょう。

今回のコラムでは水槽やビオトープに生える藻類について、種類や除去方法、繁茂を防ぐ対策などをご紹介します。
藻類の知識を付けることで、対策を講じやすくなりますので、ぜひご覧になってみてください。

プロアクアリストたちの意見をもとに水槽・ビオトープに生える藻類を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

水槽やビオトープを管理していると、繰り返し発生する藻類に悩まされます。
藻類は生えてくる種類によっては、水質や生き物、水草に悪影響となることもあるため、面倒ですがその都度しっかり除去しましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽・ビオトープに生える藻類を解説します。

水槽やビオトープに生えてくる藻とは


水槽やビオトープに発生する藻類は、アクアリウムではコケと呼ばれるもさもさした緑の植物から、ドロッとしたヘドロのようなものまで様々な種類があります。
種類によって発生条件や水槽に与える影響、対処法が異なりますので、現在悩まされている藻がどの種類なのかご自分の水槽に置き換えて確認してみましょう。

ここでは、水槽やビオトープに生えてくる藻を種類別に詳しくご紹介します。

緑藻


ガラス面やレイアウトなど水槽内のあらゆるところに生えてくる、緑色の藻の総称です。アクアリウムでは一番ポピュラーな藻で、生えた場所を覆うように増殖していきます。

フワフワとした柔らかいタイプの緑藻ならばスポンジで軽くなでるだけで除去ができる上に、好んで食べるお掃除生体も多いので比較的対処がしやすいです。
一方ガラス面や成長の遅い水草にポツポツと斑点状につくタイプは、硬くしっかりしているので、ヘラを使ってしっかりこそぎ落としましょう。

ちなみに緑藻は水草が良く育つ安定した水槽に生えやすいため、繁茂するということはそれだけ環境が良い証ともいえます。そのため、環境を無理に変えて予防するよりは、お掃除生体などを導入して上手に付き合っていくのが良いです。

珪藻


いわゆる茶ゴケと呼ばれる茶色の藻類で、ガラス面やレイアウトにベタッと付着します。
見映えが悪く触るとヌルヌルしていて、臭いもするためアクアリウムでも忌み嫌われる藻の代表格です。

珪藻が発生しやすい条件としては、

  • 水質のバランスが崩れている
  • 光量が弱い

の2点があり、特に水槽設置初期は目にする機会が多くなりがち。ただ、この場合はバクテリアが定着して水質が安定してくれば、自然と珪藻も減っていくことが多いので、慌てずに水質の安定に努めましょう。

光量を弱めで管理している水槽では、常に生えるリスクがありますが、スポンジやヘラでこするだけで簡単に除去できるので、定期的に掃除をすることで景観を損なわずに水槽を管理できます。

藍藻


他の藻と少し性質が異なるのが藍藻です。
藍藻は植物ではなくシアノバクテリアという細菌の一種で、水槽内の水流が弱く淀みができているとそこに養分が溜まって発生します。

濃い緑色でベタッとしており、目の細かい底砂と水槽壁面の境目や水草の根もとなどに発生して気泡を出すこともあります。臭いがきつい上に水中に毒素を放つため、見つけたら速やかに除去するのが賢明です。

細菌由来の藻ということで、完全に取り除くには『エクスタミン』などの藍藻用の薬剤や、『グリーンFゴールド顆粒』『オキシドール』といった薬を使用する必要があります。

紅藻


ふさふさとしたグレー~暗緑色の藻で、一般的には黒髭ゴケと呼ばています。
アヌビアス・ナナなどの成長がゆっくりな水草や、フィルターの配管など水流が良く当たる場所に生えやすいです。黒い分大量発生するととても目立つので見つけたら速やかに除去しましょう。

固着力が非常に強く、好んで食べる生き物も少ないことから取り除くのが難しい藻ではありますが、熱湯や希釈した木酢液をかけて弱らせてからヘラで落とすと比較的落としやすいです。

紅藻を食べる生き物としては、サイアミーズフライングフォックスが知られていますが、15cm程度まで大きくなること、餌が不足すると水草を食べてしまうことがあるなど飼育に注意が必要な点があるため、紅藻対策だけで飼育すると持て余してしまいがち
メリット、デメリットを熟考した上で導入することをおすすめします。

アオミドロ


ビオトープでよく目にする長い糸状の藻類です。
日光が良く当たる場所で増えやすく、発生するとあっという間に飼育容器全体を覆いつくしてしまうほどの繁殖力があります。

毒素を出すようなことはありませんが、アオミドロに水面が覆われてしまうと水中に光が届かなくなりますし、魚たちが泳ぎにくくなったりアオミドロに絡まって抜け出せなくなってしまったりなど、飼育に支障をきたすことも。

見た目的にもあまり良くないため、大量に増える前に早めに取り除くことが大切です。
アオミドロをよく食べる生き物としてはヤマトヌマエビが挙げられますが、多すぎると対処しきれなくなるため、基本的には手で取り除くのがおすすめです。

水槽・ビオトープの藻対策


室内の水槽と屋外のビオトープでは、発生しやすい藻の種類が異なります。
藻の発生をゼロにすることはできませんが、管理している環境に合わせた対策を行うことで、繁茂を防ぐことは可能です。

ここからは、藻の発生を抑制する方法を室内水槽と屋外ビオトープに分けてご紹介します。

水槽に生える藻対策


室内に設置している水槽では、照明をコントロールすることで藻の繁茂をある程度抑制できます。
また、頑固な藻類には殺菌灯などの機材を使って対処ができるのも、室内ならではの利点です。

水換え量・頻度を見直し、養分を減らす

水作 プロホースエクストラ M

藻は水草と同じく、水槽内に発生する硝酸塩などを栄養として増殖します。
つまり、藻が大繁殖してしまっているときは、何らかの原因で水中が養分過多になっている可能性が高いです。

水中の養分が増える原因としては、

  • 餌が多すぎる
  • 飼育生体が多い
  • 水換えが不足している

などが考えられますので、一つ一つ原因を探ってみましょう。

中でも水換えは、物理的に水中の養分を排出することができるため、藻の予防に高い効果を発揮します。
藻が生え始めたと感じたら、ひとまず水換えの頻度を少し増やして様子を見るのも一つの方法です。

飼育匹数が少し多くても、水換え頻度と水の汚れる速度が一致していれば、藻の生えにくいクリーンな状態を維持しやすくなります。

照明を調整する

GEX ジェックス スマートタイム

藻の発生や増殖には照明の照射時間や光量が密接に関係します。
例えば照射時間や光量が多すぎる環境では緑藻が繁茂しやすいです。一方で、光量を弱めすぎると今度は珪藻が発生してしまうことも。

照明の照射時間や光量は飼育する生き物や水草の育成具合に合わせて調整するのが基本ですが、その上で水槽内の藻の発生状況を確認して微調整を行うと健全な環境を維持しやすいです。
ちなみに一般的な熱帯魚水槽では、一日8時間程度を目安に照射時間を調整すると、水槽環境と生き物のバイオリズムのバランスを取りやすいと言われています。

水流を意識してレイアウトを調整する

水作 エイトドライブM用 シャワーパイプセット

藍藻や紅藻といった対処が難しい藻は、水流を調整することで抑制できます。

先程もお話した通り、藍藻は水の流れが滞る淀みに発生しやすいため、水槽全体に新鮮な水が行き渡るよう吐き出し口の位置やレイアウトを調整しましょう。水草は、根元や葉の間を程よく水が抜けるようにトリミングすることも大切です。

紅藻が生えてしまう場所は過剰に水流が当たってしまっている可能性が高いため、この場合も吐き出し口の位置を調整したり、シャワーパイプなどを使って水流を弱めたりします。

殺菌灯・抑制剤を使う

寿工芸 コトブキ 水槽 P・カット マット60 お徳用

色々な対策をしてもどうしても藻が減らない、すぐに生えてきてしまう、という時は殺菌灯抑制剤の導入を検討します。
殺菌灯は主に魚たちの病気を予防する目的で使用する機材ですが、藻の抑制にも高い効果を発揮します。やや高価な上に外部フィルターかオーバーフロー水槽でしか使用できないのが難点ですが、条件が合うならば使用して損はない機材です。

抑制剤は、水槽に入れることで一定期間藻の発生を抑えることができるアイテムです。

飼育水に混ぜる添加剤や、ろ材と一緒にフィルターに仕込むマット、薬剤の入った容器を水面に浮かべて置くタイプなど、様々な形状のものが販売されていますので、水槽に合わせて使いやすいものを選択できます。
殺菌灯に比べるとかなり安価で購入できるので、お試しで気軽に使えるのも嬉しいです。

ただし、ウィローモスロタラといった一部の水草の成長まで阻害してしまう可能性がありますので、使用する際には水草の種類も考慮に入れて選択しましょう。

ちなみに、東京アクアガーデンの水槽では寿工芸の『Pカット』をよく使用しています

ビオトープに生える藻対策


太陽光などの自然の力を利用して生き物を育成する屋外ビオトープでは、室内水槽のように照明や機材を使って藻の発生を管理するのが難しいです。

そのため、基本的には水草や生き物に水中の養分を消費してもらって藻に回る栄養を減らし、増殖を抑えるといった考え方で対策をしていきます。

水草を増やす

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ビオトープで藻が増えてしまう時は、養分を効率的に消費してくれる水草や植物を入れると、繁茂を防ぐことができます。
特に成長が早いアナカリスマツモウォータークローバーなどは、養分の消費量が多く効果的です。

そもそもビオトープの環境を維持するには、水草や植物の働きが欠かせません
機材がないビオトープで生き物が飼育できるのは、植物が水中で光合成をして酸素を作り出してくれているおかげですし、この時に水中の硝酸塩などを吸収して水質を浄化してくれるから、水換えをしなくても水質が維持できるのです。

またその他にも、水中の生き物が外的から身を守る隠れ家になったり、暑い夏には適度な日よけになったりと、とにかく有用なので、積極的に取り入れて理想の環境づくりに活かしましょう。

掃除する

藻が水面を埋め尽くしてしまっているようなときは、手や網ですくって取り除きましょう
糸状のアオミドロには小さな魚が絡みついてしまうことがあるため、よく確認しながら除去してください

お掃除生体を増やす

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屋外の藻対策でもお掃除生体が活躍します。
ビオトープに向いているのは、ヤマトヌマエビミナミヌマエビフネアマ貝などの環境の変化に強く丈夫な生き物達です。

すでに成長してしまった藻をお掃除生体だけで完全に除去するのは難しいですが、数を減らしたり、生え始めからの増殖を防いだりといった場面では高い効果を発揮します。

ただ、あまりに増殖のスピードが速いと処理能力が追い付かないので、すべてをお掃除生体に任せるのではなく、先にご紹介した対策と合わせて、藻の予防感覚で飼育するのがおすすめです。

まとめ:藻の対策!水槽・ビオトープに生えるコケ・藻類をきれいに抑える方法


水槽やビオトープに発生する藻の種類や対策について解説しました。

アクアリウムに発生する藻は、水質や水流、日照時間などの環境によって生える種類や増殖スピードが変わります
藻が生えてしまったら種類と発生原因を特定し、適切に対処しましょう。

どの藻の対策にも共通するのが水中の養分コントロールです。水中に硝酸塩などの養分が多い環境は藻が発生しやすいため、水換えやメンテナンスをしっかり行って、水をきれいに保つことを意識してみてください。
屋外では、水草を増やして水中の養分を消費するのがおすすめです。

藻類は生え始めに対策することで抑制ができますので、ぜひこのコラムを参考に早めに対策してみてください。

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執筆者 Hara.kazu

子どもの頃から魚や昆虫を飼育し、アクアリウム歴は約30年になります。
グッピーやプラティ、ネオンテトラなどの入門魚飼育から始まり、シクリッドのブリーディングなどを経て、最近ではアクアテラリウムのレイアウトを楽しんでいます。

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