水槽サイズ別!コケ取り生体の導入数目安!最適な飼育数でコケ対策
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水槽のコケ対策には、ヌマエビや石巻貝などのコケ取り生体が有効です。
しかし、いくらコケを早く除去したいからと言ってたくさん入れれば良いというわけではありません。
コケ取り生体も生き物ですので、入れすぎれば過密飼育になって水質の悪化などを引き起こしますし、コケを食べつくして餌が足りなくなってしまったらひもじい思いをさせてしまいます。
とはいえ、少なすぎるとコケ取りの効果を十分に感じられないことも。
コケ取り生体を有効に活用するためには、水槽サイズや状況に合わせた程よい飼育数を把握しておくことが大切です。
そこで今回は、コケ取り生体の導入目安を水槽サイズ別にご紹介します。
代表的なコケ取り生体をピックアップして解説しますので、参考になさってください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽サイズ別のコケ取り生体導入数目安を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
コケ対策の心強い味方であるコケ取り生体ですが、導入数を間違えるとせっかく入れた生体がすぐに死んでしまったり、水槽に悪影響を与えたりする可能性があります。
飼育する生き物や飼育環境を守るため、水槽に合わせた適切な数を導入しましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽サイズ別のコケ取り生体導入数目安を解説します。
水槽サイズ別!コケ取り生体の導入数目安
コケ取り生体の数を決めるときは、まず水槽の大きさと導入する品種に応じた目安を参考にするのが良いでしょう。
ここでは、30cmキューブ水槽(水量約27L)と60cm規格水槽(水量約65L)を例に導入数の目安を解説しますので、ご自分の水槽に照らし合わせて確認してみてください。
ミナミヌマエビ
30cmキューブ水槽(約27L) | 10~15匹 |
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60cm規格水槽(約65L) | 10~30匹 |
主に緑コケを食べてくれるミナミヌマエビは、体長2~3cm程度と小型なので多めに入れても過密になりづらく、状況に合わせて数を調整しやすいです。
ただ、ミナミヌマエビが好むのは生え始めの柔らかいコケで、成長して硬くなったものはあまり食べてくれませんので、コケが生い茂った後に導入しても効果が薄いことも。
理想は水槽を立ち上げた直後から導入しておいて、生えたものから食べていってもらうのが一番効果的です。
また、ミナミヌマエビは淡水の水槽内で繁殖することがありますので、数が増える可能性を考慮して導入数を決めることをおすすめします。
ヤマトヌマエビ
30cmキューブ水槽(約27L) | 2~3匹 |
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60cm規格水槽(約65L) | 5~6匹、コケが多い場合は10匹程度 |
ヤマトヌマエビは緑コケや糸状コケを好む、ヌマエビの仲間です。体長が3~5cm程度とミナミヌマエビよりも一回り大きいので、大きな水槽にはヤマトヌマエビの方が向いています。
コケ取り能力が高く、少ない数でもしっかりコケを除去してくれますが、コケが多い場合は10匹程度まで増やして対応すると良いでしょう。
また、ヤマトヌマエビは汽水域でしか繁殖しないという特性があるため、数を固定しておきたい場合もヤマトヌマエビがおすすめです。
オトシンクルス
30cmキューブ水槽(約27L) | 1~2匹 |
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60cm規格水槽(約65L) | 3~4匹 |
オトシンクルスは吸盤状の口でコケを食べてくれるナマズの仲間です。体長は最大で約10cmとやや大きめですが、温和な性格なので小型~中型魚を飼育する水槽に導入できます。
食べるのは主に茶コケや糸状コケで、エビが食べない水草や水槽のガラス面に付着したコケを処理してくれるため、エビとオトシンクルスを合わせて導入する方も多いです。
ただ、一点注意したいのが、オトシンクルスは意外にも人工餌の食いが悪く、コケが無くなると餓死してしまう危険があることです。
特にエビ類と一緒に導入するとあっという間にコケを食べつくしてしまうことも多いので、オトシンクルスが痩せてしまっていないか確認してあげるようにしましょう。
餌が不足しているときは、コリドラス用の沈下性フードや冷凍赤虫、餌付かないときは茹でたほうれん草などを与えてください。
イシマキ貝(石巻貝)
30cmキューブ水槽(約27L) | 1~2匹 |
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60cm規格水槽(約65L) | 3~4匹 |
イシマキ貝は体長2cmほどの小型の巻貝です。
緑コケや茶コケ、斑点状コケなど様々な種類のコケに加えて、魚の餌の食べ残しなども食べてくれることから、水槽内のお掃除屋さんとして人気があります。
ただ、好みの問題ではありますが、ガラス面に貼りついていることが多いので、数が多すぎるとアクアリウムとしての鑑賞性を損なう可能性がある点にはご注意ください。
また、繁殖はしませんが硬い卵を産むので見つけたらヘラなどで掃除をしましょう。
サイアミーズフライングフォックス
30cmキューブ水槽(約27L) | 1匹 |
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60cm規格水槽(約65L) | 1匹 |
小型のコイの仲間であるサイアミーズフライングフォックスは、成長とともに縄張り意識が強くなり、同種間で喧嘩をするようになるため、水槽の大きさに関わらず1匹での飼育が基本です。
小さい頃はコケ取り能力が高く、他の生体は食べない黒髭コケを食べてくれるので重宝されますが、元々は雑食性で成長とともにコケはあまり口にしなくなります。また、最大で12cm程まで大きくなるため、コケ取り目的だけで飼育を始めると持て余してしまうことも。
サイアミーズフライングフォックスを飼育するときは、成長後もお世話をすることができるかしっかり考えてから導入するようにしましょう。
フネアマ貝
30cmキューブ水槽(約27L) | 不向き※コケが多い場合は1匹 |
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60cm規格水槽(約65L) | 1~2匹 |
コケ取り能力がずば抜けて高いのが、小さなアワビのような見た目のフネアマ貝です。
淡水性の巻貝の仲間で、コケをよく食べる上に処理するスピードも速いので、あっという間に水槽の中をきれいにしてくれます。
しかしその反面、コケが無くなって餌不足になりやすいので、
- 小型水槽は避けて、60cm以上の大きな水槽に導入する
- 導入するならば1~2匹の少数に留める
- コケが足りないときは植物性の人工餌を与える
の3点に注意して飼育するようにください。
また、フネアマ貝は砂の中に潜る習性があるため、水草を植え付けた水槽ではレイアウトを崩してしまうことがあります。
このように導入できる水槽がかなり絞られる生体ではありますが、飼育できればとても高い能力を発揮してくれる貝です。
ヒメタニシ
30cmキューブ水槽(約27L) | 2~5匹 |
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60cm規格水槽(約65L) | 5~10匹 |
ヒメタニシは国内の田んぼや用水路にも生息する巻貝の仲間で、その順応性の高さから、室内のみならず屋外のメダカ水槽やビオトープにもよく導入されています。
ビオトープならば約20Lに1~2匹が目安です。
ヒメタニシはコケはもちろんのこと、枯れた水草や魚の食べ残しなど様々なものを食べてくれる雑食性です。
また、水中に発生したプランクトンを捕食するろ過摂食で、水質を浄化する能力も持ち合わせているため、特に屋外飼育ではオールマイティーなお掃除屋さんとして活躍します。
ただこのろ過摂食は植物プランクトンを食べてしまうため、グリーンウォーターで飼育している場合は導入に注意が必要です。
導入数を決める考え方
コケ取り生体の数の目安を確認したところで、続いては実際に導入する数を決めるためのその他の条件について解説します。
水槽サイズに合わせた数はあくまで基本の匹数です。これを基準におおよその数を決めた後、コケの量や飼育生体との相性を考慮して最終的な飼育数を決めると、バランスの良い水槽にしあがりやすくなります。
コケの生え具合を確認する
まずは、ご自身の水槽にどれくらいコケが生えているのか、どのくらいのペースでコケが生えてしまうのかを確認しましょう。
水槽の環境にもよりますが、大体2週間に一度程度の水槽掃除できれいな状態を保てるのが一つの基準です。
これよりも早くコケが繁茂してしまうのならばコケ取り生体を多めに、コケが生えるまで2週間以上かかるならば少なめに、というような具合で数を調整してみてください。
また、コケが繁茂しやすい環境は、水の流れや水質などの問題がある可能性があります。あまりにコケが多い場合は、コケ取り生体を導入しつつ一度、飼育環境を見直してみましょう。
混泳生体とのバランスを見る考える
コケ取り生体はメインの生き物ではないため軽視してしまいがちなのですが、生き物であることに変わりありません。
当然水槽全体の生き物のバランスにも関与しますので、全体を見ながら導入する種類や数を決めていきましょう。
まず、コケ取り生体を捕食したりいじめるような生体がいないことは絶対条件です。
小型魚の水槽ならば小さなミナミヌマエビで問題ありませんが、少し大きな生体がいる場合は口に入らないヤマトヌマエビの方が安全に飼育できます。
次に水槽全体の飼育数も考慮しましょう。
小型水槽で他の魚を多く飼育しているときは、小さなコケ取り生体でも追加したことで過密飼育気味になってしまう可能性があります。
最後に、コケ取り生体同士の組み合わせです。品種によって得意な場所、得意なコケの種類があるので、上手に組み合わせることでコケの取り残しを防げますが、数が多すぎると餌が不足してしまいます。
特に貝類はコケ取り能力が高いので、他のコケ取り生体と組み合わせる場合は、少ない数から始めて様子を見ながら追加していくのが良いです。
もちろん、コケ以外の餌を与えたり過密気味でも水質を保てるだけのろ過フィルターを使っていたりするならば、コケ取り生体が多くても問題ない場合もあります。
実際の水槽の状態を見ながら臨機応変に数を調整することが重要です。
まとめ:水槽サイズ別!コケ取り生体の導入数目安!最適な飼育数でコケ対策
コケ取り生体の水槽別導入数を品種、水槽サイズ別にご紹介しました。
コケ取り生体の数を決めるときは、まず水槽のサイズを目安にします。
そこから、実際の水槽を見てコケの生え具合や飼育している生体の種類を確認し、数を調整してみてください。
また、コケ取り生体には色々な種類がいますので、コケの種類や生える場所に合わせて生体を組み合わせると、コケのないきれいな状態を保ちやすくなるでしょう。
コケ取り生体は良いものというイメージから、ついたくさん入れてしまいたくなりますが、入れ過ぎると過密飼育になって、水質悪化にも繋がるので注意してください。
しっかりと種類、導入数を調整することで、効果的なコケ対策となりますので、上手に調整しましょう。
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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
オトシンクルスが死んでしまった。
水槽立ち上げて約1か月になります。ろ過も安定してきたと思います。
測定はしていませんが、混泳のカージナルテトラも元気だし、ミナミヌマエビも元気です。
オトシンクルスを入れたのは立ち上げ2週間位でミナミヌマエビとほぼ同時に入れました。
自分なりに考えたのですが、最近水草の成長を促すためにペットボトルで自作の二酸化炭素の添加装置を試したのですが、もしかしたら重曹とクエン酸等の配分が悪かったのかな?と思っています。気泡はあまり出ていなかったと思います。
水槽は30キューブ縦長タイプで、ろ過はtotto のパーフェクトフィルターです。
生体はオトシンクルス一匹、カージナルテトラ5匹、ミナミヌマエビ7匹です。
よろしくお願いいたします。
実際に拝見していないため、正確な回答ではないことをご了承ください。
現在の飼育環境でオトシンクルスのみ弱る場合は、エサ不足の可能があります。
水槽を立ち上げて約1カ月ほどとのことで、まだ餌になるコケが少ないのかもしれません。
オトシンは餓死しやすいので、沈下性の人工飼料も与えると長生きします。
こちらのコラムもご参照ください。
・【初心者向け】オトシンクルスの飼育方法!混泳、種類、エサ、水温まとめ
https://t-aquagarden.com/column/otocinclus_breeding
よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
恐らく餓死だと思います。プレコようの餌も週一回入れて、半日ほどしてから出してました。(ふやけた食べ残し餌を取り出したかったので)ミナミヌマエビはよく食べてました。が、オトシンクルスは食べてなかった気がします。
次回は気を付けます。(^o^)/