コケが付着した場所ごとの掃除方法!水槽、水草、底砂などのコケを撃退
コラムでは各社アフィリエイトプログラムを利用した商品広告を掲載しています。
寒い時期の水換えや水槽掃除は、正直なところ面倒な作業です。
水が冷たかったり、水槽と水換え用の水の水温をそろえなければいけなかったりなど手間がかかるため、水槽掃除をさぼりがちになってしまうことも。しかし水槽掃除を怠ると水槽がコケだらけという悲惨な状態になってしまうことも少なくありません。
コケは、付着した箇所によって、適した掃除の方法が異なります。コケが付いた場所に合った方法で掃除することで、手間や時間をかけずに効率よく除去していきましょう。
今回はガラス面や流木・石など、付着した場所ごとのコケ掃除方法を解説します。水槽のコケにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
プロアクアリストによる付着場所ごとのコケ掃除方法の解説
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。
東京アクアガーデンでは水槽設置業務を通して、5000件を超える水槽の設置・メンテナンスを行ってきた経験があります。たしかに水槽に生えるコケは面倒な存在ですが、ガラス面にはヘラやスクレーパー、石や流木には熱湯や界面活性剤の入っていない漂白剤といったように、効率の良い方法で掃除すると手間や時間を大幅に削減することが可能です。
普段の業務でも実践しているコケの掃除方法を解説していきますので、ご参考になさってください。
コケが付着した場所ごとの掃除方法
コケは水槽のいたるところに生えます。
- ガラス面
- 流木や石
- フィルターパイプ
- 水草
- 底砂
といったように、水のある場所であれば全域に発生してしまいます。コケ掃除は面倒な作業ですが、放っておくと取りづらくなることもあるため、早めに対処することが重要です。
ここでは、コケの生えた場所に合わせた効率の良い取り方や掃除アイテムをご紹介します。
ガラス面に付着したコケ
ガラス面に付着したコケは、べっとりとした質感で視界を遮り、水槽の観賞価値を大きく低下させます。一番目につくところですので、しっかり落としておきましょう。
ガラス面のコケの除去方法は比較的簡単で、プラスチックのヘラ(スクレーパー)を使ってこそぎ落とします。金属製のヘラを使うと水槽に傷がつきやすいため、注意してください。
また、ガラス面にコケを付着させない予防法としてはコケを食べる生き物を入れるのが効果的です。
流木や石などに付着したコケ
流木や石などに付着したコケは、簡単に落ちるものはブラシなどでこすって除去します。
黒髭ゴケなど頑固なタイプのコケの場合は、次の3つの方法が効果的です。
- 熱湯をかける
- 衣類用ハイターに浸ける
- 木酢液で処理する
1つずつやり方を紹介します。
熱湯をかける
1つ目は、水槽から流木や石を取り出して熱湯をかけるという方法をご紹介します。
やり方はとても簡単で、水槽から流木や石などのレイアウトアイテムを取り出して、熱湯をかける、もしくは熱湯に浸けておくだけ。熱湯にさらされたコケ類は枯れてしまい、ついでにアイテムの殺菌もできるので一石二鳥です。
コケを食べてくれる生体を飼育しているならば、熱湯で枯れたコケが付着したアイテムをそのまま水槽に戻しておくと、きれいに食べてくれます。
薬品を使用しないので、生体への影響も心配ありませんし、1回でコケを除去・根絶することができるので、水槽から流木や石を取り出せる場合はこの方法がおすすめです。
界面活性剤の無い塩素系漂白剤に浸ける
2つ目は、塩素系漂白剤に浸けておく方法です。漂白剤にはキッチン用と衣類用がありますが、水槽類の洗浄には必ず界面活性剤の入っていない衣類用ハイターなどを使用してください。
バケツやタライに40℃程度のぬるま湯を用意し、取り出した石や流木を入れます。衣類用ハイターを投入し、翌日まで浸けておきましょう。
漂白が終わったら、よくすすいで完了です。薬品の影響が気になる場合は、強めのカルキ抜きを入れた水にすすいだアイテムを入れて、もう一晩程度浸けておくと薬品の成分を中和することができます。
こちらの方法は、石や流木だけでなく熱湯に浸けられないプラスチック製のものや、掃除が難しいパイプなどの細かいパーツの洗浄にも有効です。
ただし、アクアリウム用ではない薬品を使用しますので、漂白のあとは念入りにすすぎやカルキ抜きを行ってください。
木酢液で処理する
最後に木酢液を使った洗浄方法をご紹介します。木酢液とは、炭を焼くときに出る煙を液体状にした薬品で、コケを枯らすだけでなく、水草に活力を与えたり、バクテリアを活性化させたりといった水槽に良い効果もたらすことでも知られています。
そのため、木酢液を使った洗浄は水槽の中に入れたまま行うことができ、レイアウトの骨格に使用していて取り出すことが難しい流木や石の洗浄にぴったりです。
やり方は、
- 水槽の水をできるだけ抜く
- 水から露出したコケに直接木酢液を塗る
- 既定の時間放置
- 水を張る
という手順でコケを処理します。
ただし、木酢液の量が多すぎると生体まで弱らせてしまう可能性がありますので、使用する量には注意してください。また、1回の処置で完全にコケを除去・根絶するのは難しいので、水換えのタイミングなどに繰り返し処置していく必要があります。
木酢液の使い方はこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
フィルターパイプなどに付着したコケ
フィルターパイプなどに付着したコケは、ブラシなどでこすり落とします。
それでも落ちないコケには流木や石の処置方法でご紹介した、漂白剤に浸ける方法が有効です。なお、熱湯はプラスチックが変形したり、ガラスが割れたりすることがありますので控えてください。
水草に付着したコケ
水草にコケが生えた場合は、コケが生えている部分だけを選んで切り落とすのが基本的な対処法です。しかし、コケが多く使えそうな水草の選別が面倒な場合は思い切って全部処分してしまうというのも一つの手でしょう。
水草がもったいないと感じる場合は、水草を増やして新たな株に植え替える方法が良いでしょう。有茎種であれば2~3週間放置しておくと新しく芽が出てきます。新芽が伸びてきたらその部分を刈り取り、植え直しましょう。時間はかかりますが、選別する手間をほとんどかけずに水草を一新することが可能です。
もう少しお金をかけても良い場合や新芽の成長に時間がかかる水草(ロゼット型など)であれば、薬品を使ったり、コケを食べる生き物を投入したりして対処することもできます。
底砂に付着したコケ
見落としがちですが、底砂にもコケは生えます。
底砂のコケには底砂クリーナーをかけて底砂ごとコケを水槽外に排出する方法が効果的です。砂利とガラス面の間に生えるコケは、ジラコヘラなどを挿すようにして取った後、クリーナーで排出します。
また、お掃除生体を投入するのも良いでしょう。底砂のコケ取りには、エビ類はもちろんのこと、底砂を掘り返して餌を食べる習性のあるコリドラスやドジョウも有効です。
おすすめのコケ取り生体
コケ掃除が大変なときは、コケを食べて水槽の中を綺麗にしてくれるお掃除生体の力を借りてみましょう。
ここからは、コケ取りで活躍するお掃除生体をご紹介します。
生体によって食べるコケの種類や食べてくれる場所が異なりますので、お悩みに合わせた生体を飼育してみてください。
オトシンクルス
■おすすめのコケ取り場所
水槽ガラス面、流木、水草、岩、アクセサリー
オトシンクルスは、コケ処理能力が高い小型のナマズの仲間です。
大きくなっても体長4cm程で水草を食害するようなこともないため、コケ掃除役として重宝します。飼育数の目安は60cm水槽に2~3匹程度です。
ミニブッシープレコ
■おすすめのコケ取り場所
流木、水槽底面(底砂)
ミニブッシープレコは、15cm程度に成長する小型のナマズの仲間です。
コケ処理能力が高いうえに丈夫で飼いやすいため、コケを食べてくれる混泳相手としておすすめです。コケが少なくなると痩せてしまいますので、専用の餌を与えてあげてください。
ちなみに、勘違いされがちですがミニとは品種名ではなく、小さい(幼魚の)ブッシープレコを指します。
イシマキガイ
■おすすめのコケ取り場所
水槽ガラス面、流木、水草、岩、アクセサリー
イシマキガイは2cm程度の小さな巻貝の仲間です。
水槽のガラス面に張り付いて、こそぎ取るように確実にコケを食べてくれます。しかし食べ方にムラがあり、イシマキガイだけでコケがまったくない状態にすることは難しいです。
イシマキガイはコケ掃除のサポート役と捉えて、取り切れなかった部分は手で掃除をすると、水槽を綺麗な状態に保つことができます。
水槽に入れる数としては、60cm水槽に2~3匹が目安です。意図せず増えてしまうスネール(巻貝)と違って、淡水の水槽では繁殖することもありません。
ほとんどの生態との混泳が可能ですが、エンゼルフィッシュやベタ、グラミィの仲間が入っている水槽では良い生き餌になってしまうため、注意が必要です。
レッドラムズホーン
■おすすめのコケ取り場所
水槽ガラス面、水草、岩、アクセサリー
レッドラムズホーンは小型巻貝の仲間で、成長しても1~2cmほどです。
レッド以外にもブルーやピンクなどのカラーバリエーションがあります。コケを掃除してくれるのはもちろんのこと、赤い体色が綺麗でさし色になりますので、観賞性を重視する場合や貝が好きな方には特におすすめです。
ただし、水槽内で大繁殖する可能性があるため、多いと困る場合はイシマキガイが向いています。比較的小さい種類ですので、小型のボトルアクアリウムのコケ対策にも良いです。
他の貝と同様、エンゼルフィッシュやベタ、グラミィの仲間が入っている水槽では食べられてしまう可能性がありますので、混泳には注意してください。
ヒメタニシ
■おすすめのコケ取り場所
水槽ガラス面、水草、岩、アクセサリー
ヒメタニシはタニシのなかでも小型の種類で、大きい個体でも3cm程度です。
コケ取り生体としてアクアリウムでは有名な貝ですので熱帯魚水槽はもちろん、メダカ水槽でも重宝されます。ガラス面のコケを食べるだけでなく、水を取り込んで余分な栄養をろ過してくれるため、水質改善効果も期待できます。
水槽内で繁殖するものの、レッドラムズホーンほど増えることはありません。
ヤマトヌマエビ
■おすすめのコケ取り場所
水槽ガラス面、水槽底面(底砂)、流木、水草、岩、アクセサリー、パイプ
ヤマトヌマエビは体長4cm程のエビで、コケ処理能力が高いのが特徴です。
水槽内のコケを摘まむようにして食べてくれます。コケ処理能力を考えると、60cm水槽に3匹ほどが目安です。
ミナミヌマエビ
■おすすめのコケ取り場所
水槽ガラス面、水槽底面(底砂)、流木、水草、岩、アクセサリー、パイプ
ミナミヌマエビは、日本にも生息する2~3cmほどの小さな淡水エビです。
アクアリウムではヤマトヌマエビと並んで有名で、水槽のコケ取り役としてとても重宝されています。丈夫で飼いやすいうえに、繁殖させて増やすこともできます。
サイアミーズ・フライングフォックス
■おすすめのコケ取り場所
水槽底面(底砂)、流木、水草、岩
サイアーミーズ・フライングフォックスは、体長12cm程に成長するコイの仲間です。
お掃除生体のなかでは珍しく頑固な黒髭ゴケや糸状コケを好んで食べます。
若い個体は積極的にコケを処理してくれますが、大きく成長するとあまり食べなくなる点には気を付けましょう。飼育数の目安としては、60cm水槽に1~2匹程がおすすめです。
コリドラス
■おすすめのコケ取り場所
水槽底面(底砂)
ナマズの仲間であるコリドラスは、愛嬌のある顔立ちと豊富な種類からコレクターも多い、人気の熱帯魚です。
水槽の底で砂を掘り返しながらゴミや餌の食べ残しを食べてくれる、お掃除屋としても活躍します。コケも食べてくれますが、水槽底面(底砂)のみに有効なので、水槽全体のコケを処理したい場合は他の生体を一緒に飼育すると良いでしょう。
ドジョウ
■おすすめのコケ取り場所
水槽底面(底砂)
日本の河川にも生息しているドジョウは、種類によって小型のものから20cm程度の大きさに成長するものまで様々です。
やや地味な印象がありますが、砂の中のゴミや傷んだ水草の根、コケなどを食べてくれることから実は底砂のお掃除生体として活躍してくれます。
熱帯魚だけでなく金魚やメダカなどの観賞魚とも相性が良く、丈夫で飼育もしやすいです。
まとめ:コケが付着した場所ごとの掃除方法!水槽、水草、底砂などのコケを撃退
今回は、コケが付着した場所ごとのコケ対策をご紹介しました。
基本的にコケは予防するのが一番ですが、それでもどこからか生えてくるのがコケの悩ましいところです。コケ掃除は手間ではありますが、生えた場所に合った方法で除去すると労力を減らすことができます。
薬品類を使用する際には、生体に影響の無いよう、十分注意しながら処理を行ってください。
時にはコケ取り生体の力を借りると、コケが繁茂する速度が緩やかになり掃除が楽になります。
きれいな水槽を維持するためにも、ここでご紹介したコケ対策をぜひ実践してみてください。
コケ掃除について良くあるご質問
水槽に生えるコケの掃除方法とは?
水槽の側面に付着したコケの掃除方法とは?
- メラミンスポンジで擦る
- ヘラ(スクレーパー)でこそぎ取る
- イシマキガイやオトシンクルスなどを導入する
強い力を加えて擦ると水槽に細かな傷がつくことがあります。水中で擦ることで、摩擦を減らせます。
水槽の底面に付着したコケの掃除方法とは?
水草に付着したコケの掃除方法とは?
- オトシンクルスやヌマエビなどを導入する
- コケの生えた部分をトリミングする
ミナミヌマエビなどのコケ取り生体に食べてもらうのが一番です。コケがひどい場合は、コケが生えてしまった部分をカットします。
コケがひどい・枯れている場合は植えなおしたほうがコケの繁茂を防げます。
お問い合わせ
水槽や機材、熱帯魚のレンタル・設置・メンテナンスがセットになった水槽レンタル・リースサービス、
お手持ちの水槽をプロのアクアリストがメンテナンスしてくれる水槽メンテナンスサービス、
水槽リニューアルサービスや水槽引っ越しサービスなど様々なサービスがございます。
お見積りは無料となっておりますのでお気軽にお問い合わせください。