金魚は水槽以外で飼育できる!飼育容器の種類とメリット・管理ポイント
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金魚は、水質、水温の変化に強い丈夫な観賞魚です。ろ過フィルターや水槽用ヒーターなどの機材が無くても飼育することができるため、屋外のビオトープにも入れることができます。
飼育容器についても特に決まりはなく、水槽以外にもプラ舟や睡蓮鉢など、目的や飼育スタイルに合わせて選べるのが大きな魅力です。
ただ、飼育容器によって飼える金魚の大きさや数が変わったり、設置場所に制限があったりなどの特性がありますので、よく理解したうえで飼育状況にあった容器を選ぶようにしましょう。
そこで今回は金魚を飼育できる容器について、容器ごとのメリットや管理ポイントをご紹介します。水槽以外で金魚の飼育を検討している方は、ぜひご覧になってみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに金魚を飼育する容器ごとのメリットや管理ポイントを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
金魚は水槽で飼育されることが多いですが、実は水槽以外の容器でも飼うことができる観賞魚です。
水槽以外の飼育容器は主に屋外で使用されるため、管理ポイントや必要な道具が水槽とは異なります。また、容器によって特性がありますので、飼育スタイルに合った容器を選ぶと長期的に管理がしやすくなるでしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚を飼育する容器ごとのメリットや管理ポイントを解説します。
金魚は水槽以外でも飼育できる!
水槽で飼育されているイメージの強い金魚ですが、実は飼育容器に制限はなく、大抵の容器で飼育することができます。
金魚が水槽以外の容器でも飼育できる理由は次の通りです。
- 水質の変化に強い
- 幅広い水温に適応できる
そしてこれらの理由に共通するのが、どれも水槽にしか設置できない水槽用機材を使わなくても飼育ができるという点です。
一般的な水槽では、水質は主にろ過フィルターを使って管理しますし、水温管理については水槽用ヒーターを使用します。
今あげた機材は基本的に水槽でしか使えないものが多く、その他の容器には設置できません。
水質や水温の変化に敏感な熱帯魚などは、水槽管理用の機材が無くては飼育することができないため、必然的に水槽で飼育することになります。
しかし、環境の変化に柔軟に対応できる強い金魚であれば、これらの機材が無くても水換えや日々のメンテナンスだけで管理ができるため、水槽以外の様々な容器での飼育が可能となるのです。
金魚は屋外でも飼育ができる!
金魚は、生きていられる水温の幅が5~35度ととても広く、寒い季節には冬眠して冬越しも可能なため、外気温の影響を受けやすい屋外のビオトープなどでも飼育が可能です。
ただ、可能ならば電源が確保できる場所の方が安定して飼育することができます。金魚の飼育にろ過フィルターや水槽用ヒーターは必須ではありませんが、エアレーションはあった方が安心だからです。
特に7cmを超えるようなサイズの金魚がいるときや、気温の高い季節には酸欠を起こしやすくなります。
もし、屋外で電源の確保が難しい場合は、ソーラー式のエアレーションを使ったり、容器に水草を植えたりするなどの方法が有効です。
金魚鉢は長期飼育には不向き
水槽以外の容器で金魚を飼育すると言われると、真っ先に頭に浮かぶのが金魚鉢です。
名前に”金魚”とついているため、金魚を飼育するのに最適な器と考えてしまいますが、実は、金魚鉢は金魚を長期的に飼育するのには不向きとされています。
というのも、金魚は大食漢でたくさんフンをする、水を汚しやすい魚だからです。水の汚れは、飼育容器の総水量が少ないほど短期間で顕著に現れます。
小さい金魚鉢にはろ過フィルターが設置できないため、定期的な水換えで汚れに対処していくことになりますが、金魚のフンや餌の食べ残しですぐに水が汚れて、水質が悪化してしまうため、想像以上にこまめなメンテナンスが求められるのです。
金魚と金魚鉢の組み合わせは情緒があり、鑑賞性は抜群ですが、長期飼育の観点からいうと繊細な管理が求められるため、決して現実的とは言えません。
特に飼育に慣れないうちは、できるだけ大きな飼育容器を選ぶことをおすすめします。
室内の金魚飼育に向いている容器
ここからは、金魚水槽に向いている容器をご紹介します。まずは、室内の金魚飼育に向いている容器についてです。
室内で金魚を飼育するのに一般的な水槽と、番外編としてバケツを使った飼育方法をご紹介します。
水槽
室内飼育であれば、まず選択肢に上がるのが水槽でしょう。水槽は、水生生物を飼育するための容器ですので、当然使い勝手が良いですし、30cm程度の小型水槽から120cmを超える大型水槽までサイズが豊富です。
品種によってサイズや深さを使い分けるこができるのが、水槽の大きな利点と言えるでしょう。
ちなみに、水槽のガラスの接合に使用されているシリコンは紫外線に弱い性質があるため、水槽の屋外設置は避けたほうが無難です。
メリット:室内飼育の定番!管理しやすい
水槽の主なメリットは次の2つ。
- 周辺機材が豊富で管理しやすい
- 種類が豊富で品種に合わせた選択ができる
ろ過フィルターや照明、水槽用ヒーターは水槽の大きさに合わせて設計されていますので、問題なく設置できますし、これらの機材を使うことで水質・水温、光量などを管理しやすいです。
また、ガラスやアクリル製の水槽は透明度が高く、前後左右どこからでも観察できるのも大きなメリットといえます。
深さのある水槽は、 長くたなびく吹き流し尾を持つコメットや尾びれの形状が特徴的なブリストル朱文金など、横からの観賞に向いた品種におすすめです。
水泡眼やランチュウなど、上見が美しくあまり水深の必要ない品種には、ロータイプの水槽が向いています。
金魚の状態を確認しやすいのはもちろん、品種に合わせた鑑賞性を確保できるのが水槽の魅力です。
管理ポイント:ろ過フィルターと底砂をしっかり掃除する
水槽の水質はろ過フィルターに左右されるため、水槽だけでなくろ過フィルターも掃除をしましょう。
掃除の頻度はろ過フィルターの性能や種類、金魚の飼育数にもよるため一概にはいえませんが、1~2ヶ月に1回程度が目安です。水の濁り方や臭いの有無、エアレーションの泡が小さくなってきた、などが掃除が必要なサインですので見逃さないようにしてください。
また、金魚は餌をよく食べフンも多い魚ですので、ゴミや汚れがたまりやすい底砂の掃除も欠かせません。
ろ過フィルターと同時に掃除してしまうと、バクテリアが大幅に減少して水質が不安定になることがあるため、タイミングをずらして掃除します。
プロホースなどの掃除グッズを使うと、底砂掃除と水換えが一度にできて便利です。
番外編:バケツ
鑑賞性が高いとは言えませんが、バケツでも金魚を飼育することが可能です。
バケツは安価で入手できますし、家に常備されていることも多いので、あまりお金を掛けずに金魚飼育をしてみたい方に向いています。
ただし、水量が確保できませんので、飼育数は小型の金魚1~2匹です。
メリット:手軽に水換えできる
バケツの最大のメリットは、手軽に水換えできることです。
水を入れれば重くはなりますが、バケツならば苦になるほどの重さになることはありません。
そのまま水場まで運んで排水できますので、後は水温合わせをしてカルキ抜きを添加した水道水を加えれば水換え完了です。
金魚飼育では水量の少なさがネックになりますが、バケツならば手軽さを活かしてこまめに水換えできます。メンテナンスの頻度に気を付ければ、問題なく金魚を飼育することができるでしょう。
管理ポイント:エアレーションは必須
バケツは水量が少ないため、水が汚れやすく酸素も不足しがちです。
弱い水流を作り酸素を供給することで水質悪化や酸欠を防げますので、必ずエアレーションするようにしましょう。
ただ、水流が強すぎると金魚が消耗してしまいますので、小型水槽用や吐出量を調節できるエアーポンプがおすすめです。
エアーストーンの代わりに小型の投げ込み式フィルターを使うとより効果的でしょう。
屋外の金魚飼育に向いている容器
続いては、屋外の金魚飼育に向いている容器についてです。
屋外飼育は飼育スタイルの自由度が高く、使用できる容器もバリエーションが豊かです。
ここでは、屋外飼育で一般的な
- プラ舟
- 睡蓮鉢
- FRP水槽
の3つをご紹介します。
ちなみに、これらの容器は室内でも使用することができますが、何しろ場所を取りますし水がこぼれてトラブルになりやすいです。
特別な事情が無い限りは、屋外での使用をおすすめします。
プラ舟
プラ舟は別名トロ舟とも呼ばれる、大きなプラスチック製の容器です。
元々はモルタルやセメントを混ぜるためのものですが、安価で入手がしやすいうえに、軽量で丈夫、十分な大きさがあることから、ビオトープの容器としても一般的に使用されています。
メリット:大量の水を確保できる
プラ舟は、大量の水が入るのが大きなメリットです。
水量が多いほど水が汚れにくいため、ろ過フィルターを使わない屋外飼育に向いています。
透明ではありませんので、横から観察する横見はできませんが、ランチュウなどの上見に向いた金魚やオランダなどの大型金魚と相性が良いです。
管理ポイント:直射日光の当たらない場所で管理する
プラスチック製のプラ舟は、紫外線によって劣化していきますので定期的に交換する必要があります。
部分的に欠けていたり、触ると割れたりする場合は劣化しているため早めに交換しましょう。
できる限り直射日光が当たらない場所で管理することで、プラ舟の寿命を延ばすことができます。
睡蓮鉢
睡蓮鉢は陶器製の容器で、容器自体の鑑賞性が高いのが特徴です。
水深が深い壺のようなものから水桶のような形のものまで、とにかく種類が豊富で、品種に合わせた容器を選ぶことができます。
和のテイストを感じされる睡蓮鉢は、金魚との相性が良く、お庭や玄関先に設置するビオトープとしておすすめです。
メリット:ビオトープが楽しめる
睡蓮鉢のメリットは、鉢自体が持つ鑑賞性の高さにあります。置いておくだけでも、素敵な雰囲気を作り出すことができるのは、睡蓮鉢にしかない魅力でしょう。
和の雰囲気を持つもの同士、金魚との親和性も非常に高く、水草や金魚を入れた睡蓮鉢の涼し気な空気感は何物にも代えがたいものです。
ただし、深さがある睡蓮鉢ならばそれなりの水量は確保できるものの、容器としてはそれほど大きなものではありませんので、飼育するならば小型で丈夫な品種の金魚が向いています。
睡蓮鉢自体の味わいと条件を考慮すると、シンプルな和金タイプの金魚が特におすすめです。
管理ポイント:浮草を入れよう
睡蓮鉢で金魚を飼育する場合は、浮き草を入れるのがおすすめです。
ビオトープとして鑑賞性が高まることはもちろん、隠れ家や日陰にもなりますので、金魚のストレスを減らすことにもつながります。
特に、ホテイソウやアマゾンフロッグビット、オオサンショウモといった浮草が、ビオトープでも育てやすく金魚とも相性の良い品種です。
ビオトープ向きの浮き草・水草については、こちらの記事をご覧ください。
FRP水槽
FRP水槽は、プラスチックにガラス繊維を加えることで強度を高めた水槽です。
見た目はプラ舟と変わりありませんが、非常に丈夫で紫外線にも強く、長期飼育を見据えた場合にはFRP水槽が向いています。
ただし、お値段も相応に高くなりますので、ご自分の飼育スタイルと照らし合わせて使用を検討しましょう。
また、一定のサイズ以上は市販されていないため、オーダーメイドになります。
メリット:日光で劣化しにくく安心
FRP水槽は丈夫で、プラスチックに比べて紫外線に強く日光で劣化しにくいため、日当たりの良い場所にも設置することができます。
飼育容器を適度な日光に当てておくと、良質なグリーンウォーターやプランクトンの発生につながりますので、体格の良い金魚に育てやすいのも大きなメリットです。日光には金魚の色揚げ効果も期待できるため、色艶も良くなります。
また、FRP水槽は大きさの割に軽量で、運搬や掃除する際の負担も大きくありません。
大きく立派な金魚を育てたいときや、屋外で金魚を長期飼育する場合におすすめの容器です。
管理ポイント:コケの大量発生と高水温には注意しよう
日当たりの強い場所にも設置できることがメリットのFRP水槽では、コケの大量発生と高水温に気を付けましょう。
コケは水槽を管理していればどの様な環境でも生えてきます。ある程度は金魚が食べてくれるので、残しておいて問題はありませんが、あまりに大量に生えてしまうと鑑賞性が下がります。ただ見た目が悪くなるというだけでなく、水中が確認しづらくなることで、金魚や水の異変に気付けないことも。結果的に酸欠や水質悪化を招くことがありますので、掃除をして対処してください。
また、夏場は強い日差しは高水温の危険があります。あまりに水温が高いと金魚が夏バテを起こしてしまいますので、すだれなどを活用して適度に日陰を作ってあげましょう。
日除けには、ホテイソウなど葉が大きい浮草もおすすめです。
飼育スタイルにあった容器を選ぼう
飼育容器にはそれぞれ特性がありますので、飼育スタイルにあった容器を選ぶことが大切です。
- 屋内飼育:水槽
- 屋外飼育で鑑賞性を重視したい:睡蓮鉢
- 費用を押さえたい:プラ舟、バケツ
- 長期飼育、たくさんの金魚を飼育したい:FRP水槽
といったように、飼育場所や目的に合わせて容器を選ぶと、失敗しづらくなります。
また、金魚の品種に合わせて容器を選ぶことも大切です。品種によって適切な水深や美しく見える角度が異なることを意識して、金魚に最適の環境を準備してあげましょう。
まとめ:金魚を水槽以外で飼育する方法!メリットと必要な道具・飼育ポイント
今回は、金魚が水槽以外の容器でも飼育することができる理由と、それぞれの容器のメリットや必要な道具・管理ポイントをご紹介しました。
金魚は水質や水温の変化に強い丈夫な魚ですので、水槽以外の飼育容器でも問題なく飼育できます。
ただ、容器によって特性が異なりますので、飼育環境や飼育数、費用や扱いやすさなどを考慮して決めることが重要です。
水槽や容器は金魚の家といっても過言ではありませんので、無理なく住めるものを選んであげてください。
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