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水面に浮かぶ葉が涼し気で人気の浮き草は、水中に根を伸ばして成長する植物です。
アクアリウムにおいては、魚の隠れ家や産卵床になったり、強い日差しを遮る日除けになったりなど、水槽・ビオトープを問わず豊富なメリットがあります。
しかし、いざ育て出してみたらすぐに枯れてしまうなどのトラブルに見舞われることも。
浮き草は種類が豊富で、育成に強い光が必要なものもあるため、特徴や育成条件を把握してから導入すると、失敗が少なくなるでしょう。
そこで今回は、水槽とビオトープにおすすめの浮き草を10種類ご紹介します。
ご自分の飼育環境に合った浮き草を探したい方や、浮き草の長期育成をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽やビオトープで育てたい浮草10選を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
美しい花を咲かせるもの、葉の形が可愛らしいものなどとにかく種類が豊富な浮き草。それぞれに特徴や育成環境が異なりますので、導入前に条件をしっかり把握しておくと、長期育成につながりやすいです。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽やビオトープで育てたい浮草10選を特徴や育成のコツとともに解説します。
浮草とは
浮き草は水面に浮かぶ葉が特徴的な水生植物です。根は水中にありますが底砂に植え付ける必要はなく、水に浮かせておくだけで育成できます。
アクアリウムでは、
- 魚の隠れ家や産卵床になる
- 底砂に植えずに育成できる
- 水質を浄化する能力が高い
- 水面を簡単にレイアウトできる など
などの豊富なメリットが魅力で、飼育にレイアウトにとても重宝されています。
もちろん魚との相性も抜群で、水面付近を泳ぐメダカやアカヒレの憩いの場になることも。ベタを飼育する水槽では、浮き草の位置が合えば、丸い葉の上でくつろぐベタの姿を観察することもできます。
ただ、浮き草は繁殖力が高く育成環境が良いとどんどん増殖してしまいます。増えすぎると魚の泳ぐスペースがなくなってしまったり、水中に入る光を必要以上に遮ってしまうため、定期的に間引いて調整しましょう。
屋外飼育では、寒くなってくると葉が枯れてしまう事が多いのですが、これはダメになってしまったわけではありません。そのまま室内に保護することで冬越しできる種類もありますので、捨ててしまわずに、ぜひ大切に管理してみてください。
おすすめの浮草10選!
ここからは、水槽・ビオトープにおすすめの浮き草を10種類ご紹介していきます。
水槽・ビオトープとの相性もふまえて解説しますので、飼育環境に合ったものを選ぶときの参考にしてみてください。
ホテイソウ
ビオトープへのおすすめ度 | ★★★ 強い日差しを好み、水中の養分を多く吸収する |
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室内水槽へのおすすめ度 | ☆☆☆ 室内での育成は難しい |
価格 | 1株当たり約340円~ |
ホテイソウは『ホテイアオイ』とも呼ばれる、屋外のビオトープに最適な浮草です。
比較的大きな葉が日除けになるだけでなく、水中に長く伸びる根が魚たちの隠れ家として役に立ちます。密に広がる根は、メダカが卵を産み付けやすい形状をしており、産卵床としても有名です。
日光を好む性質で成長するのに強い光を必要とするうえに、葉が大きく広がりますので、よく日の当たる屋外での育成が向いています。暑さに強いことから、34度ほどの水温でも問題ありません。
一方低水温には弱いため、15度を下回るようになったら室内に移動して越冬させましょう。
ホテイソウの育て方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
アマゾンフロッグビット
ビオトープへのおすすめ度 | ★★★ 広めのビオトープなら、ゆったりと育成できる |
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室内水槽へのおすすめ度 | ★★☆ 水流の穏やかな水槽に向いているが、やや大型化しやすいので注意 |
価格 | 1株当たり約380円~ |
アマゾンフロッグビットは小さくて丸い葉が可愛らしい、アクアリウムでもポピュラーな浮き草です。他の浮き草と同様、魚たちの日よけや産卵床として活躍します。
成長にあまり強い光を必要とせず、また根も水中であまり密にはならないので、ビオトープはもちろんのこと室内の水槽でも育成が可能です。
屋外の場合は日当たりの良い場所に置いておくと良く成長します。屋内水槽では照明を当てて管理してください。
また、アマゾンフロッグビットは繁殖力が高いため、水槽や飼育容器を覆いつくしてしまわないよう定期的に間引きしましょう。
サルビニア ククラータ
ビオトープへのおすすめ度 | ★★☆ 急激に増えにくいので管理しやすい |
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室内水槽へのおすすめ度 | ★★☆ 水草育成用照明があれば育てられるため、熱帯魚水槽にも良い |
価格 | 1株当たり約190円~ |
丸まったような筒形の葉が密生する葉姿がとても印象的なサルビニア ククラータは、その独特の見た目から愛好家も多い浮き草です。
他の浮き草と比べて成長が緩やかなので、増え過ぎる心配が少なく管理がしやすい浮き草としても知られています。
育成には光が必要なため日光で育てられるビオトープと相性が良いですが、十分な光量を確保できる水草育成用の照明であれば室内でも育てられます。
ただし、低水温にはやや弱い傾向にありますので、屋外で育成する場合は冬の間は室内で管理すると長持ちしやすいです。
ドワーフフロッグビット
ビオトープへのおすすめ度 | ★★☆ 葉が小さく、小型のビオトープにおすすめ |
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室内水槽へのおすすめ度 | ★★☆ 水流が穏やかな小型水槽に向いている |
価格 | 1株当たり約120円~ |
ドワーフフロッグビットは葉が丸く可愛らしい印象の浮き草です。同じような葉姿のアマゾンフロッグビットよりも小型の品種で、ビオトープ、室内の水槽のどちらでも育成ができます。
育て方もアマゾンフロッグビットと同様です。繁殖力は高いもののボリュームが小さいため、小型水槽や金魚鉢のような小さな容器でも水面を圧迫しにくいという利点があります。
屋外では日を良く当てて、室内の水槽では照明を当てて管理してください。
ミニホテイソウ
ビオトープへのおすすめ度 | ★★★ 小さいサイズのメダカ鉢でも育てやすい |
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室内水槽へのおすすめ度 | ☆☆☆ 強い日光が無いと育ちにくいので屋外向き |
価格 | 1株当たり約340円~ |
ミニホテイソウは、ホテイソウを小型化した改良品種です。
迫力ある姿がホテイソウの魅力ではありますが、大きなビオトープでないと窮屈になってしまうことも。ミニホテイソウは、その名の通り小さな姿を維持できるため、睡蓮鉢や小さなスペースに設置したビオトープに最適です。
特にメダカ飼育においては、浮き草特有の移動のさせやすさから、産卵床として活躍します。
育て方はホテイソウと同じです。小さいながらも日光を好む性質はホテイソウと変わらないので、屋外で育成するようにしましょう。
オオサンショウモ
ビオトープへのおすすめ度 | ★★★ ユニークな形状だが、小さめの鉢でも育てやすい |
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室内水槽へのおすすめ度 | ★☆☆ 水草育成の環境が整っていれば育てられる |
価格 | 1株当たり約260円~ |
オオサンショウモは、成長すると波状に湾曲する葉が特徴的な浮草です。
低水温に弱いため冬は枯れてしまいますが、増えやすいことから高い水質浄化作用が期待できます。
繁殖力の高さを活かして、産卵床にもおすすめです。
水草用の照明を完備した環境であれば室内水槽でも育てられますが、どちらかといえばビオトープでの育成が向いています。
越冬させる場合は、室内に移動して水温が下がらないように管理しましょう。
フィランサス フルイタンス
ビオトープへのおすすめ度 | ★★★ 日光が十分に当たると赤い葉になる |
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室内水槽へのおすすめ度 | ★☆☆ 強力な水草育成用照明が必要 |
価格 | 1株当たり約100円~ |
フィランサス フルイタンスは、浮き草には珍しい葉が赤く色づく水生植物です。
水草用の照明を当てれば室内でも育てることはできますが、特徴である赤い葉を鑑賞するならば屋外での育成がおすすめ。太陽光を十分に浴びることで鮮やかに赤く色づきます。
特に、一面緑色になりがちな夏場に、赤い葉を付けるフィランサス フルイタンスは、ビオトープのポイントとして一際目を引く存在です。
もちろん、日除けや産卵床としても活躍します。
マツモ
ビオトープへのおすすめ度 | ★★★ 水質が合えば、どんな環境でもよく育つ |
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室内水槽へのおすすめ度 | ★★★ さまざまな生体と相性が良いため使いやすい |
価格 | 1株当たり約100円~ |
金魚藻としても知られる、アクアリウムでは有名な水草のマツモも、実は根を張らず水中に浮く性質を持つ浮き草の一種です。
強い光量やCO2添加を必要とせず、室内、屋外を問わずどんな環境でも育成できる丈夫さを備えています。
日本の河川や湖沼にも分布していることから、屋外で越冬させることも可能です。
- 丈夫で繁殖しやすい
- 産卵床になる
- 水質浄化能力が高い
- 葉が柔らかく間引きやすい
といった特徴があるため、初心者の方にもおすすめしやすい浮草です。ちなみに底に沈めてレイアウトに活用したい時には、根元に重りを付けることで安定して沈めておくことができます。
マツモの育て方は、こちらの記事をご覧ください。
ルドウィジア セドイデス
ビオトープへのおすすめ度 | ★★☆ 夏限定だが、ビオトープでよく育つ |
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室内水槽へのおすすめ度 | ★☆☆ 水槽では育成に適した水温を維持しにくい |
価格 | 1株当たり約600円~ |
ひし形の小さな葉達が円形に広がって、まるで花のような姿を水面に描くルドウィジア セドイデス。通常は深い緑色ですが、環境が良ければ赤く色づくこともあります。
適正水温が20~28度と範囲が狭くまた育成には光量が必要と、育成環境はシビアです。屋内水槽では適正水温を維持しづらいため、暖かい夏場のビオトープでのみ楽しめる浮き草と言えるでしょう。
水面に浮かべておくだけでも育成することはできますが、根を底砂に向かって伸ばしていくため、植え付けることも可能。どちらかといえば、底砂に植えておいた方が状態は安定しやすいです。
ミジンコウキクサ
ビオトープへのおすすめ度 | ★★☆ 高水温が苦手なのと、気づかないうちに増えやすい点は要注意 |
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室内水槽へのおすすめ度 | ☆☆☆ 水流に流されるので、おすすめできない |
価格 | 1袋当たり約425円~ |
ミジンコウキクサは非常に小さな浮草で、メダカの餌になることでも有名です。生まれたての稚魚は食べることができませんが、幼魚~成魚には栄養価の高い良い餌になります。
育成は容易な部類で、放っておいてもどんどん増えていく丈夫さを備えています。ビオトープでは気づいたらミジンコウキクサで水面が覆われていたなんてことも起こりえるので、適宜間引きしていきましょう。
室内水槽でも育成すること自体は問題なくできますが、水流に流されてしまって、あまりきれいには広がりません。ろ過フィルターに吸い込まれてしまうこともしばしば起こるため、環境としてはあまり向いていないといえます。
また、30度を超える高水温では白化して枯れてしまうことがあります。すだれをかけて日陰を作るなど、水温を下げる対策をしましょう。
冬になると水面から無くなってしまいますが、沈んで休眠芽として越冬するので、春にはまた元の姿を見せてくれます。
浮草に向いている飼育環境
浮き草を育成しやすい環境は次のとおりです。
- 水流が緩やか、無い
- 日当たりが良い
- 容器の開口部が広い
浮草は自然下では基本的に流れのない環境に生息するため、水流が得意ではありません。
ろ過フィルターの水流が強いと一ヶ所に寄ってしまい、見栄えが良くないどころか葉が重なって生育が悪くなることもあります。
また、光量が必要な種類が多いため、日当たりが良い場所が向いています。浮き草は繁殖力が高い種類が多くので、すぐに水面が埋まらないように開口部が広い飼育容器がおすすめです。
屋内、屋外どちらでも楽しめる浮き草ですが、上記の育成環境から考えると、屋外のビオトープとの方が相性が良いです。ビオトープでは、ろ過フィルターを使いませんので、水質を管理する面でも浮草の水質浄化能力が重宝します。
ビオトープの作り方からおすすめ生体、水草、レイアウトまで!屋外飼育のはじめ方を解説します。
浮草を育成する際の注意点
繁殖力が強く増えやすい浮き草は、余ってしまって処理に困ることもあるでしょう。捨てるのはもったいないと感じるかもしれません。
しかし、そんな時でも自然環境に放すのは控えてください。
近年、池や沼などに捨てられた浮草が繁殖し外来種として問題になっています。
殖えすぎたらトリミングや間引きを行い、燃えるごみとして破棄しましょう。
まとめ:浮草とは!水槽・ビオトープで育てたいおすすめ浮草10選!
今回は、水槽とビオトープにおすすめの浮き草を10種類ご紹介しました。
浮き草は、水面に浮かべることで魚の隠れ家や産卵床になったり、底砂が無い水槽でも水草の代わりにレイアウトできたりなど、メリットが少なくありません。
特にろ過フィルターが設置できないビオトープでは、浮き草の水質浄化能力によって飼育水が汚れるペースを遅らせる効果も期待できます。
繁殖力が高く殖えやすいものの、網ですくって廃棄すればよいので水草のようにトリミングや植え直す手間もかかりません。
ここでご紹介した浮草は、初心者の方でも簡単に育成・管理できる種類ですので、水槽やビオトープで魚と一緒に育ててみてはいかがでしょうか。
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