ミスト式で水草の絨毯を作ろう!メリットと道具、育成例を解説します

投稿日:2025.07.18|
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水槽の前景に高密度で水草を植え込んだ通称”水草絨毯”は、アクアリストの憧れです。
しかし、小さな水草を一つ一つ植え付けていくのは手間がかかる上に、せっかく植えた水草が水に浮いてきてしまうなど、うまくいかないことが多いのも事実。
そんな時におすすめなのがミスト式です。
ミスト式は水中で水草を植栽するのではなく、湿度を高くした水槽の中で水上葉を植え付けて、ある程度繁茂させてから注水するという手法のことを指します。
水中に比べて植栽しやすく管理がしやすい反面、カビや注水のタイミングに注意が必要です。
今回は、筆者がボトル水槽を使ってミスト式の立ち上げに初挑戦した様子を交えながら、ミスト式のメリットや立ち上げ方法、必要なアイテム、管理のポイントなどをご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにミスト式のメリットや育成例を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
小さな水草を密度高く植えこむ方法の一つにミスト式があります。
初めてでも失敗がしづらく普通に植えこんだものとも遜色なく仕上がるため、水草絨毯作りにお悩みの際は候補に入れてみてはいかがでしょうか。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ミスト式のメリットや育成例を解説します。
水草水槽のミスト式とは

水草の育成方法の一つであるミスト式では、ソイルに水草を植え付けた後、霧吹きなどで水槽内の湿度が高い状態を維持しながら、水草が十分に繁茂するのを待ちます。
水草のレイアウトとしては、水中に植え付けていくのが一般的ですが、あえてミスト式を選択する利点はあるのでしょうか。
そこでまずは、ミスト式のメリットやミスト式がおすすめの水槽について解説します。
湿度を保ち水草を育てる方法
ミスト式とは湿度を高くした水槽の中で水上葉(または水草の種)を植え付けて、そのままある程度繁茂させてから注水するという手法のことです。
水草は水中で育てるのが一般的ですが、ミスト式ではあえて満水にはせず、その代わり霧吹きをかけて密閉し、湿度が高い状態を維持します。
植え付けから注水して水槽の立ち上げが完了するまでにかかる期間は、平均して2か月程度と、通常の立ち上げよりも時間はかかりますが、水中で育てるよりも手間がかからず、根付く前に水草が浮いてきてしまうこともないため、初めての水草水槽でも失敗がしづらいです。
特にパールグラス系やショートヘアーグラス、グロッソスティグマなどの前景草や、水上葉の水草、組織培養された水草は、ミスト式で育成するとスムーズにいきやすいでしょう。
ミスト式のメリット
水草をミスト式で育てる場合、以下のようなメリットがあります。
- 注水するまで水換えが不要
- コケが生えにくい
- 水草を活着させやすい
- CO2の添加が不要
- 水中で育てるよりも簡単に絨毯状のレイアウトが作れる
ミスト式は水を張らずに管理する手法なため注水するまでは水換えが不要で、コケも生えづらいです。
また、水を張らないメリットは根張りにも表れます。ミスト式で育てた水草は、水中よりも根張りが良くなり活着させやすいです。
水草が浮いてくることがないため、簡単に水草絨毯を育成できます。
さらに、ミスト式であれば空気中から二酸化炭素を吸収することができるため、CO2の添加をしなくても育てることができるのもポイントでしょう。
ミスト式での育成が向いている水槽や状況

ミスト式は管理方法が特殊なことから、一つの水槽を丸ごと育成水槽として使用する必要があります。
そのため、新規に水槽を立ち上げるときや、ミスト式用に別水槽を用意できる状況でのみ実践できる育成方法と言えるでしょう。
特にボトルアクアリウムや小型水槽に水草絨毯を作りたい時には、管理がしやすく失敗しづらいミスト式での育成がおすすめです。
逆に「メイン水槽が別にあってストック用の水草を育成したい」、「管理している水槽が複数ある」というような場合、別水槽を用意するのは手間がかかりますし、水槽を置く場所も必要となるため、あえてミスト式を選択する必要はあまりないかもしれません。
大型水槽だと、ラップを敷いて多湿環境を維持するのが大変という点も頭に入れておきましょう。
また、ミスト式で育成すると根はりが良くなる半面、増えた水草が想定外のところから生えてくることがあります。いろいろな種類の水草をきっちりと区分けしてレイアウトしたい、というような場合には、通常通り水中で植栽した方が思い描いた水槽になりやすいです。
水草の育成方法はミスト式以外にもありますので、ご自分の水槽の状況や目指すレイアウトに合わせて、育成方法を選んでみてください。
ミスト式でニューラージパールグラスを育成した実例!

ここからは筆者がミスト式でニューラージパールグラスを育成したときの様子を、写真付きで解説していきます。
初めてのミスト式でしたが、特に目立ったトラブルもなく無事注水することができました。
今後ミスト式で水草の育成を考えている方は、ぜひお役立てください。
ミスト式を始めるのに必要なアイテム

材料
ミスト式を始めるには、水槽や水草、水槽用ライトの他に、霧吹き・水草用ピンセット・ラップ・ソイルなどのアイテムを用意しましょう。
水槽
ミスト式で使用する水槽に特に決まりはありません。ただ、先ほどもご紹介した通りサイズが大きすぎるとラップで密閉するのが難しくなるため、どちらかといえば小型水槽やボトルアクアリウム用の容器がおすすめです。
今回は『GEX グラスアクア シリンダー』を使用しました。
水草育成用ライト
ライトは水草育成用の光量が強いタイプを用意します。
水槽の大きさに合わせて機種を選択しましょう。
筆者はボトルアクアリウムにぴったりな『GEX 水草と植物を育てる!クリアLED リーフグロー』を選定しました。
ソイル
ミスト式で使う底砂はソイル一択です。
前景草をメインで植え付けることを考えると、パウダーからスーパーパウダー、大きくてもノーマルまでのサイズのものが使いやすいでしょう。
今回は『JUN プラチナソイル パウダー ブラック』と『JUN プラチナソイル スーパーパウダー ブラック』を重ねて使用します。
水草
ミスト式では水上葉や種の状態からでも水草を育成できます。
今回はニューラージパールグラスの水上葉を用意しました。
レイアウトアイテム
水草と一緒に流木や石をレイアウトするときは、最初の時点で準備をしておきましょう。
今回はボトルでも使いやすい『カミハタ プチアクアの石 気孔石』を使います。
霧吹き
保湿をするための霧吹きは、勢いが強すぎるとソイルや水草がえぐれてしまう可能性があるため、柔らかく細かいミスト状のものを用意してください。
水草用ピンセット
水草を種から育てるのであれば不要ですが、植え付ける場合には水草用ピンセットが必要となります。
根を傷つけないように先端が細く、微妙な力加減を伝えやすいものを選びましょう。
食品用ラップ
水槽を密閉するためにラップを使います。
貼り付きや厚みの面でほどよいサランラップがおすすめですが、普段ご家庭で使用しているラップでも問題ありません。
ミスト式で水草を育成する手順と実例
ミスト式を使った水槽の立ち上げ・育成方法の流れは以下の通りです。
- セットした水槽にソイルを敷き、レイアウトを決める
- ソイルの表面ギリギリまで注水し、水草を植える
- 水草全体に霧吹きをして、ラップで密封する
- 水草育成用ライトを当てて、毎日換気と霧吹きをする
- ソイル全体に水草が繁茂したら注水する
- 生き物を入れて完成
レイアウトや水草の植え付けが済んでしまえば、あとは毎日の換気と適度な霧吹きを行なうだけなので、初心者の方でも気軽に挑戦できます。
ここでは、筆者がミスト式でニューラージパールグラスを育成した実例を交えながら具体的に解説しますので、ぜひご覧ください。
1.セットした水槽にソイルを敷き、レイアウトを決める
水槽にろ過フィルターなどを設置したらソイルを敷きます。
今回はパウダータイプの上にスーパーパウダータイプを重ねることにしました。
ソイルを重ねるときは、粒の大きなものを下に敷くと経年劣化による崩れを遅らせることができます。
奥行き感が出るように手前から奥に向かって傾斜を付けてパウダーソイルを敷きます。

ソイル:盛り方
次にのスーパーパウダー ソイルを全体でおおよそ5cm程度の厚さになるように重ねました。

ソイル:重ね方
続いて石の配置を決めていきます。
円柱水槽は水を入れる前後で見え方ががらりと変わるため、一旦注水をして、配置を決めました。

前処理:注水1回目
石の配置を決めたら、ソイルの表面ギリギリまで水を抜きます。
この時点で、水草を植える範囲を決めておくと植え付け作業がスムーズです。

レイアウト
2.ソイルの表面ギリギリまで注水し、水草を植える
まだ注水していないときは、このタイミングでソイルの表面ギリギリまで水を注いでください。
次に、水草を細かくバラします。
理想は2~3本を一株とすると見栄え良く仕上がるのですが、画像のようにざっくりと分けても大丈夫です。

水草:分割
分けた水草をバランスを見ながらソイルに植え付けていきます。
以下は水草の植え付け直後の様子です。
このくらい隙間が空いていてもしっかり茂ってくれれば水草絨毯になりますので、ざっくり植え付けていきましょう。

水草:植えつけ1

水草:植えつけ2
3.水草全体に霧吹きをして、ラップで密封する
すべて植え付け終わったら、水草全体に霧吹きをしてラップをかけます。
ちなみに霧吹きで使用する水は、カルキを抜いてない普通の水道水で問題ありません。
水草の植え付け作業は、これで終了です。

ラップをかけた様子
4.水草育成用ライトを当てて、毎日換気と霧吹きをする
ミスト式を実施している間は、毎日水草育成用ライトを10時間程度当てて成長を促します。
また、一日一回5分間ほどラップを外して換気をしてください。この時水草の表面が乾いていたら、その都度霧吹きを吹きかけます。
植え付け翌日の様子です。
このように水槽全体が曇っていれば、うまくいっています。

植え付け後:1日目
2週間後の様子です。
植え付け直後と比較すると、ソイルの隙間がやや埋まってきました。

植え付け後:2週間
4週間が経過すると、さらに隙間が無くなってきました。
ここまで成長したら、ソイルが露出している部分を中心にライトが当たるように調整して、全体的に均一になるように仕上げていきます。

植え付け後:4週間
7週間後の様子です。
ソイルの露出もあまり目立たなくなってきました。

植え付け後:7週間
5. ソイル全体に水草が繁茂したら注水する
ミスト式の育成を初めて9週間。ニューラージパールグラスがソイル一面に広がりこんもりしてきたので、ここで水を注水し、水中での育成に切り替えることにしました。

植え付け後:9週間
勢いよく注水するとせっかくの水草やソイルがえぐれてしまうので、給水チューブを壁面に当てて優しく注ぎましょう。

注水の様子
注水直後の様子です。ミスト式で育てた水草は、水に入れると気泡を付けた神秘的な姿を見せてくれます。
CO2添加をすればまた気泡を付けた姿を観察できますが、今回はボトル飼育ということで、CO2添加は行わないため、この瞬間しか見ることができない貴重な姿となりました。

気泡を付けたニューラージパールグラス
6.生き物を入れて完成
水槽を水で満たしたら浮いてきたゴミやソイルなどを取り除き、生体を導入しましょう。
導入数の目安は、水1Lにつきメダカサイズの生体1~2匹程度です。
筆者はメダカを3匹入れました。

メダカの様子
これで、ミスト式で育成したアクアリウムの完成です。
初めての挑戦でしたが、約2ヶ月間と平均的な期間で作ることができました。
注水から2週間ほどは、毎日1/3量の水換えを行ない、水質を安定させていきます。
2週間たったら週1回のペースで、1/3量の水換えを行ないましょう。

完成したボトルアクアリウム
ミスト式に注水するタイミング
今回は9週間ほどたったタイミングで、ミスト式から水中育成に切り替えましたが、満水まで注水するタイミングは水草の育ち具合を見て判断します。
条件としては、
- 側面から見て根が深く張っている
- 底面をほぼ覆っている
- 草体が一層被覆している
これらを満たしていたら、水中に切り替え可能です。
育ち切っていない段階で注水すると水草が抜けてしまうなどの原因になりますが、反対に育ちすぎていても、水中葉へ生え変わる時に根を張る場所が無くなってしまい、その後の成長が悪くなる場合があります。
毎日しっかり観察して、注水に適したタイミングを見極めましょう。
ミスト式の管理ポイント

最後に、ミスト式を成功させる管理ポイントを解説をします。
大切なのは、
- 毎日空気の入れ替えを行なう
- 水草に適した温度に保つ
の2点です。
毎日空気の入れ替えてカビを予防しよう
ミスト式の最大の敵がカビ。多湿の環境はカビが生えやすく、一度生えてしまうと水槽全体が台無しになってしまうため、換気をして清潔な環境を維持しましょう。
毎日5分程度ラップを外して、風を送ったり息を吹きかけるなどして空気の入れ替えを行ないます。
換気の際は水草の様子をよく観察し、乾いている部分があれば霧吹きをするのも大切です。
特にレイアウトの高い部分に植えた水草は乾燥しやすいので、見落とさないようにしましょう。
水草に適した温度に保つ
水草に適した温度に保つのも、重要なポイントです。
水槽内の温度を計測し、25℃前後になるよう調整しましょう。
夏場は熱がこもりやすいので、水槽をなるべく涼しい場所に置いたり、空調を管理したりなどして工夫をすると良いです。
冬はパネルヒーターを使って保温をしよう
室温が下がる冬にミスト式を始めるときは、水槽の下にパネルヒーターを敷いて保温をするのがおすすめです。
ソイルの表面が25~26℃になるように、パネルヒーターの設定温度を調節しましょう。
温かい環境を用意してやると、水草の成長が早くなります。
まとめ:ミスト式で水草の絨毯を作ろう!メリットと道具、育成例を解説します

今回はミスト式に初めて挑戦した筆者の実体験を交えながら、ミスト式のメリットや必要な道具、管理のポイントなどをご紹介しました。
ミスト式は、水を張らずに湿度を高めに維持した水槽の中で水草を育成する方法です。
換気と温度調節にポイントがありますが、そこさえきちんと管理できれば、失敗することはほぼありません。
初めて挑戦した筆者でもきれいな水草の絨毯を作ることができたので、大変満足しています。
今後前景草を使った水草水槽を制作予定の方や、絨毯状に広がる水草を観察してみたいと考えている方は、ぜひミスト式での育成にチャレンジしてみてください。
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