小型水槽を安定させる方法!水量が少なくても水質を維持するポイント
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一見すると手軽に楽しむことができ、初心者向けにも思える小型水槽。
しかし、小型水槽はサイズの大きな水槽と比較すると水が汚れやすく、水温差も出やすいため、実は初心者には管理が難しいと言われています。
とは言え、少ないスペースでアクアリウムを楽しめる小型水槽はそれだけで魅力ですし、大型水槽を置く場所が確保できないという方も多いことでしょう。
そこで今回は、小型水槽の水質を安定させるポイントをわかりやすく解説していきます。
アクアリウムに興味があり、まずは手軽な小型水槽から挑戦したいと考えている方は、ぜひ今回のコラムをお役立てください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに小型水槽で水量が少なくても水質を安定させるポイントを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
一見手軽で初心者向けと思われる小型水槽ですが、水量が少なく安定して管理するのが難しいという側面があります。
小型水槽を良い状態で維持するには、こまめに足し水をしながら、水槽用ヒーターやろ過フィルターを上手に活用していきましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、小型水槽で水量が少なくても水質を安定させるポイントを解説します。
小型水槽を安定させる方法
小型水槽は一見、もっとも手軽で初心者向けのアクアリウムのように思えます。
しかし実は水量が少ないため水質・水温の変化が激しく、プロでも管理が難しい水槽とされているのです。
水質や水温が不安定になると、生き物はストレスを感じ、体調に支障を来してしまうこともしばしば。
そこで今回は小型水槽でも水質を安定させる方法として、
- 水換えと足し水をこまめに行う
- 昼夜の水温差を無くす
- 飼育生体の数を控えめにする
- 小型外部フィルターを使用する
- 水槽台に設置する
これら5つのポイントについて解説をしていきます。
小型水槽を管理していて何かトラブルが起こった際は、ぜひこのコラムを対処に役立ててください。
水換えと足し水をこまめに行う
まずは水換えと足し水をこまめに行なうというポイントについて解説をしていきます。
水槽内の水は温度に関わらず常に蒸発し続けており、特に小型水槽の場合は、リビングに置いているだけでも1日で1cmほど水位が下がることがあります。
水が蒸発するとその分飼育水中の栄養成分や汚れの濃度が濃くなるため、水質を不安定にする要因となってしまうのです。
水の蒸発による水質の急変を防ぐために、小型水槽を管理する場合はこまめに足し水を行なうようにしましょう。
カルキを抜いた水を用意しておいて、気がついたときに少量ずつ注ぎ足す方法がおすすめです。
海水水槽では塩分濃度に気を付けよう
足し水をする際に特に注意したいのが、海水水槽を運用している場合です。
海水の小型水槽は塩分濃度や比重の急変など水の蒸発による影響が大きいため、淡水よりもこまめに水位の確認をしましょう。
水を足す際も一気に注がず、こまめにろ過槽へ足していくのがおすすめです。
昼夜の水温差を無くす
続いては昼夜の水温差を無くすという対策方法について解説していきます。
小型水槽はそもそもの水量が少ないうえに、水槽の壁厚も薄めなので、外気の影響を受け易いです。
室温が昼夜で変化すると水温も上下してしまいますので、エアコンなどを使ってなるべく一定に保つ工夫をしましょう。
もし水槽を設置している部屋の温度が安定しない場合は、水槽用ヒーターなどの保温器具を使用するのがおすすめです。
近年では小型水槽やボトル水槽にも対応した小さな水槽用ヒーターが多く販売されていますし、なにより水温の安定化につながります。
夏でも水槽用ヒーターがあると良い理由
意外に思う方も多いかもしれませんが、夏場も水槽用ヒーターは必須です。
何故かというと、夏は冷房をつけるため、想像以上に水槽内の水が冷えてしまうからです。
しかしだからといって、夏場にエアコンをつけずにいると、室内の温度上昇に伴って水温も上がってしまいます。
日中の不在時に水槽のためだけにエアコンをつけ、冷えすぎ防止のために水槽用ヒーターも稼働させるのは非効率だと感じる方もいらっしゃることでしょう。
そのようなときにおすすめなのが、『ゼンスイのTEGARU2』という、小型水槽用クーラーとヒーターが一体になった機材です。
以下の記事では『TEGARU』の開発秘話や特徴などについてご紹介していますので、ご覧になってみてください。
飼育生体の数を控えめにする
続いては飼育生体の数を控えめにするという対処方法について解説していきます。
小型水槽でも小さな魚であれば複数種の熱帯魚を飼育できますが、もちろん入れ過ぎは禁物です。
まずは水1Lに対し体長1cmを目安に、生体の数を調整していきましょう。
水量6Lの水槽で体長2cmの魚を飼うのであれば、まずは3匹程度から始めるのが目安です。
水槽は立ち上げ初期がもっとも水質が変化しやすいので、まずは少ない数から飼育を始め、慣れてきたら徐々に生体数を増やしていくのがおすすめです。
こまめな水換えや足し水が可能であれば、目安の倍程度は飼育数を増やしても問題ありません。
成長後の体長を確認しよう
小赤やグラミーなどの淡水魚は、幼魚の頃と比較すると想像以上に大きく成長します。
小型水槽ではすぐに窮屈になってしまいますので、飼育する生体は成長後の体長もしっかりと確認しておきましょう。
水槽が狭くなると生体同士でケンカが起こることも多いですし、なによりすぐに水が汚れるため、水質の急変にもつながります。
もし、水槽が手狭になったと感じるようならば生体の安全を守るためにも、水槽を大きなものに買い替えるか、水槽を分けるなどの対策を行ってください。
小型外部フィルターを使用する
続いては小型外部フィルターを使用するという対策方法について解説していきます。
小型水槽のろ過フィルターといえば外掛け式や投げ込み式などが定番ではありますが、もし予算に余裕がある場合は、小型外部フィルターを使用するのがおすすめです。
外部式フィルターにはろ過槽があるため、その容量分の水量を増やすことができます。水量が多くなればその分水質も安定しやすくなりますので、ぜひ積極的に取り入れてみましょう。
またこれは、小型オーバーフロー水槽でも同様のことが言えます。
小型外部フィルターやオーバーフロー水槽については以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ご覧になってみてください。
小型水槽で水流を調整する方法
幅25cm以下の超小型水槽の場合、外部フィルターを設置すると水流が強くなりすぎることがあります。
強すぎる水流は生体を疲弊させてしまうため、給水口を壁面に向かせたり、フローパイプなどを活用して、適度な水流に保つ工夫をしましょう。
水槽台に設置する
続いては水槽台に設置するという対策方法について解説していきます。
これに関しては、水質の安定というよりは水槽そのものの物理的な安定を指します。
小型水槽はその名の通り小さく、自宅にあるテーブルやキャビネット、メタルラックなどにも設置することが可能です。しかし、水槽台以外のものに水槽を乗せると、水平が取れていなかったり、水槽の重さでたわんでしまったりといった危険にさらされることも。
小型水槽といえど水を入れたときの重さはそれなりにありますので、長期的に安定して管理することを考えると、やはり専用の水槽台を使用した方が安心です。
水槽マットも併用しよう
もし水槽台以外の台に水槽を設置する場合は、台や水槽を傷めないように、水槽用マットを必ず敷きましょう。
水槽用マットは、水槽機材から発せられる微細な振動を吸収し、台に直接振動が伝わらないようにする役割を担います。また、水跳ねや汚れからも守ってくれるので、台の持ちが格段に良くなります。
水質が不安定になったら
上述したような対策しても、小型水槽はどうしても水質が不安定になってしまうことがあります。
以下からは水質が気になったときの処置として、
- 多めに水を換えてみる
- 長期間不安定な場合はろ材を変える
これら2つの対策方法をご紹介していきます。
多めに水を換えてみる
水質が不安定になってしまったら、まずはいつもよりもやや多めに水換えをしてみましょう。
換水量は飼育生体の種類や数によって調節するのがいちばんですが、際立って水質変化に敏感な生体でない限りは、1/2程度なら換えてしまっても構いません。
新しく注ぐ水はしっかりと温度を合わせ、水温差が出ないように注意しましょう。
長期間不安定な場合はろ材を変える
水換えをしても効果が薄く長期的に不安定な状態が続く場合には、ろ材を変えてみましょう。
このとき、全てのろ材を新しくするとバクテリアが減りすぎてしまいますので、古いろ材も少量だけ飼育水ですすぎ洗いをし、残しておきます。
『リバースグレインシリーズ』など、水質調整作用のあるろ材を取り入れてみるのもおすすめです。
まとめ:小型水槽を安定させる方法!水量が少なくても水質を維持するポイント
今回は小型水槽を安定させる方法について解説をしてきました。
飼育水が少ないため管理が難しいとされている小型水槽ですが、
- 水換えと足し水をこまめに行う
- 昼夜の水温差を無くす
- 飼育生体の数を控えめにする
- 小型外部フィルターを使用する
- 水槽台に設置する
これらのポイントをおさえつつ運用すれば、かなり安定して水槽の管理ができます。
小スペースでも癒しの空間を演出できるのが小型水槽の魅力ですので、初心者のみなさんもこのコラムを参考にしつつ、アクアリウムを楽しんでみてください。
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