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熱帯魚水槽の水質が悪化したらpHを測ろう!pHの変化と重要性

水槽に異常があるようには思えないけれど、なんとなく熱帯魚やエビなどの生体に元気がない、様子がおかしいといったときには、病気のほかに水質の変化を疑う必要があります。

水槽をセッティングした時には生体にピッタリの水質で綺麗だった水槽内の水も、熱帯魚を飼育していくうちにさまざまな要因で水質が酸性やアルカリ性に傾いたり、水が汚れてしまったりするからです。

見た目ではなかなか判断がしづらい水質の変化ですが、pH(ピーエイチ/ペーハー)を測ることで正確に飼育水の今の状態を知ることができます。
pHは市販されている検査薬やpHメーターを使って測ることができ、初心者でも自宅で簡単に検査ができるのでおすすめです。

今回はこのpHについて、アクアリウムにおけるpHの解説から変化する原因や対処法、pH測定のやり方などについて解説します。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとにpHについて解説


このコラムは東京アクアガーデンに在籍するプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

これまで5000件を超える水槽の設置や管理を行ってきた東京アクアガーデンは、pHの管理にも精通しております。
pHの変化は見た目に影響がないことから最初は見逃してしまいやすく、生体や水草に悪影響が出るなどのトラブルの原因になりやすいです。

ここではアクアリウムでよく耳にするpHについて実体験を元に詳しく解説していきます。ぜひご覧になってみてください。

水槽のpHとは


熱帯魚について調べていると、度々目にするこの『pH』という単位。これは、水質がアルカリ性か酸性かを示す数値です。数値は0から14までありこの値によって、現在の水質を知ることができます。

pHはアクアリウムに限った話ではなく、水道の水や河川の水など、水に関わる事柄では良く出てくる値なのですが、一般におけるpHの数値の基準とアクアリウムにおける数値の基準が若干異なることがあります。
ですので、ここからはアクアリウムにおけるpHの数値の基準についてお話していきます。

アクアリウムにおけるpHは大体以下のように判断されます。

■アクアリウムでのpHの数値基準

  • 酸性:~6.0未満
  • 弱酸性:6.0~7.0
  • 中性:7.0
  • 弱アルカリ性:7.0~8.0
  • アルカリ性:8.0以上

大まかに言うと、数値のちょうど中間にあたるpH7.0を中性とし、それより高ければアルカリ性、低ければ酸性です。pH7.0を基準に数値が離れれば離れるほど、酸性やアルカリ性の傾向が強いということになります。

pHは自然界においても場所によって異なるため、そこに住んでいる生き物たちは、その環境に適応しています。生体によってそれぞれ得意なpHがあるのはこのためで、水槽で飼育するときにもできるだけ元の環境に近い水質、pHに合わせてあげることが大切です。

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pHが変化する原因は?

pHが変化してしまう要因はいくつかありますが、代表的な例としては以下の3つが挙げられます。

    • ソイル、石や流木などを使用している
    • CO2を添加している
    • 水換え頻度が足りない

    ソイルや石、流木などの中には、長期間水の中に入れておくことで成分が溶け出し、水質を変化させてしまうものがあります。
    ソイルは、水質への影響をよく確認してから使用すること、石や流木はしっかり下処理をしてから水槽に入れることで、水質への影響を抑えることが可能です。

    水草水槽などではCO2を添加することがありますが、CO2を添加すると水中に炭酸イオンという酸性の物質が生じるため、pHが下がることがあります
    しかし、大体の水草は弱酸性を好む傾向にあり、またこのような水槽で飼育する熱帯魚も弱酸性を得意とすることが多いため、CO2添加によるpHの低下が生体に悪影響を与えるほど問題になることはまずありません
    むしろCO2添加時にはpH低下よりも夜間の酸欠の方が生体に与える影響が大きいため、まずはこちらを解決することに注力することをおすすめします。
    もしどうしてもpH低下が気になるようならば、水質調整機能があるろ材を使用したり、岩をレイアウトしたりして対処することが可能です。

    また、先述した通り、水換えが不足していると硝酸塩が蓄積し、pHが酸性に傾きます。これは水換えをして硝酸塩を取り除けば、pHも元の数値に安定します。

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    pHを測ることでわかること

    pHを調べてわかることは2つあります

    1つは、今の水槽内の水が生体に向いているかどうか、ということです。

    先でも説明しましたが、熱帯魚やエビなどの水棲生物が自然環境下で生息している水は、場所によってpHが違います。そのため生体に合わないpHでは体調を崩してしまう可能性があるのです。

    もう1つは硝酸塩という物質が多く蓄積しているかどうかです。

    硝酸塩というのは、生き物の排泄物や餌の食べ残しが腐敗して生じるアンモニアが、バクテリアによって分解された結果、生成される物質です。「酸」という名がついている通り、この硝酸塩が多くなってくるとpHは酸性、すなわち7よりも小さい数値に傾いてしまいます

    硝酸塩の蓄積に気づかず放置していると、水槽立ち上げ時には生体の好むpHに設定していても徐々にpHが下がってしまい、水質が変わってしまっていたということが起こりえます。

    水換えの頻度が少なかったり、水槽内の掃除をしていない・水槽内に生体を入れ過ぎているといった状況になると、硝酸塩の蓄積量が増えていきます。それを防ぐためには定期的にpHを測定し、酸性に傾き過ぎていた場合は水換えを行う、餌の量を見直すなどの対策が必要です。

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    pH測定のタイミングと水換えの頻度


    pHを測るタイミングは、基本的には水換えの前が良いとされています。硝酸塩の蓄積などでpHが変化していた場合、水換えをすることで改善する可能性があるからです。

    pHを測り理想とするpHと比較して、pH±0.5前後の差がある場合は水換えを行う必要があります

    もしpH1.0以上の差がある場合は水質が変わってしまっていますので、すぐに水を換えるだけでなく、水換えの頻度を見直すなどの対策を取りましょう。

    水換えのタイミングでなくとも、生体の様子がおかしいといったときにはpH測定を行い、必要があれば水換えをします。ただし定期的な場合でも緊急時でも、水換えによるpHショックには注意してください。pHショックに関しては下の項で別途解説しています。

    基本的に水換えは2週間に1度くらいの頻度で行いますが、水槽のサイズなどによっても変わってきます。水換えのタイミングややり方についてはこちらの記事を参考にしてください。

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    pHショックとは?

    pHショックとは、pHの数値が大きく変わることによって、水換え後に生体が急に暴れたり、苦しむ・ぐったりして元気がなくなってしまう状態のことです。体力の落ちている生体の場合には死んでしまうこともあります。

    グッピーの場合だとヒレがボロボロになったり、色が白くなってしまう現象が起こることもあります。

    測定結果のpHが理想値から大きくかけ離れている場合でも、慌ててたくさんの水を換えてしまうと水質が急激に変化し、熱帯魚がショックを起こしてしまう事があります。
    普段の水換えの1/2くらいから始め、徐々に理想のpHに近づけていきましょう

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    pHを測るのに必要な道具


    PHの測定方法には『pHメーター』、『pH測定試験薬』、『pH測定試験紙』の3つの方法があります。それぞれどのような使い方をするのか説明していきます。

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    pHメーターで測定する方法

    ニッソー PHモニター NEO

    pHメーター』という機械を使用して、水槽内のpHを測定する方法です。価格は安いものなら1,000円台から購入することができますが、一般的には1~2万円前後のものが使われています。

    使い方は簡単で、小さな容器に水槽内の水を取り、pHメーターの電極と言われる部分を水に差し込んで測定ボタンを押すだけです。使い始めには、附属している標準液を使ってメーターの数値を調整してください

    上にリンクしているニッソー PHモニター NEOのように水槽内に設置して継続的にpHを測定し、数値の変化を監視できる装置も販売されています。

    機械なので誤差は±0.1~0.2程度と、かなり正確な数値を測定でき測定時間も30秒~1分ほどと早いのが大きな特徴です。また機械が壊れるまで何度でも繰り返し使用できます。

    しかし年数が経ってくると誤差が生じてくるようになります。誤差が出るようになった場合には、使用開始時と同じように付属の標準液を使って数値を調整してください

    pH測定試験薬で測定する方法

    テトラ (Tetra) pHトロピカル試薬 (5.0-10.0)

    pH測定試験薬』は、容器に水槽の水を取って試験薬を滴下し、水の色でpHを判断するものです。水質が数値で示されるわけではないため、ざっくりとした判定にはなりますが、手軽に使用できるため普段使いにはこちらが重宝します。

    pH測定試験薬の値段は1,000円ほどで、50回程度測定することができます。

    pH測定試験紙で測定する方法

    アズワン pH試験紙 ロールタイプpH0-14 /1-1254-01

    pH測定試験紙』はpH測定試験薬の紙版といった商品です。学校の理科の実験で使われているリトマス試験紙を思い浮かべると分かりやすいのではないでしょうか。用紙は海水用と淡水用と別れていることが多いです。

    使い方は水槽内の水に試験紙を浸すだけなので、容器に水を取る必要もなくとても簡単にpHを計測することができます
    こちらもpHを数値で示してくれるわけではないため、正確さには欠けるところがありますが、普段のメンテナンス前の計測程度であれば問題なく使用できるでしょう。

    値段は1,000円以下なので、あまりお金をかけたくないという人や、おおよそのpHを知りたいという方におすすめします。

    まとめ:熱帯魚水槽の水質が悪化したらpHを測ろう!


    今回はpHについて、pHが変化する原因、測定方法などを解説しました。
    生き物や水草にはそれぞれ得意なpHがあり、あまりに外れた環境に置かれるとストレスから調子を崩してしまいます。
    pHを調整しているつもりでも、時間がたつにつれて様々な要因で水質が変わってしまうことがありますので、異常がなくても定期的にpHを測定して水質をしっかり管理しましょう。

    pHを測定する方法には、正確さが売りの機械式のもの、手軽に使用できるのが魅力の検査薬などがあります。
    状況に応じて使い分けると、pHの管理がしやすくなりますので、ぜひ実践してみてください。

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    飼育水のpHについて良くある質問<

    飼育水のpHとは?

    飼育水の酸性・アルカリ性傾向を表します。
    7.0が中性で、アクアリウムでは約5.5~8.0程度の範囲で管理され、数値が低いほど酸性傾向の水質です。
    魚種によって得意なpHが異なるため、同じpHを好む魚種同士で混泳させるなど、飼育の目安になります。

    pHが大切な理由とは?

    飼育水のpHは魚などの生体の健康を維持する上で欠かせない要素です。
    原産地に近いpHを再現すると、色揚げ・長生きにもつながります。
    特にテトラやカラシンなどは低めのpHで飼育すると発色が鮮やかになっていきます。水草にも得意な水質があるため、確認しながら維持していきましょう。

    飼育水のpHを下げる方法とは?

    ソイルを敷くことでpHを効率よく下げることができます。腐植酸が入ることでもpHは下がるため、マジックリーフやヤシャブシの実、流木などを入れて調整することもできます。

    初心者が水草を育成する際の注意点とは?

    弱酸性の水質を維持している場合以外は、pHは水が汚れると降下していきます。

    • 水換えを行う
    • pHを上げるろ材を使う
    • カキガラを使う

    これらの対策でpHの効果を抑制することができます。下げ止まらない場合は、水槽の掃除を見直してみましょう。

     

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