繁殖用の餌7選！メダカ・熱帯魚・金魚の繁殖に特化した餌を紹介

魚を飼育する楽しみの一つに繁殖があります。
メダカや金魚、コリドラスにグッピーなど自宅の水槽でも繁殖する魚は意外と多いです。

メダカやグッピーなどは、オスメスを揃えて飼育しているだけでも増えることはありますが、繁殖を目的とするならば、飼育環境や餌を変えて体制を整えたほうが確実でしょう。

そこで今回は、メダカや金魚、熱帯魚の繁殖に特化したおすすめの餌を7種類ご紹介します。

繁殖用の餌は普通の餌よりも栄養価が高く、たんぱく質が豊富で、消化・吸収に良いものが多いです。
餌を変えるだけで繁殖回数や産卵数が増えることもありますので、繁殖を考えている方はぜひご覧になってみてください。

プロアクアリストたちの意見をもとにメダカ・熱帯魚・金魚の繁殖に特化した餌7選を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

飼育魚を繁殖させたいときは、まず餌を繁殖用のものに変えてみるのがおすすめです。
繁殖には体力を使うため、栄養豊富な繁殖用の餌を与えて、繁殖に耐えられる個体を育てましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカ・熱帯魚・金魚の繁殖に特化した餌7選を解説します。

繁殖用の餌とは？

繁殖用の餌は、観賞魚や熱帯魚の繁殖に備えた体作りを目的とした専用の餌です。

普段与えている成魚用の餌よりもたんぱく質やカロリーなどの栄養が豊富に含まれており、繁殖に耐えられるだけの体力を付けることができます。

また、エネルギー以外にも、産卵数や孵化率を上げるための栄養が強化されていたり、消化吸収率が良かったりなど、繁殖に向けて効率よく親魚を育て上げられるよう、配慮されたものが多いです。

魚の繁殖用餌7選

ここからは、繁殖におすすめの餌を7つご紹介します。

といった魚の繁殖に適した餌で、繁殖回数・産卵数の増加など繁殖効率を上げたい場合に効果的です。

どの魚にも与えられる汎用的なものから、魚種に合わせた専用の餌までくまなくご紹介しますので、お好みの餌を選んでみてください。

ヒカリ メダカのエサ 産卵繁殖用

『ヒカリ メダカのエサ 産卵繁殖用』は、メダカの繁殖に特化した専用の餌です。
メダカ飼育では王道中の王道で、価格の安さと入手しやすさから初心者からベテランまで幅広く愛用されています。

タンパク質と脂質が豊富ですので繁殖のエネルギー補給はもちろん、繁殖に適した体作りにも効果的です。消化吸収が良いため、消化不良を起こしにくいのもポイントとなります。

ただ栄養価が高い餌は、水を汚しやすい面がありますので、繁殖用の餌を与えている間は、水質に注意し、水換えを怠らないようにしましょう。

ニチドウ めだか膳 繁殖メダカ用

メダカの繁殖には『ニチドウ めだか膳 繁殖メダカ用』もおすすめです。

体力を消耗しやすい繁殖中のメダカのことを考えて、必要な栄養を補充できるよう配慮されています。

高タンパク・高脂質に加え、乳酸菌やビフィズス菌、カルシウムなども配合されているため、繁殖だけでなく健康維持にも最適です。

また卵質の向上を目的としてアスタキサンチンも配合されていますので、色揚げ効果も期待できます。

キョーリン　ビタクリンアカムシ

冷凍赤虫はタンパク質が豊富で嗜好性も高いため、繁殖で消費しやすいエネルギーの補給に向いています。
繁殖前の増体や稚魚の育成にも使えることから、用意しておけば長く使用できるでしょう。

活餌は保存がネックになりやすいですが、冷凍アカムシは冷凍庫で長期保存できるうえにキューブ状の小分けになっているため、扱いやすいのも嬉しい点です。

ただし一度解凍したものを再冷凍すると品質が悪化しますので、解かした冷凍赤虫は使い切るようにしてください。

キョーリン　ビタクリンイトミミズ

『キョーリン　ビタクリンイトミミズ』も魚種問わず使用できる冷凍餌です。赤虫と同様に栄養価が高く、繁殖時のエネルギー補給や増体を狙った体作りにも効果が期待できます。
冷凍餌に不足しがちなビタミンも添加されていますので、活餌にありがちな栄養の偏りを防ぐことができるのもポイントです。

赤虫とイトミミズどちらが良いかという話をよく聞きますが、一つ、イトミミズの明確な利点をあげるならば、赤虫よりも小さいため口が小さい小型の熱帯魚や、コリドラスなどの底物、生まれたばかりの稚魚でも口にしやすい点でしょう。もちろんその他の魚も食いつきが良いので、汎用性ではイトミミズに軍配が上がります。

ただし、イトミミズはアカムシよりも細めで、底砂の隙間に入りやすいため与える場合は、底床掃除を怠らないようにしましょう。

フィーダーカップを使用すればイトメが散らばるのを防ぐことができます。

キョーリン クレスト コリビッツ

コリドラスの繁殖用餌では『キョーリン クレスト コリビッツ』が使いやすいです。

コリドラスが食べやすい小粒で消化・吸収が良いため、繁殖に耐えられる体作りに役立ちます。タンパク質を中心とした栄養も豊富で、しっかり体力を付けたいときにも最適です。

嗜好性がよく栄養価も高いため、繁殖時だけでなく普段の飼育でも活用できる使い勝手の良い餌と言えます。

キョーリン ひかりクレスト グッピー

『キョーリン ひかりクレスト グッピー』は、グッピーの成長と繁殖を目的に作られた人工飼料です。

高タンパクで栄養バランスが良いため、繁殖のための体作りと栄養補給に最適です。
水面にしばらく浮いた後、ゆっくり沈下していく顆粒タイプなので、グッピーが捕食しやすく食べ残しが出にくいので、水の汚れを気にする必要もありません。

なお、こちらの餌はグッピーだけでなく、プラティやアカヒレなどの小型熱帯魚にも向いています。

テトラ プランクトン

複数種の小型熱帯魚が混泳する水槽には、『テトラ プランクトン』のような汎用的な人工飼料が向いています。

繁殖はもちろん、普段の主食としても使える栄養バランスに優れた餌で、嗜好性が高く消化・吸収も良いため、繁殖向きのがっしりとした体型を維持するのに最適です。

沈降性なので、水面付近から低層まで餌が満遍なく届きやすいですが、沈下スピードがやや速いため、食べ残しが出ないよう食べ具合を見つつ給餌しましょう。

魚の繁殖は餌と環境が重要！

水槽の中で魚を繁殖させたいと考えたとき、餌と環境を繁殖に適したものに変えてあげることがとても重要です。

特に餌は、通常のものと繁殖用では栄養成分のバランスが異なりますし、繁殖を迎えるための体作りに欠かせないものなので、繁殖を視野に入れた段階で与え始めることが推奨されています。

産卵はメスにとって大きな負担

産卵・出産はメスに大きな負担を掛けます。多大なエネルギーを消費する一大イベントですので、予め体力をつけて繁殖に備えましょう。

体力をつけるにはたんぱく質やエネルギーが豊富な繁殖用の餌が最適です。

また、繁殖用の餌には、卵の質を良くする栄養素などが含まれているものもあるため、孵化率を上げるのにも効果が期待できます。

飼育環境でもサポート

繁殖用の餌を与え始めたら、水槽内の環境も繁殖に適した状態に変えていきましょう。

魚種によって違いはありますが、概ね

• 産卵床の設置
• 繁殖を促す水温や光量
• 適切な水流や水質

といった環境がそろって初めて魚は繁殖します。特に人工産卵床や水草などの卵を産み付ける場所はとても重要で、これが無いとなかなか卵を産みませんし、産卵したとしても稚魚の生残率が下がってしまうことが多いです。

また産卵を確認したら、産卵床ごと別容器に隔離して成長を見守りましょう。成魚がいる環境では、卵や稚魚が食べられてしまって上手に育てるのが難しいです。

グッピーやプラティなど稚魚を産む卵胎生の魚の場合は、妊娠した親魚を隔離し、そこで出産させると稚魚を簡単に隔離できます。

餌と環境の両方を整えて繁殖をサポートしていきましょう。

まとめ：繁殖用の餌7選！メダカ・熱帯魚・金魚の繁殖に特化した餌を紹介

今回はメダカや金魚、熱帯魚の繁殖に特化したおすすめの餌を7種類ご紹介しました。

繁殖用の餌は繁殖に適した個体を育てるのに重要な役割を担います。
産卵・出産に耐えうる体力を付けさせるための、たんぱく質やエネルギーが豊富に含まれているもの、卵の質を良くするアスタキサンチンなどが配合されているものなど、どれも繁殖に欠かせない栄養素を補える餌ばかりです。

また、餌を変えるのと同時に産卵床を設置したり水温を変えたりなど、繁殖用の環境を整えることで、より繁殖しやすい状態に持っていくことができます。

親魚の状態が良いと、繁殖回数や産卵数が多くなり、繁殖効率も向上しますので、繁殖をお考えの場合は、繁殖用の餌を積極的に活用してみてください