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尾ぐされ病の治療法!悪化すると厄介!症状と根本的な対策・解決方法とは

尾ぐされ病は観賞魚の代表的な病気の1つで、名前の通り尾ビレを中心とした各ヒレが白く濁ったり、ボロボロになってしまう症状を指します。
重病化するとヒレが溶けるように消失し、命を落としてしまうこともあるので、早期発見・早期治療が重要です。

尾ぐされ病の原因は『カラムナリス菌』に感染することですが、この病原菌は水中に常在している細菌なので、魚の免疫力が正常であれば感染することはありません。
そのため病気の予防には、魚の免疫力を維持するような、適した飼育環境を保つことが何よりも大切です。

このコラムでは尾ぐされ病の原因と症状や治療法、予防策などについてご紹介していきます。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとにご紹介


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
東京アクアガーデンには、15年以上アクアリウム業界に携わり、魚の病気に対応してきました

悪化すると見た目が悪くなるだけでなく、生体の命にも関わってくる尾ぐされ病は、早期発見・早期治療が求められる病気です。
効果的な治療方法や予防策などをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

尾ぐされ病の原因と解決策を動画で解説!

尾ぐされ病については、こちらの動画でも解説を行っています!

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尾ぐされ病とはどのような病気か?


まずは尾ぐされ病とはどのような病気なのか、症状や原因について解説していきます。

症状

尾ぐされ病の症状は初期・中期・末期の3段階に分けることができます。

まず初期の段階ではヒレの先端や縁の部分に白濁が見られ、その周辺が充血してきます。

病気が進行し中期段階に入ると白濁はヒレの全体に及び、やがてヒレが裂けるようにしてボロボロになっていきます。

さらに重病化し末期の段階に入ると、先端の方から溶けるようにしてヒレが消失してしまい、衰弱して命を落とすことも少なくありません。

尾ぐされ病は進行速度が早く重症化しやすい病気なので、なるべく早い段階で症状を発見し、早期に治療を開始することが重要となってきます。
日頃から生体の観察をおこたらず、早期発見・早期治療を目指しましょう。

原因

尾ぐされ病の原因は『カラムナリス菌(Flavobacterium columnare)』に感染することです。
このカラムナリス菌は水中に常在している細菌のため、魚の免疫力が正常であれば感染することはまずありません。

しかし、水質の悪化などの影響でストレスがかかり、免疫力が低下すると、感染してしまうリスクが格段に上昇します

ヒレが溶けてしまう原因は、カラムナリス菌が発生させるタンパク質分解酵素の働きによるものです。
似た病気に口ぐされ病エラぐされ病が挙げられますが、これらもすべてカラムナリス菌の感染が原因とされています。

尾ぐされ病の治療法


続いては尾ぐされ病の治療法について。
今回は塩水浴をさせる治療法魚病薬を使った治療法の2種類をご紹介します。

病魚を隔離して塩水浴(えんすいよく)をさせる

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まずは塩水浴をさせる治療法について解説していきます。

症状が初期段階であれば、塩水浴により自己治癒能力を高めることで回復する可能性が高いです。
尾ぐされ病の症状が見られる魚を発見したら、すぐに治療用の隔離水槽に移しましょう。

塩水浴に使用する塩は金魚用の珠塩などでも良いですし、料理に使うような食塩でも構いません。
料理用の塩を使用する際は、にがりや調味料、添加物の入っているものは避けるようにしましょう。

塩水浴に使用する塩水の濃度は0.5%程度が理想的です。
濃度0.5%の塩水は、10Lの水に塩を50g溶かすと作ることができます。

ただし生体をいきなり0.5%濃度の塩水に入れると、水質の差でショックを与えてしまうことがありますので注意が必要です。
数時間かけて0.5%濃度になるように、数回に分けて塩を投入していきます。様子を見ながら慎重に行ってください。

また、塩水では水を浄化するバクテリアが働かないため、1~2日に1回、9割~全量の水換えをする必要があります。

塩水浴を続ける期間は1週間が一つの目安です。
尾ぐされ病の症状が回復してきているようであれば完治するまで塩水浴を継続し、病状が悪化するようであれば魚病薬を用いた治療に切り替える判断をしましょう。

魚の隔離や塩水浴については以下の記事でも詳しく解説していますので、ご覧になってみてください。

魚病薬を用いて薬浴させる

【動物用医薬品】グリーンFゴールド 顆粒 5gx5包

続いては魚病薬を用いた薬浴の方法について。
塩水浴での回復が見込めないときや、発見時に病状が進行していた場合は、『グリーンFゴールド顆粒』『観パラD』『エルバージュエース』などを使って薬浴をさせましょう。

薬浴を行う際の濃度は、薬のパッケージに表記された規定量を守ります。
塩水浴の場合と同様に、複数回に分けて薬を投入してください。

薬浴を行う期間は、基本的には病気が治るまでです。
薬の種類によって治療効果が持続する時間が異なるので、説明書をよく読み、必要に応じて薬を再度投入しましょう。

また、上記に挙げた薬は塩水浴と並行することも可能で、同時に行うことで治療効果の上昇にもつながります
塩水浴や薬浴単体での治療で効果が見られない場合には、併用治療もお試しください。

薬浴については以下の記事でも解説しています。

尾ぐされ病の治療における注意点


次に、尾ぐされ病の治療における注意点ということで、

  • 塩水浴について
  • 薬浴について
  • 餌について
  • 水草について

以上4つのポイントについて解説をしていきます。

塩水浴について

GEX ロカボーイM

塩水浴は塩が持つ殺菌効果や、魚の浸透圧調節を助けることで魚体への負担を軽減し、病気からの回復を促す方法です。
10L以上のバケツなどの隔離容器・水槽を用意し行います。

しかし塩に弱い魚種には使用できないので、十分に注意しましょう。

塩への耐性が低い魚種としては、主にアメリカン・シクリッドカラシン類などが挙げられます。

また、塩水は傷みやすいので、水の濁りなどの現象が見られたらすぐに水換えを行なってください。
換水する量は9割~全量が望ましいです。新しく注ぐ水の塩分濃度も0.5%程度に調節しておきます。

さらに、塩水浴中は通常よりも酸素濃度が低下する傾向にあります
生体に十分な酸素が行き渡るよう、塩水浴中の水槽にはエアレーションを施しましょう。

エアストーンを使用しても良いですし、投げ込み式フィルタースポンジフィルターでも、多くの酸素を水中に送り込むことが可能です。
この2つは設置や回収が簡単なので、隔離水槽で治療時のみ使用することもできます。

ただし塩分濃度0.5%の環境ではバクテリアが少しダメージを受けるので、バクテリアが定着したものではなく、新しいろ過フィルターを使用しましょう

塩水浴に使用する塩については、通常の食塩で問題ありませんが、添加物が含まれているものは避けてください。
粗塩や岩塩などは含有される不純物によって、塩と同量を溶かし込んでも、治療に適した塩分濃度に満たないことがあります。

どのような塩を使うべきか悩む場合は、観賞魚用の塩を選んでおくのが無難です。

薬浴について

続いては、尾ぐされ病の治療に薬を使う場合の注意点について解説します。

実は観賞魚の種類によって、魚病薬への耐性に差が出る場合があります。
ナマズ類古代魚ベタは薬物耐性が低いとされているので、魚病薬の使用には細心の注意が必要です。
できるだけ塩水浴での治療を心がけ、回復が見込めない場合のみ薬を使うようにしましょう。

また、上記に挙げた魚種に魚病薬を使用する場合は、規定よりも1/3~1/2程度の低い濃度で様子を見ながら治療を行なうのがおすすめです。

塩水浴の場合と同様、薬浴でも水を浄化するバクテリアが死滅してしまうため、最低でも2~3日に1回は水換えを行ないます
エアストーンなどで酸素を供給できているのであれば、無理にろ過フィルターを設置する必要はありません。

生物ろ過やバクテリアについては以下の記事も参考にしてください。

餌について

続いては塩水浴や薬浴中の、餌の与え方についてです。

治療を開始するまで普通に餌を食べていた生体に関しては、1週間程度絶食させても問題ありません
無理に餌を与えると食べ物の消化に体力を奪われてしまいますし、隔離水槽の水質が悪化するリスクもあるため、数日程度の塩水浴・薬浴であれば、餌を与えずに様子を見ましょう

しかし、治療が長引きそうな場合は餌を与えてください。
絶食状態が3週間以上続くと体力が低下し、回復しにくくなってしまいますので、通常より少なめの量の餌を、食べ残さないようにゆっくりと与えましょう
もし餌を食べ残した場合は、すみやかに水槽から取り除いてください。

魚の断食やおすすめの餌については、以下の記事でも解説しています。

水草について

続いては水草を消毒する必要性について。

病気の種類によっては水槽のリセットや水草の入れ替えが必要ですが、尾ぐされ病の原因菌であるカラムナリス菌は常在菌なので、水草などのレイアウト用品は再利用が可能です

再利用する際に気になる場合は水道水でよく洗い、雑菌を落としてから植え直すのがおすすめです。

尾ぐされ病が進むとどうなるの?


先述したように、尾ぐされ病を引き起こすカラムナリス菌は、エラ病(エラぐされ病)や口ぐされ病、皮膚炎など、さまざまな症状の原因にもなります。
つまり尾ぐされ病が進行すると、これらの病気も併発するリスクが高くなってしまうのです

軽度の尾ぐされ病であれば水換えや塩水浴だけで治ることもあります。
しかし、目に見えてヒレが裂けてきた場合は、別の病気に対する予防の意味もかねて、すみやかに薬浴へ切り替えるのがおすすめです。

初期~中期の症状であれば、薬浴はグリーンFゴールド顆粒か観パラDで行ないます。
ただし、観パラDはカラムナリス菌に対しては効き目が緩やかな印象が強いので、薬をすぐに用意できるのであれば、グリーンFゴールド顆粒を使用するのが一番おすすめです。

尾ぐされ病を予防するには?根本原因の対策と解決法


何度もお伝えしているように、尾ぐされ病の原因菌は水中に常在しているタイプの細菌なので、観賞魚の免疫力が正常であれば感染しません。
人間にとっての風邪のような病気なので、尾ぐされ病を予防するには生体の免疫力が低下する原因を作らないことが重要となります。

魚の免疫力が低下してしまう理由としては主にストレスが挙げられるので、以下の点に注意してみましょう。

  • 水質の悪化
  • 水温の変化
  • 混泳魚との相性
  • 過剰な水槽メンテナンス

まずは生体にとって適した水質が保持されているか、定期的にチェックすることが基本です。
pHが適正値から外れていると、ストレスを受けて免疫力が下がってしまいます。

また、水温に関しては毎日欠かさず確認しましょう
ヒーターがいつの間にか故障しており、水温が低下していたことに長時間気がつかなかった結果、魚にストレスを与えてしまい、尾ぐされ病を発症したという事例が多いです。
水槽には必ず水温計を設置し、毎日確認する習慣をつけましょう。

また、混泳相手との相性を見極めることも非常に重要です。
他の魚に常に追い掛け回されるような環境では、ストレスになります。相性が悪く、つつかれたところから菌に感染することもあります。
生体を新しく迎え入れる際にもストレスを与えやすいので、しっかりと時間をかけて水合わせを行ない、水槽に導入して数日間は、他の魚との相性もよく観察しましょう。

水槽に何度も手を入れてメンテナンスをしたり、何度もレイアウトを変更するなどの行為も、魚にストレスを与える場合があります。
まずは魚に飼育環境へ慣れてもらうことを優先し、水換えやレイアウト変更、掃除などのメンテナンスは、なるべく手早く作業を完了させるように心がけましょう。

熱帯魚とストレスの関係性については以下の記事でも詳しく解説していますので、ご覧になってみてください。

外傷からの感染について

カラムナリス菌は魚の体表にできた傷(外傷)からも感染する場合があります。
ただし体力が十分にある元気な魚ならば感染しても軽度の症状で済みますし、水換えをしただけで快方に向かうケースも多いです。

治りが遅い、程度がひどいなどの外傷を見つけたら抗菌剤やメチレンブルーで消毒・薬浴し、病気の予防に努めましょう。

また、外傷を予防するには、そもそも魚が怪我をしない環境を作る必要があります。
水槽内のレイアウトに危険がないか見直したり、魚同士で怪我を負うようなトラブルが発生していないかを観察することが大切です。

まとめ:尾ぐされ病の治療法!悪化すると厄介!症状と根本的な対策・解決方法とは


尾ぐされ病は観賞魚の飼育においてよく見られる病気の1つで、原因はカラムナリス菌に感染することです。
そしてこのカラムナリス菌は水中の常在菌なので、観賞魚の免疫力が正常ならば病気に発展することはまずありません。

魚の免疫力が低下する要因としてはストレスが挙げられるので、水質や水温などを生体にとって適した環境に維持し、病気の予防につとめましょう。
もし発症してしまったときは、塩水浴や薬浴で速やかに治療を開始してください。

尾ぐされ病は重病化するとヒレを失って衰弱してしまうこともある病気です。早期発見・早期治療ができるように日頃から様子をよく観察しておくことが大切です。

尾ぐされ病について良くあるご質問

魚のヒレがボロボロですが、病気ですか?

魚のヒレがボロボロになる原因は、ケガの他に細菌感染による尾ぐされ病があります。

  • ケガによるヒレ裂け:切り口がスパッと切れている
  • 尾ぐされ病:溶けたように濁り、ボロボロになっている

このような違いがあり、傷口が溶けたようになっている場合は尾ぐされ病です。

尾ぐされ病の治療法とは?

尾ぐされ病の治療は薬浴が中心です。

  • 初期症状:水換えだけで治ることがある
  • 中期以降:水換えで治らず、症状が治まらない場合は薬浴する

魚病薬はグリーンFゴールド顆粒や観パラDなどの抗菌剤を使用します。カラムナリス菌に強い薬が最も効果的です。

尾ぐされ病の原因とは?

魚は水槽の汚れなどによる水質悪化や、飼育環境によるストレスで、免疫力が下がり細菌に感染しやすくなります。
尾ぐされ病にかかってしまったら、水換え頻度や掃除方法、水質、混泳相性などを確認し、調整してあげましょう。
繰り返し発症する場合は、ろ過能力が足りていないこともあります。

尾ぐされ病にかかる魚種とは?

金魚が多いですが、メダカや淡水熱帯魚もかかります。
ヒレの長い魚種は特に目立つ傾向があり、琉金やベタなどは観賞性を大きく損なうだけでなく、放置すると命にもかかわるため早期の治療が大切です。
白い濁りや小さな欠けの状態なら、水換えを行うだけでも治療できることがあります。

 

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このコラムへのコメント

  1. 柳恵子 より:

    丁寧な文章に感動しております!今年買い始めたメダカが多分赤斑病になり薬浴で治療中でしたが、尾びれが縮こまってしまい泳げなくなってしまいました。今度は尾ぐされ病だと思うのですが観パラDで続けて薬浴&塩浴中です。一度消失した尾びれは復活しないのでしょうか?

    • アクアガーデン編集部 より:

      いつもご愛読いただきありがとうございます。
      実際に拝見しておりませんので正確な回答ではないことをご了承ください。
      観パラDでの薬浴中に尾ぐされ病はあまり発症しません。おそらく、薬浴水の水質悪化が原因と考えられます。
      赤斑病が治りましたら水換えの回数を増やし、一度薬浴を終わらせるのが良いです。

      こちらの記事もご参考ください。
      ・【プロが教える】メダカを長生きさせるコツとは!長生きする種類もご紹介
      https://t-aquagarden.com/column/medaka_longevity

      よろしくお願いいたします。

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