メダカの飼い方
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白点病の初期症状とは!体をこする・白い粒が付くなど前兆を解説

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白点病は、熱帯魚や金魚、メダカなど様々な魚が罹患することがある、魚病の中でも感染率の高い病気です。

寄生虫に寄生されることが原因で、一匹罹患した魚を見つけたときには、すでに水槽全体に病気が蔓延してしまっていることが考えられるため、水槽内のすべての魚を治療しなければなりません。

病気が進行すると命を落としてしまうこともありますが、早期発見、治療ができれば完治する可能性が高いので、白点病の初期症状をしっかり見極められるようにしておくことが大切です。

そこで今回は、白点病の初期症状と治療方法、予防法について解説します。
白点病から魚を守るための重要な内容ですので、ぜひご覧になってみてください。

プロアクアリストたちの意見をもとに白点病の初期症状を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

  • 魚が体を底砂などにこすりつけるのは、白点病の初期症状!ウオノカイセンチュウにとりつかれて痒がっている!
  • 体に白い粒が確認できたらすぐに薬浴しよう!寄生虫の駆除は薬浴が効果的だよ
  • 白点病治療におすすめの魚病薬!メチレンブルーやアグテンなどをご紹介
  • 白点病の予防は、魚を導入する前の確認が大切!魚を追加するときにはよく観察しようトリートメント期間を作るのがおすすめ!

寄生虫が原因で起こる白点病は、熱帯魚や観賞魚に良く見られる病気の一つです。
初期に発見し治療ができれば感知できる見込みが高く、水槽全体へ病気が蔓延するのも防ぐことができますので、初期症状を見逃さないようにしましょう

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、白点病の初期症状を解説します。

熱帯魚の飼い方はこちらのページでも詳しく解説しています。
熱帯魚の飼い方

白点病の初期症状とは


白点病の初期症状として現れる異変は、以下の2つです

  • 魚が身体をこすっている
  • 体表に白い粒が付いている

ただ、これらの症状は白点病以外の病気でも現れることがあるため、異変が出ている魚を見つけたら、それが白点病によるものなのか、他の病気の症状なのかを見極めなければなりません。
治療に使う魚病薬は病気ごとに異なるため、病気を特定しないと治療をしても思ったような効果が出ない可能性があるからです。

そこでここでは、上記の2つの異変について、白点病の時に現れる具体的な症状を解説します。

白い粒が多数確認できて、一目で白点病と断定できるほど症状が進んでいる場合は、こちらの記事を参考にすぐに治療を開始してください。

魚が体を擦っている

白点病の最初期には、魚が水槽内のものに体を擦りつけるのが特徴です。
体表に違和感が出るのか、底砂や流木、水草などに体をくねらせながら、しきりに擦りつけるような仕草を見せます。

他の病気にかかっている場合にも、おかしな泳ぎ方をすることはありますが、体を擦りつけるように泳ぐのは白点病と判断する大きな基準です。

白い粒がついている


泳ぎ方の異変の次に出る症状が、体表に現れる白い粒です

この白い粒の正体は、白点病の原因となる『白点虫(ウオノカイセンチュウ)』。幼虫の間は魚の体表に寄生して栄養を摂取しながら成長し、成虫になると離れて水中で増殖し、新たな宿主に寄生します。

寄生した最初期に肉眼で見つけるのは困難なのですが、明らかに白い粒が確認できる頃にはすでに多くの白点虫が寄生している可能性がある、というとても厄介なもので、複数の粒がみられるようなときはかなり進行しているため、早急に治療が必要です。

また、体表に白点が出るといった症状は他の病気でも見られますが、粒の大きさでどの病気なのか判断ができます
白点病の粒は大体1~2mm程度の大きさ、これより細かい点ならばコショウ病、大きければエピスティリス症の可能性が高いです。

白点病の白点は、最初は尾びれの付近に出現することが多く、病気の進行とともに体全体を覆うように増加していきます。
普段は見えない腹の下側や白い模様の部分に現れることもありますので、粒の大きさと合わせて、他の魚にも症状が出ていないかをよく確認しましょう。

初期症状を見つけたら!


白点病に罹患したと思われる魚を見つけたら、速やかに治療を始めましょう

白点病は早期に治療ができれば完治できる病気ですが、症状が進行すると命を落としてしまうこともあるため、油断は禁物です。
また、放っておくと水槽全体に白点虫が蔓延して感染が広がってしまいますので、できるだけ早く対処する必要があります。

処置は薬浴がおすすめ!

白点病は、魚病薬を使った薬浴で治療する必要があります

他の病気では薬浴の前に塩水浴で自己治癒力を高めて様子を見るなどの段階を踏みますが、白点病は自然に治癒する可能性が低いため、塩水浴はあまり効果が見込めません

手元に薬がないときのつなぎで、進行を遅らせるために塩水浴を用いることはありますが、寄生虫を駆除するには薬浴が一番です。

魚病薬の使用方法

魚病薬を初めて使う場合、使用方法や使用感に不安を感じるかもしれませんが、使い方は薬の注意書きに従って、水量に合わせた規定量を投入するだけですので、誰でも使用することができます

たくさん入れれば良いというものではありませんので、容量は必ず守りましょう

薬浴の期間

薬浴は病気を治療するものですが、あまり長いこと薬を使っていると魚の体力を奪い弱らせてしまうことがあります。

魚病薬の種類にもよりますが、長くても10~14日程度を目安に治療を行い、効果が出ない場合は薬の切り替えを検討してください。

薬浴できない魚種に注意

コリドラスやオトシンクルス、プレコなどのナマズの仲間やエビ類は薬に弱いため、薬浴ができない可能性が高いです。

薬の濃度を薄めるか、他の方法で治療する必要がありますので、治療ができる魚種かどうかよく確認しましょう。

白点病に効果がある魚病薬

魚病薬は、白点虫が成虫となって水中を漂っている状態の時に高い効果を発揮します

ここでは、白点病の治療に効果が期待できる薬を3つご紹介します。

メチレンブルー水溶液

薬動物用医薬品 病魚薬 魚病薬 メチレンブルー200ml

メチレンブルー水溶液』は比較的魚に優しい魚病薬で、初心者でも扱いやすいです。取り扱いのある店舗が多く入手しやすいので、必要なときにすぐに用意して治療を開始できます。

ただ、メチレンブルーには着色性があり、水槽で使用するとレイアウトが青色に染まってしまう点には注意が必要です。また、薬の成分で水草が枯れてしまうこともあります。

着色や水草への悪影響を避けたい場合は、添加する前にレイアウトや水草を取り除くか、もしくは後ほどご紹介する非着色性で水草への影響が少ない『グリーンFクリアー』を使用すると良いでしょう。

メチレンブルーによる薬浴は1~2週間ほどかかります

アグテン

【動物用医薬品】ニチドウ マラカイトグリーン水溶液 アグテン 250ml

アグテン』は白点病の治療では、メチレンブルーより高い効果が期待できる着色性の魚病薬です。

分解されやすいため薬効は2~3日と短めなので、水が透明になったら再度添加しましょう。

着色性はメチレンブルーほど強くないものの、レイアウトなどは取り出しておくほうが良いです。水草がある水槽にも使えますが、弱っていたり状態が悪かったりするものは枯れてしまう可能性がありますので注意してください。

グリーンFクリアー

動物用医薬品 観賞魚用魚病薬 ニチドウ グリーンFクリアー 120ml

グリーンFクリアー』は非着色性の魚病薬で、水槽やレイアウトの着色を避けたい場合におすすめです。

水草の種類にもよりますが、基本的に水草水槽に使っても問題ありません。魚病薬に敏感なエビにもそれほど害がないのも使いやすい点です。

グリーンFクリアーは分解されにくいため、10~14日間と薬効が長く持続します。着色せず水槽内の生体にも優しい魚病薬ですので、淡水熱帯魚水槽ではこちらを使用することが多いです。

水槽用ヒーターで水温を高くする

エヴァリス ダイヤルブリッジR AF 50W

白点病の治療は、水槽用ヒーターを使って加温して水温を上昇させると、より高い効果を得ることができます。

先ほどもお話した通り白点虫に薬が効くのは、成虫になって魚から離れたときのみです。
通常は分裂(誕生)~成虫になるまで約1週間程度かかるのですが、水温を上げると白点虫の成長が早まり、寄生~離れるまでのサイクルも早くなります
つまり、薬の効果が早く出るようになるということです。

白点病の治療に有効な水温は28~30℃ですが、急に水温を上げると魚の負担になりますので、1日1℃を目安に少しずつ加温していきましょう。

また、水温の上昇はあくまで魚から白点虫が離れるサイクルを早めるために行うもので、高水温で白点虫を駆除できるわけではありません。加温しただけでは治療にはなりませんので、必ず薬浴と合わせて行ってください。

白点病が発生した水槽の処置方法


白点病が発生したら、病魚を隔離したりなどはせずに、そのまま本水槽で薬浴を開始します
水中に白点虫が潜んでいる可能性があるからです。

仮に魚だけを治療して完治したとしても、水槽に白点虫が残っていると病気が再発してしまいますので、水槽全体を薬浴して白点虫を根絶しましょう

水槽で薬浴を行う上で気になるのが、ろ過バクテリアへの影響です。確かに薬浴は有用なバクテリアにも影響が出ますが、バクテリアが全滅してしまうほど深刻なダメージを与えることはありませんので、まずは白点病の治療を優先してください。

とはいえ、薬浴中は水質が不安定になりやすいので、治療中は基本的に餌やりを控え、治療を終えた後も水換えの回数を増やすなどして、水質の安定を心がけます。

最後に、レイアウトや水草、底砂、ろ材やろ過フィルターの扱いについてです。
これらの物にも白点虫が付着している可能性があるため、全て取り出して洗浄、または交換を行います。

レイアウトや底砂、ろ過フィルターは取り出して良く洗浄します。50~60℃程度のお湯で殺菌するとより効果的です。

水草は水道水で洗浄するか、新しいものに交換しましょう。ろ材は特に白点虫が残りやすいので、全て交換することをおすすめします。

白点病を防ぐには


白点病の原因となる白点虫は、自然発生するものではありません。それまで問題なかった水槽で突然、白点病が発生した場合は、新しく飼い始めた魚などを介して白点虫が水槽に持ち込まれたことが考えられます。

そのため白点病の予防には、

  • 水槽に入れる前に魚のトリートメント期間を設ける
  • 購入前に魚の状態をよく確認する

2点が効果的です。

水槽に入れる前に魚のトリートメント期間を設ける

《終売》動物用医薬品 観賞魚用魚病薬 ニチドウ フック式グリーンFゴールド 2g×1 熱帯魚 金魚 尾腐れ病 細菌性の感染症 日本動物薬品

新しく魚を購入してきたら、水槽に入れる前にトリートメント期間を設けることをおすすめします。

トリートメントとは、水槽に入れる前に別の水槽や容器に隔離して1~2週間程度様子を見ることで、最初の24時間は殺菌目的で薬浴をするとより効果的です。
こうすることで、もし白点虫や他の寄生虫、病気を持っている個体だったとしても本水槽に病気をまき散らすことはありませんし、病気自体の治療にもなります。

トリートメントで使用する薬は幅広い感染症に効果が期待できる『グリーンFゴールド顆粒』がおすすめです。

購入前に魚の状態をよく確認する

購入前によく魚の状態を確認することも白点病の予防になります。

アクアリウムショップなどで購入すれば実際に魚の様子を観察することができますので、

  • 水槽内の魚に白点がないか
  • 水槽内のものに体を擦っていないか
  • 群れから外れて泳いでいないか
  • ヒレが欠けていないか

など白点病の症状やその他の異常がないかよく確認してから購入するようにしましょう。心配な場合は無理せず、購入を見送ることも必要です。

白点病に似ている病気


白点病の症状は体をこすりつけるように泳ぐ泳ぎの異変と、体表に現れる白点ですが、魚病の中にはよく似た症状を表すものが複数あります。
正しく診断するためには、他の病気についても知っておくことが大切です。

最後に、白点病と混同しやすい他の病気をご紹介しますので、症状を確定する際の参考にご覧になってみてください。

コショウ病(ウーディ二ウム病)

ウーディ二ウムという寄生虫が原因で、白点病より小さく少し黄色味を帯びたコショウのような点が体表に現れます
幅広い魚種で発症することがありますが、特にベタに多い病気です。初期であればアグテンで治療できますが、重症化してエラに達すると呼吸困難で死んでしまうこともあります。

エピスティリス症(ツリガネムシ病)

ツリガネムシの寄生が原因で、白点病より少し大きな白点が体表に現れ、症状が進むと患部周辺の鱗が取れるのが特徴です。
金魚や熱帯魚、錦鯉など多くの観賞魚に発症します。メチレンブルーやアグテンを使った薬浴が効果的です。

ポックス病

金魚に多い病気で、白点よりも大きいイボのような腫瘍ができます。
残念ながら治療法はありませんが、すぐに死んでしまうことはなく、そのまま元気に飼育できます。

エロモナス感染症

エロモナス菌の体内感染が原因で、体内からボコッと白い腫瘍のようなものが出てきます
エロモナス感染症では初期から様々な症状を呈することが多く、腫瘍が発生した状態はかなり症状が進行していて、治療は困難です。

エロモナス症は水質が悪化しているときに発症する確率が高いため、水換えはもちろん、底砂やろ過フィルターを定期的に掃除して予防を心がけましょう

まとめ:白点病の初期症状とは!体をこする・白い粒が付くなど兆候を解説


今回は、白点病の初期症状について解説しました。

白点病は水槽で魚を飼育していれば、一度は目にするような身近な病気です。しかし重症化すれば魚が死んでしまうことがあるため、治る可能性が高い初期症状のうちに治療を始めることがなにより重要です。

初期段階の白点病ならば、メチレンブルーなどの魚病薬で完治することができます。

白点病の初期症状は、

  • 魚が体を擦りながら泳ぐ
  • 体表に1~2mmほどの白点が付着する

の2点ですので、普段から良く魚を観察し異変を見逃さないようにしましょう。

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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答

  1. 梅木 より:

    写真は、撮れたのでみていただきたいのですが
    だるまめだかのヒレに
    ポツポツ楕円形の白い点があります。
    飼ってから二週間ほどで、はじめはありませんでした。
    白点病かと思っているのですが、
    丸いぽつっというものではないようで、楕円の模様のような形がたくさんあるようにみえます。
    コナラは何の病気、症状なのでしょうか。

    • アクアガーデン編集部 より:

      申し訳ございません、写真での判定は現在行っておりません。

      症状からしますと、おそらく白点病です。
      白点といっても、正円ではなくやや楕円形型をしており、大きさも少しずつ違います。また、ヒレなどの末端部から増えていきます。
      メチレンブルーやヒコサンZでの薬浴治療がおすすめです。

      薬の使い方、ポイントについてはこちらのコラムをご参照ください。

      ・魚の薬・魚病薬の使い方!守りたい使用法・ポイントと薬浴中の対応
      https://t-aquagarden.com/column/use_fish_medicine

      よろしくお願いいたします。

      • 梅木 より:

        承知いたしました、ご回答いただきありがとうございました。

執筆者 高橋風帆

アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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