コリドラス・アドルフォイとは！特徴と飼い方・似ている品種などを解説

コリドラス・アドルフォイは、黒のバンド模様と頭頂部のオレンジ色が特徴的なナマズの仲間です。
コリドラスの中でも希少性が高いため、高値が付きやすい傾向にありますが、他種と同様に混泳が容易なことから人気があります。

しかし、コリドラス・アドルフォイは似たような見た目の品種がいくつかいる上に、ブリードの個体だと他種との交雑種である可能性があるなど、確実にアドルフォイと言える個体を入手するには少し注意が必要な点も。特徴や注意点を確認してから、購入することをおすすめします。

このコラムでは、コリドラス・アドルフォイの特徴と、類似品種やブリード個体とワイルド個体の違い、基本的な飼育方法をご紹介します。

コリドラス・アドルフォイとは

コリドラス・アドルフォイは、南米のネグロ川周辺に生息するコリドラスの仲間です。

目元と背中に入る黒のバンド模様に頭頂部のオレンジ色が大きな特徴で、コリドラスの中でも鑑賞性が高い品種として人気があります。

体長は4～6cm、寿命は3～5年程度です。他のコリドラスと同様に穏やかな性格をした熱帯魚で他種との混泳も可能、混泳水槽では水槽の底に溜まった餌の食べ残しを食べてくれる、お掃除屋としても活躍します。

状態が良いと、頭のオレンジ色が色濃く鮮やかに変化するので、ぜひじっくりと飼いこんでみて欲しいコリドラスです。

ブリード個体とワイルド個体について

コリドラス・アドルフォイには、ブリード個体とワイルド個体が流通しています。

他の熱帯魚と同じく、ブリード個体の方がやや小柄で可愛らしい印象、ワイルド個体は体高があってがっしりしたものが多いです。
見た目は異なりますが、飼育の仕方に大きな違いはないので、水槽の大きさやお好みに合わせて、どちらかを選んで問題ありません。

ただし、ブリード個体の中には後述する類似種のコリドラス・デュプリカレウスとの交雑種と思われる個体が混ざっていることがあるため、確実にアドルフォイだと言える個体を飼育したい時には、ワイルドがおすすめです。

コリドラス・アドルフォイと似ている品種

コリドラス・アドルフォイには見た目がそっくりな品種が存在します。

成魚になれば体の模様をよく観察すれば見分けることができますが、小さなころは特徴的な模様が薄いため、他種と混同されがちです。販売されているアドルフォイの中にも別種の幼魚が混ざっていることがありますので、よく特徴を覚えて、自分でも見分けられるようにしておきましょう。

ここでは、よく混同される品種ということで、

の2種類をご紹介します。

コリドラス・デュプリカレウス

コリドラス・デュプリカレウスは、アドルフォイと模様の入り方がそっくりなため、混同されることの多い品種です。
違いは背中の黒のラインの太さのみで、細いのがアドルフォイ、太いのがデュプリカレウスと覚えておくと見分けることができます。

コリドラス・ニューアドルフォイ

コリドラス・ニューアドルフォイは、近年日本に入ってくるようになった比較的新しい品種です。
名前の通りアドルフォイと似ていることで知られていますが、胸ビレの付け根がうっすらと赤～黒に染まる点と、背ビレにも黒が入るところに違いがあります。

コリドラス・アドルフォイの基本的な飼育方法

コリドラス・アドルフォイは、他のコリドラスと同様に丈夫で混泳もしやすいので、初心者でも飼育に挑戦しやすい熱帯魚です。

ここでは、コリドラス・アドルフォイの基本的な飼育方法ということで、好む水温や水質、水槽レイアウトなどをご紹介します。

好む水温や水質について

コリドラス・アドルフォイを飼育できる水温は22～26℃です。
本種としては低めの水温を好む傾向がありますが、混泳水槽では他の熱帯魚に合わせて25～26℃の水温で飼育して問題ありません。

水質は中性付近でも飼育できますが、本来は弱酸性の水質を好みます。原産地であるネグロ川の水質に合わせて、ブラックウォーターで飼育するのも良いでしょう。
好みの水質に合わせてあげると、状態が良くなり特徴的な体色が鮮やかに発色するようになります。

餌について

餌はコリドラス用の沈下性の人工飼料を中心に、1日1～2回食べ残しに注意しながら与えます。雑食性があるので、冷凍アカムシなどの活餌も活用して栄養バランスの良い食事を心がけると、健康的に育ちやすいです。

コリドラスは大食漢なので、お掃除役として混泳水槽で飼育する場合も必ず専用の餌を与えて、全体に餌が行き渡っているか確認してあげるようにしてください。
餌が足りないと痩せて弱ってしまうことがありますので、注意しましょう。

レイアウトについて

体長5cm程度のコリドラス・アドルフォイは、小型水槽から飼育することができます。30cmサイズならば、規格水槽で2～3匹程度、キューブ水槽で5匹程度飼育が可能です。

水槽の底で生活する習性があるため、飼育するときは必ず底砂を敷くようにしましょう。
田砂やボトムサンドなどの柔らかい底砂が最適で、コリドラス特有の砂をつつくような、可愛らしい仕草を観察することができます。

また、レイアウトはコリドラスが活動できるスペースを残して、シンプルに仕上げるのがポイントです。
底砂を掘り返してしまうので、水草を入れる場合は石や流木に活着して入れるとレイアウトを維持しやすいでしょう。

水質をブラックウォーターで管理している場合は、流木を入れたレイアウトもおすすめです。

繁殖について

繁殖が難しいとされるコリドラスですが、アドルフォイは比較的繁殖がしやすい品種で、水槽でも繁殖させることが可能です。

繁殖を狙う場合はオス2匹に対してメス3匹程度の割合で、メスを多めに複数匹で飼育します。

水質は弱酸性を維持するのが良いでしょう。オスがメスを追い回すようになると、繁殖間近です。

コリドラスの繁殖では、オスのお腹にメスが吸い付くような仕草をする、Tポジションと呼ばれる行動をした後、産卵に至ります。
卵は水槽壁面やパイプ、流木などに産み付けられますので、見つけたら別容器に隔離して孵化を待ちましょう。

オスメスの見分け方

オスとメスは、体格やヒレの形で判別が可能です。

繁殖のためにオスメスを分けるときには、この特徴を参考に選別しましょう。

交雑に注意しよう

コリドラス・アドルフォイは、他の品種のコリドラスとも繁殖することができるため、複数種を飼育する水槽では交雑に注意してください。
確実にアドルフォイを繁殖させたいときは、単種で飼育することをおすすめします。

まとめ：コリドラス・アドルフォイとは！特徴と飼い方・似ている品種などを解説

今回はコリドラス・アドルフォイの特徴や似ている品種、飼育方法について解説しました。

黒いバンド模様とオレンジ色の頭が特徴的なコリドラス・アドルフォイは、コリドラスの中でも美しい見た目から人気があります。

ただ、よく似た見た目のコリドラス・デュプリカレウスと混同されやすいので、購入時にはよく特徴を確認すると良いでしょう。
中性よりの水質でも飼育できますが、弱酸性の水質では体色が鮮やかになり、より美しい姿を見せてくれるようになります。

水槽の低層を彩る魚をお探しの場合は、ぜひコリドラス・アドルフォイを候補に入れてみてはいかがでしょうか。