水槽内の地震対策!崩れやすいレイアウトと崩さない安全なコツを解説!
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世界的に見ても地震の多い日本では、アクアリウムにも地震対策を取り入れていかなければなりません。
「あのときしっかりと対策していれば、地震による被害を最小限に抑えられたかもしれない…」
というようなことにならないよう、水槽の地震対策は常に万全にしておきましょう。
地震対策というと、水槽の転倒防止にばかり目が行きがちですが、実は水槽の中にも地震対策をしておかないと、水槽に傷が付いたり生き物に被害が出たりすることがあります。
そこで今回は地震による被害を抑えるレイアウトのコツや、停電時に魚たちを守る方法など、水槽の内部に着目した地震対策について解説していきます。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽の中の地震対策!地震に強いレイアウトを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
地震でアクアリウムが受ける被害は、水槽の転倒だけではありません。
レイアウトが崩れて生き物が怪我をしたり、水が溢れてしまったりなど、水槽の中に地震の影響が出ることがありますので、魚達の安全を守るために日ごろから対策をしましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽の中の地震対策と地震に強いレイアウトを解説します。
水槽内も!水槽の地震対策
水槽の地震対策というと、耐震ストッパーを取り付けたり、滑り止めシートを貼るなどの対策方法をイメージする方が多いと思います。
もちろんそういった水槽外部の対策も必須ですが、ぜひこの機会に、水槽内部の地震対策についても考えてみてはいかがでしょうか?
ここでは水槽内にも着目した地震対策ということで、
- レイアウト上部に重い物を置かない
- 軽いレイアウト物の移動に注意
- 水位は抑えめにしておこう
- 水槽の周囲に重いものはないか
- アクアリウム用接着剤なども活用しよう
これら5つのポイントをご紹介していきます。
水槽トラブルや水槽外部の地震対策については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
レイアウト上部に重い物を置かない
高さのある岩組は迫力が出てワイルドな雰囲気を演出できますが、重みのある石を水槽の上部に置いてしまうと、地震の揺れで崩れてしまいがちです。
倒れた石が水槽壁面にぶつかるとひび割れや水漏れの危険があるため、岩組をする際は下部に重く大きな石を、上部には軽く小さな石を選定するように心がけましょう。
万が一崩れてしまったときのために、なるべく水槽の側面から離れた位置に積み上げるのもポイントです。
ちなみに水族館では、地震による被害を抑えるために、レイアウトの大部分を擬岩(人工岩)に置き換えて組み上げています。
小さな擬岩や人工サンゴの制作キットなども販売されているので、ご自宅の水槽に取り入れてみてはいかがでしょうか。
軽いレイアウト物の移動に注意
小さな石や隠れ家などのオーナメント、軽い流木などは、地震による水の揺れであちこちに動いてしまいます。
被害としてはそこまで大きくないものの、アクリル水槽の壁面にぶつかれば水槽が傷ついてしまいますし、魚たちを驚かせてしまう可能性もあります。
小さくて軽いレイアウト素材は底床に置いたり土台に接着するなど工夫をして、しっかりと安定させましょう。
水位は抑えめにしておこう
水槽のフチぎりぎりまで水を入れていると、当然ながら揺れたときに水があふれてしまいます。
飼育している魚やろ過システムにもよりますが、地震対策を考えるならば水位は水槽の7割ぐらいに抑えるのが賢明です。
ただし、オーバーフロー水槽では水位を低くすることができないので、そのような場合は水槽にフランジやフレームを設置するを水がこぼれにくくなります。
また、応急処置として水槽上面に食品包装用ラップを巻き付けるのも、水漏れ対策に有効です。
ちなみにラップは簡易的な水槽のフタ代わりになりますし、フタごと水槽に巻き付て固定するのにも役立ちますので、一本用意しておくと良いでしょう。
水槽の周囲に重いものはないか
水槽の周囲に重いものがないか、今一度確認してみてください。
たとえば水槽の近くに花瓶を置いていたり、重い壁掛け時計を設置したりしていませんか?
例に挙げたような重さのあるアイテムが水槽にぶつかると、水槽が欠けて破片が飛び散り、怪我をする恐れがあります。
安全のためにも水槽周りには落下しやすいものや硬いもの重いものを置かないよう、注意しましょう。
また、同じ空間に水槽を2台以上設置する場合は、水槽同士の距離を10cm以上離すことをおすすめします。
隙間なく並べてしまうと地震の振動で水槽がぶつかり合う危険性があるため、こぶし1~2個分は距離を離して設置しましょう。
アクアリウム用接着剤なども活用しよう
水槽レイアウトが崩れるのを防ぎたいのであれば、アクアリウム用接着剤を使ってみましょう。
岩や水草、流木の接着に向いたものや、サンゴの接着に特化した接着剤も販売されています。
ただし、岩組や流木などを接着したからと言って、絶対に崩れなくなるというわけではありません。
レイアウトの組み方や配置なども十分注意しつつ、万が一崩れても被害が最小限で済むように対策しておきましょう。
地震対策をしている水槽レイアウト事例
続いては、実際に地震対策をしている水槽レイアウトを見ていきましょう。
アクアガーデングループでは上述した対策方法を踏まえ、安全性を確保した見応えのある水槽設置を心がけています。
迫力をもたせつつ地震の揺れでも崩れにくいレイアウトを施すのは、意外に難しいものです。
ここからアクアガーデンが設置した耐震水槽の事例をご紹介しますので、地震に強い水槽レイアウトの参考にしてみてください。
オフィスに設置された90cm海水魚水槽
オフィスに設置したこちらの水槽は、耐震ベルトで壁と水槽を固定し、いざという時にも水槽が倒れないよう対策がされています。
また、水槽の中に設置したライブロックのトンネルも、上にいくほど小さなライブロックなるよう工夫して積み上げており、安全性に配慮したレイアウトに仕上げました。
オフィスに設置された120cm淡水魚水槽
オフィスに設置されたこちらの水槽は、安全対策として水槽台に落とし込み加工が施されています。
落とし込み加工とは、水槽台の天板にフチを作って水槽を入れ込む加工のことで、地震などで水槽が揺れても、水槽台から水槽が落下しづらくなるため大きな水槽も安心です。
また、水槽内に設置した流木や岩の下には底砂を敷いて、レイアウトが崩れないよう工夫をするなど、水槽の中の安全性にも配慮しました。
法律事務所に設置された90cm海水魚水槽
こちらの海水魚水槽で一際目を引く岩のアーチには、安全面に配慮して擬岩を使用しています。
本物の岩より軽い素材でできている擬岩は、有事の際に崩れたり倒れたりしても、水槽や生き物を傷つける心配がありません。
海水魚水槽では水質管理の観点からライブロックを使うのが一般的ですが、水質が安定している水槽では、利便性や安全性を考えて擬岩をレイアウトするのもおすすめです。
地震がおきたときの水槽管理
続いては地震が起きたときの対処や水槽管理方法についてご紹介していきます。
ポイントとなるのはこちらの3点です。
- 水槽は手で押さえてはいけない
- 停電時に水温を保温する方法
- 携帯式エアーポンプを準備しておく
以下で詳しく解説していきますので、しっかりと確認しておきましょう。
水槽は手で押さえてはいけない
地震が起きたとき、とっさに水槽を手で押さえてしまう方がいますが、これは絶対にやめていただきたい行動の一つです。
たとえば60cm規格のガラス水槽の場合、満水時の重さは80kg近くになります。
そこに水槽台や機材の重さが加わるわけですから、倒れた水槽の下敷きになれば無事では済みません。
ごく小さな水槽ならまだしも、中~大型水槽の場合は大変危険です。
地震が起きたらまずは水槽から離れ、身の安全を確保しましょう。
停電時に水温を保温する方法
地震の揺れの次に怖いのが停電です。
水槽を保温するための電気が止まってしまったら、魚たちにとっては死活問題になります。
停電時に水温の急激な低下を防ぐためには、
- 発泡スチロールや段ボール
- 新聞紙
- 断熱シート
- ホッカイロ
などのアイテムを使って保温するのが最善です。
万が一のときに備えて、保温用の道具を水槽の近くに保管しておきましょう。
携帯式エアーポンプを準備しておく
停電時、保温と同様に忘れてはいけないのが酸欠対策です。
熱帯魚の中には酸素不足に弱い生体もいるので、停電によってろ過装置やエアレーションが止まってしまったときのために、乾電池式のエアーポンプを準備しておきましょう。
まとめ:水槽内の地震対策!崩れやすいレイアウトと崩さい安全なコツを解説!
今回は地震による被害を抑えるレイアウトのコツや、停電時に魚たちを守る方法など、水槽の内部に着目した地震対策について解説してきました。
アクアリウムにおける地震対策は、水槽の内部と外部両面から手を打つことによって最大限の効果を発揮します。
今回の記事を参考に、皆さんも水槽の設置場所やレイアウトを見直してみるのはいかがでしょうか?
災害対策を万全にして、安心・安全なアクアライフを楽しみましょう!
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