うなぎの飼い方とは!稚魚からの飼育方法とエサやおすすめの飼育水槽

投稿日:2025.07.25|
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日本では主に食用の魚として親しまれているウナギは、実は設備があれば自宅でも飼育が可能です。
大きく育つことから90cm以上の大きな水槽が必要ですが、水質や水温に寛容で日本淡水魚の中でも飼育は容易な部類に入ります。
にょろにょろと水槽の中を泳ぐ姿はユーモラスで、少しとぼけたような顔立ちや、シェルターからひょっこり顔を出す姿はとても可愛らしいです。
少し変わった生き物をお探しの際は、ウナギを候補に入れてみてはいかがでしょうか。
今回のコラムでは、ウナギの種類や基本的な飼い方、飼育の際の注意点などについて解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにウナギの飼育方法を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
あまり個人で飼育されるイメージが無いかもしれませんが、ウナギは水槽で飼育が可能な魚です。
鑑賞用の個体も流通しており、珍しい生き物を求める方の間では以前から人気があります。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ウナギの飼育方法を解説します。
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ウナギは水槽で飼育ができる!

ウナギの養殖は難しいという話を耳にしたことはありませんか?
このことから飼育が難しいデリケートな魚というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、実は稚魚以上の大きさウナギならば、個人が購入できる機材で自宅でも飼育が可能です。
さらに飼育経験者の間では、
- 水質悪化や水温の変化に強い
- 酸素不足・餌不足に強い
- 淡水魚飼育セットで飼育可能
といった理由から淡水魚の中でも飼育が容易と評価されることが多く、大きな水槽があればアクアリウム初心者の方でも比較的飼育を成功させやすいでしょう。
長寿で長い期間飼育を楽しめる
ウナギは飼育環境でも5~20年程度生きることができる長寿な魚です。
積極的に飼い主に懐くことはないと言われていますが、大切に飼育を続けているうちに餌の時間や給餌の動作を覚えて活発にアピールをするといった、飼い主にしか見せない一面を見せてくれるようになることがあります。
少しとぼけたような顔立ちや隠れ家からひょっこり顔を出す姿は愛嬌たっぷり。
長い期間を過ごすうちに相棒のような愛着を持って飼育ができる魚と言えます。
ウナギの主な種類
ウナギは全世界で19種類の品種が確認されており、日本に生息するのは二ホンウナギとオオウナギの2種類です。
また、最近は食用として海外から入ってきたアメリカウナギ、ヨーロッパウナギ、ビカーラ種の養殖が進んでいます。
この中で主に鑑賞用として出回っているのが、二ホンウナギです。その他の品種は最大体長や飼育環境の問題から、飼育にはあまり向いていません。
ウナギの入手方法
飼育用のウナギを入手する方法は、大きく分けて以下の二つです。
- アクアリウムショップの鑑賞用稚魚を購入する
- 天然ウナギを採取する
数は少ないですが、アクアリウムショップやインターネット通販ではウナギの稚魚が流通しています。
釣りの腕に自信がある方は、河川や汽水域でウナギを採取することも可能です。条例等に問題が無ければ釣ったウナギを持ち帰って飼育することができます。
ただ、このような天然物のウナギは病気や寄生虫を持っていることが少なくなく、長期管理を考えるとショップで販売されている個体の方が、トラブルが起きにくいでしょう。
また、先程も触れた通りウナギは長寿な魚でかなり大きくなるため、きちんと最後まで責任をもって飼育できるかよく考えてから購入することが大切です。
採取する際は条例に注意
日本固有種の二ホンウナギは 2014年6月12日に、IUCN(国際自然保護連合)により”レッドリスト”に登録されました。
レッドリストとは、絶滅してしまう危険性がかなり高い絶滅危惧種をまとめたリストのこと。
国内でも一部の都道府県では以下のように認定されています。
- 長野県:絶滅
- 東京都本土・福井県:絶滅危惧Ⅱ類
- 新潟県:準絶滅危惧種
- 北海道:希少種
絶滅危惧種に認定されているからと言って、現状国から何か規制や罰則が設けられていることはありませんが、自治体によっては条例で罰則を科している場合があります。
また漁業領域で捕獲した場合は、違法と見なされることがあるので、ウナギを捕獲するときは採取場所や自治体の条例をよく確認するようにしてください。
また、絶滅する可能性がある生き物であるということを念頭に、正しく取り扱うことを心がけましょう。
ウナギの飼い方

ここからは、ウナギの具体的な飼育方法を解説します。
ウナギは育てやすい生き物で飼育方法も、一般的な淡水魚水槽とあまり変わりません。
基本的な飼育アイテム
ウナギを飼育するのに必要な基本的な機材は以下の通りです。
- 水槽
- ろ過フィルター
- 底砂
- シェルター・レイアウト
水温の変化に強いことから、水槽用ヒーターは無くても飼育ができます。
水槽
最大体長が1mを超えることから90cm以上の中~大型水槽が理想です。
ただ、体に柔軟性があるため、こまめな水換えで水質を維持すれば60cm水槽でも終生飼育ができます。
また、ウナギは水槽から脱走しやすい生き物であるため、飼育の際は上部にきっちりとフタをすることも大切です。
ろ過フィルター
活餌を好むウナギ飼育では、できるだけハイパワーなろ過フィルターを準備しましょう。
定番は上部フィルターや外部式フィルターです。
特に上部フィルターは、安価で取り扱いがしやすい上に、水槽の上部に乗せて使う点がウナギの脱走防止にも効果的。使い勝手が良いので迷ったら上部式を選定することをおすすめします。
底砂
ウナギは底砂に潜る習性があるため、飼育環境でも必ず底砂を敷いてあげましょう。
潜った時に傷がつかない柔らかい砂がおすすめです。
シェルター・レイアウト
野生のウナギは多くの時間を岩陰などに隠れて生活しています。このことから、水槽の中にも土管や塩ビパイプといった筒状のシェルターを用意してあげると落ち着きやすいです。
また、角の丸い石や水草、オブジェなどもウナギの隠れ家として活用できます。
適性水温
ウナギが好む水温は26℃~30℃程度と言われていますが、二ホンウナギは水温の適応力が高く、個人で飼育するならば特に調整せずに自然な水温で飼育して問題ないケースが多いようです。
ただ一方で高水温には弱い傾向があり、水温が30℃を超えるような環境になると体調を崩してしまう危険も。
そのため、室内水槽でもエアコンや冷却ファンを使ってしっかり水温を下げる工夫をしましょう。
pHと水換えの頻度
ウナギを飼育するのに適した水質は中性~弱アルカリ性です。
日本の水道水は大体中性辺りなので、カルキを抜くだけでそのまま飼育水として利用できます。
水換えの頻度は水の汚れ具合にもよりますが、基本的に1~2週間に1回くらいのペースで、水槽の3分の1程度を交換するのが目安です。
底砂にフンや餌の食べ残しなどが残っていると水質悪化の原因になるので、クリーナーポンプを使ってしっかり掃除をしましょう。
餌
野生のウナギは肉食性が強いですが、飼育環境に慣れてくれば人工餌にも食いつくようになります。
人工餌は活餌に比べて栄養バランスに優れており、取り扱いも簡単なのでできれば慣らしておくのがおすすめです。
飼育初めの稚魚には小さなミミズや冷凍アカムシを中心に与えてください。
活餌をしっかり食べるようになったら、少しずつ人工餌を混ぜながら時間をかけて慣れさせていきます。
体が大きくなってきたら、活餌はエビ類やゴクラクハゼ、オイカワの稚魚などの小魚に変更します。ウナギの口に収まるくらい小さなサイズのものを選びましょう。
アクアショップで手ごろな餌が見つからない場合は、釣り具店の生餌を購入したりミミズなどを自分で採取したりといった調達方法もおすすめです。
夜行性の魚なので餌を与えるタイミングは夜間に1日1回が基本です。
冬は食欲が落ちるので、様子を見ながら週1回程度に抑えましょう。
餌を食べないときの対処法

飼育を始めたばかりの頃は、環境の変化によるストレスで警戒心が強くなり、拒食になってしまうことがあります。
ウナギは数か月餌を食べなくても生きていけると言われているので、極端に痩せてきていなければあまり焦る必要はありません。
環境に慣れるまで毎日決まった時間に餌を与えながら、食べだしてくれるのを待ちましょう。
餌の種類を変えて好みを探るのも良い方法です。また落ち着いた環境を整えるため、隠れ場所が適しているか、水質や水温も合わせてチェックしてみてください。
ウナギ飼育のポイント

淡水魚の中でも比較的簡単に飼育ができるウナギですが、普通の魚とは異なる特徴を持つことから、飼育するときにはいくつか注意したいポイントがあるのも事実。
そこで、ここではウナギを長期的に楽しむための飼育ポイントを解説します。
脱走に注意!
ウナギは飼育できる魚の中でも脱走名人として知られています。
蛇のようにパイプやレイアウトを伝って上に登る力が非常に高く、水面から体が露出しても構わずに上り続けてしまうため、水槽の上部が開放された水槽ではウナギの脱走事故が絶えません。
また、フタをしていても少しの隙間から抜け出してしまう点も要注意です。
脱走を防ぐには、隙間なくきっちりとフタをする、水槽の水を減らして水面を下げるといった対策が有効となります。
低水温では病気になりやすい
ウナギは水温が8℃くらいまで下がると冬眠して冬を越すことができる、低水温に強い魚です。
このことから水槽用ヒーター無しで飼育されることも多いのですが、実は「冬眠するほどではないが活性は下がる」ような中途半端な水温が続くと、水カビ病を発症しやすくなる傾向があります。
特にレイアウトや底砂で体に細かな傷がついていると、そこから水カビに感染する可能性が高まるため注意が必要です。
水カビ病の症状が見られたら、ウナギを別容器に隔離して『グリーン F リキッド』や『ヒコサンZ』で薬浴を行います。
また並行して、本水槽の水換えや底砂の掃除をして水槽環境を改善しましょう。
ウナギは夜行性で日中は物陰や砂の中に隠れていることが多く、病気の発見が遅れることも少なくありません。
可能ならば一日に一度、餌やりなどで顔を出したときにしっかり観察する時間を設けると異変に気づきやすくなります。
ほかの魚との混泳について

穏かな性格のウナギは、他の魚との混泳も可能です。
ただ肉食性が強いためウナギの口に入らないサイズ感の生き物を選びましょう。
- カワムツ
- フナ
- コイ
- 大きいサイズの金魚など
辺りならば、安全に混泳させやすいです。
またウナギの複数飼育は、大きくなるにつれて水槽が窮屈になりますし、縄張り意識が強くなって争うようになるためあまりおすすめできません。
いずれにしろ、生き物の数が増えると水が汚れやすくなるため、混泳させるときはこまめな水換えや掃除をして環境を維持しましょう。
繁殖はできる?
ウナギの繁殖は非常に難しく養殖場でも近年やっと完全養殖に成功した、というレベルです。もちろん、個人で繁殖に成功した例は今のところありません。
そもそもウナギを繁殖させるとなるとかなり大きな水槽に複数匹飼育する必要が出てくるので、個人で繁殖に挑戦するのは現実的ではないでしょう。
まとめ:うなぎの飼い方とは!稚魚からの飼育方法とエサやおすすめの飼育水槽

今回はウナギの飼育方法をご紹介しました。
食用のイメージが強いウナギですが、飼育をしてみるととぼけた顔立ちや独特の仕草がとてもユニークで魅力的な魚です。
成長すると1m程度まで大きくなるため大きな水槽が必要ですが、水温や水質の変化に強く丈夫なことから、アクアリウム初心者でも飼育に挑戦できるでしょう。
ただし、水槽にしっかりフタをしないと簡単に抜け出してしまうため、脱走を防ぐ工夫は必須です。
もし気に入った水槽や水槽台が見つからない場合は、東京アクアガーデンのようにオーダーメイドで水槽や水槽台を作ってくれる業者に依頼して、オリジナルの物を作ることもできます。
大きな水槽を置くスぺースがあるならば、ぜひウナギ飼育にチャレンジしてみてください。
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