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「住宅事情に関わらず飼育を楽しめる」「初心者向けの飼育セットが充実している」などの理由から、魚は手軽に飼育することができる生き物だと考える方は多いです。
しかし、気軽に始められる一方で、餌やりや水換えなどの定期的な管理に時間を取られたり、成長後のサイズや繁殖力を知らずに飼育を始めて手に余ったりして、飼育に行き詰まりを感じることも。
飼いきれなくなって河川に放流された大型魚や熱帯魚が野生に定着して、本来の生態系を脅かす問題に発展するケースも少なくありません。
魚の飼育が最後まで続かなくなってしまうのは、飼育前と後での認識のズレが原因のため、事前に魚の大きさや繁殖力、設備、管理方法などを知っておくだけで安全に終生飼育に繋げやすくできるでしょう。
今回は、魚を最後まで飼育するために守りたいポイントと管理方法をご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに魚を最後まで飼育するためのポイントを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
犬や猫といったペットに比べて飼育が簡単だと思われがちな魚ですが、意外にも飼育に行き詰まりを感じて持て余してしまうケースが散見しています。
飼育前に知識を身に着けておくことで、このような失敗を防ぐことが可能です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚を最後まで飼育するためのポイントを解説します。
魚を最後まで飼育するために守りたいポイント5選
魚を最後まで飼育することは、飼い主として最低限のマナーです。
しかし、初めて魚飼育では想定外の事態から飼育が難しくなることもあるかもしれません。
そこで、飼育を始める前に今一度、次の5つのポイントを確認してみましょう。
- 成長後のサイズを確認する
- 繁殖について知る
- 設備を選ぶ
- 愛情を持つ
- 毎日観察する
この確認事項は、魚の終生飼育に関わる大切なポイントです。
最後まで責任をもって飼育するために、「いますぐ飼いたい!」という気持ちを少し抑えて冷静に検討してみてください。
ポイント1:成長後のサイズを確認する
飼い始める前に、飼育予定の魚種がどのぐらいの大きさまで成長するのかを確認しましょう。
幼魚の頃は小さくて可愛らしい魚たちも、いずれ大きく成長します。最初は広々している水槽も成長と共に手狭になってしまうことも多いです。
大きな水槽を置く場所が確保できないと手に余る事態も考えられますので、飼育を始める前に成長後のサイズと、終生飼育に必要な水槽の大きさを確認しておきましょう。
ただ、魚にも個体差があるため成長後のサイズと適合水槽サイズを調べる際は、複数の飼育例を参考にして無理なく飼える環境を想定することが大切です。
また、幼魚と成魚で見た目が大きく変わる魚種も珍しくないので、大きく成長した姿を見て「予想よりかわいくない」と飼育に飽きてしまう場合もあります。
成長後のサイズと見た目はもちろん、寿命や性質なども把握して、最後まで飼育できる自信がある場合に限り水槽に迎えるようにしてください。
ポイント2:繁殖について知る
最後まで飼育を続ける上で、繁殖に関する知識も調べておく必要があります。
特に繁殖しやすい、
- メダカ
- グッピー
- プラティ
といった魚種は、予想以上のスピードで魚が増えていき、飼いきれなくなる場合があるからです。
水槽内で繁殖する可能性がある魚を飼育する場合は、増えた分も飼育できるよう、水槽サイズに余裕を持って飼育を始めることをおすすめします。
稚魚や卵を隔離しておくための別容器も用意しておくと良いでしょう。
また、増え過ぎてしまった場合の譲渡先を事前に見つけておくと、飼いきれなくなるような事態を防げます。
稚魚を隔離せずにそのまま水槽に入れておけば成魚や他の魚に食べられて自然淘汰されていきますので、増えるスピードは緩やかになるかもしれませんが、それでも繁殖を避けることはできません。
繁殖することを見越して、増えたらどうするかを考えた上で飼育を始める心構えが大切です。
ポイント3:設備を選ぶ
魚に最適な設備を整えられるかどうかも欠かせないポイントです。
水槽の大きさはもちろんのこと、例えばディスカスのような水質に敏感な魚であれば、ろ過能力の高いろ過方式を選ぶことで健康な状態を維持しやすくなります。
また、水温の変化に弱い熱帯魚や日本淡水魚などの場合は、水槽用クーラー・ヒーターが必要です。
高価なものやランニングコストがかかる機材・設備も珍しくないので、最後まで運用を続けられるかを検討しましょう。
ポイント4:愛情を持つ
飼育している魚に愛情を持つことはとても大切です。
魚への愛を意識することは、
- 魚に負担の無い、丁寧な掃除や水換え
- 栄養バランスを考えた餌やり
- 病気になっても薬浴や塩水浴で治療を試みる
など、お世話の仕方に反映されます。
そしてこれらの飼育者の行動は、結果的に魚のストレスや体調不良の原因を減らすことに繋がるため、魚達は愛情に答えるように長生きをしてくれるのです。
体色が美しかったり、大きく格好良かったりする魚には惹かれますが、一時の憧れだけではなく、最後まで愛情を持って世話ができるかを考えて魚を選ぶことが大切です。
ポイント5:毎日観察する
魚を毎日観察したり機材に異常がないか確認したりするのは、長期飼育に欠かせない重要なポイントです。
- 魚の体や行動
- 機材の動作
- 水温の変化
- 水の蒸発具合
など、水槽全体を観察しましょう。魚や機材の異変は発見が早いほど、改善しやすいためです。
例えば、ろ過フィルターや水槽用ヒーターが故障すると危険ですが、早く気が付けば魚に影響する前に対処できます。また、末期では手の施しようがない病気も初期であれば根治しやすいです。
毎日眺めているとちょっとした異変にも気付けるようになります。観賞する際はもちろん、餌を与えたり、掃除をしたりするときにも意識して確認するようにしましょう。
魚を終生飼育するための水槽管理方法
ここからは、魚を最後まで飼育するために守りたい管理方法をご紹介します。
基本的な内容ですが魚の長期飼育に欠かせないことなので、ご一読ください。
管理スケジュールを決める
放っておいても飼育できると思われがちな魚ですが、餌やりや水槽掃除、水換えなど決まったペースで行わなければならない作業が意外と多いです。
また、水質を維持する観点から別日に分けて行ったほうが良い作業などもあるため、やり忘れや間違いのないよう、スケジュールを決めて管理していくと良いでしょう。
魚の基本的なお世話と頻度の目安は以下の通りです。
餌やり | 毎日1~2回、時間を決めて行う |
---|---|
水換え・底砂の掃除 | 1~2週間に一度 |
コケ掃除 | 2週間に一度程度、コケが目立ってきたら適宜行う |
ろ過フィルターの掃除 | 1~3ヶ月に一度程度、フィルタ―の種類によって異なる |
餌は、毎日同じ時間に与えるようにすると魚のバイオリズムが整いやすいです。仕事などで不規則になってしまう時は、決まった時間に自動で餌やりをしてくれるオートフィーダーの使用も検討しましょう。
水換え、底砂掃除、コケ掃除は3つまとめて行う方法がおすすめ。まず壁面のコケをスポンジで落としたあと、クリーナーポンプを使って底砂に溜まった汚れや落ちがコケを飼育水と一緒に吸い出します。
また、ろ過フィルターやその他の機材の点検やメンテナンスも定期的に行いましょう。
お世話の頻度ややり方は、正確には魚の飼育数やろ過フィルターなどの設備性能によって変わるため、管理をしていく中でご自分の水槽に合った方法を見つけていくことが重要です。
餌は控えめにする
餌を食べる姿が可愛らしくてつい、たくさんあげたくなってしまいますが、健康のためには餌は控えめにするのがポイントです。
魚には満腹中枢が無いと言われており、餌があると与えられるだけ食べてしまいがち。しかし、餌の食べ過ぎは消化器官に負担を掛けて、体調不良を引き起こす可能性が高まります。
餌が水に残る時間が長くなることで水質の悪化が早まることも多いです。
また魚の肥満も深刻な問題で、人間と同じく寿命を縮める原因になります。
上から見たときに背の幅よりも腹が出ている個体は太りすぎのサインなので、餌の量を調整しましょう。
餌量の目安は、1日1~2回、3~5分程度で食べきれる量です。餌を食べ終えても動きが鈍らず元気に泳げていればちょうど良い量と判断できます。
病気が発生したら飼育環境を見直そう
魚の病気が発生した水槽には、何らかの問題が発生している可能性が高いです。この機会に今一度飼育環境を見直してみてください。
病気の主な原因は、
- 汚れた水
- ろ過能力が落ちたろ過フィルター
- 雑菌が繁殖した底砂
など水槽内の汚れなので、管理方法を変えることで改善することも少なくありません。
具体的には、今までよりも水換えの頻度を高めたり、ろ過フィルターや底砂の掃除をしっかり行ったりなどして、清潔な環境の維持を心がけましょう。
放流は厳禁!
アクアリウム用に流通している魚は終生飼育が原則です。
飼いきれなくなったからと言って、近所の河川や池、沼、公共の施設の水場などに放流・捨てるなどの行為は絶対にやめてください。
最近では、野生メダカの生息地に飼育されていた改良メダカが放流されて問題になっています。「野生に生息しているなら同じメダカを放しても良いのでは?」と思うかもしれませんが、日本に生息する野生メダカと改良メダカはまったくの別物です。
放流された個体と交雑して生まれた稚魚は純粋な野生種ではなくなるため、日本に生息するメダカが絶滅するリスクを高めます。たとえ野生種と同じ「黒メダカ」として流通している種類であっても、品種改良によって別の品種の遺伝子が混ざっている可能性があるため、放流は危険です。
メダカのような繁殖しやすい魚は特に、一度拡散すると駆除することが難しく問題が広がりやすい傾向があります。
もちろんメダカ以外の魚も同様に、放流によって日本の生態系に悪影響を与えるため、一度飼育を始めたら最後まで責任を持ちましょう。
まとめ:魚を最後まで飼育するために!飼い始める際に守りたいポイントと管理方法
今回は、魚を最後まで飼育するために守りたいポイントと管理方法をご紹介しました。
手軽に魚の飼育に挑戦できることから人気のアクアリウムですが、始める前に情報をしっかり集めておかないと、持て余してしまう危険があります。
思った以上に大きく成長したり、見た目が大きく変わったりなどして飼いきれなくなる事例や、繁殖しすぎた個体を川に流してしまうといったケースが全国的に問題なっているため、アクアリウムを始める前にに今一度飼育が可能なのかを検討してみてください。
そして、一度お迎えした魚は最後の時まで責任をもって育てあげましょう。
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