金魚の飼い方
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金魚の体色を美しくするには!体色が変化する仕組みと色揚げ方法を解説

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金魚は古くから日本で親しまれてきた代表的な観賞魚です。
金魚と聞くと赤一色の姿がポピュラーですが、品種改良の努力によって黒色や錦鯉のように3色になるものなど、様々な改良品種が作出されています。

しかし、飼育しているうちに購入時より体色が薄くなってきたり、色そのものが抜けたようになることも。
実は金魚は、基本的に黒い色素が褪色して赤い体色になるなど、変化する生き物です。

ここでは、金魚の体色が変化する仕組みを解説し、体色を美しくする「色揚げ」の方法などをご紹介します。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとに金魚の色揚げを解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

金魚の飼育を始めてしばらくしたら、「色が薄くなってきている?!」と感じる方もいます。
実際に金魚は飼育環境によっては体色の鋭さがなくなることがあり、色揚げを行いながら鮮やかさを維持していくのが飼育のコツです。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚の体色についての基礎知識と、色揚げ方法を解説します。

金魚の体色について

金魚の効果的な色揚げ法を考えるために、まずは金魚の体色がどのようにして発現しているか知っておきましょう。
金魚の体色は色素細胞(色素胞)によって、基本的な色や模様と、その濃淡などが決まります。

その色素胞は5種類あり、それぞれ「赤色・黄色・黒色・白色・虹色」です。

赤色素胞 赤色素胞は赤色や橙色を表す因子で、「カロチノイド」「プテリジン」といった色素が含有されています。
黄色素胞 黄色素胞は黄色を表す因子で、色素は赤色素胞と同様に「カロチノイド」「プテリジン」です。
黒色素胞 黒色素胞は黒色を表す因子で、色素の「メラニン」を生成・含有しています。
白色素胞 白色素胞は白色を表す因子で色素はありませんが、光を散乱する細胞小器官が含まれているので白く見えます。
虹色素胞 虹色素胞も色素は含まれませんが、グアニンを主成分とするプリン結晶体が含有されており、光を反射することで金属光沢や七色の輝きを生みます。

これらの色素胞が、金魚の体表のどの部位にどれだけ存在するかで、体色や模様が変わってきます。

例えば、地肌にあたる真皮と光を透過しない普通鱗に赤色素胞が最も多ければ赤一色になりますし、真皮に黒色素胞が多くて鱗が光を透過する透明鱗だった場合は浅葱色になります。

金魚の体色を決める要素について

金魚の体色を決定づける要因をご紹介します。

遺伝的要素

最も大きい要因が遺伝的な要素です。

例えば、元から赤一色に見える個体で、現在に至るまでの血統に黒色になるものがいなかった場合、黒色になることはありません。

赤一色の両親から生まれたのにもかかわらず、黒色に染まる個体がいたのであれば、血統の中に黒色になる遺伝的要素を持っていたということです。


環境的要素

金魚が生活する周囲の環境によっても体色は変化します。
いわゆる保護色的な機能を金魚も有しているのです。

例えば、ベアタンク(レイアウト物がないシンプルな水槽)で飼育した金魚と、底床材を敷いた金魚では体色の変化が見られます。

周囲の色が薄いベアタンクで飼育された個体群は、底床材を敷いた個体群よりも体色が薄くなる傾向があるのです。
ベアタンクでも、黒色のアクリル板を敷くことで、褪色はマイルドになるようです。

大磯砂など、黒っぽい色の底床材を敷いた水槽で飼育される金魚は、保護色の機能で色濃く育ちやすくなります。

また、紫外線による影響も無視できません。金魚も私たちと同様に、メラニン色素を作ることで紫外線から皮膚を保護しています。
つまり、日焼けと同じ効果が働いて体色が濃くなるのです。

このように、金魚の体色には周囲の環境という後天的な要素も大いに関係してきます。


栄養的要素

餌から得られる栄養的な要素も体色に関係しています。
これは特に赤色や黄色の体色に関係が深く、金魚は体内で赤色の色素を作れないと言われています。

カロチノイドなどの色素を含んだ餌を摂取しないでいると、赤色や黄色といったカロチノイドに依存する色が退色ししていくのです。
飼育を始めたころは赤かったのに、いつの間にかオレンジになってしまった・・・という場合は、カロチノイド不足が原因かもしれません。

ちなみに、黒色や白色などを基調とする金魚に、カロチノイド色素が豊富に含まれている餌を与え続けると、赤くなる遺伝子を持っている場合、体色が黄色を帯びる可能性があります。

また、虹色素胞の輝きはグアニンに依存しているので、タンパク質が不足すると輝きが損なわれやすいといえます。

金魚の色揚げ方法

これらを踏まえて、ここからは金魚の具体的な色揚げ方法をご紹介します。

飼育環境を整える

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ある程度は周囲の環境に従って、金魚の体色を変化させることが可能です。

具体的には大磯砂など濃い色の底床材を敷く、ベアタンクで管理したい場合は水槽の底につや消し加工を施した黒色のアクリル板を敷くなどすると、金魚が褪色しにくい環境を作れます。

また、黒色を強く出したい場合は紫外線も重要な要素なので、屋外飼育なら日光浴を良くさせるのがおすすめです。
屋外飼育をしている場合は、色揚げを非常にしやすい環境と言えるでしょう。

色揚げ効果がある餌を与える

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金魚用の人工飼料の中には、色揚げ効果を持つ商品があります。
色揚げ用の餌には、カロチノイドなどの赤色や黄色に関係している色素が豊富に含まれているので、色揚げ効果が期待できます。

しかし、色素の配合量にはかなり差があり、強力なものほど消化しにくい傾向があるので与える量には注意しましょう。

また、植物にもそれらの色素は含まれているので、グリーンウォーター(青水)で飼育することも効果的です。
光沢を強化したいのであれば、タンパク質が豊富な餌がおすすめできます。


成長による体色の変化について

色揚げに挑戦する前に知っておいて欲しいのが、金魚の体色や模様が成長するにしたがって変化することは自然であることです。
幼魚期に好みの模様が出たからといって、その模様を固定したまま成長させることは難しいです。

個体にもよりますが、色柄が固定するまでには約3年かかります
例えば、赤色の稚魚の発色を強くしたいからと、カロチノイドが豊富に含まれている餌を与えても、成魚になる頃には色が抜けてオレンジになることも普通にあり得ます。

成長にともなう体色の変化は先天的な要素なので、それぞれの個性として受け止めて長所を伸ばす方向で色揚げをしてあげると良いでしょう。
思い通りにコントロールできない偶然性も金魚飼育の醍醐味と言え、だからこそ理想的な色柄の個体が得られた時の喜びもひとしおなのです。

まとめ・金魚の体色が変化する仕組みと色揚げ方法について

金魚の体色を決定づける因子としては、遺伝的なものと周囲の環境や餌による栄養面によるものがあります。

前者は先天的な要因なので、飼育者がいくら努力して環境を整えてもどうにもならないことが普通です。

金魚には同じ色柄の個体はいないと言われているので、理想的な色柄ではなかったからと悲観せずに、その子だけの個性と受け止めて大事に飼育してあげてください。



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執筆者 アクアガーデン

アクアガーデンのスタッフが水槽レンタル・リース、メンテナンス、引っ越しサービスなど様々なサービスを通して得たアクアリウムの経験や知識をコラムで発信しています。

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