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水槽設置当日に魚を入れたい!非常識を可能に変えるプロのバクテリア定着術

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立ち上げて間もない水槽はバクテリアがおらず水質が安定していないため、魚にとって良い環境とはいえません。安易に魚を入れてしまうと、調子を崩したり、病気になってしまったりと、悪影響をおよぼしてしまう場合があります。しかし、金魚すくいの金魚や採取した魚をすぐに水槽に入れたい、というケースもあることでしょう。

今回は、そのような場合にバクテリアを早く定着させる方法をご紹介します。

水槽設置当日に魚を入れるのは無理?

基本的に水槽設置当日に魚を入れるのはとてもリスクが高いです

バクテリアがいない水槽は水質が安定しないので、魚が住む環境として適していません。せっかく魚を入れても調子を崩す、病気になるなど、魚の健康に悪影響を与えてしまう場合も。

ひどい場合は水が腐り、魚が住めない水槽になってしまうこともあります。バクテリアがいない水槽はさまざまな危険が潜んでいる、と認識しておいてください。

バクテリアのいない水槽は危険がいっぱい

バクテリアがいない水槽ではアンモニア中毒や亜硝酸中毒が起こしてしまうことがあります。

魚の排泄物に含まれるアンモニアは有害ですが、バクテリアの働きによって害の少ない亜硝酸塩に分解され、最終的により害の少ない硝酸塩へと分解されます。バクテリアがいない水槽ではこの工程が上手く進まず、アンモニアや亜硝酸塩が蓄積した結果、中毒を起こしてしまうことも珍しくはありません。

このような水質が悪化した状態では病原菌が繁殖しやすく、病気にかかってしまう危険性も高まります。種類もよりますが、一度病原菌が広まってしまうと新しい魚を入れることは難しく、最悪の場合、水槽をリセットしなければならない場合もあります。

機材の初期不良チェックができない

水槽機材にも、初期不良の可能性はあります。
水を扱う設備ですので、水漏れなどには十分に注意したいところです。

通常は3~1週間ほど前から機材の運転を開始して、初期不良をチェックします。

すぐに魚を入れてしまうと、突然の故障に早急に対応せねばならず、大変です。

pHショックにも注意

水槽に魚を入れる際はpHショックに注意しましょう

魚種によっては今まで飼育されていた環境(飼育水)とpHが合わず、ショック症状を起こすことがあります。直接入れるのではなく、一度バケツなどに移してから、水槽の水を少しずつ入れて水合わせをしましょう。

また、魚によっては好むpHが異なるので、その魚が得意とするpHを調べ、値を調節したうえで水槽に入れることも大切です。

テトラ (Tetra) テスト 6 in 1 試験紙 水質検査 テスト 総硬度 硝酸塩 亜硝酸塩 塩素 炭酸塩 PH

中性付近のpHが適性の魚であれば、あまりシビアになる必要はありませんが、より酸性やアルカリ性に傾く水を好む魚の場合は注意しなければいけません。
必ず、水合わせを行いましょう。

即日魚を水槽に入れる!バクテリアを早く定着させる方法

水槽設置当日に魚を入れる危険性を把握したうえで、魚を入れたい場合はどうしたら良いでしょうか?その場合もやはりバクテリアがカギになります。

ここでは、水槽に早くバクテリアを定着させる方法をご紹介します。

※他の水槽を管理している方限定の方法です。

他の水槽から、ろ材と飼育水を持ってくる

バクテリアが多く付着した(他の運用している水槽からもってきた)ろ材と飼育水を使用して設置をする方法があります。

現在水槽を管理していて、新しい水槽を購入した場合は、既存水槽のろ材と飼育水を流用することで、すぐに生体を移行することが可能です。他にも水槽内の流木や水草を流用するのも効果があります。

ここで、注意点があります。ろ材や流木を流用する際は汚れが溜まっていたとしても水道水で洗ってはいけません。せっかくのバクテリアが水道水の塩素によって死んでしまいます。汚れを流したい場合は飼育水を使って洗い流すようにしましょう。

また、ろ材をすべて流用すると既存水槽の水質に影響する可能性があるので、いくつか残しておくと安心です。

新しいろ材には他水槽のバクテリアを定着させる

新しいろ材を使う場合は、あらかじめ既存水槽のフィルターにろ材を追加してバクテリアを付着させておくのも有効です。

この方法であれば、既存水槽の水質に影響を与えることなく、バクテリアが付着したろ材を使うことができます。ただ、これは魚を入れる予定があってこそできること。

数時間ではバクテリアが付着・繁殖する量が少ないため、急に水槽を立ち上げる場合には向きません。数日中に新しい魚を迎える可能性がある際におすすめの方法です。

飼育水でpHを上げる!

既存水槽から新しい水槽に移行させる1週間程度前に半分程度水を交換して、pHを上げて置くことも有効です。

環境にもよりますが、飼育しているとpHは下がる傾向があります。この状態の水を移行するとpHショックを起こす可能性が高まるので、あらかじめ水換えをしてpHを上げておくことでリスクを避けることが可能です。

また、pHに限らず長期間水換えをしていない富栄養化した水を移行することは良くありません。予定がわかっている場合は事前に水換えをして水質を整えた水を移行するようにしましょう。同様に、既存水槽の魚が少しでも病気の可能性がある場合も要注意です。

はじめての水槽には当日入れないようにしよう

結論としては、新規で水槽を立ち上げる場合は、設置当日には魚を入れないほうが賢明といえます。やはり、バクテリアが繁殖していない水槽はリスクが高いので、できれば避けたいところです。

ただ、採取してきたり金魚すくいをしたりで、どうしてもすぐに水槽に入れなくてはいけない場合はその限りではありません。ここでご紹介した方法を行ったり、こまめに水換えをするなどして対処してあげましょう。

また、新規の水槽に魚をたくさん入れたい場合も、一度に大量の魚を入れてしまうのではなく、少しずつ匹数を増やしてやると良いです。

まだバクテリアが増えきっていない状態では多くの魚の排泄物を分解する能力がありません。最初は数匹から始めて、バクテリアが増えた段階で数を増やすと安全です。

“急がば回れ”で、少しずつ理想の水槽に近づけましょう。

まとめ:水槽設置当日に魚を入れたい!非常識を可能に変えるプロのバクテリア定着術

水槽設置当日はバクテリアがいないため、水質が安定しておらず、魚にとっては厳しい環境といえます。水の良し悪しは明確に目に見えるものではないので、初心者の方は戸惑ってしまうことも少なくありません。そのような場合にもお役に立てる情報を盛り込んだ記事を他にもご用意しておりますので、よろしければ参考にしてみてください。

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執筆者 高橋風帆

アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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