水族館に行くと可愛らしい魚はたくさんいますが、その中でも不思議な形の不思議でかわいい魚といえば、チンアナゴです。
細長く白い体に、黒いスポット模様だけでなく、砂から生えているような姿が目を惹きます。
このユニークな魚のチンアナゴは、自宅でも飼育が可能です。
チンアナゴの飼育に必要な物や飼育方法などをご紹介いたします。
目次
チンアナゴってどんな生き物なの?
水族館などで見かけると、砂の中から体をニョロニョロと出しているイメージしかないかと思いますが、実はウナギの仲間です。ややこしいですが、アナゴもウナギの仲間で、チンアナゴは英語で「spotted garden eel(eel=ウナギ)」と呼ばれています。
チンアナゴを漢字表記にすると『狆穴子』で、名前の由来は、犬種のチンに似ているから、と言われています。
細くて可愛いチンアナゴが実はウナギの仲間とは意外ですが、そういった生態の幅広さが魚類の奥深いところです。
チンアナゴの性格はとても臆病
砂の中から顔を覗かせているイメージのチンアナゴですが、とても臆病です。
慣れない場所や環境、人が近くにいたり、少しでも「怖い」と感じると砂の中から顔を出すことはありません。
その為、飼い始めて最初の頃は姿を確認するのも、少し難しいでしょう。
しかし、出てくるのをずっと見つめて待っていても、チンアナゴにとってはストレスになってしまいます。
憶病なため、餌があっても怖くて近寄れず、そのまま砂の中で餓死することもあるくらいです。
チンアナゴを飼う時は忍耐力も大切と言えます。
刺激せず、けれど放置す過ぎず、距離感が大切な生き物です。
チンアナゴの飼育に必要なもの
チンアナゴの飼育に必要な物をご紹介します。
ユニークな性質から、一般的な海水魚とは少し飼い方が異なります。
水槽・ろ過フィルター・海水魚用照明
底砂はチンアナゴが潜るために10cm程度の厚さに敷くため、水槽は高さがあるものにすることが大切です。高さが最低でも30cm以上は必要で45cmなど、高いほど良いです。
ろ過フィルター、海水魚用照明は一般的な海水魚と同じもので大丈夫です。
水位の保ちやすさから、オーバーフロー式ろ過が最も向いていると言えますが、外部式フィルターなどでも代用可能です。
水槽用ヒーター、クーラー
チンアナゴを飼う場合、水温は大体23~25℃を目安にしましょう。
クーラーは夏場(7月~9月)ごろだけの稼働でも大丈夫ですが、保温のためにも水槽用クーラーは一年中つけましょう。
値段が張るので中古という手もありますが、新品のクーラーが一番安心できます。
チンアナゴには底砂が重要
チンアナゴの飼育で一番大事な底砂です。 間違えて粗い砂で飼ってしまうとチンアナゴの傷や死に直結してしまうなど、大きなトラブルになります。
パウダー状のサンゴ砂や1mmくらいのサンゴ砂を使用するのが良いです。
砂は最低でも10cmの厚みに敷かなくてはいけないので、水槽サイズによってはそれなりの量が必要です。
砂はとても重いので、水槽をあらかじめ設置し終えてから砂を入れるようにしましょう。
なお、サンゴ砂は良く洗浄しないと白濁りの原因になります。少し大変ですが、しっかりと洗うことで後の苦労が減ります。
チンアナゴの飼育方法
チンアナゴは一般的な海水魚と飼い方が変わってきます。チンアナゴの飼育方法や、注意点などご紹介します。
水の換え方
水槽の水は週に1回、おおよそ3分の1から2分の1を目安に換えていきます。ただし、これは水槽サイズと飼育するチンアナゴの数、ろ過フィルターのパワーで変わってきます。
新しくいれる水は、水温と塩素、比重に気をつけましょう。
比重が大き崩れると魚にとって大ダメージをあたえかねません。
比重計を使用して、必ず確認しましょう。
チンアナゴの給餌方法
チンアナゴは基本的に生きたプランクトンを食べる、「プランクトン食」の魚です。
ここがチンアナゴを飼育するうえで、少し大変な部分になります。
粒状の人工餌を水槽に入れるだけ、というわけにはいきません。
餌は自然界では流れてきたプランクトンなどを食べていますが、水槽環境でそれを再現するのは難しいので、飼育下ではブラインシュリンプを与えます。
孵化させて生餌として与えても良いですが、ハードルを感じる場合は冷凍ブラインシュリンプを用意します。
これを溶かして与えます。
チンアナゴは自ら餌を探しに動くことが少ないので、給餌には工夫が必要です。
- 水流を作って餌が漂い、水槽内を回る様にする
- チンアナゴの近くで餌をまく
こうした方法でチンアナゴは餌に気付き、食べようとします。
個人的なおすすめは、ブラインシュリンプをスポイトなどで吸い取り、チンアナゴの近くで撒く方法です。
チンアナゴを飼育していて、死因の多くは餓死です。
餌やりには細心の注意を払いましょう。
チンアナゴを飼育する時の注意点!
チンアナゴを飼う時は、絶対に注意せねばいけないポイントがあります。
- 一匹だけでは飼わない:チンアナゴは群れで行動するので、1匹で飼うのはやめましょう。
- 多く飼育しすぎない:60センチ水槽なら5匹程度まです。
- 他の魚と混泳はしない:非常に憶病なため、自宅飼育下では他の魚は入れないようにしましょう。シッタカ貝やマガキ貝ならOKです。
- 蓋をつける:普段は砂の中に身を隠していますが、夜中、人が寝静まっている時などに稀に泳ぎます。飛び出しをふせぐため、蓋は絶対につけましょう。
これらを守れば、比較的安全にチンアナゴを飼育できます。
チンアナゴをお家に迎え入れよう
チンアナゴは少し飼育が難しい部分もありますが、慣れてくれると様々な顔を見してくれる愛くるしい魚です。
しかし、無理は禁物です。チンアナゴは海水魚としては独特な存在ですので、飼育しても餌を食べずに死んでしまったり、まったく観賞できないこともあります。
飼育方法もすこし特殊なので、それを留意して世話をすることになりますが、飼育に成功した時はほんとうに可愛らしく、心を惹きつけられます。
海水魚の飼育に慣れてきたら、是非ご挑戦ください。
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