
水槽のろ過フィルターを止めてはいけない理由!安全に止める方法も解説
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ろ過フィルターは、ろ過した新鮮な水を水槽内に循環させたり酸素を供給したりするのに欠かせない、アクアリウムの生命線ともいえる大切な機材です。
通常は24時間休まず稼働し続けておくべきものですが、メンテナンスや故障などで一時的に機材がストップしてしまうことも。
電気代の節約や機材の寿命を延ばしたいなどの目的で、できれば稼働時間を減らしたいと考える方もいるかもしれません。
では、実際のところ、運用中の水槽のろ過フィルターを停止させることは可能なのでしょうか。また、止めた場合の水槽への影響やどのくらいの間止めておけるのかも気になります。
そこで今回は、水槽のろ過フィルターを止めてはいけない理由を解説します。水槽に影響への影響を軽減させる停止方法もご紹介しますので、ご覧ください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽のろ過フィルターを止めてはいけない理由を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽内の環境を守るろ過フィルターは、基本的に停止させてはいけない機材と言われています。
メンテナンスなどで止めるときは、しっかり対策を講じた上で停止させることで、生き物の影響を減らすことができるでしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽のろ過フィルターを止めてはいけない理由を解説します。
水槽のろ過フィルターを止めてはいけない3つの理由
ろ過フィルターの役割は、ただ単に水をろ過するだけではありません。
水質をきれいに維持するのはもちろんのこと、水槽全体に酸素を行き渡らせたり水温差を無くしたりなど、水槽管理のほとんどに関わる重要な機材です。
ここでは、水槽のろ過フィルターを止めてはいけない大きな理由を3つ、具体的に解説します。
理由1:バクテリアにダメージを与える
水槽のろ過フィルターを止めると、水をきれいにしてくれるバクテリアが深刻なダメージを受ける可能性が高いです。
アクアリウムで有用なバクテリアは多くが酸素を好む好気性細菌で、しっかり酸素が行き渡る水槽で特に力を発揮します。
ろ過フィルターには水流にのせて水槽全体に酸素を供給する役割があるため、ろ過フィルターが正常に動作している水槽ではバクテリアも元気に活動できますが、止めてしまうと酸素が足りなくなってバクテリアが死滅してしまう危険があるのです。
ろ過フィルターを止めたからと言ってすぐにすべてのバクテリアが死んでしまうわけではなく、24時間以内であれば大きな問題になることはありません。
しかし、それ以上の期間停止しているとバクテリアが死滅して水が悪くなり、水槽から悪臭がするようになります。
またバクテリアの減少は安定していた環境を崩す大きな原因になるため、特別な事情がない限りろ過フィルターは常に稼働させておくのが良いでしょう。
理由2:生体が酸欠になる
ろ過フィルターを止めたことにより起こる水中の酸欠は、飼育している生き物にも影響を及ぼします。
特に海水魚や古代魚などの強い水流や多くの酸素を必要とする魚を飼育している水槽では、一時の酸欠が取り返しのつかない大きなダメージになることも。
仮に一定時間をおいてろ過フィルターを再稼働した場合でも、酸素不足が魚の呼吸障害やストレスを引き起こして、命に関わる重い症状を呈する可能性があります。
メダカやベタ、グラミーなど酸欠に強いと言われる一部の小型淡水魚ならば負担は少ないかもしれませんが、それでも長期間ろ過フィルターを停止するのは危険です。
開口部が狭い容器の場合は水面での空気交換が制限されるので、さらに注意が必要となります。
理由3:水温が不安定になる
ろ過フィルターが起こす水流には、水槽内の水を撹拌して水温を均一するという役割があります。
水流が無いと温かい水は上部に冷たい水は低層に溜まってしまうため、水槽内で水温差が生まれて魚の負担になる可能性も。
特に水槽用ヒーターや水槽用クーラーを使用している場合、その影響が顕著です。
撹拌がされないので、水槽用ヒーター付近の水だけが温まって正確な水温管理が困難になりますし、水槽用クーラーはろ過フィルターが無ければそもそも機能しません。
水温が不安定になると、生体の大きなストレスとなって免疫力の低下や体調不良を引き起こすため、十分に注意が必要です。
水槽のろ過フィルターを止める時とは
上記の通り、ろ過フィルターは基本的に常に稼働させておくべき機材です。しかし、場合によっては一時的に停止しなければならないこともあります。
その代表的な事柄が水槽の掃除やメンテナンスです。
例えばろ過フィルターを稼働させたままコケ掃除を行うと、コケの破片がろ過フィルターに吸い込まれて、水流と一緒に水槽全体に拡散されてしまいます。結果、今までコケが生えていなかった部分にまでコケの粒子が付着して、余計にコケが繁茂するといった事態になりかねません。
同様に水換えや底砂掃除をする際も、ろ過フィルターを停止しておいた方が汚れが広がるのを防ぐことができます。
24時間以内であればろ過フィルターを停止してもバクテリアへの影響は最小限に抑えられるので、メンテナンス作業を始める前に電源を切り、作業が終わり次第、速やかに再稼働させてください。
また停電や故障など、予期せぬ事態でろ過フィルターが止まってしまうこともあるでしょう。
このような場合は停止期間がどの程度になるか予測が付かないため、電池式のエアポンプや水中に入れておくだけで酸素が出る石などを活用しながら復旧を待つのが適切です。
水槽のろ過フィルターを安全に止める方法
一時的であればろ過フィルターを止めてもさほど問題になりませんが、リスクを少しでも減らすために、しっかり対策をしておくのがおすすめです。
ここでは、水槽のろ過フィルターを安全に停止する方法をご紹介します。
エアレーションをする
ろ過フィルターを停止する代わりにエアレーションを設置すると、酸欠のリスクを大幅に減らせます。
特に酸素消費量が多い海水魚や古代魚を飼育している水槽では、例え一時でもエアレーションをしておくと安心です。
また、何らかの理由でろ過フィルターの再起動に2日以上かかる場合は、ろ過フィルターで使用していたろ材を水槽に入れてエアレーションを行うのが良いでしょう。
ろ材が散らばってしまうときはネットに入れて沈めておいても構いません。
こうすることで、ろ材に付着しているバクテリアを良い状態で維持できるので、水質への影響を最小限に抑えられます。
もし、フィルターの復旧に伴いろ材を全交換することになっても、飼育水のバクテリアが生きていれば再立ち上げが比較的スムーズに進むでしょう。
保温する
水温の急変を抑えるために、保温対策をしておくのも良い方法です。
外気温が安定している初夏頃ならば対策不要なこともありますが、真冬や真夏は短時間でも気温の影響を受けて水温が変化してしまうため、安全性を高めるために対策をしてからろ過フィルターを停止させましょう。
低水温の時は、水槽用ヒーターとエアレーションを一緒に使用することで、簡単に水温を維持できます。
高水温の場合も冷却ファンやエアレーションを稼働するのは同じですが、水を直接冷やすような効果はないため、エアコンを使って室温を調整して水温が上がらないように対策をするとより安全に作業を進められるでしょう。
おまけ:再起動の時に出る汚れ対策
ろ過フィルターを再起動したときに、パイプやチューブの内部に付着していた汚れが一気に水槽内に流れ出ることがあります。
この汚れは主にバクテリアのコロニーであり、魚が食べてしまっても大きな影響はありません。
ただ、鑑賞面においては水槽の見た目が悪くなったり、水質悪化の原因になったりといった影響があるため、見つけたら素早く取り除くのが賢明です。
汚れが排出されたら、クリーナーポンプを使って吸い出すか魚網ですくい取りましょう。
また、ろ過フィルターの再起動前にチューブやパイプを軽くすすいでおくと、汚れの流出を最小限に抑えられます。
まとめ:水槽のろ過フィルターを止めてはいけない理由!安全に止める方法も解説
水槽のろ過フィルターを止めてはいけない理由を解説しました。
水槽のろ過フィルターは、水質の安定や生体の健康維持に欠かせない機材です。
長期間停止させるとバクテリアの死滅や水質の悪化、酸欠、水温が不安定になるなど、様々なトラブルを引き起こすため、特別な理由がない限りは常に稼働させておきましょう。
メンテナンスや水槽の移動などで一時的に停止する場合は、エアレーションで酸欠を防止したり、季節に合わせた保温をしたりすることで水槽への影響を最低限に抑えられます。
ろ過フィルターの管理は、水槽内のバランスを保ち生体の健康を守る重要なポイントです。
フィルターを止める必要がある場合は、適切な対策をして水槽のトラブルを防ぎましょう。
ほかにもさまざまなコラムがありますので、ぜひそちらもご覧ください。
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