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足し水だけで水槽は管理できるのか?水換え頻度を減らす方法とは

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アクアリウムの管理する上で水換えは必須の作業ですが、重労働で時間もかかるためどうしても面倒になりがち。
水換えを止めて足し水だけで管理したり、できるだけ回数を減らしたりすることはできないものかと誰しもが思うことでしょう。水換えが億劫でアクアリウムを諦めているという話を耳にすることも多いです。

水換えには水の中の汚れを取り除き水質を維持する役割があるというのが通説ですが、では、実際のところ水換えをせずに足し水だけで水槽を管理することは可能なのでしょうか

そこで今回のコラムでは、足し水で水槽を管理する是非について考えていきます。
水換えの頻度を減らすために必要なことや、足し水だけで管理できる飼育スタイルについて解説しますので、参考にしてみてください。

プロアクアリストたちの意見をもとに足し水だけで水槽は管理できるのかを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

面倒な水換え作業の頻度を減らしたり足し水だけで水質を維持したりすることができれば、誰でも負担なくアクアリウムを楽しめるようになるでしょう。
実は、飼育スタイルの工夫次第でそんな夢のような水槽環境に近づけることが可能です。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、足し水だけで水槽は管理できるのかを解説します。

足し水だけで水槽は管理できるのか


結論から言うと、一般的な室内飼育の熱帯魚・観賞魚水槽を足し水だけで管理するのはかなり難しいです。
ただし、飼育環境次第では水換えの頻度を減らすことができます

そもそも水槽管理で水換えが必須と言われる理由は、水槽内の水質を維持するためです。
生き物のフンや食べ残しなどの有機物から発生する硝酸塩は、比較的害の少ない物質ではありますが、水中に溜まると水質が酸性に傾いたり、生き物が体調を崩してしまったりする危険があります。
自然界では水流に流され、植物に養分として吸収されるため問題になりませんが、閉じられた水槽内では硝酸塩がどんどん蓄積していくため、1~2週間に一度水を交換して、強制的に硝酸塩を外に排出する必要があるのです。

しかし、水槽内の環境次第では足し水をメインとした管理方法で水質を安定させられる場合があります。
例えば、生き物の数に対して水草が豊富な水槽では、硝酸塩を水草が吸収してくれるので水が汚れづらいですし、水量が豊富ならば硝酸塩の濃度が薄まるため、水換えの回数を減らせる可能性が高いです。

水槽管理では、コケ掃除など水換え以外のメンテナンスも必要なので完全に水換えを止めることはできません
足し水メインでの管理を目指す場合でも、水槽の様子を観察しながら必要に応じて水換えや清掃を行う柔軟な対応が必要となります。

足し水で水換え頻度を減らす方法


完全に足し水だけで水質を維持するのはかなり難しいですが、足し水を利用して水換えの頻度を減らすこと誰でも実践可能です

ここからは、足し水をしながら水換えの頻度を減らす方法を紹介します。

水草を多く育てる

(水草)バリスネリア スピラリス(無農薬)(5株)

足し水メインで水槽を管理するならば、水草の水質浄化力が欠かせません。

水草は硝酸塩を養分として吸収し、光合成をして酸素を生み出してくれるため、

  • 硝酸塩の蓄積を防止する
  • 水中に酸素を供給して硝化バクテリアの活性化に貢献する

といった働きが期待できます。どちらも水質安定に非常に効果的です。

水草ならばどの種でも硝酸塩を吸収しますが、水換えの頻度を減らせるぐらいの働きを望むのならば、アナカリスマツモバリスネリアといった成長が早く硝酸塩をたくさん吸収する品種をメインに選ぶのが良いでしょう。光合成を促すカリウムを含む液体肥料を添加すると、より効果が高まります。

また、水質を安定させるために必要な水草の量も意識したいポイントで、水槽面積の6~7割以上に水草を配置することで、環境を確立できるでしょう。

酸性傾向に強い魚種を飼育する

(熱帯魚・カラシン) レッドファントムテトラ 1.5cm± (10匹)

足し水メインで管理をする場合に心配なのが水質の変化です。
水換えの頻度を減らすと、硝酸塩が蓄積して少しずつpHが低下していくため、予め酸性傾向に強い魚種を選んでおくと管理がしやすくなります。

熱帯魚は弱酸性を好む魚種が多い中特におすすめなのが、レッドファントムテトララミーノーズテトラなどの南米原産の小型のカラシン類です。これらの品種は水を汚しにくいので、大型種よりも水質を保ちやすいでしょう。また、酸性傾向の水質で体色が良くなるといったメリットもあります。

ただ魚の数が多すぎると、いくら小型種でも排泄物が増えて水質が悪化しやすくなるため、飼育個体数は控えめを心がけてください。

餌を控えめにする

水質の悪化を遅らせるためには、餌を控えめにするのが効果的です。

餌の量が多いと食べ残しやフンの量が増えて、そこから大量のアンモニアが発生します。アンモニアは硝化バクテリアによって比較的無害な硝酸塩に分解されますが、先程から触れている通り硝酸塩は水質を酸性に傾ける、いわば水の汚れ。
つまり、餌が多いと水質が酸性に傾きやすくなるというわけです。

通常は1~2日に一度は餌を与えますが、健康な成魚ならば数日程度餌を与えなくても問題ないことが多いので、様子を見ながら3~5日に一回程度に餌やりを減らすと水を汚さずに水質を維持しやすくなります。
また、もし食べ残しが出たときは素早く網などですくい取ると、より効果的です。

ソイルを使う

JUN プラチナソイル ノーマル 3L

足し水で水槽を管理する場合、底砂にはソイルが向いています。

特に吸着系ソイル水中の汚れを吸着する効果があり、水換えを減らしても水質を安定させやすいです。

一方栄養系のソイルは水草の成長を促進してくれるため、水草の力を最大限に利用して水質の安定を目指すときに重宝します。
ただ、栄養系は立ち上げ初期は水質が不安定になりやすいので、安定するまではこまめに水換えをして水質を維持しましょう。

またソイルはどちらの場合も寿命があり、大体一年程度で能力が低下します。ソイルの形が崩れて泥状になると、そこが細菌の温床となる可能性もありますので、定期的にソイルを交換して状態を保つことが大切です。

足し水だけで管理できる水槽例


一般的な室内の熱帯魚・観賞魚水槽では水換えを完全になくすことはできませんが、屋外や飼育する生き物の種類によっては、ほぼ足し水だけで環境を維持できる可能性があります

ここでは、足し水だけで管理できる水槽の例をいくつかご紹介しますので、飼育スタイルを考えるときの参考にしてみてください。

ビーシュリンプ水槽


ビーシュリンプをメインにしたエビ水槽は、足し水だけで管理できる可能性があります

ビーシュリンプというと水質に敏感な弱い生き物と思われるかもしれませんが、弱酸性傾向を好む性質があるため、水槽環境のバランスが保てれば足し水だけでも維持がしやすいです。
その他にも、

  • 体が小さく水を汚しにくい
  • ソイルや水草と相性が良い

といった特徴が、足し水管理で有利になるでしょう。

また、ビーシュリンプは水中の微生物を好んで食べますが、水換えをし過ぎると微生物が減少して餌不足なってしまう危険があります。
足し水だけとは言わずとも、水換えの頻度を減らして管理した方が餌が増えて調子が上がりやすいです

ビオトープのメダカ鉢


植物が豊富で太陽の光を存分に取り入れられるビオトープは、基本的に大掛かりな水換えをせずに足し水と植物の浄化能力で水質を管理します

屋外のビオトープではほぼ自然のままの環境を再現できるため、生き物がフンをする→バクテリアが分解する→植物が養分として吸収し酸素を出す→生き物が活動してフンをする…という自然なサイクルがしっかり成り立つ可能性があるからです。

屋外飼育のため熱帯魚は飼育できませんが、水質や水温の変化に強く丈夫なメダカヌマエビ貝類などのお掃除生体を使ったナチュラルな水景を作れるのも魅力の一つで、どちらも環境にしっかり適応して、素敵なビオトープ作りに貢献してくれます。

また植物も水草だけでなく、抽水植物や浮草など様々な種類をたっぷり導入すると、硝酸塩の吸収が早まります。自然光の下では、植物の光合成が活発になって水質浄化の効果もより高められるでしょう。

脱窒水槽

脱窒水槽は嫌気性細菌の一種である脱窒菌を利用して硝酸塩を除去する、上級者向けの管理方法です

この管理を行う水槽では、底砂を通常より厚めに10cm程の厚さで敷いて、あえて酸素の少ない嫌気層を作ります。しばらくすると底砂の中に脱窒菌が定着して硝酸塩を消費してくれるようになるので、この活動を利用して水質を安定させるという考え方です。

ただ、脱窒水槽の管理は非常に難しく、大きなリスクが伴うことも覚悟しなければなりません。
嫌気層内では脱窒菌よりも硫化水素など有害物質を生成する菌が発生しやすく、上手く管理しないとかえって水質の悪化を招く可能性があるのです。

脱窒水槽を成功させるには、相応の知識や経験が必要です。初心者の方は無理に脱窒水槽を目指すよりも、無難に水換えで水質を管理した方が、確実で簡単に美しいアクアリウムを楽しめるでしょう。

まとめ:足し水だけで水槽は管理できるのか?水換え頻度を減らす方法とは


足し水だけで水槽を管理できるのかを解説しました。

結論を言うと水換えをまったくせずに、足し水だけで管理するのは非常に難しいです。水槽という閉鎖された空間の中では、やはり水換えで汚れを排出する必要が出てきます。
ただ、足し水を活用して水換えの頻度を減らすことは可能なので、水槽のスタイルに合わせて挑戦してみるのも良いでしょう。

具体的には、

  • 水草を多く育てる
  • 酸性傾向に強い魚種を飼育する
  • 餌を控えめにする
  • ソイルを使う

などを意識してみてください。

水換えの頻度を減らしている間は水質検査薬などを利用しながら注意深く水槽を観察し、水質に変化が合ったら水換えを行うといった、臨機応変な対応を心がけましょう。

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執筆者 アクアガーデン

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