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トビハゼは「魚でありながら、陸地を移動する」という特徴的な生態や、キョロっとした目などの愛嬌ある姿から、アクアリウム愛好者だけでなく、子どもたちにも人気のある海水魚です。
今回は、トビハゼの基本的な特徴や寿命、自宅で飼育可能な種類、そして飼育に必要なアイテムやポイントについて詳しく解説していきます。
「トビハゼを飼育してみたいけれど、何が必要なの?」という方のために、必要な準備や注意点を紹介しますので、参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにトビハゼについてを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
トビハゼは自宅で飼育できる魚の中でもかなり変わった存在です。
ユニークさがそのまま魅力になっている魚なのですが、その特性を理解してトビハゼに合った飼育環境を作ることが飼育の第一歩と言えるでしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、トビハゼの飼育方法とポイントについてを解説します。
トビハゼとは
トビハゼは、主に汽水域や干潟に生息する海水魚で、泥の上を「跳ねる」動きが特に有名です。
東京湾から沖縄県など全国の干潟で見られますが、東京湾より北側の寒い地域には生息していません。
トビハゼは、英語で「Mud Skipper(マッドスキッパー)」とも呼ばれるほど、水面から飛び跳ねながら陸地に近い場所を移動する姿が印象的です。
日本でも佐賀県の「カッチャン」や九州地方の「ネコムツ」、沖縄県の「トントンミー」など、地域ごとに異なる和名で親しまれています。
トビハゼの特徴・寿命
トビハゼは体長約10~13cmほどの小型海水魚で、魚類ですがエラ呼吸だけでなく皮膚呼吸も得意なため、水上でも活動できるユニークな生き物です。
トビハゼの外見的な特徴として、キョロキョロとした可愛らしい目と大きな口、丈夫な歯、そして体が小さくて軽く、滑らかな皮膚を持つことが挙げられます。
脚のようなひれを使って陸地や岩場を歩いたり、水面で飛び跳ねたりする姿は、ほかの海水魚とはまた違った魅力があります。この跳ね飛ぶ能力は、広い範囲を移動するためだけでなく、捕食者から素早く逃げるための重要な武器でもあるのです。
トビハゼの寿命は通常1~3年ほどですが、飼育環境によって異なる場合があります。
水質や水温の管理がしっかりできていれば、長生きにつながるでしょう。
自宅で飼育できるトビハゼ
トビハゼには多くの種類がいますが、アクアリウムで特に飼育しやすい種類として、「ミナミトビハゼ」が挙げられます。
以下は、比較的小型で中型程度の水槽で飼育できる、観察も楽しいトビハゼの種類です。
- ミナミトビハゼ:約13cmほど。温和で飼いやすい。寿命は約3年ほど。
- アフリカンマッドスキッパー:18cm以上にもなる大型種。寿命も約5年ほど。
- インディアンマッドスキッパー:約8cmほどの小型種。寿命は約3年ほど。
いずれの種類も、飛び跳ねる能力が高く、水中でも元気に泳ぎ回ります。
ミナミトビハゼは流通も多めでおすすめです。
トビハゼの飼育に必要なものと飼育ポイント
トビハゼを自宅で飼育するには、専用の飼育環境づくりが必要です。
どのようなものが必要か、飼育ポイントも交えて詳しく紹介します。
水槽・ろ過フィルター・照明の選び方
トビハゼは活発に動き回るため、広めの水槽を準備しましょう。45~60cmほどの水槽を選ぶのがおすすめです。
高い水位を必要としませんが、陸地を作る必要があるため高さ30cmほどのサイズが良いです。
また、脱走を防ぐためフタは必ずします。なお、アクリル水槽などフランジ付きの水槽にしましょう。
トビハゼは強い水流が苦手なため、ろ過フィルターには、外部式・投げ込み式・水中フィルターが適しています。
上級者の中には、特注のオーバーフロー水槽で浅い水位の循環を作り出す方も。
照明は海水用ではなく、普通のものでも十分です。
水の飛び跳ねに注意
トビハゼは飛び跳ねる性質を持つため、水槽内の水も一緒に跳ねることがあります。
思わぬ場所に水が飛び、その箇所に塩分が固着して塩ダレになりやすいです。
こまめにメラミンスポンジで磨きつつ、フタで水槽の外への塩ダレを防ぎましょう。
人工海水は必須!水深は浅めにしよう
人工海水の素を規定の1/4~1/2程度の濃度にした飼育水で飼育します。
トビハゼ水槽の水深は5〜20cmほどが最適です。
水量が多いほど、温度や水質管理が楽になります。水槽用ヒーターも使いやすいでしょう。そのため、水深15cm以上の多めの水量で飼育するのがおすすめです。
pHは7.5以上になるように管理しますが、ここでトラブルになりやすいのが「飼育水の蒸発」です。汽水が蒸発すると、基本的には塩分濃度が上がり、水質も悪化します。
水量が少ないほど飼育水の蒸発による影響が大きくなるため、この点でもできるだけ多めの水量で飼育するのが良いです。
水の温度や塩分濃度が不安定だと、トビハゼにストレスを与えてしまうため、常に水質をチェックしましょう。
皮膚呼吸できる場所を作ろう
トビハゼは、陸地で皮膚呼吸を行います。
水量に合わせて勾配を高く作ったり、浮島や素焼きの土管などのアクセサリー、岩などを使ったりして、水面に出て皮膚呼吸できる場所・陸地を必ず作りましょう。
この際、1匹につき1つの休憩場所を作るイメージでレイアウトします。
トビハゼ水槽の水温管理について
トビハゼは暖かい地域に住んでいることから、温暖な水温を好みます。
ミナミトビハゼなら適水温は15〜26度と幅広いですが、コンディションを良く保つには25度に維持するのがおすすめです。
水温管理には、水中に設置する水槽用ヒーターや、皮膚呼吸をすることからエアコンでの室温管理も有効です。
また、水深を浅くする場合は、パネルヒーターを水槽の下に敷く方法もあります。
特に冬の季節は、水温を一定に保つためにヒーターが必須です。
水温が低すぎると、トビハゼの免疫力が低下し、病気にかかるリスクが増えてしまうので注意しましょう。
底砂はサンゴ砂がベスト!
底砂には、アクアリウム用のサンゴ砂を使用するのが一般的です。
干潟のように泥を入れてしまうと、水槽という閉鎖環境では水質を維持できません。
また、陸地は水流を調整する役割も持っているため、バランス良くレイアウトしましょう。
トビハゼの餌
トビハゼは肉食性の魚で、丈夫な歯を持っており、野生ではエビやカニ、貝を主に食べます。
飼育下では市販の活餌などを与えますが、さまざまなサイズの人工飼料を食べてくれるので、餌にはあまり困らないでしょう。
おすすめの餌は以下のとおりです。
- 人工飼料(メガバイトレッド、カーニバルなど)
- クリル
- 冷凍赤虫 など
1日1回ほどの頻度で餌を与えることで、トビハゼの健康を保つことができます。
また、トビハゼの餌は主に陸地付近で与えましょう。皿などを置いて与えると、飼育水を汚しにくくて便利です。
活発に餌を食べる様子はとてもかわいらしく、給餌はトビハゼとコミュニケーションが取れる楽しい時間ですよ。
トビハゼ水槽の掃除
トビハゼは肉食性ですから、どちらかというと水を汚しやすい魚です。そのため、こまめにメンテナンスをしながら水質を維持していきます。
トビハゼの移動により、飼育水はどうしても飛び跳ねますので、ガラス面が汚れやすいです。
メラミンスポンジなどで水槽を磨き、汚れた水をクリーナーポンプで1/3程度排出し、新しい汽水を注水します。
水分の蒸発による水質変化を体験させないためにも、こまめにメンテナンスを行いましょう。
まとめ:トビハゼとは!特徴や寿命から飼育に必要なもの・飼育ポイントを解説
トビハゼの特徴をはじめ、飼育に必要なものや飼育ポイントを解説しました。
トビハゼはそのユニークな飛び跳ねる動きと魅力的な姿から、アクアリウムをやっていない方にも知られ、多くの方に愛されている魚です。
ただし、皮膚呼吸できる場所が必要といった特殊な生態から、ほかの海水魚とは異なった管理方法が求められる魚でもあります。
飼育にはフタ付きで広めの水槽、暖かい汽水などの適切な環境管理と、ろ過フィルターなどの設備が必要です。
トビハゼの寿命は1〜3年程度と、長寿ではありません。しかし、できるかぎりトビハゼの生態に合った環境作りを行うことで、長生きさせることもできます。
注意点を押さえ、トビハゼを元気に育てましょう。
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