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メダカの足し水とは!メリット・デメリットと足し水の方法を解説

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飼育容器の水は少しずつ蒸発していきます。水量が減ると水質や水温が変わりやすくなるため、定期的に減った水を補給しなければなりません。

このような時、水換えをして水を入れるのも良いですが、水自体があまり汚れていないようならば、足し水で水量を維持するのがおすすめです。

カルキを抜いた新しい水を減った分追加するだけですが、これでも水質維持や水温維持に効果があります。
特に、トロ舟や睡蓮鉢などの上部が解放された容器で、ろ過フィルターを使わずに飼育する屋外飼育のメダカは、足し水が水質管理の基本となりますので、しっかりやり方を覚えておきましょう。

ここではメダカの足し水について、メリットやデメリット、具体的な方法を解説します。

プロアクアリストたちの意見をもとにメダカの足し水、メリットデメリットと方法を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

特に屋外でメダカを飼育しているときは、足し水をして水質、水温を維持するのが最適です。
足し水で水量を維持して、メダカに負担を掛けない飼育をしましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカの足し水、メリットデメリットと方法を解説します。

メダカの足し水とは


足し水とは、飼育容器に新しい水を足すメンテナンス方法です
水換えのように、一定量の水を抜いて新しい水に入れ換えるのではなく、自然に蒸発した分だけを注ぎ足します

室内、屋外に関わらず、水槽の水は何もしなくても少しずつ蒸発していくのですが、水が減ると、水温が変わりやすくなったり水が汚れやすくなったりなどの不都合が出てくることも。

もちろん、水換えをすれば水量はもとに戻りますが、水位が減るたびに水換えをしていると飼育している魚に負担を掛けてしまう可能性がありますので、水量を維持するだけならば足し水をするのが良いでしょう。

メダカ水槽では足し水が重要

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メダカ飼育では特に足し水が必要となる機会が多くなります。

というのもメダカ飼育で使用される容器は、トロ舟やメダカ鉢、アクアテラリウム水槽など、蓋がなく上部が大きく解放されたものが多いため、普通の水槽に比べて水が減りやすいです。
また、ボトルなどの小さな容器は元の水量が少ないので、水位が少し下がるだけでも問題につながることがあります。

屋外飼育では、水換えをあまりせずに足し水だけで管理することが多いのも理由です。
上記のような飼育環境にあるメダカ水槽では、こまめに足し水をして水位を維持することが重要となります。

一方、室内で水槽にフタをしているメダカ水槽の場合は、他の水槽と同様にそこまで頻繁に足し水をする必要はありません

足し水のメリット・デメリット


足し水はいつでも簡単にできる水槽メンテンナンスの一つで、誰でも気軽に実践できます

しかし、これだけで水質を維持するのは難しいなどの注意点がありますので、実践前にメリット、デメリットをしっかり把握しておきましょう。

ここでは、メダカの飼育容器に足し水するメリット・デメリットを解説します。
足し水の必要性と注意点がわかりますので、ぜひご覧ください。

メリット1:水質が大幅に変わらない

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水換えは一定量の水を入れ換えるため、水質が多少なりとも変化してしまう可能性がありますが、足し水ならば蒸発して減った量を足すだけですので、水質が急激に変化することがありません
そのため、水質の変化に弱い稚魚や弱ったメダカを管理している水槽のメンテナンスにも取り入れやすいです。

ただし、いくら水を足すだけといっても一度に大量の水を投入すれば、水質が変化してしまいますので、少量で済むようにこまめに水を足すことを心がけてください。

水量が多ければ多いほど、水質が悪化するペースが緩やかになりますので、足し水をして水量を維持することは、水質の変化を起こさない環境を維持することにもつながります。

また、メダカ飼育で多いグリーンウォーターの濃度を維持したいときや、屋外飼育で水換えをせずとも水質が安定しているときなどには、足し水でメダカ水槽を管理するのが最適です。

メリット2:保温対策になる


水量が少ないほど水温は変化しやすくなるため、足し水で水量を一定に保つことで、水温の変化を緩やかにすることができます

特に屋外飼育の場合、気温の変化に合わせて水温が激しく変化するため、足し水で水量を維持してメダカにかかる負担を軽くしてあげましょう。

また、メダカの屋外での越冬を考えている場合は、冬場は水位を保つことで水の凍結を防ぐことができるので、足し水が必須となります。

デメリット1:入れすぎるとあふれることがある

足し水をするときの注意点一つ目が、入れ過ぎて容器から水があふれてしまうことです。

屋外であれば多少水があふれてもあまり気にならないかもしれませんが、水と一緒にメダカや浮き草が流れ出てしまう危険もありますので、注意しましょう。
少しずつ水位を確認しながら、目を離さないように注ぐのがコツです。

デメリット2:根本的な水質改善にはならない


足し水は根本的な水質の改善には繋がらないということも、留意しておきましょう。

水を入れ換える水換えとは違い、足し水はあくまで水を足すだけ。足し水することで、汚れの濃度は薄まりますが、汚れが無くなるわけではありません

  • 水が汚れている
  • 水質が悪化している
  • 病気や体調不良のメダカがいる

というような明確な異変があるときは、足し水ではなく水換えや底砂掃除などの水槽メンテナンス、塩水浴や薬浴などの治療を行ってください。

ただトラブルの解決策にはなりませんが、水位を保つことで水質の悪化を遅らせることができるため、体調不良や病気を予防するという意味では足し水が有効です。

メダカ鉢・水槽への足し水方法


ここからは、足し水の具体的な手順を解説します。

メダカ鉢や水槽に足し水するときの手順と押さえておきたいポイントは次の通りです。

  • カルキを抜き水温を合わせる
  • 静かに少しずつ注ぐ
  • 朝~昼間に行う
  • 塩水浴や薬浴中は足し水をしない

足し水は水質や水温を変化させにくいメンテナンス方法ですが、やり方を間違えるとメダカに負担をかけてしまいますので正しい方法と注意点を確認してから実践しましょう。

カルキを抜き、水温を合わせる

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まず、足し水に使う水についてです。
足し水する水には、カルキを抜いて飼育水と水温を合わせた水を準備しましょう。

カルキは市販のカルキ抜きを添加するか、バケツなどに水を溜めて、日光の当たる場所に2日ほど置くことで除去することができます。
屋外飼育の場合は、足し水用としてメダカの飼育容器のそばに水を汲んでおくと、気が付いたときに気軽に足し水ができて便利です。飼育容器と同じ環境でストックしていれば、水温調節をする必要もありません

室内飼育の場合も同じ方法で足し水しますが、水槽用ヒーターで加温している場合は沸かしたお湯などで水温を調節してから使いましょう

足し水は静かに少しずつ注ごう

足し水は、ゆっくり少しずつ注ぐのがポイントです

勢いよく注ぐとメダカが驚いてしまうだけではなく、底に溜まっているゴミや病原菌を巻き上げてしまう可能性があります。静かに注げばメダカに余計な負担をかけることもありません。

足し水は朝~昼間に行おう


足し水は、メダカがしっかり活動している朝~昼に行います

夜明け直後や日没後など活性が低いタイミングに足し水すると、メダカのコンディションを下げてしまう可能性があるためです。
昼間の明るい時間帯に、メダカが元気に泳ぎ回っていることを確認してから足し水するようにしましょう。

塩水浴や薬浴中は足し水をしない

塩水浴や薬浴などでメダカを治療しているときに、足し水をするのは避けましょう

塩分や魚病薬の濃度を一定に保つ必要があるため、足し水をしてしまうと濃度の管理が難しくなってしまいます。
期間も1~2週間程度と短いため、飼育水が目に見えてわかるほど蒸発する心配もないでしょう。

なお、メダカ治療中のメンテナンスは、塩や薬を入れて濃度を調節した水を使って水換えするのが基本です。正しい方法で行わないと治療効果が得られないこともありますので、しっかり管理方法を確認しておきましょう。

メダカの塩水浴や薬浴については、こちらの記事で詳しく解説しています。

メダカ鉢・水槽への足し水が必要なケース


メダカ飼育では、以下のようなケースで足し水をするのがおすすめです。

  • 飼育水が蒸発して水位が下がっている
  • 気温が高くメダカが消耗しやすい
  • 低水温や凍結の心配がある
  • グリーンウォーターを維持したい

メダカが飛び出してしまうことだけ注意すれば、足し水に大きなデメリットはありません。水槽内に異変が無く安定しているならば、気づいたときにこまめに足し水をして、水量を維持しましょう。

一方で、明らかに水が汚れている、メダカが体調を崩しているというようなときは、足し水で得られる効果は少ないです。
この場合は、水換えや掃除、メダカの治療などより具体的な対策を優先して行うようにしてください。

まとめ:メダカの足し水とは!メリット・デメリットと足し水の方法を解説


今回はメダカ水槽に足し水をするメリット、デメリットや足し水のやり方を解説しました。

足し水は、蒸発して減った量だけ新しい水を足すシンプルな管理方法です。
水換えよりも気軽に行えますし、水質や水温の急変を抑えて安定した環境を維持できるメリットがあります。水が汚れづらくなるので、メダカの病気予防にも効果的です。

ただし、水質が悪化しているときや病気のメダカがいるなど、明確な異変の解決策としては乏しいので、このようなときは、もっと踏み込んだ具体的な対処を行うことをおすすめします。

とはいえ、飼育環境が安定している状態で、メダカのコンディションを維持するには、足し水が最適ですので、日常的に実践してきましょう。

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執筆者 高橋風帆

アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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