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バランスドアクアリウムとは!掃除無しで飼育は可能?必要な物などを紹介

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アクアリウムには掃除や水換えなどのメンテナンスがつきもの。とはいえ、なかなか手間がかかる作業ですので、中には「メンテナンス不要の水槽を作れないか?」と考えたことがある方もいるのではないでしょうか。

実はあまりメジャーではありませんがバランスドアクアリウムという、メンテナンス不要の水槽は存在しています。水槽の中に小さな生態系を作り上げるイメージで、アクアリウムの究極にして最終形ともいえる飼育スタイルです。

しかしバランスドアクアリウムは、生体と植物、微生物、光が絶妙なバランスを保って成り立つもので、この加減を探るのが難しく再現するにはかなり難易度が高いのが実情です。

今回はそんなバランスドアクアリウムについて解説していきます。

プロアクアリストたちの意見をもとにメンテナンス不要の水槽バランスドアクアリウムを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

バランスドアクアリウムは、ろ過フィルターやメンテナンスを必要としない夢のような飼育スタイルです。
しかし、この状態を作り出すにはかなり繊細な調整とバランス感覚が求められます。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メンテナンス不要の水槽バランスドアクアリウムを解説します。

バランスドアクアリウムとは


バランスドアクアリウムは、人の手をかけなくても水槽内で調和がとれた水槽のことです

水槽内の調和とは、簡単に言うと放っておいても水が汚れず、生き物や植物が元気でいられるということ。
これは自然界の浄化サイクルに非常に近い状態です。

自然界では、

生き物が餌を食べてフンをする→微生物(バクテリア)が分解してアンモニアや硝酸塩に変える→植物がアンモニアや硝酸塩を吸収して光合成をする→光合成で発生した酸素を生き物が取り込む

というような流れで環境が保たれていますが、狭く閉じられた空間である水槽内では汚れが溜まりやすく、このバランスを保つことができません
そのため一般的なアクアリウムでは、ろ過フィルターを設置して水をろ過し、水換えや掃除をして水槽内に溜まったフンや汚れを定期的に排出する必要があるのです。

バランスドアクアリウムでは、生き物や水草の数、バクテリアの繁殖具合や日照時間などを調整して自然の環境に近い状態を作り出すことで、ろ過フィルターやメンテナンスなしでも成り立つ、調和のとれた自然循環型の水槽を目指します

一般的な飼育方法では、ビオトープが自然循環型に最も近いと言えるでしょう。

バランスドアクアリウムは実現可能か?


完全なバランスドアクアリウムの実現は難易度が高いですが、似た環境であれば実現可能です。

例えばボトルアクアリウムを放置していても生き物が死ななかった…という話を聞くことがありますが、これは知らないうちに偶然、バランスドアクアリウムに似た環境が出来上がっていた事例だと考えられます。

一方、意識してバランスドアクアリウムを作り出すには、生き物や素材のバランスがとても重要でかなり繊細な調整を強いられることも。
上手くいっていても生き物や水草が調子を崩した拍子に、全体がバランスを崩してしまうといったアクシデントに見舞われることもあるでしょう。

しかし、本来のバランスドアクアリウムが実現できれば、多少の溶けた水草などは他の生き物やバクテリアの餌となって、うまく循環するようになるはずですので、失敗にくじけずにそこを目指して調整を続けていく必要があります。

バランスドアクアリウムの作り方


ここからはバランスドアクアリウムの作り方ということで、実際に再現するのに必要なものやおすすめの生き物をご紹介します。

まず前提として、バランスドアクアリウムが再現しやすいのはボトルアクアリウムなどの小さな容器です。
基本的な始め方はボトルアクアリウムと同様ですが、生き物や水草のバランスなどに違いがありますので、確認していきましょう。

バランスドアクアリウムに必要な物

バランスドアクアリウムの自然なサイクルを生み出すには、

生産者:魚、エビ、貝などの生き物(水草も含む)
消費者:水草、バクテリア
エネルギー:照明、太陽光

3つの要素が必要不可欠です。また、効率よくサイクルを循環させるためには飼育容器や照明の種類にも気を配る必要があります。

繰り返しになりますがバランスドアクアリウムは、バランスが非常に大切です。
何か一つでも要素が抜けると成り立たなくなってしまいますので、準備はしっかり行いましょう。

開口部の狭い容器・フタ

ジェックス GEX AQUARIUM グラスアクア ティアー-N アクアリウム 小型水槽 水草 テラリウム

バランスドアクアリウムを作る容器は、開口部が狭い丸形のものがおすすめです。
水温や光の当たり具合に差が出にくく、安定した環境を作りやすくなります。水量は4L程度からで問題ありません。

また、水量が減ると水中のバランスが崩れやすくなってしまいますので、蓋をして水の蒸発を防ぎましょう

また、こちらのうようにフタが透明で、しっかりと密閉できるタイプもおすすめです。
星硝(Seisho)セラーメイト 取手付 密封瓶 保存容器 梅酒 びん 果実酒 づくり 3L ガラス 日本製 220315

照明・保温器具

ジェックス クリアLED リーフグロー アクアリウム用 水草・植物を育てるライト

水を浄化してくれるバクテリアや水草の働きを活性化するためには、光が必要不可欠です。
屋内に設置した水槽ではちょうど良い加減で太陽光を当てるのが難しいので、代わりに植物育成用のLEDライトを活用しましょう。

また、水温をできるだけ一定に保つことも水槽内の環境を安定させるための大切な条件となります。
24時間エアコンを使って室内温度を適温に保つか、ボトルアクアリウム用の保温器具を使って水温を保つ工夫をしてください。

底砂・ソイル

ジュン (JUN) プラチナソイル パウダー ブラック 8リットル

底砂には吸着系のソイルがおすすめです。
アンモニアなどの有害な成分を吸着して水をきれいにしてくれるので、ろ過フィルターを使用しないバランスドアクアリウムでは、水質を保つ心強い味方になります。

また、珪砂などの水質に影響がない底砂は水中のバランスにも干渉しないため、安定している場合はこちらを使用するのも良いでしょう。

一方、同じソイルでも栄養系ソイルなどの水中に養分が溶け出すタイプの底砂は、水槽内の調和を乱す可能性があるため、バランスドアクアリウムでは使用を控えてください

バクテリアが定着している飼育水

GEXジェックス サイクル 250ml

バランスドアクアリウムをスムーズに始めるには、すでにバクテリアが繁殖している飼育水を使うのがおすすめです。

稼働している水槽から飼育水を持ってくるのが一番確実ですが、難しい場合はバクテリア剤を添加することで、バクテリアが定着するまでの時間を短縮できます。
新規に立ち上げる場合は、セッティングした水槽にバクテリア剤を添加し、水合わせをした生体を入れてください。1週間程度はこまめに水を換えながら、水質を保ちます

安定してきたらバランスドアクアリウムに向けて、その他の環境を整えていきましょう

バランスドアクアリウムに向いている生き物・水草

少し特殊な飼育スタイルであるバランスドアクアリウムでは、入れられる生き物や水草にも条件があります
生き物ならば、水を汚しにくくて丈夫で水質や水温の変化に強いもの、水草ならば成長がゆっくりで丈夫なものが最適です。

また、生き物はメインとなる生体(魚)1匹+サブの生体(エビ・貝)数匹というように、少数を組み合わせると水槽内の環境を保ちやすくなります。

ここでは、バランスドアクアリウムに向いている生き物、水草をご紹介します。

アカヒレ

(熱帯魚)アカヒレ Sサイズ(10匹) 北海道・九州航空便要保温

アカヒレは熱帯魚ながら屋外のビオトープでも飼育ができるほど丈夫で変化に強い魚で、バランスドアクアリウムのメイン生体としてもおすすめできます。

雑食性で水中に自然発生した微生物などを食べることができる上に、体も小さいので多量の餌を与える必要が無く、水を汚しにくいです。フンが少ないのもポイントでしょう。

飼育数は容器の大きさにもよりますが、バランスドアクアリウムならば1匹から始めてみてください。

アカヒレに限らず生体数が増えると、餌や排泄物の量が増えて水が汚れやすくなり、バランスが崩れやすくなります

アカヒレについては、こちらのコラムも参考にしてみてください。

ミナミヌマエビ

【生体】ミナミヌマエビ 10匹+おまけ分(ヌマエビ)from SCRATCH

水槽内の掃除屋として知られるミナミヌマエビも、バランスドアクアリウムに入れたい生き物です。

コケ取り生体のイメージが強いですが、実はミナミヌマエビは雑食性で、コケ以外にもデトリタスという微生物の死骸なども食べてくれます
もちろんコケ取り能力も抜群なので、積極的に取り入れていきましょう。

ミナミヌマエビは小さいので、2~5匹程度飼育することができます。

ミナミヌマエビについては、こちらのコラムも参考にしてみてください。

貝類

TORIMATE(トーリーメイト) シマカノコガイ 1匹

コケ取り生体として導入されることの多い貝類は、バランスドアクアリウムでも有効です。

バランスドアクアリウムでは、水を浄化して酸素を生み出す水草の働きが非常に重要なため、光を遮る可能性があるコケはしっかり除去していきたいところ。
貝類は、水草の葉や水槽のガラス面に付着したコケを食べてくれるので、エビ類と組み合わせて入れることで水槽全体のコケ対策になります。

ただ、貝類は品種によっては水槽内で簡単に繁殖してしまうため、増えにくい品種を選ぶのが良いでしょう。
例えばシマカノコガイは、汽水域でしか繁殖しないので安心して飼育ができます。

とはいえ、繁殖力が高い貝類ですのでバランスドアクアリウムでは、念のため1匹の飼育に留めておくのがおすすめです。

陰性水草

(水草)アヌビアス ナナ ゴールデン ミニ (1株) 大きくならないプチタイプ イイ水草市場

水を浄化したり水中に酸素を生み出したりする水草は、バランスドアクアリウムに必須です。

しかし、こちらもたくさん入れ過ぎるとバランスが保てないので、成長がゆっくりで量が調整しやすい陰性水草を選んで導入するのが良いでしょう。
中でも、ウィローモスアヌビアス・パンゴリーノアヌビアス・ナナミニなどの小さくて伸びすぎない品種が特におすすめです。

反対に葉が柔らかくて生き物に食べられてしまいやすい水草は、あまり向いていません。
葉が無くなってしまうと光合成が滞り、水中のバランスを崩してしまうからです。

バランスドアクアリウムでは、水草の量もバランスを保つための重要な要素ですので、枯れたり食べられたりしていないか、よく確認しましょう。

水槽を放置したらどうなる?


普通の水槽も放置したら、バランスドアクアリウムになるのか?」と疑問を抱く方もいると思います。

結論からいうと、残念ながらろ過フィルターを使用した一般的なアクアリウムを放置しても、バランスドアクアリウムにはなりません

たくさんの熱帯魚を飼育するのが主流のアクアリウム水槽では、水中に自然発生する微生物だけでは食料が足りず、餌やりの量が増えますし、フンの量も多くバクテリアだけでは処理しきれない可能性があります。
また、鑑賞に特化した開口部の広い四角い水槽は、水が蒸発しやすく水量が保てないのも難点です。

これらの理由から、通常の水槽でろ過フィルターの力を借りずに水質を保つのは不可能と考えられます。

バランスドアクアリウムを設置したいのであれば、やはりボトルアクアリウムなどの小さな容器に、先ほどご紹介したような状態を整えて挑戦するのがおすすめです。

まとめ:バランスドアクアリウムとは!掃除無しで飼育は可能?必要な物などを紹介


バランスドアクアリウムについて解説しました。

バランスドアクアリウムは水槽内に小さな生態系を作り上げる、まさに究極のアクアリウムと言えるでしょう。
自然が好き、生き物が好きなアクアリストにとっては、憧れの飼育形態ではないでしょうか。

しかし小さな水槽内でバランスを作り上げるのは、なかなか難しいのが正直なところ。まれに偶然成り立つ場合もありますが、基本的にはしっかりと準備を整えた上で挑戦してみるのが良いでしょう。

また、バランスドアクアリウムほどではありませんが、環境がよければ一般的な四角い水槽でもメンテナンスを最小限にした水槽を作り上げることは可能です。

ご自分に合った飼育スタイルで、アクアリウムを管理してみてください。

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執筆者 アクアガーデン

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