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水槽を放置するとどうなるのか!放置に強い水槽から処分方法も解説

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美しいアクアリウムを維持するためには、適切なメンテナンスが必須。とはいえ定期的な掃除には手間がかかるため、ときには面倒になってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、ついメンテナンスの手を抜いてしまいたくなるものです。中には、極力世話をせずに魚を飼いたいという方もいるかもしれません。

また、生体がいなくなった水槽を片付けていなかったり、事情があって水槽に手を掛けることが出来無くなってしまったりなど、水槽を放置せざる負えない事態になることも考えられます。

水槽は手をかけてあげることで健全な環境を保てると言われますが、ではお世話をせずに放置した場合はどのようなことが起こるのでしょうか

ここでは、メンテナンスをせずに水槽を放置した場合に起こることや放置してはいけない理由、不要になった水槽の処分方法を解説します。

プロアクアリストたちの意見をもとに水槽を放置するとどうなるのかを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

アクアリウムを続けていく上で、メンテナンスは欠かせない大切な作業です。
面倒だからとやらずに先延ばしにしてしまうと、水槽環境が悪化してせっかくの水景が崩壊してしまったり、最悪の場合、生き物が命を落としてしまりといった危険があるため、しっかり管理しましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽を放置するとどうなるのかを解説します。

水槽を放置するといけない理由


最初に結論から言ってしまうと、熱帯魚やメダカなどの飼育をメインとした室内水槽の場合、水槽を放置するのはよくありません
水量が限られた水槽のメンテナンスを放棄すると、あっという間に環境が悪くなって生き物が生きていけなくなってしまうからです。

ここでは、水槽を放置してはいけない理由ということで、

  • 水槽のメンテナンスを放棄する
  • 水槽設備を止めて放置する
  • 飼育をやめた水槽を放置する

3つのケースを想定しながら、それぞれどのような状況になるのか詳しく解説します。

水槽環境が崩壊する

水換えを始めとした飼育水のメンテナンスを止めると、当然のことながら水が汚れて水質が悪くなります

水の汚れには生き物に有害な物質が含まれているため、放置期間が長くなればなるほど魚たちが体調を崩したり死んでしまう確率も高まるでしょう。死骸をそのままにしておくと、さらに水質の悪化が加速していきます。

またろ過フィルターの稼働を停止した場合は、数日でフィルター内に残った水が腐ってしまうことも多いです。特にろ過槽が密閉された外部フィルターは顕著で、すぐに内部が酸欠になってバクテリアが死滅してしまいます。
このような状態のろ過フィルターに水をろ過する力はないので、水槽内の飼育水も悪くなる一方です。

ここまできてしまうと水槽を立て直すのは容易ではなく、リセットに近い方法を取らざる得ません。

ちなみに、水が悪くなると悪臭が漂うようになるため、飼育している人間にも少なからず影響が出ることも覚えておきましょう。

厄介なコケが生える

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ろ過フィルターを設置しているから水は汚れない、と考える方もいるかもしれませんが、実はこれも危険です。
ろ過フィルターを稼働したままメンテナンスをせずに放置すると、藍藻や糸状コケ、髭状コケなどの厄介なコケが生えやすくなります

藍藻はドロッとした見た目の汚らしいコケで、悪臭がする上に毒性もあることから水槽の厄介者として嫌われる存在です。主にリン酸塩を栄養として成長するため、水換えを怠っていてリン酸塩が溜まった水槽では、藍藻が発生しやすくなります

また、糸状コケや髭状コケにも注意が必要です。これらは頑固で取り除くのが難しい上にコケ特有の臭いがするため、鑑賞性や清潔さが失われる要因になります。

一度コケが繁茂した水槽は内部に胞子が蔓延しており、その後いくらコケを除去してもすぐに復活する傾向が強いです。コケの再発を防ぐには、水槽リセットが必要になることも少なくないため、ろ過フィルターを過信せず定期的なメンテナンスは行いましょう。

生体が病気になる

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水槽を放置して環境が悪化すると、中で飼育する生体も調子を崩します

まず水質が酸性に傾くため、金魚など弱アルカリ性や中性傾向を好む魚種には厳しい環境となるでしょう。
バクテリアの数が減るとフンなどの有機物の分解が滞り、そこからアンモニアが発生してアンモニア中毒を引き起こすことも。こうした中毒症状は生体が大量死する原因になります

また、このような不衛生な環境では病原菌の活動が活発になるため、水質の悪化でストレスを受けて免疫力が低下した個体が様々な病気に掛かりやすいです。

いずれにしろ、水槽の放置から起こる水質の悪化は生体の死亡リスクを格段に跳ね上げる危険があります

水垢がこびりつく

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水槽を放置するとどんどん水が蒸発していき、水槽に汚れがこびりついて取れなくなってしまいます

特に頑固なのが水中の養分などが固まって固着する水垢で、長い間放置したものになるとヘラでガシガシこすり落とす羽目になることも。アクリル水槽だと掃除の過程で傷がついてしまうため、固着してしまう前に落とすことが大切です。

また、生体がいなくなってしまった後に水槽の再利用や売却を考えている方は、残った水垢がネックになることがあります。一度付着すると落とすのに想像以上に手間がかかりますので、できるだけ水垢を付けないようこまめに足し水をして水位を保つことを心がけましょう。

屋外では害虫が沸くことも

屋外に設置してる水槽や余った水槽を屋外に放置しているような場合、適切に管理をしていないと害虫の温床になることがあります。
屋外の水が溜まった容器に湧く代表的な害虫が、ボウフラです。ボウフラは成長すると蚊の大量発生につながるため、しっかり処理をしておきましょう。

また水の入った水槽にゴミが溜まると、中で腐って水質の悪化を招いたり、悪臭を放ったりする点にも注意が必要です。

このような現象はビオトープで良く見るメダカ鉢やプラ舟でも起こることですので、生体の有無にかかわらず、飼育容器は放置せずに適切に管理するようにしてください。

放置に強い水槽


どんな水槽でも放置は良くありませんが、水槽レイアウトや飼育スタイルを工夫することで、メンテナンスの頻度を少なくすることは可能です。

ここでは、比較的手を掛けなくても水槽環境を維持できる放置に強い水槽をご紹介します。
メンテナンス不要とはいきませんが、少しでも手間を減らして飼育したいという方は参考にしてみてください。

水草水槽


水草は水中の硝酸塩を吸収してくれるため、水草をたくさんレイアウトした水槽は、あまり手を加えなくても水質が維持されやすい傾向があります。
生き物の飼育数が少なめだとなおのこと水質が悪化しにくく、水槽内の生体と水草のバランスが取れていれば、ある程度放置していても大丈夫なことが多いです。

また、水草水槽ではコケ対策でエビやオトシンクルスといった生体を入れていることが多いため、コケの発生を抑えやすく景観が崩れにくいのも利点でしょう。

ただし、水草の多い水槽は水換えを減らせる一方で、トリミングなどの水草の状態を維持するお世話が必要になる点は留意しておいてください。
必要以上に水草が繁茂した状態は、水流が滞って淀みを作り出したり、熱帯魚が充分に泳げなかったりといったトラブルを招く可能性があります。

どんな水槽でも、メンテナンスをゼロにするのはほぼ不可能です。適切なメンテナンスを行いながら、できる範囲で手間を減らす工夫をしましょう。

ビオトープ


魚を飼育スタイルの中で、最も放置に向いているのがビオトープです。

水草を始めとしたたくさんの水生植物を配置し、太陽光を十分に取り込めるビオトープは、自然に近い形の水質浄化サイクルを再現できるため、平時ならばたまに足し水をするぐらいで環境を維持できます。なんならあまり手を加えないほうが調子が良いことも多いです。

飼育できる生き物が限られてしまうという欠点はありますが、メダカをメインに、コケを食べてくれるヌマエビ類貝類を入れれば、十分賑やかな水景になります。屋外で育てる水生植物には花を咲かせるものも多いので、季節折々の情景を楽しめるのもポイントです。

ただし、屋外では、

  • 害虫や害獣の被害にあう可能性がある
  • 水温の変化で植物や生き物がダメージを受ける可能性がある

といった屋内とは違った危険がありますので、飼育環境に合わせた安全対策を心がけてください。
ちょっとした変化でビオトープの調子が急変することもありますので、放置をしていても状態の確認は怠らないようしましょう

水槽の処分方法


様々な理由でアクアリウムをやめた場合、使わなくなった水槽は速やかに片づけるのが最適です。
上記で解説した通り、使わなくなった水槽をそのまま放置していると水が腐って異臭がしたり、水垢が付いてしまったりと、良いことは何もありません

再利用する可能性があるときは、きれいに掃除をして良く乾かしてから日の当たらない場所に保管しておきます。

不要な場合は自治体のルールに従い処分するか、最近はリサイクルショップやフリマアプリで売却するのもおすすめです。
売却価格は水槽の状態で変動しますので、やはり日ごろから汚れが付かないようにしっかり手入れをしておくのが良いでしょう。

まとめ:水槽を放置するとどうなるのか!放置に強い水槽から処分方法も解説


水槽を放置するとどうなるのかや、放置に強い水槽について解説しました。

水槽を放置すると、

  • 水槽環境が崩壊する
  • 厄介なコケが生える
  • 生体が病気になる
  • 水垢がこびりつく
  • 害虫がわく

などの危険があります。どの状況においても良いことは一つもありませんので、やはり適切な管理は必要と言えるでしょう。

ただ、水草水槽やビオトープなど飼育スタイルによっては、メンテナンスの手間を軽減することが可能です。

水槽の放置は生き物の命にも関わります。一度飼育を始めたのであれば、責任をもって最後までしっかりお世話をしましょう。

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執筆者 アクアガーデン

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