

水槽のアク対処法!流木・ソイル・セメントから出るアクを抜く方法
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アクアリウムで起こるトラブルに多い水の濁り。
濁り方により原因が異なりますが、「メンテナンスをしているのに透明感が出ない」「水が茶色っぽく濁っている」という時は、アクが原因かもしれません。
水槽のアクは、流木やソイル、石などのレイアウトアイテムから成分が溶けだして発生することが大半で、水が濁って鑑賞性が低下するほか水質にも影響を及ぼすこともある、厄介な現象です。
放っておくと飼育する生き物にも影響が出てきますので、気づいたらしっかり対処しましょう。
また、アクはレイアウトを入れる前に適切な前処理を行うことで発生を予防できます。
今回のコラムでは、水槽に発生するアク対策について解説します。
アクの原因となるアイテムや、原因別に具体的な対処法をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに流木やソイルから出る水槽のアクの対処法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
流木やソイルから溶け出す成分が原因で水槽に濁りや水質の変化が現れるアクは、適切に対処することで状況の改善が可能です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、流木やソイルから出る水槽のアクの対処法を解説します。
水槽のアクとは
水槽のアクとは、水槽に配置したアクアリウム用の素材から溶けだす成分のうち、水を濁らせたり水質に思わぬ変化をもたらしたりするもののことを指します。
原因となるアイテムによって溶けだす成分は様々ですが、アクアリウムでは飼育水に不要な成分が溶け出した状態をまとめて「アクが出た」と表現することが多いです。
アクが発生した水槽は濁って水槽の鑑賞性が損なわれる上に、水質へ影響が出ると飼育している生体や水草にダメージを与える可能性があるため、放置せずにしっかり対処することが求められます。
アクの成分や飼育する生き物の種類によっては影響が大きいこともあるので注意が必要です。
水槽にアク・濁りが出る原因と対処法4つ
水槽のアクは、原因のアイテムや物質によって水槽に与える影響や対策が異なります。
一律で対処することはできないため、原因を特定し正しく対処しましょう。
ここでは、水槽アイテムの中でもアクの原因になりやすい
- 流木
- ソイル
- 石・砂利
- モルタル(セメント)
の4つについて、アクや濁りが出る原因と対処方法を解説します。
流木
水槽に入れるものの中でも特にアクが出やすいと言われるのが流木です。
流木は水槽にそのまま配置するのはもちろん、水草を活着させたりと使い勝手が良いアクアリウムアイテムですが、下処理をせずに配置してしまうと茶色い濁りや水質の変化をもたらすことがあります。
原因:流木に含まれる腐植酸が水中に溶け出している
流木から出るアクは、流木に含まれるタンニンやフミン酸などの腐植酸が水中に流出したもので、
- 飼育水が薄茶色に染まる
- 水質が弱酸性に傾きやすくなる
といった特徴があります。
タンニンや腐植酸を多く含んだ水は、いわゆるブラックウォーターと呼ばれるアマゾン川流域などでみられる水質ため、アマゾン川が原産のテトラ類ならば、そのままでも調子を良く飼育を続けることができるでしょう。
一方、濁りの影響で水中に届く光量が制限されるて水草の成長が滞ったり、中性以上を好む生体は体調を崩したりといった悪影響が出る点には注意が必要です。
対処法:活性炭やあく抜きパウダーを活用しよう
流木のアクは、水槽に入れる前に下処理をすることで水中への流出を軽減できます。
アク抜きの方法は、流木を購入してきたら30分~1時間ほど鍋で煮込むか、流木用のアク抜きパウダーや重曹を溶かした水に毎日水を換えながら数日から1週間程度、流木を浸けておくだけです。
いずれの方法でも、水に色が付かなくなるまで続けてください。
また、水槽に流出した流木のアクは水中に活性炭を入れておくと、アクの成分が活性炭に吸着されて簡単に除去できます。
ただし流木の性質上、導入前に処理をしてもアクを完全に除去することはできません。
下処理をした上で水槽に配置し、水に黄ばみが出てきたらその都度活性炭で対処するのがおすすめです。
また、水質への影響を考えると、中性~アルカリ性を好む生体を飼育する水槽には流木を使用しない方が安全と言えます。
ソイル
底砂に使用したソイルが原因で水が黒または白っぽく濁ることがあります。
この現象は厳密にはアクではありませんが、この濁りを取るのに苦心する方も多いはず。
ソイルが原因の濁りも、導入前にひと手間加えることで予防ができます。
原因:製造時の細かい粉が付着している
アクアリウム用に土を焼成して作られているソイルは、水中に入れてもアクのような不要な成分が流出することはありません。
では、なぜ水が濁るのかというと、ソイルの周りに付着している微細な粉が原因です。
この粉は製造時に付着したソイルの破片で、水中に入れたときに粉が舞って水が黒っぽく濁ることがあります。
製品にもよりますが、栄養系ソイルよりも吸着系ソイルのほうが粉が出にくいのか、濁りにくい傾向です。
対処法:導入前にふるいにかけてこまめに水換え
ソイルから出る濁りは、導入前にふるいにかけて表面についた粉やソイルのかけらを落とすことで予防できます。
水で洗浄すると使用前にソイルが崩れてしまう危険があるため、100円ショップで購入できる網や茶こしでふるいにかけるのがおすすめです。ただし、あまりに強くこするとソイルが傷ついて反対に水が濁りやすくなってしまうため、力加減には気を付けましょう。
また、ソイルが原因で水が濁ったとしても特に対処は必要なく、基本的にはしばらくそっとしておけばおさまることが多いです。舞っていた粉や欠片が落ちて汚れと一緒にろ過フィルターに吸い込まれます。
立ち上げ直後に濁りが発生した時は、濁りが取れてから生体を導入しましょう。
石・砂利
レイアウトで使用する石や砂利が濁りの原因になることもあります。
石や砂利には天然の素材であるがゆえに様々な汚れや不純物が付着しており、そのまま水槽に入れてしまうのはリスクが高めです。
安全に使用するために、洗浄をするといった基本の対策をしっかり行いましょう。
原因:石に付着した汚れや不純物
石や砂利などの自然素材には表面に細かな泥やほこり、有機物などが付着しており、そのまま水槽に入れてしまうと、微細な粒子が水に溶け出して白っぽい濁りを発生させます。
また、目に見えない微粒子を多く含む溶岩石など多孔質な素材では、洗浄不足が原因で泡のようなものが浮かぶケースも少なくありません。
野外で採取してきたものはもちろん、ショップで購入してきたものも未処理の場合は、水槽に入れる前に必ず洗浄をしましょう。
対処法:導入前に良く洗おう
石や砂利は、水槽に導入する前に必ず水道水で洗浄しましょう。
石はブラシでこすり洗いをします。多孔質な石は、水道ホースのジェット噴射を使用すると孔の中もしっかり洗浄できて安心です。ただ水の勢いが強すぎると、石が割れてしまうことがあるので力加減には注意してください。
砂利は水を張ったバケツで揉み洗いをします。水の濁りが無くなるまで水を換えながら耳洗いを繰り返しましょう。
洗浄が終わったら日光に当ててよく乾燥させてから、水槽に入れます。
モルタル(セメント)
モルタルは、擬岩や土台を自作するときに使われる素材ですが、しっかりアク抜きをしないと成分が水中に溶け出して水質の急変などを招くリスクがあります。
好みの形に成形できることから、モルタルを使って擬岩やレイアウトアイテムを自作する方が増えていますが、安全性を高めためにも正しい手順を踏んで作成しましょう。
原因:アルカリ性の成分が溶け出す
モルタル(セメント)をアク抜きせずに水中に入れると、アルカリ性の成分が溶けだしてpHを急激に上昇させてしまう危険があります。
pHが高くなると水草の生長が止まったり、弱酸性を好む熱帯魚やエビに悪影響が出たりする可能性があるため、注意が必要です。
対処法:あく抜き剤を使う
モルタルでアクアリウム用品を作るときは、必ず『アクアマリンソフト』などの専用のアク抜き剤で中和処理を行いましょう。
空気にさらしておくだけでもモルタルのアク抜きができますが、アイテムの形状や大きさによっては抜け切るまでにかなりの時間を要します。
また、本当に抜けたかを確認することが難しいため、アク抜き剤を使うのが確実です。
アク抜き剤の使用方法は商品によって異なりますので、パッケージなどに記載されている使用方法や注意点をよくご確認ください。
まとめ:水槽のアク対処法!流木・ソイル・セメントから出るアクを抜く方法
水槽のアクについて解説しました。
水槽に入れたアイテムが原因で濁りや水質の変化が起こることがあります。このようなアクは、原因に合わせた適切な処理を行うことで改善、除去が可能です。
アクの原因と対処法は、以下の通りです。
- 流木:煮沸もしくはアク抜き剤で下処理、アクが出たら活性炭で対策
- ソイル:使用前にふるいをかけ、落ち着くまで待機
- 石・砂利:導入前のしっかり洗浄するのがカギ
- モルタル:アク抜き剤による中和処理をする
どの素材でも、導入前の下処理を確実に実施することでアクを予防できます。
アクアリウムは、自然の素材を扱うからこそ、思わぬトラブルに見舞われることも多いです。
しかし、事前の準備とちょっとした知識があれば、誰でも透明で美しい水槽を手に入れることができます。
このコラムを参考に、理想のアクアリウムづくりに挑戦してみてください。
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