金魚の飼い方
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金魚と水流!水流のメリットと金魚飼育に最適な水流・作り方を解説

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古くから日本で親しまれている金魚は、丈夫で少ない機材で飼育ができることから初心者から楽しめる鑑賞魚として人気です。
しかし、一方で「なかなか飼育が軌道に乗らない」「すぐに体調をくずしてしまう」といったお悩みを抱かれやすいのも事実。

金魚は餌食いが良く丈夫な反面、酸欠に弱く水を汚しやすいという特徴があるため、適切な環境を維持していくことが一つの課題となります

そして、このような弱点を補う上で重要な役割を果たすのが水流です。
ヒレが長くて体が丸い金魚は水流を苦手としますが、まったく流れが無い環境だと酸欠や病気といったトラブルが発生します。
金魚に負担を掛けずに水槽全体をしっかり循環できるちょうど良い強さの水流を知っておきましょう。

今回は、金魚飼育における水流の役割やメリット、最適な水流の作り方をわかりやすく解説します。

プロアクアリストたちの意見をもとに金魚飼育に最適な水流とメリットを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

金魚の健康を守るためには、ちょうど良い水流の強さを調整することが非常に重要です。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚飼育に最適な水流とメリットを解説します。

金魚に最適な水流とは


品種にもよりますが、金魚は全般的に他の魚種に比べて泳ぎがあまり得意ではありません
しかし一方で、大食漢でフンが多く水を汚しやすい性質があることから、まったく流れの無い環境では汚れが溜まって病気になってしまう可能性も。

そのため、金魚飼育では環境の維持と金魚に掛かる負担のバランスをみながらちょうど良い水流を見つけることが重要です。

ここでは、金魚に最適な水流とはどんなものなのかを解説します。

金魚は強い水流が苦手

(国産金魚)和金ミックス 色指定無し(5匹)

泳ぎがあまり得意ではない金魚は、強い水流を受けるとストレスを感じやすいです。

そもそも金魚はフナをルーツに持つ野生には存在しない改良品種で、長い飼育の歴史の中で鑑賞性を重視する改良が繰り返されてきました。
その結果作出された長いヒレや丸く愛らしい胴体を持つ、琉金やらんちゅう、ピンポンパールなどは素早く泳ぐことができず、強い流れにさらされると水の抵抗を受けてバランスを崩してしまいます

原種のフナに近い和金やコメットなどの品種は金魚の中ではよく泳ぎますが、野生の魚に比べると遊泳力は劣ると考えたほうが良いでしょう。

このような特徴から多くの金魚は、水流が強い環境では泳ぐこと自体がストレスとなり、無駄な体力を消耗しがちです。
無理な流れの中で飼育をすると、餌をうまく食べられない、レイアウトに触れて傷つくなど、様々なトラブルに見舞われる可能性もあります。

金魚飼育では穏やかな水流が最適

金魚を飼育する水槽では、穏やかで水槽全体に広がるような流れを意識しましょう。

一般的な一定方向に強く流れる川のような水流ではなく、水槽の中央に投げ込み式フィルターを設置した時に生じる、気泡が広がっていくようなイメージです。
このような柔らかな流れならば、ヒレの長い種類や丸みのある金魚でも無理なく泳ぐことができます。

金魚飼育で投げ込み式や直立タイプのスポンジフィルターがよく採用されるのは、程よい水流を起こせる点も支持される理由となっています。

金魚飼育で水流を作るメリット


金魚の好む穏かな水流を作り出すには、ろ過フィルターに工夫をしなければならないこともあり、少し手間に感じるかもしれません。

しかし、程よい水流が生み出すメリットは非常に豊富なため、挑戦してみる価値は十分にあるといえます。

ここでは、金魚飼育で水流を作るメリットを解説します。

活性・代謝を上げられる

水流がもたらすメリットとして、金魚の活性や代謝が上がり健康を維持しやすくなるというものがあります。

素早く泳ぐのは苦手な金魚ですが、だからと言って底でじっとしているような魚種ではありません。健康的な個体ならば、ゆったりとマイペースに水槽の中を遊泳します。
さらに流れの無い止水環境よりは程よい水流がある環境の方が活発になるため、運動を促す意味でも水流は必要です。

餌をよく食べてしっかり運動をした個体は、健康的で美しい理想の体型に育ちやすくなります。体形の整った金魚が良く泳ぐ光景は、鑑賞性も高いです。
また、適度な運動でストレスが発散できるので、病気への耐性も高まるでしょう。

水槽内の淀みを防げる

水流がもたらすメリットの二つ目が、淀みの解消です。

水槽にできる淀みとは、水流がうまく届かず汚れが溜まる場所のこと。
このような場所は他に比べて酸素が行き届きづらくなり、悪臭や水質悪化の原因となる嫌気性バクテリアや病気の原因となるエロモナス菌を始めとした細菌が増殖して、様々な水槽トラブルを引き起こします。

一方全体を水流がしっかり循環する水槽では、新鮮な酸素が豊富で清潔な環境が保たれるため、水をろ過するバクテリアが活性化して水質が安定しやすいです。
特に金魚のような水を汚しやすい魚を飼育している水槽では、淀みの問題が大きくなりやすいため、水流を使って水槽を清潔に保つことを意識しましょう。

酸素供給がしやすくなる

水流は水中に酸素を運び、酸欠を予防してくれます

金魚水槽で使用されるろ過フィルターの多くは、エアーポンプに接続して使用するエアーリフト式で、酸素供給能力に優れているのが特徴です。
また、水流が水面を揺らすことで空気中からも酸素を取り込めます

身体に厚みがある金魚は、同サイズの他の魚種よりも多く酸素を必要とする魚で、特に夏場の高水温になりやすい季節は、水温の上昇とともに溶存酸素量が少なくなりやすいです。そのため適度な水流を起こして、金魚の呼吸を手助けしましょう。

また、金魚が水面近くで口をパクパクする鼻上げ行動が頻繁に見られるのは、酸素が不足しているサインです。
この状態が長く続くと金魚が弱って死んでしまうこともあるため、エアレーションなどを使って早急に環境を改善してください

金魚水槽に最適な水流の作り方


最後に、金魚水槽に最適な水流の作り方をご紹介します。

金魚向けの水流も、ほかの魚の飼育と同じくろ過フィルターを使って起こすのが基本です。
金魚の特性に合わせた穏やかな水流になるよう、飼育容器の形や大きさに合わせたろ過フィルターを選定しましょう。

水槽の大きさに合わせたろ過フィルターを選ぶ

水作エイト コア M

金魚におすすめのろ過フィルターは、

  • 投げ込み式フィルター
  • スポンジフィルター
  • 上部フィルター

3種類です。

投げ込み式スポンジフィルターは先ほどもご紹介した通り、エアーポンプに接続して使用する酸素供給力の高さが魅力。ろ過能力は控えめですが取扱いが簡単で、金魚が好む広がるような水流を再現できるので、金魚の品種を問わず使用することができます

上部フィルターは大きなろ過槽を備えていて、ろ材をたくさんセットできるのが最大のメリットといえます。
セットするろ材を工夫すればろ過能力を大幅に向上させることができますし、水槽の上部から水を落水させて水槽に戻す構造で酸素をたくさん取り込むことができる点も金魚水槽にぴったりです。
ただ、投げ込み式やスポンジフィルターと比べると水流が強めなので、どちらかといえば和金やコメットなどの遊泳力が高めの金魚向けと言えるでしょう。

もう少し穏やかなろ過フィルターをお求めの時は、外掛け式フィルターを検討してみるのも方法です。

いずれのろ過フィルターを使用する場合でも、水槽のサイズや水量に合わせた製品を選ぶことを必ず意識してください。

優しい水流が求められる金魚水槽では、ろ過能力を重視し過ぎると水流が合わなくなってしまいがちです。
とはいえ、弱すぎると水が水槽内を循環しないため、水槽サイズを考えながら慎重に機種を選定しましょう。

また、複数の水槽を運用する場合はエアーポンプを分岐して、それぞれに適度な水流を作り出す方法もおすすめです。

開口部の広い飼育容器がおすすめ

赤長 DIYトロ舟 ブラック 60L 約410×715×207mm

開口部が広く大きな飼育容器の方が、金魚に向いた穏やかな水流を作りやすいです。

金魚飼育と言えば金魚鉢を思い浮かべる方も多いかと思いますが、このような底が広く上部に向かってすぼんでいくような形状は、水流を起こしたときに水面付近に流れが集中して水流が強くなりやすく、金魚に負担を掛けてしまいます。また、全体に均等に水が行き渡らないのもデメリットです。

一方、一般的な四角い水槽やトロ舟といった開口部が広い容器は、水の流れが分散されて水流をマイルドに調整しやすい構造になっています。

泳ぎが苦手な琉金やピンポンパール、らんちゅうなどの品種を飼育する場合は、さらに、水深が浅い容器を選ぶのもポイントです。

番外編:飼育水をかけ流す(新水垂れ流し式)

マーフィード 観賞魚用浄水器 スタンダードクラシック

酸素をたっぷり含んだ新しい水を好む金魚にぴったりの管理法として注目されているのが、新水垂れ流し式です。

これは、『スタンダード・クラシック』などの水槽用浄水器を使って不純物を除去した水を少量ずつ水槽に供給し続ける方法で、常に新鮮な水が供給され続けるためアンモニアや硝酸塩などの有害物質が溜まりづらくなり、きれいな水質を維持しやすくなります
古くなった飼育水は配管を通して排水溝に直接排水するため、水換えの頻度を下げることができるのもメリット。

ただ、この仕組みを成り立たせるためには、蛇口から水槽用浄水器を通って水槽に水を送り続けるルートの確保と排水用の配管加工が必須で、屋外飼育でトロ舟に配管加工を施すか、室内ではオーバーフロー水槽(排水フロー菅を付けた水槽)を用いて設備を整えるのが一般的です。
また、別途エアレーションや投げ込み式フィルターを設置して、酸素供給を補助する必要があります。

給水や排水の仕組みを整えたり、浄水器の購入費用は水道代でコストがかかったりと、気軽に導入できる方式ではありませんが、本格的な金魚飼育を目指すならば検討してみる価値は十分にあるでしょう。


まとめ:金魚と水流!水流のメリットと金魚飼育に最適な水流・作り方を解説


金魚飼育に最適な水流や、水流の起こし方について解説しました。

身体が丸くヒレが長い金魚を飼育には、金魚に負担をかけない優しい水流が最適です。

強い水流は金魚に大きなストレスを掛けるばかりか、ケガや体調不良の原因となることも。
だからと言って止水状態では、病気の蔓延や酸欠、水質の悪化を引き起こすリスクが高まるため、何らかの形で水流を作ることをおすすめします。

程よい強さの水流は金魚の運動量を増やし、病気の予防や水質の安定、酸素供給の強化など健康を維持する手助けになるでしょう。

適切なフィルターや容器を選び、無理なく水流をコントロールしてあげることで、金魚にとって快適な飼育環境を作り出せます。
これを機に、金魚が元気に泳ぐ”ちょうど良い流れ”を意識してみてください。

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執筆者 アクアガーデン

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