グラミーの飼育方法!種類、混泳、エサなど初心者向けの知識をご紹介
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グラミーは南アジアから東南アジアにかけて分布している熱帯魚で、古くからアクアリウムの世界で親しまれてきました。
アンテナと呼ばれる長く伸長する腹ビレがトレードマークで、これを使って底砂や周囲を探る仕草はとても可愛らしく見ていて飽きることがありません。
今日までに様々な改良品種が作出されており、品種がとても豊富です。
体色が鮮やかなものが多く、水草水槽などでグラミーだけを飼育しても見ごたえのあるアクアリウムに仕上がります。また、品種にもよりますが、基本的に水質の変化に強く丈夫で、混泳もできて飼育しやすいため、初心者にもおすすめの熱帯魚です。
ここではそんなグラミーの、特徴や代表的な品種から、餌や飼育環境などまで、魅力を余すことなく解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにグラミーの飼育方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
アンテナを使った可愛らしい仕草と、種類の豊富さからアクアリストに親しまれているグラミー。
代表的な品種は、丈夫で飼育がしやすく、混泳なども可能なため初心者の方でも楽しめる熱帯魚です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、グラミーの飼育方法を解説します。
グラミーとはどのような熱帯魚か?
まずはグラミーの基本情報についてご紹介していきましょう。
特徴
グラミーはスズキ目オスフロネムス科に分類される淡水魚の総称です。南アジアから東南アジアにかけて幅広く分布しており、流れが緩やかな河川や湖沼、中には汽水域で見られる品種もいます。
魚体は楕円形で強く側扁しており、アンテナと呼ばれる細長い腹ビレを持つことが共通の特徴です。このアンテナはいわゆる触覚のような役割をする器官で、底砂や周囲を探ったり仲間同士でコミュニケーションを取るのに使われます。
またグラミーは、ラビリンス器官と呼ばれる呼吸器を持つ魚としても有名です。ベタなどの観賞魚にも備わっているこの器官は、水中のみならず空気中からも酸素を取り込むことができる呼吸器で、これを持つ魚は総じて酸欠に強い傾向にあります。
体長は品種によって大きく異なり、4cm程度の小型のものから1m近くにまで成長する大型のものまで様々ですが、観賞魚として流通しているのは、4~12cm程度の飼育しやすいサイズのものです。
古くから観賞魚として親しまれ、品種改良も盛んに行われてきました。現在では、主に東南アジアでブリードされた個体が輸入されているので、安価な個体は1匹あたり数百円で入手が可能です。食性は何でも口にする雑食性で、寿命は3~5年ほどの品種が多いです。
種類
古くから多くのアクアリストに親しまれてきたグラミーは、品種改良も盛んにおこなわれた結果、現在はたくさんの品種が流通しています。
ここでは、以下の6系統に分けて、それぞれの品種の特徴や魅力をご紹介します。
- ドワーフグラミー系
- ハニー・ドワーフグラミー系
- ブルー・グラミー系
- パール・グラミー系
- ピグミー・グラミー
- ジャイアント・グラミー(オスフロネムス・グラミー)
- 番外編1:キッシンググラミー
- 番外編2:バルーンタイプ
ドワーフグラミー系
パキスタンやインド、バングラデシュなど南アジアが原産のグラミーで、体長は最大でも6cm程度です。小型で水質にもうるさくないので、アクアリウムにおける定番種として、初心者からベテランまで多くのアクアリストに親しまれています。
主な品種としては、金属的な光沢がある青色が美しい『コバルト・ブルードワーフグラミー』や、赤色のグラデーションがきれいな『サンセット・ドワーフグラミー』などが知られています。
ハニー・ドワーフグラミー系
インドが原産のグラミーの1種で、体長は4cm程度と同種の中でも小型の品種です。丈夫で飼育しやすく、性格も大人しいため混泳相性が良く人気があります。
主な品種としては、黄色の体色を基調にヒレの一部が赤色に染まる『ゴールデンハニーレッド・ドワーフグラミー』や、褐色が基調で地味ながらも婚姻色が魅力的な『ハニー・ドワーフグラミー』など。ブリードされた個体だけでなく、ワイルド種も流通しています。
ブルー・グラミー系
ミャンマーから中国南部に分布している『スリースポット・グラミー』の改良品種で、体長は12cmほどに達します。古くから知られている最もポピュラーなグラミーの1つです。
主な品種としては、青色の体色を基調にマーブル模様が入る『マーブル・グラミー』や、黄色の体色を基調にマーブル模様が入る『ゴールデン・グラミー』などが挙げられます。
パール・グラミー系
マレー半島からスマトラ島、ボルネオ島にかけて分布しているグラミーで、体長は12cm程度です。全身に散らばる真珠色のスポット模様が美しい品種で、古くから親しまれているポピュラーなグラミーでもあります。
主な品種としては、原種である『パール・グラミー』の他に、パールグラミーのバルーンタイプ(ショートボディタイプ)である『バルーンパール・グラミー』が知られています。
ピグミー・グラミー
カンボジアからタイ、マレーシアにかけて分布しており、体長は最大でも4cm程度とグラミーの中でも小型の品種です。
灰色を基調とする体色のため派手さはありませんが、発色が良くなると金属質な光沢を放つようになるので、水草水槽に複数匹泳がせると見栄えがします。
ジャイアント・グラミー(オスフロネムス・グラミー)
マレー半島やインドネシアに分布しているグラミーです。ジャイアントの名を冠する通り、野性では成魚で体長1m近くにまで達することもある、グラミーの中で最大の品種です。
幼魚の頃の容姿は他の品種と大差ありませんが、成長するにつれ唇が分厚く突き出るようになり、頭部にもコブが張り出して独特な見た目になります。
流通量はそこまで多い品種ではありませんが、専門店でまれに幼魚が販売されていることがあります。しかし、飼育環境下でも70cmは優に超えるサイズまで成長しますので、最低でも180cmクラスの大型水槽が必須です。あまりの大きさに飼育しきれなくなるケースがあるので注意してください。
番外編1:キッシンググラミー
インドネシアやマレー半島に分布する、白~薄いピンク色をしたキッシンググラミーは、キスをする魚としてメディアに取り上げられることが多い熱帯魚です。
愛らしい体色も相まって愛情表現をしているのように見えますが、実はこのキスをするような仕草は、オス同士がケンカをする際に見られる行動。つまり、キスの観賞はキッシンググラミー同士をケンカさせることになるので、あまりおすすめできません。
水質にうるさくない品種の多いグラミーの中で、キッシンググラミーはやや神経質な部分があります。
また、気性が荒い面があり同種同士の混泳は小競り合いが絶えないので避けたほうが良いでしょう。他種では温和な性格の小型魚とならば、混泳できる場合があります。
20cmほどに育つ中型魚ですので、できれば90cm以上の水槽で飼育したい種類です。
番外編2:バルーンタイプ
通常のグラミーに比べて体長が短く、全体的にひし形のようなフォルムに成長するのが、バルーンタイプです。風船のように膨らんだ体がキュートで人気があります。
体長がずんぐりしているだけで、基本的な飼育方法は普通のグラミーとあまり変わりません。
『バルーンパール・グラミー』や『バルーンマーブル・グラミー』など各品種のバルーンタイプが流通しています。
グラミーの飼育法
続いては、グラミーの飼育方法についてです。
グラミーは基本的に飼育しやすい熱帯魚ですが、チョコレートグラミーなどの一部の品種は水質にやや敏感な面があるため、品種の特徴をよく確認してから飼育を始めてみてください。
ここでは、どの品種にも共通した基本的な飼育方法について解説します。
水温・水質
グラミーを飼育できる水温は23~28℃です。夏は冷却ファンやクーラーを、冬はヒーターを用意して水温を調節してください。クーラーなどの温調機器が故障すると致命的なので、予備機は必ず常備しておきましょう。
水質に関しては神経質になる必要はなく、pH6.0~7.5の弱酸性から中性を保てば問題ありません。
グラミー全体の傾向としては弱酸性の水質を好み、同pH帯で飼育すると発色が良くなることが知られています。
特に、チョコレートグラミーは水質にやや敏感な面があるため、できる限り弱酸性に近づけたほうが安定して飼育しやすいです。
水槽・フィルター
小型のグラミーのみを飼育するのであれば、30cmクラスの水槽から飼育が可能です。しかし、30cmクラスの水槽では入る水量が少なく、飼育環境の管理が難しくなることから、初心者の方には60cmクラスの水槽での飼育をおすすめします。
フィルターに関しては、グラミーはそれほど水を汚す熱帯魚ではないので、外掛け式やスポンジフィルターでも十分です。強い水流はグラミーのストレスになってしまうので、フィルターの排水には気を付けて設置してください。
エサ
グラミーは何でも食べる雑食性です。エサは人工飼料を中心に、たまにブラインシュリンプや冷凍イトミミズなどの生餌を与えると、栄養バランスも良くなって健全な成育が期待できます。
グラミーは上層から中層を泳ぐ魚種なので、人工飼料はゆっくりと沈下するタイプのものを選んでください。また、口が小さく大きなエサは上手く食べられないので、エサの大きさにも気を付けてください。
与え方は1日に1~2回、2~3分以内に食べきれるだけの分量を与えます。食べ残しが生じると水質の悪化が早くなるので、できるだけ取り除いておくと良いでしょう。
特に生餌は水を汚しやすいので注意してください。
混泳について
グラミーは温厚な性格の品種が多く、混泳が可能な熱帯魚です。
ここからは、グラミーの混泳や水草との相性について解説します。
熱帯魚との混泳
グラミーは基本的には大人しく、混泳相性は良い傾向にある熱帯魚です。しかし、同種同士では縄張りを主張して、小競り合いをする場合があります。
小競り合いが起きても大きな問題に発展するケースは希ですが、頻発するようでしたら水草などを導入して隠れ家を作ると良いでしょう。
特にキッシンググラミーは気性が荒いため、同種同士の混泳には注意してください。
他の魚種に関しては、グラミーを攻撃してこない魚であれば混泳は可能です。混泳相性が良い魚種の例としては、小型のカラシンやプラティ、コリドラスやオトシンなどが挙げられます。
ただし、チョコレートグラミーは他のグラミーに比べて臆病な性格の上に、泳ぐのもあまり得意ではないため、単独飼育がおすすめです。
水草水槽にもおすすめ
グラミーは勢いよく泳ぐ魚種ではなく、弱酸性の水質を好むので、水草との相性も良好です。水草水槽に導入する場合は60cm以上の水槽で飼育し、フィルターは外部式を用いると管理が楽になります。
特に相性が悪い水草の品種はありませんが、初心者におすすめできる水草としては、アマゾンソードやミクロソリウム、アヌビアスナナなどが挙げられます。
繁殖について
グラミーは水槽内でも産卵までは容易にたどり着けます。しかし、他の魚種と比較して稚魚がかなり小さく、初期飼料が難しいため繁殖難易度は高いとされています。
ここでは泡巣を作る種類を例に、繁殖法をご紹介します。
産卵について
グラミーの繁殖を考えている場合は、まず、オスとメスを用意する必要があります。オスメスの見分け方ですが、オスは繁殖期になると体が鮮やかな婚姻色を示し、メスよりも発色が良くなるので、体色を目安に判別しましょう。
次に産卵についてです。グラミーは泡巣を作りそこで産卵・ふ化を行う性質があるので、泡巣を作りやすいようにウォータースプライトなどの浮き草を入れてあげます。
後は飼育に適した水質や水温を保つことで、ペアができて交尾を行い産卵に進みます。
孵化について
メスが産み落とした卵はオスが咥えて泡巣へと運びます。その後、ヒレで新鮮な水を送るなどして自ら世話をしてくれますので、この時期に飼育者が特別何かをする必要はありません。
ただし、親魚や別の個体による食卵が見られるようでしたら、泡巣を飼育水ごと掬い上げるようにして別の容器に隔離してください。
稚魚の世話
卵は1~2日後にふ化し、稚魚が誕生します。誕生直後の稚魚はまだ目と口が開いておらず、自由に遊泳することもできません。
この時期は泡巣内に留まって卵黄嚢の栄養で成長するので、エサは与えなくても大丈夫です。
エサを与えるタイミングは、自由に泳げるまでに成長してからです。また、この頃になると泡巣から出てくるので、稚魚の安全を考慮すると隔離した方が良いでしょう。先に述べましたがグラミーの稚魚はかなり小さいので、ブラインシュリンプでも大きすぎて食べることができません。
エサはインフゾリアやメダカ用に販売されているゾウリムシなどを用意してください。細かくすり潰した人工飼料を食べるようでしたら与えても良いですが、動物質のものを与えた方が成長が早く、死亡率が高い時期を早期に抜けられます。
順調に成長すれば1週間以内にブラインシュリンプを捕食できるまでに大きくなるので、以降はブラインシュリンプを中心に与えると良いでしょう。
まとめ:グラミーの飼育方法!種類、混泳、エサなど初心者向けの知識をご紹介
今回は、グラミーの特徴や代表的な品種から、餌や飼育環境などについてを解説しました。
グラミーは、古くから親しまれてきたアクアリウムの定番種で、青色や赤色、黄色など観賞価値を高めた色鮮やかな種類が数多く流通しています。
基本的に水質にうるさいこともないので、初心者でもチャレンジしやすい熱帯魚です。
同種同士で小競り合いをすることがありますが、多くの品種は混泳相性も良好ですし、水草との相性も抜群なので、見ごたえのあるアクアリウムを目指すならば、ぜひ飼育してみたい魚でもあります。
これからアクアリウムを始めようとしている方は、グラミーの飼育からチャレンジしてはいかがでしょうか。
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