アカハライモリを飼育しよう!おすすめ飼育環境から病気・繁殖について
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アカハライモリは、鮮やかな赤い腹部が特徴的な日本在来の両生類です。
小さくて飼育が容易なことから、ペットとしての人気も高まっています。
そして、見た目以上に強健で、再生力も高く寿命も長いなど、長く飼育できる生体としても注目されています。
このコラムでは、アカハライモリの飼育方法について、飼育環境や、餌、繁殖方法までを詳しく解説します。
アクアリウム初心者が飼育するうえで知っておきたいポイントを紹介します。
目次
アカハライモリの飼育方法
アカハライモリは小型の両生類なので、それほど大きな飼育水槽でなくても飼育可能です。
しかし、生餌を好むことから飼育水を汚しやすく、清潔な環境を維持するために、水換えなどはしっかり行う必要があります。
飼育ケースの選び方
アカハライモリは脱走が得意なので、必ずフタの付いた飼育容器を採用しましょう。
フタ付きのプラケースの他に、爬虫類用のメッシュ付きフタも向いています。
水槽サイズは40~45cm以上がおすすめで、目安としてはW45×D30×H30cmサイズで2~4匹のアカハライモリを飼育できます。
しかし、ケンカをすることがあるので慣れないうちは1匹で飼育するのがおすすめな生き物と言えるでしょう。
アカハライモリの体長は最大で約10~13cmほどですが、うまく飼育すれば約20年程度生きる長寿な生き物ですので、水槽は丈夫なガラス製が良いです。
イモリ自体に照明は必要ありませんが、照明を設置すると鑑賞性が上がり、水草育成にも良い効果があります。
得意な水温は20~25度程度で、30度以上の高水温になると弱ります。
そのため、長期飼育する場合は、保温機材があると良いでしょう。夏場は水槽用クーラーを使用するかエアコンのきいた場所で飼育してあげましょう。
アカハライモリ水槽のレイアウト
アカハライモリの飼育環境には、水辺部分の他に岩などで陸地部分をつくってやります。
特に、強い水流が苦手な為、ろ過フィルターを付ける場合は休憩場所として必ず陸地を作りましょう。
その他に、水草や隠れ場所となる流木を配置すると、落ち着いて飼育できます。
水草はウィローモスやアナカリスが特におすすめです。
アナカリスは茎に程よい強さがありアカハライモリの水槽に向いているのです。また成長力が旺盛なことから水質浄化作用もある程度期待できます。
もちろん、成長速度が速い水草として有名なマツモとの相性も抜群です。
底砂には目の細かい川砂や、水質に影響を与えない玉砂利などが向いています。
また、水質維持を目的として吸着系ソイルが採用されることもあります。ろ過フィルターのパワーなどを考えて選定しましょう。
アカハライモリの水換え
アカハライモリは水を汚しやすいです。
というのも、餌として生餌や冷凍赤虫を好むためです。そしてアカハライモリ自体も清潔な水を好むため、掃除は欠かせません。
汚れた水で飼育していると、皮膚炎を起こすことがあるので注意が必要です。
水量とろ過フィルターのパワーによりますが、1週間に1回~2週間に1回は半~全換水を行います。
基本的には、水の汚れ具合を観察して水換えを行うといった方法がおすすめです。水の汚れは餌による影響が強いため、餌を与える量や水槽ごとに最適なペースが異なります。
水が濁ったり臭う場合はこまめに水換えを行いましょう。
飼育水には必ず、カルキ抜きした水を使用し、水槽内の水と同じ水温に調整してから注ぎます。
アカハライモリの餌
アカハライモリは肉食性の両生類です。野生では小魚やエビ、昆虫、オタマジャクシなどを食べています。
飼育下では、冷凍赤虫やイトミミズなどをメインに与えて飼育することが多いです。餌用メダカなども喜んで食べます。
人工飼料も食べることがあり、イモリ用の餌やウーパールーパーの餌などが良いです。
餌やりの頻度は、アカハライモリのサイズに応じて変わります。
- 幼体:1日1回、週4回以上
- 成体:1日1回、週2~3回ほど
成長過程にある個体には多めに餌を与えることで健康に育てることができます。
人工飼料ではなく、活餌を与える場合はバリエーションを持たせるのが良いです。
例えば、冷凍赤虫+小型魚といったように、異なる餌を組み合わせます。
餌の量や種類によって、イモリの活動量や体色に変化が見られることがあります。
飼育者はイモリの様子を観察し、最適な餌を見つけることが重要と言えるでしょう。
アカハライモリの繁殖方法
アカハライモリは自宅でも比較的簡単に繁殖させることができます。
繁殖は簡単!
アカハライモリは繁殖が容易なイモリです。
適切な環境と飼育管理が行われていれば、自然と繁殖行動を行うことがあります。
春から夏にかけてが繁殖期で、この時期に水温を25度程度の温かめに保つことが重要です。
オスは青紫色の婚姻色を発色し、メスを誘引する独特の繁殖行動をとります。
繁殖を促進するためには、ペアを成立させるために複数のイモリを飼育することが大切です。
また、産卵のために餌の頻度を上げ、体力をつけさせましょう。
産卵と育成
アカハライモリの卵は、野生では落ち葉などに1個ずつ産み付けますが、飼育下では水草で包み込むように産むことが多いです。
飼育下での産卵を成功させるのに大切なことは、水草などの産卵場所を提供し、水質や温度を一定に保つことです。
孵化した幼生は、初めはオタマジャクシやウーパールーパーに似た形態で水生生物として過ごします。
幼体は主に水中で生活するため、成体以上に水質管理に気を配りましょう。
餌は、ブラインシュリンプを与えます。
成長とともに徐々に陸に上がり、変態をとげます。
陸に上がれるようになれば、成体と同じ冷凍赤虫などの餌を食べることが可能になるので、餌の大きさに注意しながら、なるべく細かくして与えるようにしましょう。
アカハライモリの病気・多い死因
怪我をしても再生するなど、強靭な生命力をもつアカハライモリですが、生き物ですので当然弱ったり病気になることもあります。
ここでは、アカハライモリの病気やよくある死因を解説します。
脱走して乾燥してしまう
非常に脱走が得意な生き物であるアカハライモリは、水槽の外に出たものの、そのまま乾燥して死んでしまうことがあります。
蓋に隙間は作らず、できればかっちりと嵌め込める爬虫類用のフタがおすすめです。
餌の与えすぎや拒食
餌を与えすぎると消化不良や肥満になることがあります。成長具合を確認しながら餌の頻度を下げていき、与えすぎを防ぎましょう。
また、反対に餌を食べなくなり餓死してしまうことも。
拒食になった場合は種類の違う生餌など、いつもと違った餌を与えると食べるようになることがあります。
水カビ病
アカハライモリは非常に自己治癒力が高く、ちょっとした怪我で弱ることはほとんどありません。
しかし、飼育水の水質が悪化していると、傷口に真菌がつき、白い綿のようなカビが生えてしまうことがあります。
これが『水カビ病』です。
水カビ病になってしまったら隔離し、こまめに水換えしながら清潔な飼育水を維持して様子を見ましょう。
また、水辺を減らして陸地にいる時間を増やしてやるのも良いです。
重度の場合や水換えで治らない場合には、薄めのアグテンなどで薬浴させますが、イモリは薬に弱いので最終的な手段と考えるのが良いです。
また、水カビ病の薬として有名な『メチレンブルー』はアカハライモリと相性が悪いので、使用しないようにしましょう。
脱皮不全
アカハライモリは定期的に脱皮を行います。
しかし、飼育環境が良くないと脱皮を途中でやめたりうまく終わらないことがあります。
脱皮不全になると、皮膚呼吸が妨げられ死んでしまうことがあるため要注意です。
対策として水辺をしっかり設けることと、体をこすりつけられる岩や素焼きのアイテムを導入するのがおすすめです。
ツボカビ病
イモリがかかる重篤な病気として『ツボカビ病』があります。
脚がはれたり皮膚炎を発症したりして、最終的には弱って死んでしまいます。
ツボカビ病は必ずかかるものではありませんが、発症すると致死性の高い病気です。
動きがおかしい場合は、獣医師に相談しましょう。
アカハライモリの魅力と楽しみ方
アカハライモリはその名の通りに、赤いお腹が特徴ですが、赤い範囲や模様が個体に行って若干異なります。
ペットショップやオークションで変わった模様のアカハライモリを探すのも、楽しみの一つです。
そして、アカハライモリ飼育で一度は挑戦したいのが「イモリウム」です。
これは、イモリのための美しく快適な水槽環境を作り上げることを指す言葉で、アクアテラリウムを作り自然に近い飼育環境を再現します。
イモリウムは陸地にも植物や苔をレイアウトした美しい水景が楽しめ、鑑賞性が非常に高いものです。
もちろん、脱走しないようにフタはしっかりとする必要がありますが、イモリ飼育の楽しみをぐっと広げるものと言えるでしょう。
アカハライモリ飼育の注意点
テトロドトキシンはフグの毒と同じもので、きわめて強力な毒性を持ちます。
とはいえ、イモリが持っているのはフグほどに強烈な量ではないため、普通に飼育している限りは何の問題もありません。
しかし、アカハライモリに触ったり、水槽をメンテナンスしたりした後は必ず石鹸で手を洗いましょう。
まとめ:アカハライモリを飼育しよう!おすすめ飼育環境から繁殖について
アカハライモリは、その美しい体色や長い寿命、丈夫さなど、多くの魅力があります。
アカハライモリは非常に長生きする生き物ですので、適切な環境のもとで愛情を込めて育てれば、長く付き合うことができるでしょう。
これから始める方も、既に飼育されている方も、アカハライモリとの生活をより一層楽しんでください。
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