オスカーとは!特徴から飼育方法・種類・混泳について解説します
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オスカーは別名”アストロノータス”とも呼ばれる、中型のアメリカンシクリッドです。
南米やペルー、ブラジルなどを流れるアマゾン川水系に生息しており、変化に富んだ体色や、見た目に反して人懐っこい仕草を見せてくれる愛嬌の良さから、古くから観賞魚として親しまれています。
日本ではアロワナのタンクメイトというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
中型の肉食魚なので飼育には大きめの水槽とろ過フィルターが必要ですが、水質にうるさいことが無く飼育がしやすいので、中型熱帯魚の入門種としてもおすすめです。
今回のコラムでは、中型肉食魚のオスカーについて、特徴や主な種類、飼育方法などをご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにオスカーの種類や飼育方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
オスカーは、肉食魚らしいワイルドな体色に個性的な模様が入るとても見応えがある熱帯魚です。
丈夫で比較的飼育がしやすいので、中型肉食魚の入門種として親しまれています。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、オスカーの種類や飼育方法を解説します。
オスカーとは
オスカー(アストロノータス)は、スズキ目シクリッド科アストロノータス属に分類される淡水魚です。
英名である”オスカー”の名で広く認知されており、その美しさと迫力を兼ね備えた独特の風貌から、長い間鑑賞用の魚として親しまれてきました。
南米のブラジル・ペルー・コロンビアを流れるアマゾン川流域に分布するアメリカンシクリッドの1種で、流れが穏やかな浅場を好んで生息します。
体の大きな中型肉食魚
体長は最大で30~40cm前後と中型魚の中でも大きめです。魚体は強く側扁した楕円形で、大きな背ビレや尻ビレ、尾ビレが実際のサイズよりも身体を大きく見せてくれます。
個体ごとに体色や模様の入り方にバリエーションがあって、コレクション性が高いことも人気の理由です。
食性は肉食で、野生では水生昆虫や小魚、甲殻類などを好んで捕食しますが、餌食いがかなり良いので飼育下では人工餌にもしっかり餌付いてくれます。
長寿で人懐っこい魚
寿命は10~20年ほどとかなり長生きです。
また、視力が良くとても賢いので、長く飼育を続けているうちに飼育者を覚えて近寄ってきてくれたり、餌をねだったりといったコミュニケーションを取れるようになることも。
肉食魚というと怖い魚と思われがちですが、オスカーは見かけによらず人懐っこくチャーミングで、ペットのような感覚で飼育ができるのが魅力です。
きちんと飼育すればかなり長い付き合いになるので、途中で手放すことにならないように、最後まで面倒を見られるかどうかよく考えてから飼育してください。
オスカーの主な品種
体色や模様の出方のバリエーションが豊富で品種改良も盛んなオスカーは、様々な特徴を持つ個体が品種として確立しています。
ここでは、流通しているオスカーの主な品種をご紹介します。
ワイルドオスカー
原種に近いワイルド個体は、改良品種のようなはっきりした派手さはないものの、野性味あふれる独特の渋さにファンが多く根強い人気があります。
基本的には黒色を基調に赤色や黄色の不規則な模様が入りますが、個体によっては暗緑色を帯びたり、尾ビレの付け根付近にオレンジ色で縁取られた黒斑が入るなどバリエーションが豊富です。
レッドオスカー
代表的な改良品種の一つで、黒色の体に赤色の斑点などの模様が強く出るのが特徴です。
赤味がさらに強く出るルビーレッドオスカーや、白地に赤色の模様が映えるアルビノレッドオスカーなど派生した品種も存在します。
タイガーオスカー
原種に近い黒っぽいベースに赤色やオレンジ色の模様が虎柄のように、細かく不規則に出る改良品種です。
本種にも赤みを強めたレッドタイガーオスカーなどの派生品種がいます。
アルビノオスカー
突然変異で生まれたアルビノ個体を固定化した品種で、他の生き物のアルビノと同様に白色の体と赤い目を持ちます。
アルビノ種はどの個体も通常種に比べて視力が弱めなので、給餌の際などは注意してください。
オスカーの飼育に必要な機材
オスカーの飼育に必要な機材は以下の通りです。
- 水槽・フタ
- ろ過フィルター・エアレーション
- 照明
- 水槽用ヒーター
ラインナップ自体は一般的な熱帯魚飼育と変わりませんが、肉食の中型魚ということで、大き目の水槽やろ過能力の高いハイスペックなろ過フィルターが必要となります。
水槽・フタ
最大で40cm程まで成長するオスカーを終生飼育するのに必要な水槽サイズは、90cm以上です。
単独飼育ならば奥行きが45cm以上の60cm水槽でも飼育することはできますが、肉食魚は水を汚しやすいので、水量を確保できる90cm水槽の方が水質が安定しやすく理想的でしょう。
またオスカーは力が強く、何かの拍子に水から飛び出してしまうことがあるため、丈夫なアクリル製のフタを必ず設置してください。
ろ過フィルター・エアレーション
先述の通り水を汚しやすいオスカーの飼育では、ハイパワーなろ過フィルターが求められます。
その点を考慮した上でおすすめなのが、メンテナンス性に優れた上部フィルタ―か、ろ過能力が非常に高いオーバーフロー水槽です。
上部フィルターはろ過槽が上部に露出しているため、ろ材やフィルターの掃除が簡単に行えてきれいな状態を維持しやすいです。
ろ過能力も高めで何より酸素供給力に優れているので、中~大型魚の飼育に最適。低価格で購入できるのも嬉しいです。
一方オーバーフロー水槽は、初期費用こそ高めですが、全ろ過システムの中でも最強クラスのろ過能力を備えており、肉食魚でもしっかり水質を維持できます。
殺菌灯や水槽用クーラーなど少し特殊な機材も状況に応じて設置できるので、長期飼育で起こるトラブルにも対応しやすいです。
ちなみに、ろ過能力の高さでいえば外部式フィルタ―も候補になりますが、肉食魚はフンなどの物理的汚れが多く、外部式フィルターだと目詰まりしてしまう危険があるため、ほかの二つに比べるとおすすめ度は低めです。
また、もしろ過フィルターのパワーが物足りないと感じるときは、投げ込み式フィルターの1種である『フィッシュレット』やエアレーションを併用すると水が汚れにくくなります。
照明
水槽用照明は水槽サイズに合わせたものを選びましょう。
色や波長に制限はないので、通常の熱帯魚用ライトで十分ですが、体色や柄に合わせて色味を選ぶとより美しい姿を鑑賞できます。
水槽用ヒーター
オスカーを飼育する上で、水温の維持はとても大切です。
一年を通して水槽用ヒーターを設置して保温をしましょう。
オスカーの飼育方法
続いてはオスカーの飼育方法について、向いている水質やレイアウト、メンテナンスのコツなどを項目ごとに詳しく解説します。
水温・水質
オスカーの飼育に適した水温は22~28℃前後です。
ただし、低水温では白点病が出やすいので、年間を通して25℃以上に保温すると健康を保ちやすくなります。
水質はpH6.0程度までの弱酸性から中性が最適です。
オスカーはどちらかといえば水質の変化に寛容で、急変さえ避ければ若干アルカリ性側に傾いても問題ないことが多いですが、本来は酸性での管理が望ましいでしょう。
ブラックウォーターで管理する場合
愛好家の中にはオスカーの飼育にブラックウォーターを活用する方もいます。
ブラックウォーターは流木などの植物から溶け出すフミン酸を多く含んだ飼育水で、茶色く色づくのが特徴です。アマゾン川流域に近い水質を再現しており、pHを弱酸性に保ちやすくなったり細菌類の繁殖を防いだりといった効果が期待できるほか、オスカーの色揚げにも最適なため上手に利用できれば飼育にかなり有益です。
しかし、一方でオスカー飼育ではブラックウォーターを良い状態に保つのにコツがいることも。
ブラックウォーターに多く含まれるタンニンが、水中の有機的な汚れであるたんぱく質に反応すると水を濁らせてしまうため、特に水を汚しやすい肉食魚飼育では管理にかなり気を使います。
オスカーをブラックウォーターで飼育する場合は、こまめに水換えをしたり、エアレーションを使って硝化バクテリアの活性を高めたりしながら、なるべくたんぱく質を溜めないように管理していくのが良いです。
餌について
オスカーの餌は肉食魚用の人工餌を中心に、アカムシや小赤などの活餌を併用しながらバランスよく与えていくことが大切です。
元々が肉食魚ですので活餌への反応は非常に良いですが、活餌を中心にしてしまうと水が汚れやすくなりますし、栄養が偏ってしまうため与える量にはくれぐれも注意しましょう。
特に、小赤はビタミン分解酵素である”サイアミナーゼ”を持っており、食べ過ぎると体内のビタミンB1を破壊してしまう危険があります。
その結果病気になるリスクが上昇するなどオスカーに悪影響が出るため、小赤を与える際は必ず他の餌と併用するようにしてください。
給餌は一日に2回、食べ残さない程度の量を目安に与えます。
餌の食べ残しが多いと水質の急変を招く恐れがありますので、食べ残しが生じた時は網などを使って素早く取り除きましょう。
水槽レイアウト
前述のように、オスカーは水水を汚しやすく活餌の食べ残しやフンなどの物理的汚れが多く出る魚のため、メンテナンスがしやすいよう底床材を敷かないベアタンクでの飼育が基本です。
水草を入れたい場合は、石や流木などに活着させた状態で導入すると良いでしょう。
またオスカーは強い水流が苦手なため、フィルターの排出口やエアレーションの配置には注意してください。
メンテナンスについて
水槽の環境維持のためには、定期的な水換えと水槽ならびに周辺機器の掃除が欠かせません。
水換えの頻度は飼育環境によって異なりますが、オスカーの場合は水質が悪化しやすいので週に1回が目安です。
水換えのタイミングで底に溜まったゴミや汚れをクリーナーポンプで吸い出したり、壁面のコケ掃除をしたりすると、時短になります。
またろ過フィルターについても、数ヶ月に一度は内部の状態を確認し、必要に応じて洗浄やろ材の交換を行ってください。オスカーのような大食漢な熱帯魚は、特にろ材が汚れやすいのでろ過フィルターのチェックも怠らないようにしましょう。
混泳には向いている?オスカーの混泳相性
肉食性の中型魚であるオスカーは、混泳できる魚がかなり限定されます。
比較的成功しやすいのは、
- アロワナ
- ポリプテルス
- プレコ
などの遊泳層が重ならず、品種が大きく異なる中~大型の魚種です。
特にプレコは水槽の底の方にいることが多いので、オスカーとはお互い干渉せずに上手に住み分けができます。ナマズの仲間で水槽内のコケを食べてきれいにしてくれるのもポイントが高いです。
一方混泳ができないのは、
- オスカーの口に入ってしまう小型魚や甲殻類
- オスカーと同じ中層を泳ぐ魚
- 種族の近いシクリッドの仲間
といった特長を持つ魚達。
オスカーと遊泳層が被る魚種はケンカになってしまう可能性が高く、特に同種を含むシクリッド類とは縄張り争いが起きやすいです。
幼魚期から3匹以上で混泳させたり、大きな水槽で同種を5匹以上飼育したりなどすれば混泳が成り立つ可能性もありますが、最終的には個体同士の相性に依存するため絶対に成功する保証はありません。
試す時は、トラブルになった時にいつでも隔離できるように準備をしてからチャレンジするようにしてください。
いずれの場合も、オスカーの混泳が難しいことに変わりありません。小競り合いなどが起きていないかよく様子を注視しながら慎重に混泳を進めましょう。
まとめ:オスカーとは!特徴から飼育方法・種類・混泳について解説します
このコラムでは、中型の肉食魚オスカーの特徴や飼育方法、混泳の有無などについて解説しました。
オスカーは体長30~40cmに達する中型魚で、体色や模様のバリエーションに富んだワイルドな見た目が魅力です。
頭が良く、飼育者を覚えたり餌をねだったりといった懐く魚としても知られており、ペットのような愛着を持って飼育ができます。
飼育には90cm以上の大きめの水槽とパワフルな設備が必要なため、この点ではややハードルが高めですが、デリケートな魚種ではないので飼育が軌道に乗れば比較的容易に長期飼育につなげられます。
中型魚の入門種としても優れているので、飼育する熱帯魚のスケールアップをお考えの方は、まずはオスカーの飼育に挑戦してはいかがでしょうか。
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