ベタを繁殖させたい!泡巣を作らないなどお悩みから餌などについて解説!
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熱帯魚の中でも飼育しやすいことから人気のベタ。
ベタを飼育している方の中には、「いつか自宅でもきれいなベタを繁殖させてみたい」と考えているかたも多いのではないでしょうか。
ベタは自宅での繁殖が可能な魚としても知られていますが、孵化や稚魚の飼育を安全に行なうには、次のようなポイントを意識する必要があります。
- オスとメスの相性をよく観察し、ペアリングに時間をかける
- 水槽内に水草や浮草を入れる
- 水槽のサイズや水温、照明などをきちんと管理する
このコラムではベタを繁殖させる方法や、繁殖の際のお悩み、稚魚の育て方について詳しく解説していきます。
今後ベタの繁殖を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
アクアリウムのプロが監修、ベタの繁殖方法について
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
東京アクアガーデンには5000件を超える水槽設置・管理実績の中で培った生体管理術があります。ベタを繁殖させる際には、時間をかけてペアリングをしたり、繁殖用水槽に水草を入れてやると、うまくいくケースが多いです。
繁殖させるための準備や雌雄を隔離するタイミング、稚魚の育成方法などについても解説していきますので、ベタの繁殖を検討中の方はぜひお役立てください。
ベタを繁殖させるメリット
まずはベタを繁殖させるメリットについてご紹介していきます。
一番のメリットとして挙げられるのが、自分好みの個体を作出できるという点です。
親魚のヒレの長さや体色によってあらゆる品種を出現させることができるため、品種改良を楽しめるというのがベタを繁殖させる大きな利点と言えます。
また、ベタは求愛行動から産卵、そして熱心に稚魚の世話をするオスの様子まで、非常に愛情深い繁殖過程を経て命を育みます。
そんな繁殖を手伝う私たちに、なんとも言えない感動を与えてくれるでしょう。
ある程度繁殖に慣れてきたら、健康な個体をオークションサイトで販売することも可能です。
ベタを繁殖させる方法
ベタはもともと攻撃性が高い魚です。
そしてそれは、繁殖期でも例外ではありません。
繁殖期のオスは普段にも増して気性が荒くなるため、同じ水槽に性格の合わないメスを入れてしまうと、追いかけ回して傷つけてしまうこともあるのです。
ベタの繁殖を狙うときは、ゆっくりと時間をかけてペアリングを行ない、ベタ同士の相性をしっかりと見極めましょう。
ベタの基本的な飼育方法
安全にベタを繁殖させるために、まずは基本的な飼育方法についてご紹介していきます。
ベタの飼育に必要なものは、次の6点です。
■ベタの飼育に必要なもの
- 水槽
- 水槽用ヒーター
- カルキ抜き剤
- 餌
- 水槽用クリーナー
- 水温計
ベタは空気中から酸素を取り入れることができるため、小型水槽やガラスボトルなどでも飼育が可能です。
ただし、あまりにも小さな容器での長期飼育はベタにとってストレスになってしまうため、5~10L以上の水量が確保できる容器での飼育をおすすめします。
水質の適応範囲はかなり広く、弱酸性から弱アルカリ性までであれば問題なく飼育できます。
水温は25~28℃の範囲内に保つのがベストなので、必要に応じて水槽用ヒーターや、飼育容器に入らない場合はパネルヒーターなどを使用しましょう。
ベタは大きなヒレをもつという性質から、水流の強い場所で泳ぐことを苦手としています。
ろ過フィルターを使用する際は、吐水口を壁面に向けて水流を弱める工夫を行うのが良いです。
繁殖可能か観察する
ベタを繁殖させるにはまず、雌雄ともに成熟した個体である必要があります。
オスとメスが繁殖可能かどうかを見極めるために、次のポイントをチェックしましょう。
- オス:こんもりとした泡巣を作ることができる
- メス:腹部に白い産卵管が1mmほど出ている・お腹が大きく張り、卵が白く透けて見える
メスの産卵管はじっくり観察していると、肉眼でも見えます。
お腹のあたりに白くぽちっとしたものがあれば、それが産卵管です。
ペアリングは時間をかけることが大切!!
ベタの繁殖においてもっとも重要なのが、ペアリングです。
しっかりと成熟した雌雄のベタが揃っていたとしても、ペアリングがうまくいかないと繁殖ができない場合が多いので、時間をかけて相性を見極めましょう。
ペアリングは実際にオスとメスを引き合わせて行います。とはいってもオスのいる水槽内に、相性の合わないメスを入れてしまうと、オスがメスを攻撃し傷つけてしまうことがあるため、いきなり同じ水槽内にを入れるの良くありません。まずはメスを隔離ケースなどに入れてオスと対面させ、威嚇行動をしないかどうかチェックをしましょう。
オスの様子が穏やかそうに見えても、水槽内にメスを入れた途端に態度が変わることがあるため、最低でも1日は別容器に入れた状態でお見合いさせます。
1日経過後、オスが直径5cm程度の泡巣を作ってメスにアピールしているようなら、同じ水槽に入れて様子を見てください。
1日ではペアが成立しないことが多いのですが、もし1週間以上経過しても産卵しないような場合は、相性が良くないか、どちらかが成熟していない可能性があります。
ペアリングが難しそうであれば、他の相手とお見合いをさせてみましょう。
ペアリングや繁殖については、こちらの記事も参考にしてください。
浮草・水草をいれよう
詳しくは後述しますが、ベタの繁殖には専用の水槽を用意します。
そしてその水槽の中には、水草や浮草を入れておくのがポイントです。
オスはメスの産卵を促すために、メスの腹部を狙って攻撃するような仕草を見せますが、腹部以外の場所を攻撃するような場合は相性が合ってない可能性が高いです。
このような時、水槽内に水草があれば攻撃されてしまったメスの避難場所にすることができます。ただし、無事に隠れてられているからといってペアリングを粘るのではなく、メスが不用意に攻撃されているような様子があるならば、すぐに別水槽に避難させましょう。
避難場所としておすすめなのは、マツモやウィローモスなどの柔らかい水草です。
また、泡巣が水流に流されてしまってうまく作れないような時には浮草を入れてあげると良いでしょう。泡巣の固定にはサルビニアなどの水草がおすすめです。
水槽は45cm、水温は28度、照明は点けっぱなしがおすすめ
繁殖を目的としたベタの飼育では、幅45cmと少し大きめの水槽を使用します。
これは、万が一ペアリングがうまくいかなかった場合に、メスの逃げ場所を確保するためです。
まずはオスのベタを45cm水槽に移動させてから、水草などを配置し、メスとのペアリングを開始しましょう。
ベタはもともと暖かい地域原産の魚なので、水温は高めの方が産卵を促しやすい傾向にあります。
繁殖用水槽の水温は、やや高めの28℃を保ちましょう。
オスが卵や稚魚の世話をしやすくするために、水深を15~18cmと浅めにします。
水流が生まれることで泡巣を壊してしまう可能性があるため、繁殖の際にはエアレーションやろ過フィルターを取り除いておきましょう。
また、通常のベタ飼育では照明を使わないことが多いですが、繁殖用水槽ではライトを点けたままにしておきます。
理由は、消灯することでオスが卵と餌を間違えて食べてしまったり、稚魚の世話を放棄するのを防ぐためです。
オスが泡巣に卵を運び出したら、稚魚の世話が終わるまでの約1週間、照明は点けっぱなしにしておきましょう。
ベタを繁殖させる際のお悩み
続いてはベタを繁殖させる際のよくあるお悩みということで、
- 雌雄の相性が合わない
- オスが泡巣を作らない
- メスの隔離タイミングがわからない
- 卵が食べられてしまう
これら4つの疑問点について解説をしていきます。
相性が合わない
まずはベタ同士の相性が合わないというお悩みついて。
ベタは相手をより好みする性質が強いため、お見合いを1日以上続けても、オスが泡巣を作るなどのアピールをしない場合が多いです。
2~3日お見合いさせてもオスが泡巣を作らなかったり、メスに対し威嚇行動を見せるような場合は、すぐに相手を変えましょう。
ただし、オスが泡巣を作り威嚇行動も見せないため、一見相性が良さそうに見えたとしても、繁殖行動を起こさない場合があります。
この場合、メスにその気が無かったり、まだ成熟しきってないなどの可能性が考えられます。
もし1週間以上経過しても産卵行動を起こさない・産卵しないようなときは、他の相手とのお見合いをさせてみてください。
雌雄がきちんと成熟しているかどうか、今一度確認してみるのもおすすめです。
泡巣を作らない
続いては、オスのベタが泡巣を作らないというトラブルについて。
まずはオスの体が成熟しきってないために、泡巣を作らないという可能性が考えられます。
もし平常時は泡巣を作っていたのに、ペアリングをさせた途端に作らなくなったようなときは、残念ながらメスとの相性が悪いということなので、相手を変えて再チャレンジしてみましょう。
また、ベタは体調不良のときも泡巣を作らなくなることがあります。
鏡を見せてもフレアリングをしなかったり、餌食いも悪いようなときは体調不良が考えられますので、メスとの相性だけでなく、オスの体調が万全かどうかも確認をしましょう。
体調が悪い場合は無理をさせず、治療に専念することが大切です。
メスの隔離タイミングがわからない
続いてはメスを隔離するタイミングがわからないというお悩みについて。
産卵前は雌雄ともに平穏な状態であったとしても、メスが産卵を終えたあとのオスは、卵を守るために母親であるメスを攻撃し始めます。
産卵が終わったらすぐに、メスを繁殖用水槽から避難させましょう。
産卵にかかる時間は約2時間、産卵のための行動は多いと10回以上行なうので、しっかりと様子を見守り確認することが重要です。
卵が食べられてしまう?!
続いてはオスベタに卵が食べられてしまうというトラブルについて。
卵を外敵から守り、孵化をさせ稚魚の世話もするオスのベタですが、まれにせっかく育てた卵を食べてしまう場合があります。
オスの食卵を防ぐために、
- 水槽の照明を点けっぱなしにする
- 卵が孵化するまで、オスに餌を与えない
この2点を徹底しましょう。
照明を点けたままにする理由は、先述した通りです。
また、繁殖期間中にオスに餌を与えてしまうと、餌と一緒に卵を食べてしまうことがあります。
健康なベタは1週間程度の絶食に余裕で耐えることができるので、安心してください。
ただし、照明を点けたままにし、餌も与えないようにしているのに、オスベタが卵を口に含むような仕草を見せることがたまにあります。
これは口の中で卵の表面をクリーニングしているものと考えられており、クリーニングが済んだら再び泡巣に卵を戻しているはずです。
初めて見ると驚くかもしれませんが、落ち着いて見守りましょう。
稚魚の餌について
ベタの卵は水温によって孵化までの日数が変わりますが、通常は2~3日ほどで孵化が完了し、泡巣にぶら下がる稚魚の姿を見ることができるようになるでしょう。
時折、泡巣を離れてしまった稚魚を器用に口で運び、健気に世話をするオスの姿が観察できます。
ベタの稚魚の腹部にはヨークサックと呼ばれる袋が付いており、孵化から3日間程度はヨークサック内の栄養を吸収して成長をします。
しかしヨークサック内の栄養が無くなってしまうと、自力で餌を食べない限り餓死してしまいますので、稚魚が食べられるサイズの餌を事前に用意しておきましょう。
稚魚におすすめの餌としては、インフゾリアやビネガーイールなどの微生物が挙げられます。
稚魚の体が大きくなってきたら、ブラインシュリンプなど少し大きな餌を順次与えていきましょう。
ベタの稚魚は食欲旺盛なため、可能であれば1日3回、少なくても1日2回は給餌をし、成長を促します。
また、稚魚が自由に泳げるようになるこのタイミングで、オス親による稚魚のお世話は終了となります。
誤って稚魚を掬わないように注意しながら、オスベタを元の水槽に戻しましょう。
餌を与え始めたらこまめな水槽メンテナンスを!
稚魚に餌を与えはじめると水も汚れてきますので、人の手によるメンテナンスが必要になってきます。
しかし、ベタの稚魚は水質の変化に耐性がなくとても弱いため、水換えは少しずつ丁寧に行ないましょう。
最初のうちはスポイトなどでゴミと少量の水を取り出し、減った分の水を足していくのがおすすめです。
そして稚魚の大きさをよく観察しながら、足し水で少しずつ水深を深くしていき、徐々に水槽の広さに慣れさせていきましょう。
稚魚が増えすぎたら
ベタが一度に産む卵の量は、少なくても約50個、多いときは300個ほど産むこともあります。
そして、うまくいけば産んだ卵のうちの約8割が、健康な状態で成長できるとされています。
小さな稚魚のうちは問題がなかったとしても、ベタは本来闘争心の強い魚のため、成長に伴い喧嘩をするようになります。
ベタは基本的に単独飼育推奨の熱帯魚なので、稚魚の数だけ水槽を用意しなくてはならず、管理がとても大変になってしまうことでしょう。
このような場合に備えるために、ベタを繁殖させる前には引き取り先や飼育スペース・飼育費用などの確保をしっかりと行なうことが大切です。
SNSで呼びかけを行なったり、オークションサイトなどで販売してみるのも良いでしょう。
ベタ専門店やアクアショップなどで引き取ってもらえないかどうか、確認してみるのもおすすめです。
まとめ:ベタを繁殖させたい!泡巣を作らないなどお悩みから餌などについて解説!
気性が荒く相手をより好みする性質が強いため、一筋縄ではいかないベタの繁殖ですが、ペアが成立して産卵が済めば、オスがかいがいしく卵や稚魚のお世話をする姿を見ることができます。
ペア探しがもっとも重要かつ大変な部分なので、焦らずに時間をかけて良い相手を見つけてあげてください。
卵の数は50~300個とかなり多くなりますので、繁殖を狙う際は飼育スペースや引取先の確保も徹底して行ないましょう。
日に日に成長していく稚魚の姿を見ていると癒されますし、意外なボディカラーが出現して、お気に入りのベタに出会えるかもしれません。
なによりベタの繁殖はとても情熱的で、その様子を見守る私たちに、大きな感動を与えてくれます。
皆さんもこの機会に、ベタの繁殖に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ベタの繁殖について良くあるご質問
ベタを繁殖させるには?
ベタを繁殖させるには下記の準備が必要です。
- 繁殖用の水槽・水草などの環境
- オスとメスのお見合い
- 稚魚用の餌
45cm水槽など、飼育容器よりも広いサイズを用意します。ベタは気が強い熱帯魚のため、オスとメスの相性が合わないと攻撃を始めるため事前のお見合いが大切です。
ベタのお見合いとは?
相性によってはオスがメスを攻撃してしまうため、必ず別々の容器に入った状態でお見合いさせましょう。
2~3日しても攻撃を行わず、オスが泡巣を作り始めたらお見合い成功です。
相性が合わなかった場合は別のベタを連れてきます。
ベタの稚魚はどうやって育てるの?
稚魚が泳げるようになったらオスも別水槽に移します。餌はインフゾリアなどのごく小さな生餌です。
成長してきたらブラインシュリンプに切り替えます。
稚魚には十分に餌を与えるため1日2~3回、生餌を給餌します。
ベタ稚魚の水換え頻度は?
2~3日に1回ほどのペースで水換えを行いましょう。水換え量は汚れ具合を確認して、調整するのがおすすめです。
水換えは稚魚を吸い込まないように、底面付近からクリーナーポンプを使って、そっと行いましょう。
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