凹構図とは!水槽レイアウトの構図を意識して観賞性を高めよう
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アクアリウムショップやSNSで目にする素敵な水槽レイアウト。見よう見まねでやってみてもなかなか上手くいかないことが多いのですが、それは、基本の型がわかっていないからかもしれません。
実は、水槽レイアウトには凹型、凸型、三角構図の3つの基本の型があり、まずはこれに忠実にレイアウトしてみると、初心者でも簡単に見栄えのするアクアリウムに仕上げることができます。
中でも、凹構図はバランスが取りやすく遠近感も出しやすい、おすすめの構図で、初心者の方からコンテストに出品するようなベテランまで幅広いアクアリストに採用されています。
そこで今回は初心者でも取り入れやすい凹構図の、作り方やおすすめの魚種、レイアウト例をご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽レイアウトの凹構図についてを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
凹構図は水槽レイアウトの基本構図の一つで、水槽の左右にボリュームを出すレイアウトです。
バランスが取りやすく見栄えがするため、レイアウトに初めて挑戦する方は凹構図から始めてみると良いでしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽レイアウトの凹構図についてを解説します。
熱帯魚の飼い方や必要なアイテム、水槽設置方法についてはこちらをご覧ください。
凹構図とは
凹構図とは、流木や石、背丈の高い水草、ライブロックなどを水槽の左右に配置して、中央に空間を作るようにレイアウトをする、水槽レイアウトの一つです。
左右対称にレイアウトしても良いですが、多少高低差を出すとより自然な仕上がりになるでしょう。
淡水水槽、海水水槽どちらでも見映えよく仕上がるため、様々な水槽で凹構図が取り入れられています。
凹構図におすすめの水槽
両サイドにボリュームを出す凹構図は、広範囲をカバーしやすいため、横幅の広いワイド水槽や90cm以上の水槽におすすめです。
一方で幅のない小型水槽やキューブ水槽では窮屈な印象になってしまいやすいので、すっきりしたレイアウト素材を選ぶか、中央にボリュームを持たせる凸型構図の方が向いています。
凹構図のメリット
凹構図は、奥行きや遠近感を演出しやすいため、広がりのある壮大なレイアウトを施したいときにおすすめの構図です。
横に広い水槽では、魚が散り散りになってしまいがちですが、凹構図ならば中央にできる空間が遊泳スペースとなるため、魚達が目に触れる中央に集まりやすいというメリットもあります。
また、水槽の端には配管や水槽用ヒーターなどの機材が配置されることが多いですが、これらをレイアウトで隠しやすいのも利点です。
誰がレイアウトしてもバランスが取りやすく、見映えがして実用的というのが、凹構図が多くのアクアリストに採用されている理由と言えるでしょう。
凹構図の作り方
凹構図は、ポイントを抑えれば誰でも簡単に再現することが可能です。
ここでは凹構図の作り方とポイントを解説します。
自然に見えるボリュームの作り方や壁面との距離、底砂の敷き方など、凹構図に欠かせない要素をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
レイアウトの重心を左右に分ける
まずは、バランスを見ながらレイアウトのボリュームを左右に振り分けて、凹型を作ります。
大きいもの、背の高いものは端に、小さなものは中央に配置することを意識しましょう。
このとき、完全に左右対称だと型にはめたような印象になってしまいますので、あえてバランスを崩して6:4ぐらいの割合で配置すると、より自然な見た目に仕上がります。比率はあくまで目安ですので、使用するレイアウト素材や好みで変えて問題ありません。
ろ過フィルターの配管や水槽用ヒーターがある側の山を大きくすると、目隠しになるのでおすすめです。
左右にボリュームを出す分、中央は思い切って空間を空けるとメリハリが出て、レイアウトがより際立ちます。
中央部に水草を植える場合は背の低いものを選び、こまめなトリミングをしてバランスを維持しましょう。
凹型の壁面との距離感
端にボリュームを出す凹構図で気を付けたいのが、水槽壁面との距離です。
基本は水槽壁面から3cm以上離して山を作ります。離し過ぎるとバランスが悪くなりますし、壁面に近すぎるとメンテナンス性が悪くなるので、距離感を意識しましょう。
特に、壁面にべったりくっつけてレイアウトしてしまうと、
- コケが生えやすくなる
- 通水性が悪くなり淀みが生まれる
- レイアウトの重さで水槽壁面に圧がかかる
などの不具合が起きやすいです。
メンテナンス性が下がってゴミや汚れが溜まりやすくなりますし、地震などで水槽が揺れたときに、レイアウトが水槽に当たって破損する可能性が高くなります。
水槽壁面とちょうど良い距離を空けて配置するのが、安全性を高めながらバランスよくレイアウトを仕上げるコツです。
きれいな凹型に仕上げる底砂の敷き方
きれいな凹構図に仕上げるには、底砂を全体的に平らにするか、背面を高くするように敷くのがおすすめです。
平らであれば、左右のボリューム感を感じやすく、レイアウトもやりやすいです。
一方で背面を高くすると、左右の山のバランスを取るのは少し難しくなりますが、奥行きを感じられるレイアウトになります。
凹構図に向いている魚種
ここからは、凹構図の水槽におすすめの魚種をご紹介します。
凹構図のレイアウトはボリュームのない中央部が魚の遊泳域になりやいため、魚の鑑賞がしやすく、熱帯魚をメインに据えた水槽にも最適です。
カージナルテトラ
カージナルテトラは、4~5cmほどの小型熱帯魚で、群泳させると非常に美しい魚です。
凹構図は90cmサイズ以上の幅のある水槽に多いレイアウトですので、テトラの中でも大きめなカージナルテトラが見応えがあっておすすめ。
小型~中型水槽の凹構図の場合は、ネオンテトラやラスボラなどの一回り小さな熱帯魚が向いています。
グラミー
グラミーは水槽の中層~上層を泳ぐ魚で、凹構図の2つの山の間ゆったりと行き来する姿が観察できるのが魅力です。
ブルーグラミーやドワーフグラミーなど種類によって大きさや体色がさまざまなので、水槽の大きさやレイアウト素材とのコントラストを意識して魚種を選ぶとカラフルで楽しい水槽に仕上がります。
アフリカンシクリッド
アフリカンシクリッドは淡水魚ながら、海水魚にも負けない鮮やかな体色が魅力です。
弱アルカリ性の水質を好むことからレイアウトに石を使った水槽に最適で、シンプルながらバランスが取れた凹構図によく映えます。
溶岩石を凹型にレイアウトしたアフリカンシクリッド水槽は、エキゾチックな雰囲気が魅力です。
コンゴテトラ
コンゴテトラは、体長が10cmほどになる中型の熱帯魚です。
成長したオスは、光の当たり方によって見え方が変わる虹色のような体色が特徴で、とても見応えがあります。
凹構図を採用した水槽に入れれば、中央を彩ってくれるメインの熱帯魚として活躍するでしょう。
ただ、葉の柔らかい水草は食べてしまうことがあるため、岩組メインの水槽、もしくは葉の硬い丈夫な水草を多く取り入れた水槽におすすめです。
ハーフオレンジレインボー
ハーフオレンジレインボーは、その名の通り、オスの尾から腹部にかけてがオレンジ色に染まる美しい熱帯魚です。
穏やかな性格で、体長10cm程度まで成長するため、中型熱帯魚の入門種としても知られています。
鮮やかな体色が抜群の存在感を放つ魚なので、中~大型水槽に複数匹入れるのがおすすめ。
しっかりと遊泳する魚なので、凹構図に導入すれば、左右の山の間を泳ぐ姿を見せてくれることでしょう。
ヒレナガハギ
海水魚水槽の凹構図におすすめなのが、ヒレナガハギです。
ヒレナガハギは温和で混泳に向いているうえに、ライブロックなどに生えたコケを食べてくれます。
ライブロックを多用する海水魚水槽の凹構図とヒレナガハギは相性が良く、クリーナーフィッシュとして存分に活躍してくれるでしょう。
凹構図のレイアウト例
ここからは、凹構図を使った実際のレイアウト例をご紹介します。
流木を使った基本的な淡水魚水槽から水草水槽や海水魚水槽まで解説しますので、凹構図のレイアウトを作る際の参考にしてみてください。
流木の配置を使用した、基本的な凹構図
流木と水草をメインに配置した、基本的な凹構図の60cm淡水魚水槽です。
水槽の右側のボリュームを大きくすることで、ろ過フィルターの配管や水槽用ヒーターが見えにくいよう工夫しています。
ミクロソリウムやアヌビアスなど背丈が出にくい水草を中心使用しているので、凹型のバランスが長期間維持しやすく、トリミングなどのメンテナンスの手間も抑えられます。
動画付き・ボリュームのある凹構図
流木と水草でボリュームを出した60cm淡水魚水槽です。
60cm規格水槽ですが、凹構図で遠近感を演出していますので、サイズ以上の奥行きが感じられるのではないでしょうか。
こちらの水槽は動画でも見ることができます。凹構図の雰囲気や魚の泳ぐ姿をよりイメージしやすくなりますので、ご覧になってみてください。
大きな流木を使用したダイナミックな凹構図
こちらの120cm淡水魚水槽は、大きな流木を活かした凹構図のレイアウトが特徴です。
メインに流木を据え、まわりの水草と石で深みを出す。これだけで完成度の高いレイアウトを作れるのは凹構図の魅力といえるでしょう。
中央部のスペースが魚の遊泳域になり、観賞しやすいのも嬉しい点です。
120cmの水草凹構図
こちらの120cm淡水魚水槽では、中央部にも水草を植えこみました。
前景草のグロッソを底床に植えると凹構図を崩すことなく、より自然な印象を演出することが可能です。
120cmある水槽の大きさを活かして中央のスペースを広く確保することで、凹型の2つの山を魚が行き来する姿を観賞できます。
150cm海水魚水槽のライブロックを使った凹構図
こちらは、ヒレナガハギやヒフキアイゴ、デバスズメダイなどが優雅に泳ぐ150cm海水魚水槽の凹構図です。
レイアウトにはライブロックと飾りサンゴを使用しています。
複雑なレイアウトを組んでいるわけではありませんが寂しい印象はなく、海水魚が引き立つシンプルで見やすいアクアリウムになりました。
魚がメインの水槽でさりげないレイアウトを組みたいときにも、主張を抑えながらバランスよく仕上げることができる凹構図が優秀です。
まとめ:凹構図とは!水槽レイアウトの構図を意識して観賞性を高めよう
今回は水槽レイアウトの基本の一つ、凹構図の作り方やおすすめの魚種、レイアウト例をご紹介しました。
左右にボリュームを出してバランスを取る凹構図は、幅のあるワイド水槽や中~大型水槽におすすめです。
中央部が遊泳スペースになるため、凹構図では見応えのある鮮やかな魚をメインにすると人目を引く素敵なアクアリウムに仕上がるでしょう。
誰でも簡単に再現できて、見映えよく仕上がる凹構図。初めてレイアウトに挑戦する方や、水槽の鑑賞性をより高めたい方はぜひ取り入れてみてください。
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