【水槽レイアウトテクニック】プロが教えます!ここを意識すれば大丈夫!のページ
【水槽レイアウトテクニック】プロが教えます!ここを意識すれば大丈夫!のサムネイル画像

【水槽レイアウトテクニック】プロが教えます!ここを意識すれば大丈夫!

熱帯魚専門店や水草に強いアクアリウムショップで、美しくレイアウトされた水草水槽をご覧になって「自宅の水槽も、こういうイメージで作りたいな」と考える方は多いです。

しかし、いざ水草を用意し、水槽レイアウトにとりかかるも満足できる仕上がりにならず、悩んだり諦めたりしてしまう場合も少なくないです。

そこで今回のコラムでは、誰でも簡単に美しい水草水槽が作れるプロの水槽レイアウトテクニックをご紹介します。
このテクニックを押さえるだけで、すっきりとしたレイアウトを作ることができるようになります

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

水槽レイアウトとは

水槽レイアウトとは、大まかに言葉にするならば「水槽を美しく見せる構図」のことです。主に3つの構図があります。

  1. 三角構図
  2. 凸型構図
  3. 凹型構図

名前だけでもどのようなレイアウトかイメージが沸きやすいですが、バランスを整えないとコンセプトがはっきりと伝わりにくい水槽になってしまいます。
それでは、どんなポイントが大切なのか。各構図の特徴やポイントを写真付きでご紹介いたします。

水槽レイアウトの基本その1:三角構図

水槽内のレイアウトが三角形に見えるように、水草や流木、石などを配置する構図です。右寄せ・左寄せのどちらでも三角形のバランスが取れていれば三角構図です。
3つあるレイアウト構図のなかで、最も簡単に制作できます。そのため、アクアリウム初心者でも挑戦しやすいです。

三角構図のコツは「レイアウトの高い部分と低い部分をハッキリさせること」です。高い部分は水面に届くようにし、低い部分は底砂すれすれに、水草や流木などをレイアウトします。

背の高い水草は『後景草』と呼ばれるグループで、アマゾンソードやグリーンロタラ、ハイグロフィラ系などを指します。
背の低い水草は『前景草』と呼ばれ、パールグラスやピグミーチェーンサジタリア、グロッソスティグマなど密度を出しやすいグループです。

ベースとして流木を配置し、水草で隙間を埋めていくように植え付け、高低差のあるレイアウトに仕上げます。

水槽レイアウトの基本その2:凸型構図


水草のトリミングなどの手間がかかりますが、とても美しいレイアウトです。
凸型構図は、3つの中であまり採用される機会は多くないレイアウトです。その理由は、難易度が高いレイアウト構図と言われているからです。

中央が高く際立った状態を保つために、こまめな水草トリミングを行い管理しなくてはなりませんし、水槽内にある給排水パイプなど人工物を隠さないと構図のバランスを保ちにくいなどの難点もあります。

手を抜くことができないレイアウトのため、凸型構図を採用している美しい水槽は、管理者の手間がかかっている水槽と言えます。

アクアリウムではないですが、美しい凸型として有名なものに富士山があります。心を惹き付ける魅力の高い構図です。

水槽レイアウトの基本その3:凹型構図


最もおすすめな構図で、水槽の両端に背の高い水草を植栽し、水槽中央を凹ませるレイアウトです。
三角構図よりもレイアウトに密度を持たせやすく、凸型構図よりも維持に手間がかかりません。

この凹型構図のポイントは2点です。

  1. 水槽両端と中央に配置するレイアウト物(水草など)の高さにメリハリをつける
  2. 左右のボリュームバランスは、6:4(黄金比/正確には1.618:1)にする

水槽両端にボリュームを付けると奥行きを演出する効果があります。

しかし、きっちりシンメトリーでは自然感が損なわれてしまいますから、水槽両端のボリュームバランスを黄金比である6:4にすることで、レイアウトを馴染ませることができます。

黄金比とは、自然物・人工物を問わずに、「最も人間が美しいと感じる比率」です。
植物の葉(葉脈)や幾何学模様、正五角形や五芒星なども、この黄金比が当てはまります。絵画・写真の構図にもよく使われており、三分割構図とか黄金分割点などという概念があります。
余談ですが、写真の撮影が上手な方は、水草レイアウトの構図作りも得意です。

この概念を水槽レイアウトに採り入れることで説得力を持たせられます。
ちなみに、形状が最も黄金比に近い水槽サイズは、45cm水槽や60cm規格水槽です。

水槽レイアウトに迷ったら、凹構図がおすすめです。

水槽レイアウトの構図選びは楽しさを優先しよう

ここでご紹介した3つの構図をベースに水槽づくりを行えば、上級者のレイアウトのように完成度を高めることが可能です。
構図を意識すれば、水槽レイアウトの骨格作りもスムーズに行えますので、水草植栽のガイドのような役割もあります。

3つの構図をご紹介させていただきましたが、メンテナンス管理の難易度だけでなく、育てたい水草や手持ちの流木・素材などで選んでみると楽しく制作できます。

水槽レイアウトの配色について


水槽レイアウトの構図が決まったら、次は水槽内の配色について考えていきます。
レイアウトの配色は、水槽を美しく演出するためにとても重要です。

水草水槽における配色には大きく分けて2つあります。

  1. 緑色系水草だけの明暗による配色
  2. 緑色と赤色を混ぜ合わせた配色

レイアウト水槽ではこれらの配色に「流木や石の色」がアクセントとして加わります。
こんもりした印象を持たれがちな水草水槽に、硬質でエッジの効いた流木や石を配置するとレイアウトを引き締めることができます。

しかし、流木だけでも白色・茶色・焦げ茶色・黒色がありますし、石は砂岩・溶岩石・木化石など種類があります。
さらに色味を重視した商品(白、灰色、茶色、赤茶色、青っぽい灰色、黄色)など多種類が存在しますから、どの色を際立たせたいのかを予め決めておきましょう。
個人的には、明るい色合いの水草には焦げ茶色の流木を合わせたほうが、コントラストが効いてすっきり見えます。

さまざまな種類を組み合わせることで、水草レイアウト水槽の配色は無限の可能性があると言えるでしょう。

緑色系水草だけの明暗配色

水草の主色は緑色です。しかし、同じ緑色の中でも「明るい緑」や「深い緑」があることに、水草を見ていると気付けます。

たとえば、ウィローモスという水草は深緑色と暗い色をしておりますが、ハイグロフィラ・ポリスペルマという水草は明るい黄緑色をしています。

ウィローモス(暗い色)

ハイグロフィラ・ポリスペルマ(明るい色)

このような色の差のある水草を効果的に配置することで、色彩豊かな水槽に仕上げられます。

  • 色の差がはっきりしている水草を隣に配置する
  • 左は暗い水草、右手は明るい水草と分けて植え付ける

後述する赤い水草は、育成が難しい品種が多いです。
しかし、配置を工夫すれば緑系水草だけでも美しいレイアウト水槽を作り上げられます

緑色系・赤色系水草をあわせた配色


配色の応用編として緑色系水草を主色としたレイアウトの中に、赤色系の水草を配置することで、より華やかな水草レイアウト水槽を作れます

しかし、赤系を多用すると配色のバランスが崩れることがありますので、注意が必要です。私たちプロのアクアリストでも赤色水草を使用する際は、使用量に気を付けています

では、どのくらいの割合が適切なのでしょうか。

理想の赤系水草配置量

水草全体の3割程度

この割合を超えてしまうと、配色のバランスが崩れてしまいがちです。まずは慣れるまで、配色割合を守って植え付けを行ってみましょう。

なお、水槽レイアウトのメインとなる位置に赤色を差し込むとバランスが取れます。赤色をどこに植栽するかで、レイアウトバランスに変化が起こりますから、注意を払いながら植栽します。

慣れるまでの間は、育成が難しい品種を採用して枯らしてしまう事も多いですから、まずは育成が簡単な品種を選定すると良いです。

水槽レイアウトを引き締める石や流木の選び方


石や流木は色々な種類があります

風山石・溶岩石・青龍石などお馴染みの石から、川で拾える石まで水槽レイアウトに使用できます。
流木ならば、ブランチウッドのような白色のものやマングローブ系の茶色、黒に限りなく近いブラックウッドもあります。

基本的に1つの水槽に対し、複数の流木や石を使用することが多いのですが、ここで大事なポイントがあります。

それは、複数の素材を使用する時には、色味や種類を統一することです。つまり、原則として同じ種類で同色ものを使用してください。それにより統一感が生まれ、水槽内のレイアウトが一気に引き締まります。

また、石や流木を複数選ぶ時の形状は、大小様々な種類を使用することをオススメします。それにより水槽内に立体感が生まれ、より自然なレイアウトを演出することが可能になります。

こちらの記事も参考にしてみて下さい。

水槽の奥行きを簡単に演出する方法

アクアリウムは目線により奥行きの感じ方が変わります。例えば、水槽の位置が目線の位置と同じ場合、水槽内の広がりを感じにくくなることがあります。
そのような問題を解消するためにプロのアクアリストが行う水槽内の奥行きを演出する技があります。

それは底砂に傾斜をつけることです。
具体的には、前面を低くし背面に向かい高くする(=傾斜をつける)だけで奥行きを感じやすいレイアウトに仕上げられます。
簡単かつ効果的な技ですので、是非、実践してみてください。

奥行きを演出する底床の盛り方

  • 前面を低く・背面を高く、傾斜をつける
  • 中央部だけ凹状に傾斜をつける
  • 丘陵のように凸凹の傾斜を付ける

これはあくまで定番の方法なので、独自に演出方法を考え出すのも、アクアリウムの楽しみです。

水槽内の人工物レイアウトについて

水槽運用には、ろ過フィルターの配管や水槽用ヒーターなどの『人工物(機材)』をどうしても設置する必要があります。
アクアリウムはアマゾン川など、自然の風景を再現するのがテーマの一つです。

しかし自然を再現するにあたり、人工物が見えると一気に不自然に見えてしまう問題が発生してしまいます。

そのため、プロアクアリストも含め、美しいレイアウト水槽の制作者は人工物が見えないように工夫しています。
水槽のレイアウトが上手な方は、人工物が見えないだけで一気に水槽レイアウトが美しく見えることを知っているからです。

例えば、こちらの写真をご覧ください。
人工物が見えている水槽です。

次に、水槽内の人工物を隠したレイアウトの写真です。左奥の水槽用ヒーターやろ過フィルターのストレーナーが隠されています。

このように、人工物を隠すだけで水槽のレイアウトは格段に良く見えます

※余談ですが、ADAなどが主催している水草のレイアウトコンテストに写真を出品する場合には、水槽内の人工物(給排水パイプやヒーターなど)は完全に取り出してから写真の撮影をします。これらの人工物が写りこんでいるだけで減点対象になります。
いつか水草レイアウトのコンテストに出品してみたい方は、ぜひ覚えておきましょう。

個性を活かして水槽レイアウトを作る!

ここまで、水槽レイアウトの基本についてご紹介しました。
振り返りという意味で、アクアリウムショップなどで美しいと感じる水槽レイアウトを思い出してみてください。きっと、ご紹介したポイントが発見できると思います。

そして、基本を活かしたアクアリウム水槽が仕上げられましたら、今度は個性を取り込んだ水槽レイアウトを目指してみてください。

水槽レイアウトに個性を出す方法

水槽レイアウトに個性を出すとはどういうことなのかを考えてみます。

  • さまざまな要素を混ぜた構図は、個性を出せるのか?
  • 規則性がある中で、あえて一部を崩すのは個性なのか?
  • 定番のレイアウトでは個性は出せないのか?
  • 人工物をメインに使った表現は、個性なのか?

など、さまざまな考えや迷いが沸いてきます。
しかし答えはシンプルです。アクアリウムとは自由に研究したり、ランクアップしたりすることが楽しい仕事・趣味です。

水槽レイアウトに個性を出す考え方

基礎となるルールを守りながら、「自分がこうしたい」という意図を持って、オリジナルの表現にチャレンジしてみること

「どこまで基礎を残すか?」という課題が、この考え方には付きまといます。

完全に基礎から外れた「前衛芸術みたいな表現」も有りですし、逆に「ガチガチになるくらい、基礎に忠実すぎる表現」すらも、突き詰めるとオリジナリティを生みだします。

いずれにしても、水槽のレイアウトを悩む時間は苦しくもありつつ、とても楽しいひと時なのは間違いありません。本当に、ADAを創った故・天野尚氏の「自然を作るのは究極のぜいたく」という言葉には、深く共感してしまいます。

自然の風景は水槽レイアウトの参考になる

散歩や自然散策をしていると、「自然の配置」というものが見えてきます。
川沿いを歩けば水の流れを感じられますし、大雨などで運ばれた流木、岩の配置を観察できます。水の中を覗けば、大小さまざまな石の配置や水草の自然な生え方も知ることができるでしょう。

他にも、ネイチャーアクアリウムのように、苔むした森を再現したい場合には、実際に生えている苔の観察が欠かせませんし、山を眺めるだけでも自然の配色を学ぶことができます。
水槽レイアウトに悩んだ時はぜひ、自然の中にお出掛けしてみてください。

日本人らしいわび・さびも採り入れよう

わび・さびは、日本人の文化として、心の中に根づいています。
日本人特有の感性とされていますが、身近な神社やお寺、ありふれていると思える野山などを見るだけでも、派手ではなく抑えられた先にある美しさを感じることができます。

水槽の中に枯山水を再現するのも楽しいですが、その概念である「空間を楽しむ」「足りないことを楽しむ」という考え方を活かしてみるのも、個性的な水槽レイアウトを生み出すうえで有効だと私は考えています。

ポップな水槽レイアウトはいけないのか?

一方で、カラフルな人工物を水槽レイアウトの前面に出すことは個性的といえるのでしょうか。
少し前までは、私は水槽内の人工物には批判的な考え方を持っていたのですが、「それも1つの表現として、有り」だと考えるようになりました。

下の写真をご覧ください。

こういった水槽も1つのジャンルとして個性的で綺麗だと感じられます。
人工物は、手軽にストーリー性を持たせることができますから、水槽の世界観が広がります。

ただ、人工物の中には水槽への配置が望ましくない物もあります。塗料がはがれる物、化学物質が出てしまうものなどです。
それらに配慮してレイアウトしましょう。

まとめ:【水槽レイアウトテクニック】プロが教えます!ここを意識すれば大丈夫!

「美しい水槽のレイアウトには、センスが必要」という言葉は間違っておりませんし、センスがあればいち早く理想に近い水槽レイアウトを仕上げられます。

しかし、センスがないという言葉で立ち止まってしまったら、そこから先に進めません

「センスは磨くもの」です。
基本を押さえながら、他の方の上手なレイアウトも参考にしつつ、失敗を恐れずに自分の個性も混ぜてみることで、得られる経験値は非常に大きいです。
失敗するなかで振り返りつつ、経験値を積むことで自分らしさを表現できるようになります

水草・生き物たち、流木や石といった素材まで、一つ選ぶだけでも楽しみは膨らみます。
組合せは無限ですので、試行錯誤しながらもアクアリウムを楽しんでいきましょう。

水槽レイアウトについて良くあるご質問

水槽レイアウトにはどんなアイテムを使いますか?

  • 底砂、砂利、ソイル
  • 水草
  • 流木
  • 岩、石
  • 水槽用オブジェ など

これらを完成イメージに合わせて組み合わせます。
水草をレイアウトする場合は養分が含まれており、根張りが良いソイルがおすすめです。
岩は大きさによっては水質を傾けることがあるので、事前に性質を確認しましょう。

水槽レイアウトに奥行きを出す方法とは?

すぐに実践できるものとして、底砂の後方を高く敷き、傾斜をつけて水槽内の奥行き感を演出する方法があります。
これに水草は前景・中景・後景草の3タイプを配置することで密度が生まれていきます。アクセントとして流木や岩を際立たせると、引き締まった奥行ある水槽に仕上がります。

水槽レイアウトの構図が思いつきません

まずは、お好みのレイアウトを目指して再現・アレンジに挑戦するのがおすすめです。
アイテムの配置や意味など、水槽レイアウトの仕組みを研究できます。
水槽レイアウトのヒントは、身の回りの景色や自然の中にあります。悩んだら河原などを散歩しながら観察するのも良いです。

レイアウトした流木が浮いてしまいます

流木は前処理が十分でないと、乾燥している・内部に空気が残るなどして浮き上がることがあります。
流木の種類によって浮きやすいものもありますので、煮沸や水に漬けおくなど処置を行いましょう。
どうしても浮いてしまう場合は岩で押さえるなどして固定します。

 

熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!よろしくお願いいたします!

お問い合わせ

サービスのお問い合わせ・見積依頼

水槽や機材、熱帯魚のレンタル・設置・メンテナンスがセットになった水槽レンタル・リースサービス お手持ちの水槽をプロのアクアリストがメンテナンスしてくれる水槽メンテナンスサービス 水槽リニューアルサービス水槽引っ越しサービスなど様々なサービスがございます。
お見積りは無料となっておりますのでお気軽にお問い合わせください。