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これからアクアリウムを始めようとしている方の中で、淡水魚と海水魚のどちらを飼育するかお悩みの方はいませんか。結論から申しますと、飼いたいと思える魚種を飼育するのが一番ですが、特にこだわりがないのであれば、淡水魚の飼育から始めることをおすすめします。
なぜなら、海水魚は人工海水を作る必要があり飼育機材の初期費用、維持費用とも高価になりがちだからです。ここでは、淡水魚と海水魚を飼育するうえでの費用面や難易度を比較してご紹介いたします。
目次
淡水魚と海水魚の違い
体の構造
言うまでもありませんが生息してる場所が異なり、海水魚は海に、淡水魚は河川や湖、池などに生息しています。海水はナトリウム塩やカルシウム塩を中心とした塩化物が溶出しており、その塩類の含有量は海水1kgに対して平均35gです。
淡水魚と海水魚の大きな違いは、魚体と周囲の塩類濃度の差から生じる浸透圧の調節方法にあります。海水魚は浸透圧の影響で体の水分が常に体外へ出ようとする作用に晒されているので、大量の海水を飲んで余分な塩分をエラから排出しています。
一方で、淡水魚は常に体内に水分が入ろうとする作用に晒されているので、水は飲まずに大量の尿として余分な水分を排出しているのです。よって、海水魚は淡水では生きられませんし、逆もまた然りです。
サケやウナギなどは淡水と海水を行き来できますが、その理由は浸透圧の調節機能を切り替える能力を持っているためです。とは言え、電灯のスイッチを切り替えるようにはいかないので、しばらくは汽水域で生活して体を慣らしてから目的地を目指します。
環境の変化への耐性
海は年間を通して水温や水質の変化が比較的少ないため、一般的に海水魚は環境の変化にデリケートです。一方で、河川などの淡水域は季節による水温と水質の変化が大きいので、淡水魚は環境の変化に強い種類が多い傾向にあります。
淡水魚と海水魚の費用面における違い
生体の値段
生体の購入費用ですが、海水魚の方が高価な魚種が多い傾向にあります。とは言え、淡水魚にも高価な魚種はいますし、海水魚にも淡水魚並みの値段で購入できる魚種もいます。
安価な魚種でも、レイアウト次第では十分に見ごたえのあるアクアリウムにできるので、飼育する魚種にこだわりがない内は生体の値段は問題にならないでしょう。
飼育器具の値段
淡水魚と海水魚を飼育するうえで必要になる器具はほぼ共通しています。しかし、前述したように海水魚は水質の変化に敏感なので、水槽の大きさや飼育する海水魚の種類・数によっては「プロテインスキマー」が必須になる場合があります。
プロテインスキマーとは、水質を悪化させる原因になる排せつ物などの有機物を、バクテリアが分解する前に物理的に除去するろ過装置の一種です。
その他にも、海水の塩分濃度を測定するための比重計などの機器類も必要になるので、淡水魚を飼育する場合よりも、飼育器具にかかる費用は高くなるのが一般的です。
維持費について
淡水魚と海水魚の飼育で大きく違う点に飼育水があります。淡水魚はカルキ抜きをきちんとしさえすれば水道水で飼育でき、カルキ抜きの方法も添加剤を用いる以外に汲み置きなどの方法があるので、飼育水にかかる値段は水道代のみに抑えることも可能です。
一方で、当然ながら海水魚の飼育には海水が必要です。中には海から海水を汲んできて利用できる環境にある方もいるかもしれませんが、「人工海水の素」を購入して使用するのが一般的です。
人工海水はそれほど高価なものではありませんが、1年2年と維持することを考えると淡水魚の飼育よりも飼育水にかかる費用は高額になってしまいます。
そこで、カルキ抜き効果のある人工海水がおすすめです。カルキ抜き剤の費用を削減できるからです。
飼育費用全体からするとわずかなものですが、節約になります。
ちなみに、水道水に食塩を溶かした塩水(しおみず)と海水は全くの別物です。塩水では海水魚の飼育はできないのでご注意ください。
淡水魚と海水魚の飼育難易度における違い
水質の観点からの難易度
飼育難易度についてですが、淡水魚の方が総じて容易と言えます。淡水魚が生息している環境は、もともと季節によって水温や水質が変化するので、環境の変化への耐性が強い魚種が多いからです。
一方で、海水魚が生息している海は年間を通して環境がほぼ一定なので、海水魚は環境の変化に弱い魚種が多いです。また、海水の性質も飼育の難易度を上げる一因となっています。
海水は塩類が豊富に溶存しているため、淡水と比較すると酸素が溶け込みにくく、水質の安定化に欠かせない好気性バクテリアの活動が抑制される傾向にあるためです。
そのため、水槽の立ち上げも淡水水槽と比較すると手間と時間がかかり、立ち上げ後も溶存酸素量を確保するためにエアレーションなどに気を配らねばなりません。
水温の観点からの難易度
夏と冬で気温に大きな差がある日本では水温の管理も重要です。淡水魚の場合、特に日本産などの温帯魚はヒーターなしでも越冬が可能な種類もいます。しかし、海水魚の場合は夏は水槽用クーラーを、冬はヒーターを用意して年間を通して水温を一定に保たなければなりません。
高温と低温の両方に弱く、特に海水が高温になると溶存酸素量がさらに低下するので、淡水魚よりもやや高度な水温管理術が求められます。
とはいえ、慣れてしまえば普通に管理できますし、飼育する魚の匹数を抑えれば、飼育の難易度は下がっていきます。
メンテナンスの観点からの難易度
観賞魚の飼育におけるメンテナンスの内容としては、水換えや水槽とフィルターなどの周辺機器の掃除、底砂やレイアウトに使用している石などの洗浄があります。これらの作業は淡水魚と海水魚の両方に共通する作業です。
水換えなどの頻度に関しては飼育環境に大きく左右されるので、頻度の高低については一概には言えません。環境次第で、海水魚よりも水換えの頻度が高くなる淡水魚もいますし、その逆もあり得ます。しかし、海水魚は水換えや掃除などの作業以外のメンテナンスも求められ、その一つが「足し水」です。
海水が蒸発すると塩分濃度が高くなり、一定以上に濃くなると海水魚に悪影響を与えてしまいます。それを防ぐために、水槽の水位を定期的にチェックして水位が下がっているようでしたら、真水を追加して元の水位に戻さねばなりません。
また、エアレーションやフィルターの排水ではねた水が乾燥すると、塩類が析出して「塩ダレ」が発生し見た目が悪くなってしまいます。海水を使用しているからこそ生じる問題もあるので、海水魚の飼育には淡水魚よりもメンテナンスに手間がかかると言えます。
水漏れは適宜、対処していきましょう。
まとめ:淡水魚と海水魚はどちらが簡単なのか?値段や飼育難易度の違いとは?
海水魚の飼育の方が一般的に費用面でも高額になる傾向にあります。しかし、水質・水温の目標値が明らかなので、管理に慣れてしまえば容易に管理することが可能です。
海水魚においても入門種と言える安価で丈夫な魚種はいますし、確立されている飼育法をきちんと実践すれば初心者でも十分に長期維持できます。
ただ、淡水魚の方が全体的に費用も安く、難易度も低いことは事実なので、手軽にアクアリウムを楽しみたい方や経験を積みたい方は、まずは淡水魚の飼育から始めてみてはいかがでしょうか。
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