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日本では古くから観賞魚として親しまれている、金魚と鯉。どちらも紅白の鮮やかな体色に流線型の体と特徴が似ているため、大きさが違う同じ種類の魚だと考えている方も多いのではないでしょうか。
確かに金魚と鯉は似ている部分もありますが、実は種別としては全く別の魚であり、歩んできた歴史も異なります。
適切な環境も異なるため飼育をするときは同一視せずに、それぞれに合った環境を用意してあげるのが良いでしょう。
今回は、金魚と鯉の違いや飼育方法、混泳の可否などについて解説します。
日本らしいお魚をお探しの方は、ぜひご覧になってみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに金魚と鯉の違いや飼育方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
金魚と鯉は、どちらも紅白模様が鮮やかな美しい観賞魚です。
日本の気候に良く馴染んでいて飼育がしやすい一方、細かい生態は異なる部分も多いので、それぞれの特徴を確認して適した方法で飼育をしましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚と鯉の違いや飼育方法を解説します。
金魚と鯉の違いとは
どことなく似た雰囲気を持つ金魚と鯉は、どちらも草食性の強い観賞魚です。
比較的幅広い水質や水温に適応できて、丈夫なため、日本では飼育がしやすい魚として親しまれています。
このような共通点がある一方、生態には違いも多いです。
ここでは、金魚と鯉の歴史や特徴から、両者の違いを解説します。
金魚はフナの改良品種
金魚は突然変異で出現した赤色のフナを選別・固定化した改良品種で、野生には存在しない魚です。
約500年ほど前に中国から渡ってきたと考えられており、その後、観賞魚として日本でも定着して長い間親しまれてきました。
元々のフナの性質から変異しやすいという特性があり、様々な体型、体色を持った品種が作出されています。
原種のフナに一番近い流線型の和金タイプや、丸い体をした琉金タイプ、背びれがないランチュウタイプなど、体型にかなりバリエーションがあるほか、尾びれの形状も三つ尾や四つ尾、蝶尾と種類が豊富。
最大体長も品種によって10cm~30cmまでとばらつきがありますが、基本的には室内の水槽で飼育するのが一般的です。
鯉は古来より日本に分布する野生種
一方鯉は、元から日本の湖や池に生息していたコイ科の淡水魚であるという説が有力です。
鯉の記述が登場する最も古い文献は日本書紀(西暦720年)で、その頃には生活に根付いたポピュラーな魚であったようです。
昔は手ごろな動物性たんぱく質として食されていたほか、鑑賞面でも原種の真鯉や突然変異種の緋鯉、色無地鯉などを池で飼育して楽しむ文化があったと考えられています。
そんな鯉の観賞魚としての価値を高めたのが錦鯉の登場です。
錦鯉は江戸時代に現在の新潟県で真鯉の突然変異種を養殖したのが始まりとされており、大正時代に博覧会に出品されたのをきっかけに、全国にその美しさが広まりました。
現在では多色を掛け合わせた見応えのある品種が数多く作出されており、海外でも品種改良が行われるほどの人気を獲得しています。
金魚と鯉の品種・飼育方法
続いては金魚と鯉の代表的な品種と、飼育方法や飼育環境から違いを見ていきましょう。
金魚の代表的な品種
品種改良が盛んな金魚は、現在でも様々な特徴を持った品種が作出されています。
今回は、丈夫で鯉と相性が良い代表的な品種を4つご紹介します。
和金
金魚すくいなどでも見かけることが多い、最もポピュラーな品種です。
赤一色のシンプルなものから、紅白のまだら模様が美しい更紗和金、赤白黒の三色が混ざる三色和金など体色にはバリエーションがあります。
中には尾びれが三つ尾や四つ尾に改良された華やかな個体もいますが、鯉と混泳させるならば泳ぎの早いフナ尾が最適です。
コメット
アメリカで作出された、長い吹き流しの尾が特徴の金魚です。
和金タイプの中でも泳ぎが早く丈夫で大きく育ちやすいので、鯉ともしっかり渡り合えるでしょう。
基本は紅白模様ですが、全身が真っ黒なブラックコメットや黄色みが強いイエローコメットなどの変わり種も流通しています。
朱文金
キャリコ出目金と和金を掛け合わせて作出された朱文金は、赤白黒のまだら模様が目を引く華やかな金魚です。
細長く伸長する吹き流しの尾を揺らして泳ぐ姿はとても優雅。こちらも和金タイプなので、泳ぎが得意で餌もしっかり食べてくれるでしょう。
玉サバ
琉金に近いずんぐりとした丸い体型にフナ尾を持つ金魚です。
最大体長が30cmを超えることもある大型種で、琉金タイプではありますが泳ぎが早くしっかりしています。
体色や模様のバリエーションが豊富なので、お好みの個体を探すのも楽しいです。
金魚:室内の60cm水槽で飼育するのがおすすめ
金魚は、室内の60cm以上の大きさの水槽で飼育するのがおすすめです。
金魚鉢などの小さな容器や屋外でも飼育することは可能ですが、
- 大食漢で水を汚しやすい
- 酸素を多く必要とする
- 低水温では消化不良を起こしやすい
といった特徴から、水温が安定していてメンテナンスがしやすい室内水槽の方が健康に飼育できます。
ろ過フィルターは、投げ込み式や外掛け式、上部式などの酸素供給量が多いものが良いでしょう。無加温でも飼育はできますが、水温が15℃を下回るような時は水槽用ヒーターで保温をすると消化不良を予防できます。
また、先ほども触れた通り金魚は品種によって体型の違いが大きいです。中でもピンポンパールや水泡眼のような特殊な体型の金魚は、繊細な飼育が求められることもありますので、品種に合わせた飼育を心がけましょう。
鯉の代表的な品種
鯉の品種は体色や模様の出方で区別されています。
今回は中でも代表的な品種を3種ご紹介します。
紅白
白地に赤の班模様が入る、錦鯉の中で最も定番の品種です。
シンプルな配色ながら、班の入り方で一匹一匹違った魅力を感じられる深みがあります。
丈夫で飼育もしやすいので、鯉の入門種としてもおすすめです。
大正三色、昭和三色
赤白黒の三色模様が特徴の人気種です。
色の配分で呼び方が変わり、紅白メインの体色に黒が少し入る程度だと大正三色、黒と赤が多く白が少ないと昭和三色として区分されます。
基本的には丈夫ですが、やや繊細な面があるので池や大きな水槽で飼育してあげると安定しやすいでしょう。
銀鱗紅白
紅白の体色に銀色に輝く鱗が乗った、ゴージャスな個体です。
光の加減で鱗の輝きが変わって、様々な表情を見せてくれます。
この鱗の美しさはしっかり照明を管理していたほうが堪能しやすいので、室内水槽向けの品種となります。
鯉:屋外飼育か大型水槽での飼育がおすすめ
鯉本来のゆったりとした泳ぎを鑑賞したいならば、やはり屋外に池やトロ舟を設置して広々とした環境で飼育するのが一番です。
大きく育つイメージがありますが、実は飼育容器の大きさに合わせて成長するという特性があるため、自宅に設置できる程度の大きさの容器でも終生飼育できます。
鯉はとても丈夫で水質や水温の変化にもある程度適応できるので、あまり神経質になる必要はありませんが、夏場は高水温になると酸欠を起こしやすくなるため、日よけを付けるなど水温を上げない対策をしましょう。
また、最近は鯉を室内水槽で飼育する方も増えています。
室内で飼育する場合は60cm以上の水槽を用意し、パワーが強めのろ過フィルターで水質を維持するのがおすすめです。
金魚と鯉の混泳について
金魚と鯉には和の雰囲気が感じられる共通した美しさがあるため、一緒に飼育したらより見応えのある水槽になるのではないか、と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、ここでは金魚と鯉の混泳についてお話していきます。
和金タイプと鯉は一緒に飼育できる!
結論からいうと、金魚と鯉を一緒に飼育することは可能です。
ただし、安定して混泳できるのは金魚の中でも特に遊泳力が高くて体が大きくなりやすい和金タイプの、和金やコメット朱文金といった一部の品種に限られます。
これには、金魚と鯉の遊泳力や体格の差が関係しています。
遊泳力や体格に差がついてしまうと、小さな金魚がいじめられたり餌を食べられなくなってしまったりして、弱ってしまう可能性があるのです。
そのため、ヒレが長くて泳ぎが苦手な琉金タイプや小さくて繊細なピンポンパールといった品種は、混泳を避けたほうが良いでしょう。
好む水質や水温に大きな差はないので、体格の問題がクリアできれば比較的混泳は成功させやすいです。
長く混泳を楽しむなら水槽飼育がおすすめ
先程もお話した通り、鯉は飼育容器の大きさに合わせて成長するため、水槽で小さいまま育成した方が金魚と長く混泳できます。
ただ、固体によっては水槽内でもぐんぐん成長してしまうことがあるため、絶対に大丈夫とは言い切れません。
混泳を始めた後も金魚との体格差をよく確認し、鯉が優勢になるようであれば水槽を分けるなどの対策を取れるよう、準備をしておくことが大切です。
まとめ:金魚と鯉は何が違うの?生態・飼い方の違いから混泳まで解説します
今回は、歴史や生態、飼育方法から見る金魚と鯉の違いについて解説しました。
古くから日本の観賞魚として品種改良が繰り返されてきた金魚と鯉ですが、両者はそれぞれ違った経歴経て現在の姿を獲得しました。
一方で好む水質や環境には共通点も多く、品種や飼育容器を選べば混泳することもできます。
金魚は可愛らしく華やか、鯉はユニークなヒゲ面と大きく豪奢な姿と、どちらも素敵な魅力を持つ美しい魚達です。
水槽に和の雰囲気を採り入れたいときは、ぜひ金魚や鯉を飼育してみてください。
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