モクズガニとは!特徴から入手方法、飼い方、餌、繁殖、混泳について
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モクズガニは、毛の生えた大きなハサミを特徴とする淡水カニで、日本全国をはじめとするアジア地域に広く分布しています。
川から海へと移動するユニークな生態で知られており、アクアリウムでの飼育対象としてだけでなく、昔から食用としても親しまれています。
ここでは、モクズガニの特徴から、飼い方、食性、そして混泳について詳しく解説します。
モクズガニについて学び、その魅力を深く理解する一助として頂ければ幸いです。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにモクズガニについて解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
モクズガニは食材としてもポピュラーなカニで、産地の鮮魚売り場などで目にすることもあるでしょう。
水槽でも飼育でき、毛の生えたハサミの質感や、餌を食べる様子などが可愛らしいです。
このコラムでは、実務経験から得た知識をもとに、モクズガニの特徴や、飼育に必要な設備などを解説します。
モクズガニとは
モクズガニは毛の生えた大きなハサミが特徴的な淡水のカニです。
日本全国に生息しており、地方によって呼び名が異なります。
体色は黒褐色で、腹部はクリーム色です。成体は甲幅が最大で7~8cm程度に達し、その名前の通り、ハサミが毛に覆われている様子が手袋に見えることから英語では「ミトンクラブ(mitten crab)」と呼ばれます。日本に住む淡水カニのなかでは迫力あるサイズと言えるでしょう。
この毛があることで、滑りやすい獲物をしっかりとつかむことができ餌を捕獲する際などに役立ちます。
寿命は、一般的には約3~5年とされています。繁殖を終えると寿命を迎えることが多いです。
モクズガニは純粋な淡水カニではなく、淡水と海水の両方で生息します。日本のほか、中国や韓国でも見られ、幼生時期は海で過ごし、成長すると川に遡上します。
そして繁殖の際には海に戻っていく回遊性を持ってるユニークなカニと言えます。
そのため、優れた浸透圧調整能力を持っており、海水でも淡水でも生息できる希少な存在です。
純粋な淡水生である『サワガニ』とは違った性質を持ちますが、淡水のアクアリウムでも飼育可能なことから、ジワリと人気のある生き物です。
余談ですが、モクズガニは日本などでは昔から食用とされており、食用カニとして有名な『シャンハイガニ』とも同属です。
モクズガニには呼び名がたくさんある!
モクズガニは全国に生息しており、古くから身近なカニとして知られているため、地方によってさまざまな呼び名があります。
中でも印象深い呼び名は以下の通りです。
- ズガニ:伊豆地方
- ヤマタロウ:宮崎県
- ツガニ:関西地方(四万十川や仁淀川など)
- ヒゲガニ:徳島県
- モクゾウガニ:千葉県
基本的に河川に住んでいるのと毛の生えたハサミが由来となっているような呼び名が多いです。
モクズガニの入手方法
モクズガニはアクアリウムショップや通販で購入するほか、川で採集することもできます。
しかし、攻撃性と警戒心が強いカニなので、なかなか姿を見つけることが難しく、採集難易度も高めです。
野生で採集できたらラッキーぐらいに考え、確実に入手する場合は購入するのが手っ取り早いでしょう。
ちなみに、食材として生きたまま販売されていることもあります。
モクズガニの飼い方
モクズガニは淡水と海水の両方で生息できるため、自宅の水槽でも飼育が可能です。
体長約7cmほどなので、45cmほどの水槽サイズで飼育する方が多いです。
ろ過フィルターは底面式フィルターが最適です。
モクズガニの水槽は水深20cm~25cmほどと浅めにすることが多いため、底面から水を吸い上げる底面式フィルターが向いています。
カメ用のフィルターでも代用可能ですが、レイアウトにこだわった水槽を作る場合も底面式がおすすめです。
それに合わせて、底砂は吸い込まれず、耐久性もある『大磯砂』や『金魚の底砂利』を使用しましょう。
活発に動き回るので、流木や岩などでシェルターとなるような隠れ家も設けてあげましょう。
モクズガニは15~25℃程度の水温を好みます。
そのため、寒い季節は水槽用ヒーターを水中に設置してやりましょう。
また、脱走の名人なので必ず金網などのフタを閉めることが大切です。
飼育水槽はガラス製がベスト
モクズガニに限らず、甲殻類は鋭いハサミを持っているため、傷がつきにくいガラス製の水槽で飼育するのがベストです。
寿命が3~5年なので、水槽本体の耐久性を考慮しても、やはりガラス製が良いでしょう。
どんな水槽レイアウトに仕上げるのか、イメージによって水槽を選んでよいですが、フレーム付き水槽が最も安価で耐久性が強く、フレームによって金網も設置できるのでおすすめです。
モクズガニの食性と餌
モクズガニは雑食性で、野生では植物性の食物やデトリタス(有機物質の死骸や落ち葉など)のほか、小魚、他の甲殻類やカワニナなどの貝類などを食べます。
しかし飼育下ではそうした活餌でなくても、ザリガニやエビ用の人工飼料で飼育可能です。
また、冷凍赤虫も好んで食べますので、たまにおやつとして与えても良いでしょう。沈降性の魚用の餌も普通に食べます。
ただし、甲殻類であるため、カルシウムなどが豊富な餌を与えることが大切です。
また、モクズガニは大食漢なので、飼育水が汚れやすいです。必要に応じて水換えを行いながら清潔な飼育環境を維持していきましょう。
モクズガニの繁殖について
モクズガニは前述の通りに海水域まで移動して繁殖するため、飼育下では繁殖しません。
淡水域では幼生が成長することができないからです。
同じくアクアリウムで飼育できるけれど、繁殖に海水が必要な生き物として『ヤマトヌマエビ』がいますが、ヤマトヌマエビは淡水域で繁殖して幼生が海で育ち、再び川を遡ります。
モクズガニはそれに対して、海水で育ち、繁殖のためにまた海へ行くという「降河回遊」という生態を持っています。
そのため、モクズガニのほうがより海と密接な関係であると言えるでしょう。
モクズガニの混泳について
モクズガニは強い雑食性と大きなハサミによる攻撃性があるので、単独・単種飼育が基本です。
モクズガニ同士で混泳する場合も、流木などで隠れ家を十分に作りましょう。
それでもケンカが起こることもあるので、やはり単独飼育が理想的です。
まとめ:モクズガニとは!特徴から入手方法、飼い方、餌、繁殖、混泳について
モクズガニは淡水と海水の両方で生息する独特なカニで、日本全国の川で見ることができる、大きな毛の生えたハサミが特徴の可愛らしいカニです。
モクズガニの飼い方の要点は以下の通りです。
- モクズガニは底面式フィルターがある45cmくらいの水槽で飼うのが良い。
- 水温は15~25℃程度が好ましいです。寒い季節は水槽用ヒーターを設置してください。
- 餌は雑食性で、ザリガニやエビ用の人工飼料、冷凍赤虫などを食べます。カルシウムなどが豊富な餌を与えることが大切です。
- モクズガニは脱走の名人なので、金網などのフタで必ず閉じるようにしてください。
- 飼育下では繁殖は難しく、基本的には単独・単種飼育が推奨されます。
モクズガニの飼い方には特に注意が必要な部分もありますが、適切なケアをすることで、3~5年ほど飼うことができます。
淡水のアクアリウムで少し異なった生き物を飼いたい方には、モクズガニは良い選択肢となるでしょう。
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